川瀬拓(ぐるぐる回る)×辻友哉(ETERNAL ROCK CITY.)対談が実現!
2012年の9月16日は、全国的にフェス/イベントが重なる激戦日だった。ライヴに行くものにとっては嬉しい悲鳴、主催者にしてみれば本当に嬉しくない悲鳴が聞こえてくる、そんな一日だった。そんな中、フェス/イベントを繰り広げた主催者の中から、埼玉スタジアム2002で開催された“ぐるぐる回る”代表の川瀬拓、新宿のライヴ・ハウスETERNAL ROCK CITY代表の辻友哉を招いて対談を行った。なぜこの組み合わせだったかといえば、乱立するフェスの中でも、Twitterなどで入場規制の話が伝わってきたり、その盛り上がりを叫ぶ声が多かったからだ。僕自身、どちらのフェスにも足を運んだのだけれど、その熱気は確かにあった。その場にしか生まれ得ないグルーヴ、お客さんがその雰囲気を楽しむ空気、どちらもわくわくするようなものだった。同日に激戦の中を駆け抜けた2人に当日を振り返ってもらい、今後の彼らの動きを期待するべく、本音で同日について、それぞれの意志について話を聞いた。
進行 & 文 : 西澤裕郎
今年行われたぐるぐる回る、ETERNAL ROCK CITY.を振り返る
ぐるぐる回る2012
スタジアムのコンコースに大小15のステージを配置。来場者は会場内を回遊しながらライブを楽しむことが可能だ。また、100人の出演者が入れ替わりながらライヴ・パフォーマンスを繰り広げる『100人オープンマイク』や、子供たちが自由に楽器を演奏できる来場者参加型のパフォーマンス『コドモパンクス』なども行われる。
【日時】2012年9月16日(日)
【会場】埼玉県 さいたま 埼玉スタジアム2002
Yuya Tsuji Presents ETERNAL ROCK CITY.2012
『ETERNAL ROCK CITY』は、会場となる複数のライヴ・ハウスを自由に行き来することができる周遊型イベント。深夜にはオールナイト・イベント『Midnight ROCK CITY.』も用意されており、東京・新宿のOTO、MARZ、Marble、Motion、RUIDO K4、LOFTの歌舞伎町を中心としたライヴ.ハウスで開催される。
【日程】2012年9月15日(土)~16日(日)
【会場】新宿MARZ / 新宿Marble / 新宿Motion / 新宿LOFT HALL STAGE / 新宿LOFT BAR STAGE / 新宿OTO / 新宿RUIDO K4
※Midnight ROCK CITY.(深夜公演)のみ、会場が新宿MARZ/新宿Marble/
新宿Motionの3会場になります。
お金だけが目当てだったら違うことをしている(川瀬)
——今日は、9月16日にフェスを開催されたお二人にお集りいただきました。まず、対談を始める前に、川瀬さんが辻くんを対談相手に選んだ理由を教えていただけますか。
川瀬拓(以下、川瀬) : 同じ9月16日にイベントを開催していたってこともありますし、正直ETERNAL ROCK CITY(以下、エロフェス)を意識していたんですよ。で、辻君はどう思ってたのかなぁと思ってまして。16日って結構色々なフェスがかぶってたじゃないですか?
辻友哉(以下、辻) : あの日だけでも全国的に9つくらいかぶってましたね。
川瀬 : 残響祭、AIR JAM、氣志團万博、alternative tokyoとかね。
——9月16日はフェスに適している日程だったんですか?
辻 : 適していたと思います。3連休ですし、次の日を休みにできるので。
——まさにフェスとしてやりやすい日程だったんですね。辻君はぐるぐる回るのことは意識していましたか。
辻 : 正直な所、なんで、かぶせてくるんだろうと思いました。新しいところからお客さんを寄せなくちゃいけないのに、お客さんの取り合いをしてたら音楽シーンは絶対大きくならないし。お客さんも困るし、僕らも動員という点で困るので。誰も得しないじゃんって。でもこれはフェスの主催者全員が思ってることなんですよね(笑)。
——それは、川瀬さんの立場からしてもそうだと思いますよ(笑)。でも、それだけイベントがかぶると、アーティスト選びも大変だったんじゃないですか?
川瀬 : 大変でしたね。全然決まらなくて。
——エロフェスには何組くらいのアーティストが出演しているんでしたっけ?
辻 : 150組ですね。
川瀬 : それはすごいなー!!
——ちなみにぐるぐる回るは?
川瀬 : いやいや、そんな(笑)(※約70組が出演)。
辻 : 僕がそうだったんですけど、インディー・バンドを好きになる人は大体、そのバンドが大きくなってチケットが高くなってしまうとあまり見にいかないじゃないですか。フェスなどで観るくらいかなって。だから、そういう場で見て「おぉ、前より何倍もカッコ良くなってる! じゃあまた行こう! 」って戻ってくるのが大事だと僕は思っていて。
——じゃあエロフェスにはライヴに来る人たちを活性化させるような意味合いもあるんですね。それだけに、フェスが乱立するのは勘弁してほしいと。
辻 : 勘弁というか、中途半端な気持ちでやってほしくないということですね。
川瀬 : そんな人いるんですか?
辻 : めちゃくちゃいますよ。どれだけ増えたことか。知り合いに、笑いながら「お前のせいだよー」とか言われることがあって。10代の僕に、あの規模のフェスが出来たから、同じようにライヴ・ハウスでフェスをやる人が増えたと。でもそうじゃなくて、やるのであればちゃんと強い気持ちを持って開催して欲しいです。
川瀬 : また辛口ですねー(笑)。
——川瀬さんが「ぐるぐる回る」をやった目的は、どういうところにあるのでしょう。
川瀬 : 前任者の竹内が亡くなって、そのまま終わるというのが嫌だったんです。辻君は基本一人でやっているじゃないですか。僕は約30人のスタッフとやっていて、その代表なだけで、全部自分でやっているわけはないんですね。宣伝も機材に関しても若い人に任せちゃってるので、そこが全然違うと思います。
——それぞれ、今年やってみての満足度はいかがでしょう。
辻 : 30%くらいですかね。全然納得いかないです。去年は99%満足いくものだったんです。入場規制がかかっても、お客さんが「よし! 新しいアーティストを観に行こう! 」ってなって、ライヴ・ハウスに還元できることもたくさんあったんです。でも今年は違っていて、規制があるから行かないとか、そういうのが多くて、まだ名前が知られていないアーティストに多く出演して頂いているので、そのアーティストを見てほしいんです。
——辻君はお客さんたちにアーティストの良さを伝えたいんですよね。
辻 : 伝えたいですし、伝えなきゃこんなにたくさん出て頂く意味もないし、もしお金だけが目当てで何かをするならもっと違うことをしているし、フェスを起こす必要なんて全くなくなってしまうんですよね。フェスなんて全然儲からないし(笑)。
川瀬 : それだけはわかる!! お金目当てではないよね。全然儲からないもん。
辻 : 僕はお金がほしいんじゃなくて、ライヴ・ハウスにもっと人が来てほしいって思っているだけなんです。来年は開催しないんですけど、それも単純にお金だけの話ではなくて、「次あるからいいや」と思われるのがすごく嫌なんです。
——それを聞いて川瀬さんはどう思いますか?
川瀬 : 去年は楽しかったんだけど、動員という意味では全然満足していなかったんですよ。埼玉スタジアムのような公共の施設というのは一回使うのをやめてしまうと、また借りるのにとても手間がかかってしまうんです。だから、今年は是が非でもやらなきゃいけなかったんです。売上げ的にも、やっと赤字が出ないくらいになってきたので、お客さんに少しずつでも伝わってきているのかなという自信はついてきました。音楽だけではなく、アート・マーケットや100人オープン・マイクというお客さんが飛び入り参加できるステージがあったりとか、そういう文化祭みたいなことがあるので、音楽以外のことも楽しんでほしいなぁと思いますね。来年もこの時期「ぐるぐる回る」やるよね、ってなってくれれば良いと思っています。
——ちなみに川瀬さんの満足度はどれくらいですか?
川瀬 : 今年は、やれたってことだけで100%。でも自分が代表としては50%っていう感じですね。内部的な仕切りのことを、もうちょっとちゃんとできたらと思いました。ぐるぐるはプロの警備の方などを呼んでいないので、代表である僕が一周800mもあるコンコースをトランシーバーも無しに走り回ることになってしまって(笑)。そういうところですよね。
僕もエロフェスは10回は続けるつもりです(辻)
——エロフェスは何人くらいのスタッフで動かしているんですか?
辻 : HOT STUFFから数名と、警備会社に依頼したアルバイトが一日7人で、深夜3人でした。でも、その人たちは細かなマニュアルがないので声かけするくらいしかできなくて。一日目は僕がメガホンを使ってお客さんへ「会場周辺はたまらないで下さいー! 」と声かけもして、会場移動を自転車でしてました。
——そこはアルバイトじゃなくて、信用できる仲間を引き連れて、チームにしようとはしなかったんですか?
辻 : 信用できる仲間がいないです。みんな、なんやかんやあって煩悩の塊じゃないですか、僕もですが(笑)。
川瀬 : その煩悩を「自分たちのフェスは楽しいよ! 」っていうところに持っていければ、すごく良くなると思うんだけどね。自分で全部やると息詰まりません? 自分の想いを一人の視野で抱え込むより、みんなにその想いを伝えたらもっと広がるんじゃないのかなぁ、と僕は思うこともあって。立派な想いをかみ砕いてシェアして、みんなで成長できたらすごく良い雰囲気になるんじゃないかなぁ。
辻 : 人が増えると熱量の平均化する必要があると思うんです。でも、僕は自分の持つイベントへの熱量は1mmも下げたくないんです。そこだけは絶対譲れないから、本当に同じ熱意のある人とやらなきゃいけなくて。
——でも辻君と同じ熱量を持ってる人がいるとしたら、その人は自分でフェスを主催しているはずだよね?
辻 : そうなんです(笑)。だからこれは無理な話で、運営は一人やるんです。自分ができないことは他に任せるようにして。
川瀬 : ぐるぐるの前代表竹内も、辻君ほどではないけど、ほとんど自分でやってたのね。最初からコンセプトを考えて、メインのブッキングとかチケット代とか色々全部自分でやって。それから僕が代表になって、ぐるぐるのシステムが何も分からなかったから勉強したんです。スタッフ30人みんなに声をかけて、今年はやることに意味があるから手伝ってほしい、っていう言い方をして。スタジアムとかって、機材運ぶのも大変だし、音の反響も全然良くないし… 一人で絶対できないと思ったから、みんなを巻き込んで楽しい雰囲気にしないとと思って。それで今年はできたので、その満足度は高いですね。
——僕個人としては、頑張りすぎちゃって辻くんが倒れちゃうんじゃないかって心配だったんですよね。
辻 : 僕は明日死んでもいいと思って生きています。僕が死んだら誰にもエロフェスをやってほしくないんです。もちろん本当はまだ死にたくないのですが、無理しすぎて限界を超えてるっていうのは、少しだけ理解しているので、いつ死んでもいいように準備はそれなりにしています。お客さんに伝えたいとか、単純に楽しいからやりたいとか、そういう気持ちはとてもよく分かるのですが、僕が死んだらエロフェスは絶対に誰にもやってほしくない。やるんだったら名前を変えてやってほしいです。
——つまり、エロフェスっていうのは、辻友哉そのものだと。
辻 : ETERNAL ROCK CITY.は僕の人生そのものです。僕が死ぬ時はエロフェスも死ぬ時です。だから、もし何千万円もの赤字が出たら...。
川瀬 : エロフェスを殺すと(笑)。
——さっき川瀬さんは、竹内さんと辻君が似てるってことをおっしゃってましたよね。
川瀬 : いや、でもここまで熱血ではなかったですよ(笑)。竹内は学生時代に留学してたこともあって、海外では大物バンドでもチケットが安いってずっと言っていて。あとは「(イベントを)やめたら意味ない、とにかく続けなきゃいけない」ってことも。フジロックの一回目が何で伝説って言われているかっていうと、とにかくやめなかったからだと。一回目で終わってたら批判されるだけだったけど、やめずに成功したからこそ、あの一回目が伝説になったんだと。その辺が辻さんとは違うかな。まあ、年齢も全然違うしね(笑)。辻君は今いくつ?
辻 : もうすぐ21です。
川瀬 : 一回り以上違う(笑)。
辻 : 確かに続けることはとても大事ですよね。僕もエロフェスは10回は続けるつもりでいます。まだ次あるか分からないですが(笑)。
僕が親になったら子供に同じことを教えたい(辻)
——川瀬さんは埼玉を盛り上げるっていう、ある種使命感みたいなものはあるんですか?
川瀬 : いや、使命感というほどでもないですけどね。キュレーターの中には神奈川とか千葉に住んでる人もいますし。ただ僕はずっと埼玉の大学に行って、バンドも埼玉でやってたんで、埼玉で頑張ってる人たちがいるってことは良く知っていて。だから、埼玉で続けることに対して意味はあると思っていますね。
——初めて浦和美園まで行きました。初めて乗る電車で(笑)。
川瀬 : 埼玉高速鉄道ね(笑)。
——はい(笑)。でも、文字通り「ぐるぐる回る」っていう体験は新鮮でしたね。音楽そのものだけじゃなくて、その空間自体に魅力があるというか。で、そのあとエロフェスに行ったら、歌舞伎町のど真ん中でフェスが行われてるっていう(笑)。あれも異空間でしたね。
川瀬 : やっぱり新宿でやることに意味があるんですか?
辻 : すごくあります。僕、エロフェスを始める前までは、一つのライヴ・ハウス自体を好きになることってなかったんですよ。でも、(新宿)MARZに行った時に初めての感覚を味わって。当時の店長がFREE THROWのDJであるタイラ(ダイスケ)さんだったことも大きいと思うのですが、タイラさんがいるからMARZに行くみたいな、いるだけで楽しいみたいな状態を当時は感じていました。LOFTで働いてたときも、LOFTってすごくいいところだと思ったし、歴史もあるし。そういう、僕が夢中になった歌舞伎町界隈のライヴ・ハウスの文化を根付かせたいなぁと言う思いがあります。
川瀬 : 僕、場所変わる前のLOFTによく行ってましたもん。そんな歳だよっていう(笑)。
——辻君の話を聞いていると、ライヴ・ハウスに恩返しをしたいのかなあって思ったんですね。
辻 : 僕の生き甲斐がライヴ・ハウスなので、その思いは強くあります。僕からライヴ・ハウスを取ったらただの廃人です(笑)。今年のエロフェスが終わって風邪を引いたのもあって、今日に至るまでプータロー状態なんですけど、本当に毎日が楽しくないんです。ライヴ・ハウスにいない日々が退屈で退屈で仕方がないというか。俺、この状態のまま働いたら死ぬなと思って(笑)。
川瀬 : 僕も二十代のころ、オールナイトのイベントに行ってたんですけど、エロフェスにはその頃のイベントの感じがあるなと思っていて。エロフェスって朝9時から夜9時までとかやってるじゃないですか。長くライヴ・ハウスにいれるって、若い人の特権かなと思っていて。僕の年になるとオールナイトとか辛いんですよ(笑)。2マンとかがいいなあみたいな、しかもクアトロで(笑)。
——大きいハコでゆっくり見たくなりますよね(笑)。
川瀬 : そういう感じになっちゃうんですよ、正直言って。でも若い頃って、いかに安く、いかに色んなバンドをいっぱい見るかって気持ちがあるから、それに応えてくれるエロフェスのコンセプトはすごく良いなあと思ってますね。
辻 : 若い時にそういった文化に触れていれば、その人が子供を授かった時に伝えられるじゃないですか。僕が親になったら子供に同じことを教えたいと思っていますし。僕自身がそういう育ち方をしているので。
——辻君にとって、ライヴ・ハウスは物心ついた時からの遊び場というか、日常だったんですね。
辻 : ロック・バンドを、音楽を知らない子供達にも知らせたいです。それで大きくなってロック好きになってくれたら最高だと思いますね。
——今って、音楽にとどまらず娯楽の選択肢がすごく増えていますよね。そんな中で必要となるのは、それぞれのフェスの個性だと思います。お客さんを惹き付けるそれぞれのフェスの魅力は、どこにあると思いますか?
川瀬 : ぐるぐるはやっぱり、ゆるさですかね。7時に終わりますからね。
辻 : 早い(笑)!
川瀬 : 会場の仕様上しょうがないんですけど、それを逆手にとって、夕飯は家でとれるとか、お子さんがいても早く帰れるとか、そういうメリットも持てるんで。キャパシティもすごくあるんで、まず入場規制がかかるなんてことはないし。でも、音はどこでも鳴っているっていう。
——なるほど。
川瀬 : あとは、音楽だけじゃないんですよ。Tシャツ交換会とかCD交換会とか。そういう風に、お客さんを巻き込んでいこうっていうのは、スタッフ皆で意識していて。
——一つのコミュニティを作るというか、場所を提供するという部分もあるんですかね。
川瀬 : とりあえずいつも言ってるのは、「大人の文化祭」ということですね。みんなで一生懸命やってたから、もし人が来なかったらすごいテンション下がるだろうなと思って。それって、文化祭の前の日に寝れなかった感じなんですよね。その感覚を30いくつになっても味わえるっていうのはいいですよね。ウチのスタッフって30代の人が多くて、一番若い人でも24~5なんですけど。働きながらでも音楽フェスを作ることが面白いと思ってる奴らが集まって、一生懸命やってる感じはお客さんにも伝わっているのかなと思います。それがゆるさなのかなんなのかはわかんないですけど。
——その文化祭にお客さんが入り込む余地はあるんですか?
川瀬 : キュレーターの中にも、「去年はお客だったので、今年はキュレーターやらせて下さい」って元気な女の子もいるんですよ。そういうグルーヴを出して行きたいんですよね。もっと大きい渦を作って、巻き込んでいきたいんです。それが全国全土に広まっていけばいい。それが面白いと思う。
もっと幅広い人に愛されるフェスにしたい(川瀬)
——エロフェスを通じて「感動しました! 僕も手伝いたいです! 」っていう人がいると思うんですけど、そういう人が来たらどうしますか?
辻 : 死ぬ気で来てくれるなら、一緒にやりたいですね。そうでなければ、やらないです。いい歳になっても、遊びに死ぬ気になれるって本当に素晴らしいことだと思うんです。僕はまだいい歳ではないですけど、働かなければいけないし、本来ならもうすぐ就活もしなければいけない…。でも、死ぬ気で遊べる大人でいたいんですよね。そこに賛同出来て、心だけでなく行動に移せる人がいるんだったら「一緒にやろうよ」ってなります。
川瀬 : そういう意味では、ぐるぐるはスタッフを働いている人間がやっているから、責任感は出てるんですよね。音楽から離れているけど、戻って来たよって人が多かったりして、大人なんですよ。
——音楽がメインでない人も参加していると。
川瀬 : そうですね。プロの人に頼んだのは、音響のスタッフだけですね。
——辻君はひとりでやる以上、お金も一人で負担する訳ですよね。失敗したら生活できなくなっちゃいますよね。
辻 : 現に出来てないですかね。
川瀬 : なぜそこまでしてやるんですか?
辻 : 音楽が僕の生き甲斐で、それが本当に楽しいからです。これが無いと自分は生きて行けないですから。僕から音楽をとったら、何も残りません。後は、若い子達にもこの楽しさを感じてほしいんです。
川瀬 : 楽しさっていうのは、イベントを作る楽しさ?
辻 : いえ、音を楽しむという事です。爆音に包まれてモッシュやダイブのあるライヴ・ハウスは常に非日常じゃないですか? 会社でなんて有り得ないし。そんな非日常が普通になって、本当の日常になってくれれば最高だと思います。
——話はつきませんが、そろそろ締めに入りましょうか。辻君から川瀬さんに言いたいことはありますか?
辻 : 日程がかぶらないようにしましょう、位しかないですよ(笑)。
川瀬 : ないでしょ(笑)。
辻 : 内容を探りあうことはあるかもしれないですけど、完全に知る必要はないと思います。趣旨や意思も違うじゃないですか? だから後は、お客さんとバンドの取り合いをするのだけはよくないと思います。それ位しかないですね。そしてお客さんを騙すようなイベントを行っている奴らを相手にしたくないですね。
川瀬 : 最初の質問に戻るようだけど、ぐるぐる回るは意識はしてなかったってことだよね?
辻 : いや、客層かぶってましたからね! エゴ・サーチめっちゃしてましたからね!
一同 : 笑。
川瀬 : 俺もしてた(笑)。
——では、最後に、それぞれ今後の目標を教えて下さい!
辻 : やりたくないことと、伝えたくないこと以外はやらない。それ以外は何もないです。
川瀬 : ぐるぐる回るもいつか、2DAYSはやりたいと思っています。後は、もっと年齢層が上の世代に人に来てほしいなと思いますね。それも可能だと思うんです。僕の好きな平均年齢80歳のおじいちゃん、おばあちゃんがやるアメリカのYOUNG@HEARTっていうコーラス・グループがいるんですよ。ラモーンズの曲や、レディオヘッドの曲をやるグループなんですけど、そういうロックを歌う日本版のコーラス隊がいたら呼びたいと思っています。スタンドで歌って欲しいなと。もっと幅広い人に愛されるフェスにしたいと思います!
——どちらも期待しています。ありがとうございました。
ぐるぐる回る
ETERNAL ROCK CITY.
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