図解
※記事などの内容は2016年5月4日掲載時のものです
鉄鋼市場の冷え込みが長期化している。過剰な生産能力を抱える中国が、アジアを中心に安値の輸出攻勢をかけている影響で、日本からの輸出は頭打ちの状態。国内需要も勢いを欠き、業界関係者は2020年の東京五輪・パラリンピックに関連した都市開発の特需を待ち望んでいる。
日本の粗鋼生産量は今年3月まで前年同月比で19カ月連続マイナスと、低迷は戦後2番目の長さに並んだ。鉄鋼輸出量も2015年度は前年度比2.0%減の4145万トンと3年連続のマイナス。新興国の景気減速に加え、年4億トンもの過剰生産能力を抱える中国が高水準の鉄鋼輸出を続けているため、世界的な「鉄余り」が起きている。
中国政府は今年1月に粗鋼生産能力の削減に着手する方針を決定した。しかし、中国からの3月の鋼材輸出量は前年同月比3割増の998万トンと衰える気配がなく、「効果が出るまでには数年単位の時間がかかる」(日本鉄鋼連盟の幹部)との見方が出ている。
国内の鋼材需要も、4~6月期は前年同期比2.5%減の1504万トンにとどまると経済産業省は予想する。産業機械などの製造業向けや、住宅・店舗といった建設向けの不振が響く。
経産省は「内需は4~6月期が底で、夏場からは改善していく」(鉄鋼課)と見通す。根拠として挙げるのが、東京五輪の競技場や宿舎といった関連施設整備の本格化だ。ただ、熊本地震では自動車などの生産活動が打撃を受けており、内需の回復が遅れる懸念も浮上している。
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