図解
※記事などの内容は2020年5月3日掲載時のものです
新型コロナウイルスの感染拡大により資金繰りや財務が悪化する中小企業が相次ぐ中、後継者を見つけられず廃業に追い込まれるケースが出ている。政府は2020年度補正予算に事業承継の支援策として100億円を計上。廃業の抑制を図りたい考えだ。
東京商工リサーチによると、新型コロナに関連した経営破綻は4月に急増し、同月27日時点で100件に達した。20日には東京・銀座の歌舞伎座前の老舗弁当店「木挽町辨松」が、後継者がいないことなどを理由に廃業し、歌舞伎役者やファンの間に波紋が広がった。19年に約4万3000件だった中小の休廃業件数は今年、増加するとみられる。
国内雇用の7割を占める中小企業の経営者や個人事業者の多くが後継者不足に頭を悩ませる中、コロナ拡大がこの問題を一段と深刻化させている。宿泊・飲食業を中心に需要回復が見通せないだけに、事業を引き継いでくれる人が見つかりにくくなっているためだ。
政府は補正予算で事業承継の仲介手数料などに対応した補助金を新設。官民が出資する支援ファンドも創設する。
後継者が見つからない場合でも、企業の合併・買収(M&A)は事業を存続させる有効な手段となる。中小企業庁は3月、中小企業向けにM&A契約の具体例や仲介手数料の目安をまとめた指針を策定。「ハゲタカのイメージが強いM&Aに対する不安を払拭(ふっしょく)したい」(幹部)としており、M&Aによる廃業回避を進める方針だ。
●中小企業の休廃業件数
●小規模事業者の月次売上指数
●日本政策金融公庫の融資状況
●日本経済を支える中小企業
●新型コロナに苦しむ中小企業
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