〔NY石油〕WTI反発、70.60ドル=週間では1.64%高(27日)
【ニューヨーク時事】週末27日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米原油需給の引き締まり観測や中国の景気刺激策への期待を背景に買われ、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比0.98ドル(1.41%)高の1バレル=70.60ドルだった。週間では1.14ドル(1.64%)上伸。3月物は0.95ドル高の70.18ドルだった。
世界最大の石油輸入国である中国の景気先行きに対する楽観的な見方が広がる中、原油買いが先行。ロイター通信が24日、関係者の話として伝えたところによると、中国当局は消費促進や技術改革の支援のため、過去最大規模となる3兆元(約64兆7000億円)相当の特別国債を2025に年発行する計画という。景気対策の強化がエネルギー需要の回復を促すとの期待が広がっている。
相場は中盤に利食い売りが出たが、終日プラス圏を維持。米原油在庫の急減も買い地合いを支えた。米エネルギー情報局(EIA)が27日午後発表した週報によると、20日までの1週間の米原油在庫は420万バレル減と、市場予想(190万バレル減=ロイター通信調査)を大きく上回る取り崩し。ディスティレート(留出油)在庫は170万バレル減と、減少幅は予想(30万バレル減)の5倍超となった。ガソリン在庫は110万バレル減の予想に反して、160万バレルの積み増し。これを受けて、原油と留出油の需給引き締まり観測が台頭した。クリスマス休暇に伴い、週報公表は通常より2日ずれ込んだ。
▽ガソリン=反発。中心限月1月物の清算値は1.24セント高の1ガロン=195.82セント。
▽ヒーティングオイル=6営業日ぶりに反発した。1月物の清算値は3.95セント高の1ガロン=224.48セント。(2024/12/28-06:02)