役立たずスキルに人生を注ぎ込み25年、
今さら最強の冒険譚 1〜5巻
著者、ガンテツ
原作、しゅうきち
キャラクター原案、peroshi
ファンタジーRPG風冒険譚。
転生とかではありません。
内容はまぁタイトルが大まかに物語ってます。
幼い頃の主人公トールを庇った
幼馴染の少女ソラが瀕死の状態になり
司祭の魔技〈停滞〉で時を止めてしのぎ、
トールは自分のスキル〈復元〉のレベルを上げ
25年かけてソラを救うことに成功する。
そのため、年齢が随分と逆転してしまう。
そして、今度は2人でパーティを組んで
冒険しようということに。
しかし、役立たずスキルとして思われてたのに
覚醒した彼の強さと、少女の素質の高さから
手元で鍛えたいと目をつけられてしまう。
トールは自分たちを放っておいてもらうために
2年で向こうの思う強さまで辿り着くと約束して
レベルをガンガン上げていくことに。
彼の癒しとして餌をやってた野良猫3匹、
いつも姿を見せない1匹は
ムーと名乗る子供だった。
ムーちゃんを保護してパーティに加える。
そんな中、襲ってくる大量のゴブリンに
やられそうになったトールの前に現れたのは
大家ユーリルさん。
ユーリルさんは元凄腕の冒険者で強い。
でも体力面とか色々とあって長く戦えない。
そこでトールがスキルを使ったら
ユーリルさんの姿まで若返ってしまった。
その姿を気に入ったユーリルさんも
パーティに加わり、
ちょっとしたハーレム状態のトールですが、
本人は生真面目なので
そんなことは何も感じていない様子。
でも、周りからやっかまれる原因になることは
ちゃんと分かってる分別ある大人なトール。
早くレベルを上げたいトールは、
少し離れた狩場に行くが、
そこでは縄張り争いにチカラと金が物を言う
ちょっときな臭いとこだった。
魔物の少ない河原の下流に追いやられ
そこで出会った気のいい冒険者たちと
縄張りが決まってない河原の向こうへ
橋を架けるという野望に乗ることにする。
そこで色々と問題が起こって…
さぁどうなるかで以下続く。
なんというか、落ち着いた冒険譚漫画でした。
トールが中身も成熟した大人で、
地道にコツコツ努力してきた人で、
その間に沢山の人たちに支えられてることも
自分に出来ることはしたいという気持ちも
持っている良い男です。
25年もコツコツやり続けて、
ちょっと疲れてくたびれた感じや
過小評価とまではいかないけど
驕らない謙虚さを持ってるので
ほんとに穏やかに話が進みます。
いや、話し合いが無理な相手には
ガツンとやるのも早いんですけど、
その判断も無茶ではなく必要な時だけで、
だからといって
物凄いギリギリまで粘るわけでもないので、
本当にイラっとしない。
冒険者なのに、
理想と現実の折り合いがついてる
珍しい主人公です。
ソラがトールのことを幼い頃と変わらず
“トールちゃん”と呼んでるので
ムーちゃんは同じように呼ぼうとして
“トーちゃん”になってるの可愛い。
そして、そのせいで親子の思われがちなのを
やや放置気味なの楽しい。
ソラちゃんは幼い頃から
トールのことを想ってそうですが
どうなるのかなぁ。