図解
※記事などの内容は2018年8月16日掲載時のものです
財務省が16日発表した7月の貿易統計速報では、米国に対する貿易黒字が縮小した。ただトランプ政権が追加関税の脅しをかけている自動車の輸出減少は一時的要因が大きい。日米両政府の閣僚級による新たな貿易協議(FFR)の2回目会合を来月に控え、火種は残ったままだ。
対米黒字は前年同月比22.1%減の5027億円だった。原油高などの影響で輸入額が11.0%増えた一方、輸出額は5.2%減った。
対米輸出額の3割を占める自動車は12.1%減の3709億円。米国経済が好調で自動車の売り上げが好調だった前年の反動が出たとみられる。
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは、西日本豪雨などの影響で生産できなかったことによる供給制約の影響が強いと指摘。「長い目でみれば輸出は増えている」と分析する。また減ったとはいえ、自動車の対米輸出額は1~6月平均を上回り、「急激に減少しているという状況ではない」(同省)。摩擦解消は期待薄だ。
今月上旬のFFR初会合で、日米は自動車関税などの問題で折り合えず、決着を次回以降に持ち越した。麻生太郎財務相はFFRについて「流れとしては悪くない」と評価するが、自動車輸出が再び拡大に転じるようだと、対日圧力が強まる可能性がある。
新着
オリジナル記事
(旬の話題や読み物)