図解
※記事などの内容は2019年4月17日掲載時のものです
財務省が17日発表した2018年度の貿易統計速報(通関ベース)によると、日本の対米国収支の黒字は前年度比6.7%減の6兆5260億円だった。黒字額の減少は2年ぶり。貿易赤字削減を掲げる米国と日本の新たな協定交渉は、農産品、自動車を含む物品の関税撤廃・削減の協議に着手。トランプ米大統領が不均衡是正へ日本製自動車の輸入数量制限など強硬手段に訴えた場合、輸出依存度の高い日本経済に打撃となる恐れがある。
18年度に対米黒字が縮小したのは、金額の大きい航空機や原油高を中心に輸入額が11.2%増と膨らんだため。これに対し、輸出額は、米国での販売不振などで主力の自動車が4年ぶりに減少したことを受けて、2.9%増にとどまった。
18年度の全世界に対する貿易収支は、米中両国の貿易摩擦のあおりを受けた中国向け輸出の減少などが響き、3年ぶりの赤字に転落。縮小したとはいえ対米黒字が国別で最大であることに変わりはなく、今月下旬の日米首脳会談を控え、茂木敏充経済再生担当相と交渉を続けるライトハイザー通商代表部(USTR)代表が一層の赤字削減を目指し、物品に加えて金融・サービス分野に交渉範囲を広げるよう求める可能性もある。
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