はてなキーワード: まさかとは
妹が高1、私が高3のときから私たちは家庭の事情で別居していたが、現在は妹と一時的に一緒に生活をしている。(親の離婚とかではなく、姉妹の進学タイミングで父の海外転勤についていく方とそうじゃない方に分かれていただけ)
離れて暮らすまでは喧嘩が多かった(週に2回、喧嘩した日は一切口をきかない)。妹が発端のことが多いけれど、喧嘩を苛烈にするのは大体私のせいな気がする。
例えば、妹は、自分だけご飯の量が少ないと感じだとか、話をちゃんと聞いてくれなかった、みたいな些細なことで直ぐに機嫌を悪くする。
私はといえば、些細なことなのに毎度機嫌を悪くされると腹が立つので、妹を口汚く罵って、それが喧嘩を悪化させていた気がする。
口汚く罵るとき、私は決まって妹に「ブス!」とか「キモい!」とかを言っていた。こんな風な汚い言葉遣いをするのは家族で私だけ。私がどんなに酷いことを言っても、妹は私にそんな風な言葉を浴びせたことはなかった。(言い訳でしかないが、中高時代に所属していた部活の人たちが、キモい!ブス!を平気で使う人達だった。私自身、そう言われ続ける度に感覚が麻痺してイライラすると平気でそんな言葉を使うようになってしまった)
二人で出掛けることも多かったし、仲が悪いだけではなかったけれど、喧嘩は本当にひどいものだったと思う(お互いに叫んで泣くのでお隣さんから苦情が来たこともあった)。
喧嘩ばかりしていたものの、離れて暮らすようになってからはそれがほとんど無くなった。そもそも一緒に暮らしていないのもあるけれど、半年に一度の頻度で2-3週間暮らす分にはほとんど喧嘩をしないで済むようになった。だから私は妹との関係は改善したと思っていた。
ここからが本題。
昨日、久しぶりに妹と喧嘩をした。妹が出先から帰ってくるタイミングでご飯を用意してあげなかったのが気に入らなかった様子で、妹がイライラしていたので腹を立ててしまい、最終的には「(妹の態度が)マジでキモい!」と口汚く罵ってしまった。
喧嘩した後はお互い口を聞くことなく寝てしまったし、今朝は起きるタイミングが合わなかったのでずっと会話がなかった。
先ほど、妹が単発バイトから泣いて帰ってきた。お菓子を売るバイトで、マスクのズレが気になったので直してから商品をお客さんに渡したところ、「マスク触った手でキモい!商品変えろ!」と言われたらしい。
父が話を聞くと、「『キモい』と言われたのがショックで悲しい」、「お姉ちゃんにいつも言われていたからフラッシュバックした。昨日も言われた」と続けた。
ところで、妹は数年前に100万円ほどかけて顔を整形した。離れて暮らすようになってから毎日のように整形したいと言っていたらしく、それにうんざりしていた親が全額出資してくれたらしい。
親の金で整形なんて勝手な奴だな〜と思っていたのだが、少しだけ引っ掛かることがあった。妹が整形した箇所は、私が妹と喧嘩する度に口汚く罵っていたパーツだった。まさかあの時の私の言葉のせいで?とはうっすら思ったけれど、あまり深く考えないでいた。
ずっとうっすら思っていたことが今日確信に変わった。私が妹にかけ続けた汚い、心無い言葉がずっと妹を苦しめていた。整形をさせてしまうくらいに苦しめていた。バイト先で言われた意地悪を家に帰っても反芻してしまうくらいに傷つけていた。
妹は外に出る時よくマスクをつける。メイクをすると、「化け物みたいじゃないかな?キモくないかな?」と私に確認をする。
妹が高1、私が高3のときから私たちは家庭の事情で別居していたが、現在は妹と一時的に一緒に生活をしている。(親の離婚とかではなく、姉妹の進学タイミングで父の海外転勤についていく方とそうじゃない方に分かれていただけ)
離れて暮らすまでは喧嘩が多かった(週に2回、喧嘩した日は一切口をきかない)。妹が発端のことが多いけれど、喧嘩を苛烈にするのは大体私のせいな気がする。
例えば、妹は、自分だけご飯の量が少ないと感じだとか、話をちゃんと聞いてくれなかった、みたいな些細なことで直ぐに機嫌を悪くする。
私はといえば、些細なことなのに毎度機嫌を悪くされると腹が立つので、妹を口汚く罵って、それが喧嘩を悪化させていた気がする。
口汚く罵るとき、私は決まって妹に「ブス!」とか「キモい!」とかを言っていた。こんな風な汚い言葉遣いをするのは家族で私だけ。私がどんなに酷いことを言っても、妹は私にそんな風な言葉を浴びせたことはなかった。(言い訳でしかないが、中高時代に所属していた部活の人たちが、キモい!ブス!を平気で使う人達だった。私自身、そう言われ続ける度に感覚が麻痺してイライラすると平気でそんな言葉を使うようになってしまった)
二人で出掛けることも多かったし、仲が悪いだけではなかったけれど、喧嘩は本当にひどいものだったと思う(お互いに叫んで泣くのでお隣さんから苦情が来たこともあった)。
喧嘩ばかりしていたものの、離れて暮らすようになってからはそれがほとんど無くなった。そもそも一緒に暮らしていないのもあるけれど、半年に一度の頻度で2-3週間暮らす分にはほとんど喧嘩をしないで済むようになった。だから私は妹との関係は改善したと思っていた。
ここからが本題。
昨日、久しぶりに妹と喧嘩をした。妹が出先から帰ってくるタイミングでご飯を用意してあげなかったのが気に入らなかった様子で、妹がイライラしていたので腹を立ててしまい、最終的には「(妹の態度が)マジでキモい!」と口汚く罵ってしまった。
喧嘩した後はお互い口を聞くことなく寝てしまったし、今朝は起きるタイミングが合わなかったのでずっと会話がなかった。
先ほど、妹が単発バイトから泣いて帰ってきた。お菓子を売るバイトで、マスクのズレが気になったので直してから商品をお客さんに渡したところ、「マスク触った手でキモい!商品変えろ!」と言われたらしい。
父が話を聞くと、「『キモい』と言われたのがショックで悲しい」、「お姉ちゃんにいつも言われていたからフラッシュバックした。昨日も言われた」と続けた。
ところで、妹は数年前に100万円ほどかけて顔を整形した。離れて暮らすようになってから毎日のように整形したいと言っていたらしく、それにうんざりしていた親が全額出資してくれたらしい。
親の金で整形なんて勝手な奴だな〜と思っていたのだが、少しだけ引っ掛かることがあった。妹が整形した箇所は、私が妹と喧嘩する度に口汚く罵っていたパーツだった。まさかあの時の私の言葉のせいで?とはうっすら思ったけれど、あまり深く考えないでいた。
ずっとうっすら思っていたことが今日確信に変わった。私が妹にかけ続けた汚い、心無い言葉がずっと妹を苦しめていた。整形をさせてしまうくらいに苦しめていた。バイト先で言われた意地悪を家に帰っても反芻してしまうくらいに傷つけていた。
妹は外に出る時よくマスクをつける。メイクをすると、「化け物みたいじゃないかな?キモくないかな?」と私に確認をする。
妹が高1、私が高3のときから私たちは家庭の事情で別居していたが、現在は妹と一時的に一緒に生活をしている。(親の離婚とかではなく、姉妹の進学タイミングで父の海外転勤についていく方とそうじゃない方に分かれていただけ)
離れて暮らすまでは喧嘩が多かった(週に2回、喧嘩した日は一切口をきかない)。妹が発端のことが多いけれど、喧嘩を苛烈にするのは大体私のせいな気がする。
例えば、妹は、自分だけご飯の量が少ないと感じだとか、話をちゃんと聞いてくれなかった、みたいな些細なことで直ぐに機嫌を悪くする。
私はといえば、些細なことなのに毎度機嫌を悪くされると腹が立つので、妹を口汚く罵って、それが喧嘩を悪化させていた気がする。
口汚く罵るとき、私は決まって妹に「ブス!」とか「キモい!」とかを言っていた。こんな風な汚い言葉遣いをするのは家族で私だけ。私がどんなに酷いことを言っても、妹は私にそんな風な言葉を浴びせたことはなかった。(言い訳でしかないが、中高時代に所属していた部活の人たちが、キモい!ブス!を平気で使う人達だった。私自身、そう言われ続ける度に感覚が麻痺してイライラすると平気でそんな言葉を使うようになってしまった)
二人で出掛けることも多かったし、仲が悪いだけではなかったけれど、喧嘩は本当にひどいものだったと思う(お互いに叫んで泣くのでお隣さんから苦情が来たこともあった)。
喧嘩ばかりしていたものの、離れて暮らすようになってからはそれがほとんど無くなった。そもそも一緒に暮らしていないのもあるけれど、半年に一度の頻度で2-3週間暮らす分にはほとんど喧嘩をしないで済むようになった。だから私は妹との関係は改善したと思っていた。
ここからが本題。
昨日、久しぶりに妹と喧嘩をした。妹が出先から帰ってくるタイミングでご飯を用意してあげなかったのが気に入らなかった様子で、妹がイライラしていたので腹を立ててしまい、最終的には「(妹の態度が)マジでキモい!」と口汚く罵ってしまった。
喧嘩した後はお互い口を聞くことなく寝てしまったし、今朝は起きるタイミングが合わなかったのでずっと会話がなかった。
先ほど、妹が単発バイトから泣いて帰ってきた。お菓子を売るバイトで、マスクのズレが気になったので直してから商品をお客さんに渡したところ、「マスク触った手でキモい!商品変えろ!」と言われたらしい。
父が話を聞くと、「『キモい』と言われたのがショックで悲しい」、「お姉ちゃんにいつも言われていたからフラッシュバックした。昨日も言われた」と続けた。
ところで、妹は数年前に100万円ほどかけて顔を整形した。離れて暮らすようになってから毎日のように整形したいと言っていたらしく、それにうんざりしていた親が全額出資してくれたらしい。
親の金で整形なんて勝手な奴だな〜と思っていたのだが、少しだけ引っ掛かることがあった。妹が整形した箇所は、私が妹と喧嘩する度に口汚く罵っていたパーツだった。まさかあの時の私の言葉のせいで?とはうっすら思ったけれど、あまり深く考えないでいた。
ずっとうっすら思っていたことが今日確信に変わった。私が妹にかけ続けた汚い、心無い言葉がずっと妹を苦しめていた。整形をさせてしまうくらいに苦しめていた。バイト先で言われた意地悪を家に帰っても反芻してしまうくらいに傷つけていた。
妹は外に出る時よくマスクをつける。メイクをすると、「化け物みたいじゃないかな?キモくないかな?」と私に確認をする。
https://anond.hatelabo.jp/20250125235759
意外と安全運転ができないチンパンジー・ドライバーは多いのだな、と増田とブコメを読んで思った。
制限速度遵守は安全運転の超基本で、元増田の言ってることは基本的に正しいと俺は思う。てか、公道走れば分かると思うが、大抵の車は制限速度くらいで走ってると思うぞ。たまに追い越し車線をすごいスピードで駆け抜ける車があるけど、あれは普通ではない。坂道やアクセルの加減で多少速度がオーバーすることはあるが、それは仕方ない。
遅い車は確かに気になるが、追い抜けばいいだけで迷惑に感じないけどな。歩道を歩くのが遅い人がいるからっていちいちイラつく人っているの? そもそも心の持ちように問題がある。余裕がない状態で運転するな。イライラしてるチンパンジードライバー、お前だよ。
教習所で習ったろ? 睡眠不足や疲れた時に運転を控えるのは当然で、心身に余裕ない状況での運転はNG。イライラしてるお前が悪い。時間がないだって? 時間に余裕ない行動をしてるお前が全て悪い。
教習所で習ったことだが、スピード出して急いで車を追い越しても、到着時間なんて大して変わらんもんだよ。一般道だと赤信号に捕まって結局後続車に追いつかれてる。イラつく奴は「自分のペースで走りたい」だけで、気持ちに余裕がないのよ。
俺も制限速度を守る人間だが、通勤ラッシュ時は周囲の心もスピードも乱れているので、俺みたいな慎重な人間がいるとかえって危ない場面が増える。なので俺は週末のゆったりした時間しか乗らないようにしてる。
危険が予測可能な状況で運転を控える判断は正しい。けど、この気づきの核心は「心もスピードも乱れ」たドライバーが多いということ。そんな状態で運転するチンパンはただのアホで、運転に向いていない。スピードが乱れたチンパンは尚更だ。公道は危ない奴が多いのだ。その気づきが大切だ。カオス状態の公道が危険なのであって、よほど自信がなければ避けるのが正常な判断だ。「そんな状況で運転できるのが普通の運転者」なのではない。危険な場所で運転しないのが正しい判断と思う。
速度の差が危険なので周りに合わせないやつは危険だぞ。
速度の差を危険と感じるのは、車間距離が狭いから。そんな車間で走るから危険を感じるのよ。あなた、せっかちなチンパンね。教習所で車間距離はとれと学んだでしょ? 前方不注意で事故の責任取るのあなたチンパンよ?
車間距離が十分にあれば速度差が危険にはならないんだよね。これは運転してたら理解できる事実。せっかちに前方と距離を詰める車いるけど、追突したら、あんたにオカマ掘った責任あんのよ・・・(^^)
ていうか、周りに合わせろと言ってるけど、あなた自身が自分のペースで走りたいだけでしょう・・・。まさかただの自己中じゃないよな。チンパンは社会性があるとは言え、野生動物だから動物的な行動しかできないんだよな・・・ホント世話焼ける。
でも、慣れない山道を走る場合、どうしてもカーブや交差点で速度は落としてしまうから、スムーズに走る地元の方には迷惑がかかるのは分かる。そういう場合は道を譲ってあげればいい。
世の中色んな人がいるのは社会人なら当然分かることで、運転上手な人もいれば下手な人もいる。公道もそうで、いちいちイラついていたらキリがない。
ブコメも増田もそうで相手に分かるように諭してあげるか、嫌だと思ってもするっと無視すればいい。
ていうか、「周囲に合わせて制限速度を守らないほうが安全運転」と言う奴、それは「赤信号もみんなで渡れば怖くない」状況だ。
安全運転でも何でもなく、周囲が危なっかしい・せっかちなチンパン運転者ばかりなだけで、ある程度状況に合わせないと危険という意味では「危険回避」ではあるのだけど、あくまで危険回避のための例外的状況であって、安全運転とは別物だ。速度超過を安全運転と宣うのは止めてほしい。
ありがとう、そうだよな。
結局午後まで睡眠とスマホの繰り返しで布団から出られなかった。
今は起きてパソコンに向かっているが、体力がない。
これがよくある週末だよ。楽しいことって何だっけ。
スマホもパソコンもゲームもテレビも何が楽しいのかもうわからない。
こうして何か書いていれば一瞬だけ全て忘れられるが、きっとすぐ元どおりだ。
自分ではこの状態から抜け出すのは難しいのではないかと思っている。
――どうしてこんなにも、あの人のことばかり考えてしまうんだろう。
兄である隼人が家の中を歩き回っている姿を見るだけで胸が苦しくなるし、学校の帰り道にちょうど自転車ですれ違えば、それだけでその日一日が特別なものに感じられる。気づかないうちに視線を追いかけてしまっている自分が怖い。でも、それ以上に、そんなふうに兄のことを想ってしまう自分を止められない。
私はここでは名前を明かすことはしない。ただ、自分が高校二年生の女子で、隼人とは三つ離れた妹だということだけ伝えておきたい。昔から仲は良かったと思う。家族は四人で、両親と私、そして隼人。私が小さかった頃、隼人は私の手を引いて近所の公園に連れていってくれた。かくれんぼが大好きな私を喜ばせるために、砂場の囲いをぐるぐる回りながら「もういいかい?」って聞いてくれた顔は今でも覚えている。
いつも優しくて、少し面倒くさがりだけど根は真面目で、おまけにスポーツも得意。小学生の頃は野球チームのエースで、中学生になるとバスケ部に入ってレギュラーをとっていた。成績だって中の上くらいをキープする程度には要領がよくて、なんでも器用にこなせる。私にとっては、そんな兄が小さい頃からの「憧れ」であり、「理想像」でもあった。
でも、いつの間にか「大好きなお兄ちゃん」では収まらない感情を抱くようになった。きっかけは自分でもはっきりとは言えない。中学生になってからかもしれないし、もう少し前からかもしれない。ただ、一緒に暮らしている間に、気づけばその気持ちはどんどん大きくなっていった。人を好きになるという気持ちは、きっと初恋と呼べるものなのだろう。でも相手は血の繋がった兄。しかも、普通に恋愛を楽しんでいる友達を見ると、自分だけがおかしな道に迷い込んでしまっているようで怖くなる。
けれど、やっぱり怖さよりも「好き」という感情のほうが大きい。最近では、学校で友達と他愛のない話をしていても「今頃お兄ちゃんは何をしてるんだろう」なんて考えてしまうし、帰宅するときには少しでも早く顔を見たくて自転車を全速力でこぐ。家に着いてもすぐに部屋に戻るのではなく、リビングやキッチンに隼人の姿がないか探してしまう。ときどき目が合うと嬉しくなって、顔に出ていないかとハラハラする。
そんな私の気持ちには当然ながら家族は気づいていない…と思っていたけれど、最近少しだけ不安になっている。というのも、母が「あなた、隼人が出かけるとソワソワしてるわよね」と冗談めかして笑うことが増えてきたからだ。「兄妹なんだから、そりゃあ多少は気にするよ」と苦笑いを返してはいるものの、内心はドキッとしてしまう。ほんのり頬が熱くなる感覚に気づかれていないかと、こっそり自分の頬を触りながら必死に平静を装う。
隼人自身は、私の気持ちをまるで察していないと思う。いや、察しているのかもしれないけど、まったく気づかないフリをしているだけかもしれない。兄は優しいから、たとえ妹が少しばかり不自然な愛情表現をしても、見て見ぬ振りをしてくれるんだろう。たとえば、帰宅してすぐの隼人に「おかえり!」と元気よく言いながら駆け寄ったり、お風呂上がりにリビングでのんびりしているところを見つけて、隣に座りたがったり。普通の妹だってやるかもしれない行動を、私はちょっと度を越えてやりすぎている気がする。でも隼人は「お前はいつでも元気だな」と笑うだけで、嫌な顔ひとつしない。たぶん、ここまで兄妹仲がいいのは当たり前のことじゃない。分かっているのに、どうしようもなく惹かれてしまう。
そうやって日々を過ごしていたある日、私は衝撃的な光景を目にした。隼人が駅前のカフェで女の人と二人で向かい合っていたのだ。夕方の薄暗くなりかけた時間に、店のガラス越しに見えた二人は楽しそうに話していた。私の視界に入った瞬間、胸がドクンと大きく鳴り、呼吸が一瞬止まった。どうしよう、これを見て見ぬ振りなんてできない――そう思った矢先、ふと兄がその女性に向かって笑顔になった。その顔は、私のことをかわいがってくれるときの表情にどこか似ていた。でも、そのときの兄の目には明らかに“私には向けない感情”の輝きがあった。
その日は家に帰ってからもぼんやりしてしまって、夕食の支度を手伝う母の声がまるで耳に入らなかった。「どうしたの?」という母の問いにも適当に「なんでもない」と答えたまま、失礼だと分かっていつつも上の空で食事を済ませた。部屋に戻ってからはベッドの上で寝転がり、あの瞬間を何度も思い返す。胸の奥がギュッと締め付けられて、泣きそうになる。でも、私にはそんな資格はない。それなのに、悔しくて、そして苦しくて、どうしようもなかった。
少なくとも「ただの友達」や「バイト先の先輩・後輩」というふうには見えなかった。兄があんなにも嬉しそうに、そしてどこか恥ずかしそうに笑うなんて滅多にない。じゃあ、彼女に違いない…? 頭の中をそんな不安がめぐる。
翌日、私が部屋で宿題をしていると、兄がノックをして入ってきた。「ちょっといいか?」なんて言いながら。隼人が私の部屋を訪れること自体は珍しくはない。いつも私が兄の部屋に入り浸っているから、たまには逆パターンだってある。けれど、なんだかぎこちない。椅子に座ったままの私を見下ろすように立って、首をかしげながら言いにくそうに言葉を継いだ。
心臓が嫌な予感を察知したように跳ね上がる。隼人は私と視線を合わせない。もしかしてそれは男友達じゃなくて、昨日見かけたあの女性の家? 一瞬にしてそんな想像が膨らみ、思わず指先が震えそうになる。
なんとか平然を装うように答えると、兄は続ける。
「いや、一応親にも言ってるんだけど…たぶん気にするだろうから。お前も変に心配しないでくれよ」
何を心配するというのか。兄妹の仲がいいとはいえ、私が兄の外泊をどうこう言う立場にはない。でも、兄は心配性だから、家のことをフォローしてほしいのかもしれない。私は「分かったよ」とだけ返した。言葉少なにドアを閉めて出て行く兄の姿を見送ったあと、机に突っ伏して「もうやだ…」と小さくつぶやいた。
次の日、兄は本当に泊まりに行ってしまった。リビングで朝食を食べているときに「じゃ、夜は帰らないから」と軽く言い残すのを聞くと、私は内心どうにも落ち着かなかった。でも、両親も特に咎める様子はない。大学生の兄なら、友達の家に泊まるくらいよくあることだろう。母は「あまり夜更かししないように」と声をかけながらも、どこか余裕のある笑みを浮かべていた。もしかしたら母のほうが私の挙動を気にしているのかもしれない。だけど、そんな母と目が合いそうになるたびに、私は慌ててスプーンを持つ手元に視線を落とし、朝食をかき込んだ。
兄がいない夜は驚くほど静かだった。いつもなら兄が廊下を行き来する音や、リビングでテレビを見て笑っている声がかすかに響いているのに、それがない。こんなにも家が静寂に包まれるなんて、と改めて驚く。勉強をしようにも集中できず、気づけばスマホの画面を何度も見つめてしまう。LINEを開いても、兄とのトーク画面には特に更新はない。おやすみLINEくらい欲しいというのは、妹としての甘えなんだろうか。いや、ただの妹ならそこまで望まないものなのかもしれない。
そうしてもやもやしながら夜を過ごし、いつの間にか寝落ちしてしまった。朝になって目覚めたときにはすでに両親は出勤していて、リビングにはメモと朝食が置かれていた。昨日はろくに晩ご飯も食べていないからお腹が空いていたけれど、あまり食欲が湧かない。パンをかじりながら、ふと玄関のほうに耳を澄ます。兄はもう帰ってきているのか、それともまだなのか……。
結局、兄が戻ってきたのは昼近くだった。私はリビングでぼんやりテレビを眺めていたが、玄関ドアの開く音を聞いた瞬間、反射的に立ち上がってしまった。心のなかで「落ち着け、ただいまの一言を返すだけだから」と自分を戒める。すると玄関のほうから兄の声がした。
「ただいまー…って、お前いたのか。学校は?」
そんな気の抜けたやり取りをしながら、私は兄の様子をこっそり観察する。目の下に少しクマができているように見えるのは、夜更かしした証拠だろうか。髪の毛は昨日の朝と変わらない感じなのに、服は昨夜見たのと同じものを着ている。あの女性の部屋に泊まった可能性は十分ある……。そう思っただけで胸がチクリと痛む。
「夜更かししたっぽい顔してるよ。何してたの?」
我ながら、尋ね方が妹っぽくない。少し詰問じみた言い方になってしまい、自分でも焦った。隼人は「まぁ、ちょっとな」と曖昧に笑うだけで、具体的に何をしていたのかは語らない。その態度が逆に私の不安を煽る。
――本当は、昨日見た女性のことを聞きたい。あれは彼女なのか、どういう関係なのか、私が思い違いをしているだけなのか。けれど、聞けば聞くほど自分の“妹らしからぬ感情”が露呈してしまう気がする。私は何も言えず、ぎこちなく視線を逸らした。
兄はそのままシャワーを浴びると言って風呂場へ向かった。わずかに開いたドアの向こうからシャワーの音が聞こえてくると、どこか落ち着かない気分になる。しばらくして洗面所のドアが開き、「あー、さっぱりした」と兄の声が聞こえる。その後ろ姿はいつもと変わらないのに、昨夜は私の知らない場所で過ごしてきたんだという現実が頭をよぎって苦しくなる。
その日は土曜日で、家族みんなが出かける予定は特になかった。私は家にいても落ち着かないし、どうにも兄の様子を伺ってしまう自分が嫌で、思い切って友達を誘ってショッピングモールへ出かけることにした。友達には「ちょっとストレス発散に買い物したいんだよね」と言っておけば、深くは聞かれない。
だけど、いざ待ち合わせて話をすると、友達は自分のバイト先の先輩に片想いしているらしく、その相談に花が咲いた。普通の恋バナだ。先輩が優しくて、ちょっと大人っぽくて、けれど同じ学校じゃないからなかなか会えなくて…という話を楽しそうに、でも時々せつなげに話してくる。それを聞きながら、私は胸が苦しくなった。
――私だって、好きな人がいる。けど、その相手が兄だなんて言えるわけがない。もし打ち明けたら、相手をドン引きさせるか、あるいは冗談だと思われるか。どちらにしても受け入れてはもらえないだろう。だから黙っているしかなくて。
それでも、友達が「そろそろ告白しちゃおうかな」と言ったとき、私は全力で応援するモードに切り替えた。人を好きになる気持ちは止められないし、応援されると素直に嬉しいはずだ――そう思うからこそ、友達の背中を押したい。だけど自分はどうなのだろう。いつも隼人の優しさに甘えて、妹という立場に安住しているだけじゃ何も変わらない。でも、変えたくても変えられない部分がある。そのギリギリのラインが「兄妹」という関係のもどかしさだ。
買い物を終えた帰り道、夕日が街をオレンジ色に染めていた。友達と別れて一人になると、どうしようもなくあのカフェで見た光景を思い出してしまう。兄はあの女性とどんな会話をしたんだろう。その後、どんなふうに夜を過ごしたんだろう。妄想は際限なく膨らみ、しまいには自分の中の醜い嫉妬や独占欲が顔を出す。血の繋がった兄に独占欲を燃やすなんて、普通に考えたらおかしい。だけど、その“おかしい”感情を否定することができなくて、自分に嫌悪感を抱く。
家に帰ると、兄はリビングのソファでゴロゴロしていた。テレビを見ているのかと思いきや、どうやらスマホの画面に集中しているらしい。私は心臓を落ち着かせながら「ただいま」とだけ声をかけた。すると兄は「ああ、おかえり」といつも通りに返してくれる。そんな小さなやり取りにさえ、嬉しさと苦しさが混じる。
兄はスマホをいじりながら、「今日どこ行ってたんだ?」と一応興味を示してくる。私は友達と買い物していたことを伝えた。友達の恋バナに盛り上がった話も少しだけする。すると兄は「へぇ、それでどうなったんだ?」なんて興味ありげに聞いてくる。いつもは私の話を「ふーん」で流すことが多いのに、やけに突っ込んだことを言うから少し意外だった。
――どうしてこんなふうに聞いてくるんだろう。まさか私が兄を好きだなんて勘づいて、探りを入れているのか? そんなわけはない、と思いながらも、妙に心がざわつく。
私は友達が先輩に片想い中で、告白する勇気が持てないという話をそのまま伝えた。兄は少し考え込むような間を置いてから、「まぁ、言わないと伝わらないもんな」とつぶやいた。まるで自分自身に言い聞かせているような口調に聞こえて、私はなんとも言えない気持ちになる。もしかして隼人は、昨日会っていた女性に告白したのだろうか、あるいはされたのだろうか……。すぐに頭の中でいろいろな可能性が浮かんでしまう。
それから数日が過ぎても、兄の様子はいつも通りだった。大学の授業やバイトに出かけたり、家ではゲームをしたり、そして私と軽く言葉を交わしたり。何も変わらないからこそ、私の中で渦巻く疑問は膨らむばかりだった。時折、母が私を見てクスッと笑うのが気になるけれど、絶対に知られたくない。ましてや兄がどう思っているかなんて、想像しただけで顔から火が出そうになる。
ある夜、私は勇気を出して兄の部屋のドアをノックしてみた。部屋からはかすかに音楽が聞こえていたが、「入るよ」と言うとすぐに「おう」と返事があった。机には参考書が広げられていて、どうやらレポートか何かの課題に取り組んでいたようだ。
私が言いよどむと、兄は椅子をくるりと回転させてこちらを向いた。どんな顔をしているのか、チラッとしか見られない。いつもと変わらない柔らかい表情なのが、逆に私を緊張させる。
「その…この前、駅前のカフェで誰かと会ってたでしょ? あれって、彼女…なの?」
最後のほうは声がかすれてしまった。何を聞いているのか自分でも分からない。兄が「お前には関係ないだろ」と一蹴したらどうしよう、そんな不安が頭をよぎる。だけど、何も聞かずにモヤモヤし続けるのはもう嫌だった。
兄は一瞬、驚いたように目を見開いたあと、少し苦笑いした。
「ああ、あれ見られてたのか。別に隠してたわけじゃないんだけどな」
「そ、そうなんだ…。で、彼女なの?」
呼吸が苦しくなる。心臓が痛いくらいに鼓動を主張している。兄の返答次第では、私の中の何かが壊れてしまいそうな気がした。
「彼女じゃないよ。昔のクラスメイトってだけ。ちょっと相談があるって言うから話を聞いただけなんだ。泊まったのも、そいつの話に付き合ってたら終電逃して…結局、男友達ん家に泊まったんだ。まぎらわしいことして悪かったな」
そう言いながら頭をかく兄の顔は、少しだけ照れくさそうに見えた。私の心からは一気に重たい霧が晴れていくようだった。それでも、「そっか…」とだけ言って、ドキドキを悟られないようにうつむく。安心したのと同時に、どうしようもなく涙が出そうになった。なんでこんなに泣きそうなんだろう。
兄が小声でそう言うのを聞き、私は思わず体を強張らせた。つい顔を上げると、兄が少しだけ意地悪そうに笑っているのが見えた。心臓がバクバクしてどうにかなりそうになる。
「べ、別に…!」
誤魔化そうとするけれど、どう見ても挙動不審だ。結局、兄は笑いながら「なんだよそれ」と言って、私の頭をポンポンと軽く叩いてくる。昔からそうやって優しくなだめるように触れる手に、どうしようもなく甘えたくなってしまう。だけど、私がこの気持ちを言葉に出すことは決してできない。
それからしばらく私たちは黙ったまま、相手の顔もあまり見ないでいた。時間にしてみればほんの数秒かもしれないけれど、私にはとても長く感じられた。部屋には音楽も流れていて、そのメロディだけが穏やかに空気を満たしている。
「…そろそろ寝るわ」
限界を感じて、私はそう告げて兄の部屋を出た。ドアを閉める前、兄は「おやすみ」とだけ言った。私も同じように「おやすみ」と返したけど、その声は震えていたと思う。自分の部屋に戻ってベッドに倒れ込むと、涙がこぼれた。何も変わっていないのに、胸がいっぱいだった。
私はきっとこれからも、隼人のことを好きなままでいる。兄妹であることを理由に、その気持ちを外に向かって叫べるわけでもないし、正当化できるわけでもない。だけど、今日みたいに「兄には私の知らない女性がいて、見たことのない笑顔を向けるかもしれない」と考えるたびに、あの苦しさが胸を焼く。だからと言って、勝手に嫉妬や独占欲を抱くのは間違いだと分かっている。分かっているのに、止められない。これがブラコンを拗らせた私の現実だ。
明日もきっと、兄はいつも通りの態度で接してくれるだろう。私も「妹として」振る舞い続けるはずだ。その穏やかな日常に救われると同時に、どうしようもない葛藤が継続していく。それでも、今はまだ、兄がそばにいてくれることだけで十分なんだと思う。たとえ叶わない恋でも、隼人が生きて笑っていてくれるだけで、私は幸せだ。
――ただ、いつか誰かと本当に付き合ったり、結婚したりする日が来たら、私の心はどう壊れてしまうんだろう。そんな未来は想像すらしたくないけれど、避けては通れない。いつかその時が来るまで、私はきっとこの気持ちを抱えたまま、妹として側にいる。それが私にとっての最善で、唯一の選択肢なんだと思う。
今日も、隣の部屋から聞こえてくる音楽と兄の足音に耳を澄ませる。彼がそこで生きていること、それだけを感じられるだけで少しだけ安心する。ブラコンを拗らせているのは重々承知。でも、やめたくてもやめられない。これが私の現実で、私の想いだ。もしかしたら、ずっと苦しみ続ける道かもしれない。けれど、一度芽生えてしまった感情は消せない。私はこれからも、この胸の痛みと温かさを抱えて生きていくのだろう。
そしてもし、いつか奇跡のような日が来て「本当の気持ち」を打ち明けるときが訪れたら。そのとき隼人は一体どんな顔をするのだろう。拒絶されるだろうし、気持ち悪がられるかもしれない。でも、それでもいい。今は――ただ、隼人の妹として、彼の笑顔を見守りながら、この拗らせたブラコンを密かに育て続けるしかない。妹という“特等席”をもらえているのだから、それだけで十分だと言い聞かせながら。
夜はふけていく。明日もまた、何も変わらない朝がやってくるだろう。だけど、この胸の奥で熱を帯びる感情は、決して冷めることはない。私はそう確信して、いつか来るかもしれない苦しい未来さえも受け止める覚悟をした。兄への想いを胸に秘めたまま、静かに目を閉じる。
――たぶんこれからも、ずっと私はブラコンを拗らせたままで生きていくんだろう。だけど、兄の笑顔を間近で見ることができるなら、それでも私は幸せなのだと思う。
念のために、お風呂入る前に、浴槽で中で寝ないようにタイマーかけておいてね!
まさか寝ないと思うけど💦
マグネシウムをお風呂に入れる効果としては、マグネシウムが体に吸収されると、筋肉が弛緩するため、血流が良くなり(血管も筋肉でできています)、体が温まりやすくなります。
運動後の筋肉痛などにも効果的で、こむら返りなどの症状がある方にもおすすめです。
また毎日マグネシウムの入ったお風呂に入ることで、マグネシウム不足の症状(高血圧や不整脈、披露、筋肉の痛みなど)が改善してくる可能性もあります。
マグネシウムは非常に重要なミネラルであるにもかかわらず、非常に多くの方で不足していることがわかっています。
https://biancaclinic.jp/blog/35385/
こちらより
どうなんだろ
女子アナって、自分で自分のことを『芋女』って言っちゃう人とは全く違う世界を、高校や大学初年度くらいから過ごしてるし(もっと早い人もたくさん)
でも、あれだけ立場があって女にも困らないだろう中居氏がまさか、って考えはあったんじゃないかくらいは思うけどねー
これが相手があの社長とか、単体ではさえないオッサンならむしろ警戒するけどさ
読んだ感想としては、キャプテンがなんか完全な悪人でなくて趣深かった
この曲に心を救われた人も多いと思う。
作品と作者は切り離してほしい。
男女タグの詳細不明のトラブル(示談済み)で、日本最高の楽曲を黒歴史にしてはいけない。
ひょっとしてまさか、価値観のアップデートの流れは多様性に逆行していくわけじゃないよね。
頼むよ、世界。
多様な花が咲く花壇をみんなの力で維持しなくちゃダメ。
でもそれ以外なら割とあるなぁって思いました
法務のコンプライアンス窓口担当やると「そうはならんやろ」っていう、なんやかんやお育ちがいい増田民が驚く事件とか入ってくるからな
痴漢で捕まったとか、窃盗で捕まったとか、人を殴ったとか、同僚をストーキングしたとか、データ売り飛ばしたとか、失踪したとか、ほかにもいろいろ
これは人間の本質って上っ面の環境では変わらないからだと思っているよ
DQNな環境で育つからDQNになるんじゃなくて、DQNは生まれつきDQNなんだよ。いい大学出てようが、見た目は地味で真面目風だろうが、クズはクズ
どこぞのメガバンクの人だって、競馬やFXで有金とかしてたろ?
あそこまでのレベルじゃなくても、まさかのコーポレートカード審査通らない逸材とか、犯歴あってビザが通らない逸材とか、社割で買ったアイテムを横流しする輩とか、ゴロゴロおるからな
親がすべき教育って、生まれつきヤベー性質を持ったヤツが、犯罪者になったり社会からドロップアウトしないように、導くことなんだね。ほかは全部おまけだよ
報酬に関しては、世の中平等になってほしいって思いました。みんな将来の不安なく些細な贅沢が出来ますように
あと、物理的に膝や腰を壊す職業は、転職した方が良いかもしれない
本来だったら、頑張っている人が自身の健康のために転職を強いられるとかではなく、壊さないくらいの仕事量であるべきなんだけどな・・・
残業については、業界選びと社内での立ち回りの問題で、学歴も年収も関係ないかもしれない
偉い人が無限にいる純ジャパの大企業や案件、実質的にクビがある外資ベンダー、これらでそこそこ高給を得ようとしたら、
残業って確か申請制だったりマイナス評価でしたよね?PC起動時間計測してるのに労働の過小申請とは?36協定とは?っていう世界線に突入する
自分の裁量でゴリゴリやれるベンチャーや中小なら、自分だけの力でノー残業達成も難しくないけど、基本的にあんま給与良くないよね・・・
ついに公開された『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』、初日に飛び込んできた私の目はスクリーンに釘付けになりました。タイトルからしてちょっと変わった雰囲気を醸し出していましたが、見始めてすぐに「あ、これは絶対に外せない新世代のGガンダムだ…!」と確信。いや、正確にはGガンダムというよりも、宇宙世紀の要素がバッチリ盛り込まれつつも、そこにアナザー要素が混ざり合った不思議な感覚を覚える作品でした。今回の目玉は何といっても主人公メカである「ガンダムジークアクス」の存在感。新たなフォルムが持つその圧倒的な威厳は、旧来のガンダムファンでもきっと興奮せずにはいられないのではないでしょうか。
さて、ここからが本題。私、何を隠そう腐女子的目線でガンダムシリーズを愛し続けてきた人間です。モビルスーツのかっこいい活躍はもちろん大好物ですが、それ以上にキャラクター同士のドラマや関係性が気になって仕方がない! そして今作、私にとって特筆すべきポイントは「シャアが出てくるうえに、何とシャリア・ブルとマブダチ」という衝撃の設定。このふたりの関係は“宇宙世紀のどこかで匂わせていたかもしれないけど公式でちゃんと説明されなかった”ラインだっただけに、ファン的には「そこにスポットを当てるの!?」というサプライズでした。
まず、シャアとシャリア・ブルが作中でどんな関係なのか。序盤こそ「旧知の仲」という雰囲気をにおわせる程度でしたが、中盤以降は「こいつらガチでマブダチなんだな…」と確信できるやり取りがふんだんに描かれています。とりわけ、シャリアがパイロットとして圧倒的なニュータイプの才能を示す一方で、シャアはいつものクールな仮面の裏に隠された複雑な心情をちらりと見せるシーンが最高。表向きは常に飄々としているシャアが、シャリアの前だけでは少し弱音を吐いたり、逆に「お前はもっと自分を信じろ」と熱い激励をする姿は、腐女子目線で見るとまさに “完璧なバディもの” の土台です。ここで萌えないはずがない!
しかも、シャリア・ブルといえば『機動戦士ガンダム』(一年戦争時)で悲運の死を遂げたキャラクター。あまりにも早く退場してしまったため、旧作では“シャアにとっての特別な存在”だったのかどうか、確定的には語られませんでした。そのため今作での「生存ルート(?)」というか、まさかこの新たな timeline でシャアと肩を並べて登場するとは…ファンとしては胸が熱くなる展開ですよね。序盤の顔合わせシーンでは、シャリアがさらりと「相変わらず真面目だな、シャア」と言い、シャアが「お前こそ、そういうときは黙っていてもいいんだぞ」なんて口調がやわらかいまま言い返す。このやり取りだけで、「はいはいはい! 尊いです!」と何度スクリーンを拝みたくなったことか!
そんな二人に加え、今作を牽引するニューカマーともいえる若き主人公パイロット(名前は仮にルーカスとします)が乗り込むのが、ガンダムジークアクス。これがまたすごい。視覚的にガンダムらしさを大きく踏襲しつつも、背部に印象的なウイングバインダーを備えていて、“ジーク”というドイツ語的ニュアンスを感じさせる硬質なデザインが目を引きます。ビームサーベルの形状すら独特で、左右に展開する可変式。さらに、コックピットシーンではルーカスが重力下と宇宙空間で別々の操作体系をとる描写がリアルかつ斬新。ストーリー上でも試作機ゆえの不完全さが強調され、そこをシャアやシャリアが「大丈夫、我々がいる」とサポートする展開は、“兄貴分”を感じさせてもうたまりません。
シャアとシャリアが、主人公の成長のために陰日向から支えているような構造は、まるで兄弟が一人っ子の弟を甘やかしつつも鍛え上げているかのよう。腐女子的に「いや、そこはお互い同士ももっと絡んで…!」と思わずにはいられないところですが、この序盤の時点ではまだ二人の過去が小出しにされている段階。きっと今後の展開でもっとディープな絆や秘められたエピソードが語られるのではないか、そんな期待を抱きました。
戦闘シーンはハイスピードかつ爽快。宇宙をフィールドに自由自在に動くジークアクスに、シャアの赤い専用機(やっぱり赤!)と、シャリアの機体が光の残像を残しながら連携するシークエンスは胸熱の一言。しかしその華やかさの裏で匂い立つのは“男たちの内面”。シャアがこれまで背負ってきた宿命や野望、シャリアが見据える新時代のビジョン…。それがどう交錯していくのかを想像しながら鑑賞すると、もっと奥行きが生まれます。加えて、ルーカスという若者を通して二人が何を託そうとするのか。腐女子の私としては、やはり「いつ裏切りが起こるのか」「いつ離反してもおかしくない危うい関係がどこかに潜んでいるのでは?」とドキドキしつつ、彼らの関係を見守りたくなるんです。
総じて、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』はガンダムシリーズの新たな可能性を提示する作品でした。ガンダムジークアクスという主人公メカのデザインやギミックの魅力は言わずもがな、シャアとシャリア・ブルのまさかの“マブダチ”設定がもたらすドラマ性はシリーズファンも思わず唸るところでしょう。個人的には「腐女子的妄想が捗りすぎる…!」という感覚がありありと湧いてきて、今後の展開でさらに多面的な関係性が描かれることを期待せずにはいられません。今までは断片的だった二人の関係に光が当たることで、シャアの人間的な弱さや優しさ、シャリアの持つ本来の魅力があぶり出される展開になる予感がします。
長年宇宙世紀シリーズを見守ってきた腐女子としては、こんなにも美味しい人間模様を出してくれるなんて…!と、思わず劇場を出るときには顔が熱くなるほど興奮していました。まだまだ始まりに過ぎない本作ですが、次回作や続編があるならば、さらに深堀りされたシャア&シャリアのエモーショナルな絡みを期待しています。そしてガンダムジークアクスは、そんな二人の物語を映す鏡のような存在として、更なる進化を遂げるのではないかと。今後の展開から目が離せない、大満足の一作でした!