「水滸伝」とは、明の時代に書かれた水の滸り(ほとり)を舞台にした悪党・好漢達によるピカレスクロマン小説であり、「西遊記」「三国志演義」「金瓶梅」と並ぶ中国四大奇書のひとつである。
万姓熙々たり化育の中 三登の世楽しみ窮まりなし
あに知らんや礼楽笙鏞の治 変じて兵戈剣戟の叢と作らんとは
水滸塞中節侠屯し 梁山泊内英雄聚う
細かに治乱興亡の数を推れば 尽く陰陽造化の中に属す
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概要
中国が「宋」の徽宗皇帝の時代だった12世紀頃に実在した「宋江を首領とする36人が梁山泊近辺で反乱を起こした」と言う史実を元ネタに、「三国志演義」の様なかたちで民間伝承をミックスして物語として膨らませ、15世紀頃に36人が3倍の108人になった好漢達が梁山泊に集い、賊ながらも朝廷に帰順して国の為に戦うと言う、儒教精神にあわせた内容として完成したものが「水滸伝」である。
※原作者は「三国志演義」の「羅貫中」とする説もあるが、「施耐庵」である説が有力となっている。なお、70回本の作者は金聖嘆である。
現在では、「西遊記」「三国志演義」「金瓶梅」と共に中国の「四大奇書」(または「金瓶梅」に代わって「紅楼夢」を加え「四大名著」)とされており、一般的には、108の魔星の生まれ変わりとされる好漢達が、導かれて水の滸りの地「梁山泊」へと集い、
の3パターンが存在する(原本の構成とされているのは100回本)。
大まかな流れとしては、政治に興味の無い芸術家皇帝「徽宗」が即位した事で、高俅・童貫・蔡京・楊戩ら四奸臣達が私服を肥やす為に社稷をないがしろにし、奸臣の手により無実の罪で罰せられた者達や、義侠心から殺人を犯して逃亡した者達が、天然の要害「梁山泊」に集まり、討伐に現れた官軍の将校達を味方に引き入れ、他の山賊達をとりこんでいって、108の魔星と同じ人数が揃ったところで第一部完となった後、首領の宋江が国家への忠義を旗印に官軍として招かれる事を望み始め、敵だったはずの四奸達と戦って捕らえても斬らずに放免し、何名かの好漢の反対はあったものの宋江が押し切って官軍となって国の為に戦って行くと言うもので、108人が全員揃った時点で第一部完の様な感じで終わる70回本に比べて、官軍となって戦う100回本また120回本での官軍になったあたりからは、迷走ぎみと言っても良い状況を戦闘に次ぐ戦闘でごまかしているとも言えなくもなく、特に、序盤で四奸臣達が敵キャラとして設定されたにも拘わらず、最終的にはその敵キャラ達に消費される身分に自ら飛び込んでいってしまうという展開は、ピカレスクロマンのロマンが無なくなってしまったようにも思える場合もあるだろう。
これらは全て、実在の歴史として国を興した三国志と違って、あくまで反乱軍をモチーフにし、儒教精神から反乱軍が国家を転覆させるような話を描けないという制約の中で出来上がったものであり、梁山泊軍が官軍となって以降については、それまでの目的は気にせず、好漢達の豪快な戦いっぷりを楽しみ、その最期に涙するのが良いかと思われる。
また、宋の時代には存在しなかった大砲や、宋代ではなく明の時代に謀反人の処刑方法として確立した凌遅刑の描写があったり、八尺以上の背丈の人物が数多く登場するが、宋代の単位では一尺=約31~33cmで、一丈の背丈の持ち主とされる登場人物に至っては一丈=310~330cmとなり、大巨人の集まり…と思いきや実はこれは三国時代の一尺=約24cmが基準になっていると思われる等、設定や時代考証についても文芸担当仕事しろ的なところがあるが、ここらへんの細かい事は妖術が戦術として登場するエンターテイメント作品として割り切った方が良い。
※人肉饅頭等の人肉食描写は水滸伝以前の時代から存在するが・・・
現在でも、新たな解釈の作品が登場したり、「108人」「星の宿命」「集う仲間」といった骨子を使用した作品が登場したりしている他、ねぶた祭りのねぶたの元ネタに選ばれる等、水の滸りに集った好漢達のロマンは今でも人気を誇るものと言っても過言ではないだろう。
梁山泊
現在では、同じジャンルで一定の力量を持つ者達が集まっている状況を表わす単語としても使用される事のある「梁山泊」は、水滸伝においては、108星の好漢達が集い、討伐軍と戦い、官軍となって壊滅後はその魂が戻る場所とされている天然の要害である。
作中でその存在が明らかになるのは、高俅によって無実の罪で流刑とされ暗殺者まで送られた豹子頭「林冲」が、小旋風「柴進」の紹介で逃げ込む先として出てきた際で、湖の中に周囲800里の大要塞を構え、要塞に向うには船で渡る必要という防御策で守られ、いくつかの細い道の先にある関門を越えてやっと聚義庁(後の忠義堂)が現れると言う、まるでスーパーロボットアニメの新基地がいきなり設備が全て整った状態で出てくるようなものだった。
特に周りを囲む湖は、船を用いて戦わざるを得ず、水軍が船に穴を開けて沈めてしまうことで、少ない人数で多数の敵と戦うことも出来る戦場となっており、実際、梁山泊は作中で失陥した事は無い。
しかし、そんな梁山泊も、初代首領の「王倫」の頃は、大きな野心を持たない山賊のひとつであったが、二代目首領となる托塔天王「晁蓋」が梁山泊の主となってからは、周囲に酒屋を設けて情報収集にも力をいれ、親しい仲間の危機や自分達を倒そうとする勢力に対しては、湖の要害を出て戦うことも恐れず、「替天行道」を旗印に官軍と戦ったりもする存在へと変貌していき、大砲等の特殊装備を手に入れて、地方を牛耳る反乱軍クラスの勢力になっていく。
しかし、第60回で托塔天王「晁蓋」が戦死した事が少しずつ運命の歯車を狂わし、呼保義「宋江」が3代目の首領となると、皆が集まる聚義庁を忠義堂へと名前を変え、「替天行道」の旗印に加えて「忠義双全」をうたうようになり、宋国の招安をうけた梁山泊軍は、梁山泊の地を離れ、一人また一人と倒れて行き、最終的には梁山泊軍と言う組織は崩壊するも、彼らの魂が最後に戻る場所、それが「梁山泊」だった…と言う形で終わる。
天衣無縫・一騎当千・万夫不当の勇者達の物語と共に、基地遊びを楽しめるのも「水滸伝」の魅力と言える。
好漢
梁山泊に集う好漢達は、仁宗皇帝の時代に発生した疫病をなんとかする為に、竜虎山の張天師の元へ派遣された洪信が、伏魔殿の中にあった石碑に
遇洪而開(洪にあいて開く)
と書かれていた為、嫌がる者達に命じて伏魔殿の石碑の下を掘り起こさせた際に飛び出した一〇八の魔星の生まれかわりとされている。
魔星は、さらに
に分かれており、この星の順が刻まれた石版が梁山泊に降ってきた事から各位の席次が決まった。
天罡星三十六星
宋江(そう・こう)
- 梁山泊の「兵を統べる総頭領」で、又の名を及慈雨(恵みの雨)の宋公明。元は小役人。
- 水滸伝の主人公であり、宋代に実在した盗賊「宋江三十六人」の首領をモデルにしていると言われている。
- 風采はあがらないが義を重んじる面倒見の良い人情家で、役人時代から困窮している者には惜しみなく援助をしてやっていた。その評判は各地で知られており、本人も知らないところでやたらとファンが多い。
- 宋江本人の実力は基本的にたいした事は無く、泣いている事が多いのだが、上述の評判のおかげで優秀な人物達が「あなたがあの宋江」といった感じで、窮地に陥った時に現れては助けてくれる。
- 家族は父親と、やはり百八星の一人である宋清。
- 主人公としての評判は、はっきり言ってかなり悪いと言わざるを得ない。前述の人助けや物欲の薄さなど、良いところもあるのだが、武芸ではほぼ最弱、軽率な行動で周囲に迷惑をかけすぎる、気に入った人材を得るために使った幾つかの非道な手段など、短所が余りに多すぎたのが原因と言える。
- 自分が不幸なだけの楊志に対して、周りにも不幸をばらまく存在の様に見る事も出来、儒教精神もあってか劉邦や劉備の様に国を建てることも出来ず、ただ消費されて終わった事は特に不幸キャラと言わざるを得ない。かも。
盧俊義(ろ・しゅんぎ)
- 梁山泊のナンバー2を務める「兵を統べる総頭領」で、元は質屋の大旦那。
- 河北にその名を轟かせる程の豪傑ぶりと、風采も良く気品も備わってるところから「玉麒麟」と呼ばれている。
- 丁稚の燕青からは絶対の信頼をおかれており、「旦那様」と言っては窮地を救われている。
- でも意外と燕青に対する扱いは悪い。
- 晁蓋の戦死後、新たな首領候補として宋江の人材ハンティングにひっかかり、易者に化けた呉用に誘い出された梁山泊で大宴会で迎えられるが、賊になる気がなかった為、梁山泊を出るも丁稚と妻の裏切りにあって罪人にされ、救い出された後に梁山泊に入る。
- 梁山泊のナンバー2だが、登場が61回と遅く、70回本ではほとんど活躍しない。
- 逆に100回本では一騎当千の豪傑ぶりを見ることも出来る。
- 晁蓋の遺言をクリアして首領になる権利を得たものの宋江に譲ってしまう為、100回本や130回本を読んだファンからは「何故そこで譲る」と突っ込まれることも。
呉用(ご・よう)
席次 |
第三位 |
前世 |
天機星(てんきせい) |
綽名 |
智多星(ちたせい) |
- 梁山泊の「機密を司る軍師」を務める。字(あざな)は「学究」で、道号は「加亮先生」。
- 晁蓋が劉唐や公孫勝や阮兄弟と共に、都に運ばれる賄賂「生辰綱」を強奪する計画に参加し、智恵を用いて奪取に成功するも、事が露見した後は、晁蓋らと共に梁山泊に入り、軍師として大まかな戦略から細かな戦術、果ては裏工作の立案まで務めるようになる。
- 道号や衣装、そして軍師と言う言葉の響きで諸葛亮の様な活躍を想像されるかもしれないが、呉用はそこまで常勝無敗の策略家というわけではなく、かなりミスやうっかりも多い。特に宋江救出において偽手紙を作成した時の凡ミスは語り草。とりあえず戴宗、蕭譲、金大堅の三人は怒っていいぞ。しかしミスした直後には慌てながらもちゃんと次の手を打ってはいる。
- また、陣形等の知識に関しては、副軍師格の朱武に一歩譲る。
- 中国語では呉用と無用が同じ発音である事から、梁山泊の軍師=無能というスラングが存在する。
公孫勝(こうそん・しょう)
- 呉用と共に梁山泊の「機密を司る軍師」を務める、存在が勝利フラグな道士。
- 二仙山の羅真人の弟子として道術を修行し、妖術で雲をおこし龍を呼ぶところから「入雲龍」と呼ばれている。
- 晁蓋に生辰綱奪取の話をもちかけて、すでに劉唐から聞いてやる気だった面々と共に強奪計画に参加し、強奪に成功した後に事が露見すると梁山泊に入るが、母の事が気になって家に戻った際に羅真人に弟子入りした。
- 梁山泊の生ける勝利フラグであり、参加した戦いは基本的に負けない。但し能力が公式チートな為か老母と言う枷がつけられており、敵側に妖術使いが現れない限りは前線には出てこない。
- そして梁山泊の崩壊も、この存在が勝利フラグの男が完全に離れて行った時から始まる。
関勝(かん・しょう)
- 梁山泊の「騎兵軍五虎将」の筆頭を務める軍神「関羽」の子孫(自称)。
- 義勇に優れ、青竜偃月刀を愛用しているところから先祖になぞらえて「大刀」と呼ばれている。
- 仲間入りする前は、先祖が高名なわりに、蒲東県で下っ端役人に甘んじていたが、宣贊・郝思文と共に梁山泊軍に包囲された北京の援軍を率いて梁山泊軍と激突し林冲や秦明と互角に戦った為、直接戦闘では倒せないと判断されて、呼延灼の偽の投降を受け入れたところで捕らえられ、宋江に共感して宣贊・郝思文と共に梁山泊に入った。
- 直接戦闘能力は梁山泊の中では最強であり、終盤で仲間入りするものの、バッサバッサと敵を斬り倒していき、最強の敵「石宝」を自刎に追い込む等、数多くの戦功をあげる。
林冲(りん・ちゅう)
席次 |
第六位 |
前世 |
天雄星(てんゆうせい) |
綽名 |
豹子頭(ひょうしとう) |
- 梁山泊の「騎兵軍五虎将」を務める元八十万禁軍槍棒師範。
- 三国志の張飛と同様に、虎ヒゲに豹の様な厳つい顔つきだった為「豹子頭」と呼ばれている。武器はもちろん蛇矛。
- 高俅の養子が林冲の妻に横恋慕した事から無実の罪を着せられて流罪となり、流刑地で暗殺されかけ、柴進の口利きで王倫が首領を務めていた梁山泊に逃げこむ事になった。
- 林冲の武力を恐れた王倫から仲間入りの条件に首一つもってくる事を要求され、プライドから一般人は襲わず、自分と同じぐらいの力量とふんだ楊志と戦って引き分け、梁山泊に入った。
- 晁蓋らが梁山泊に来た際に、拒もうとする王倫を斬り殺して晁蓋を首領にすえ、妻を梁山泊に連れてこようとしたものの、高俅の養子の求婚に耐えかねた妻は自殺していた。
- 梁山泊では戦争時の主力の一人であるが、様々な裏切りの果てに流浪した経験からか疑り深くなり、呼延灼を疑ったり、捕らえた関勝を殺すべきだと主張したりしている。
秦明(しん・めい)
席次 |
第七位 |
前世 |
天猛星(てんもうせい) |
綽名 |
霹靂火(へきれきか) |
- 梁山泊の「騎兵軍五虎将」を務め、巨大なモール状の武器「狼牙棒」を振り回す中華オーガ。
- 短気で直情的で声が雷鳴の如く大きい事から「霹靂火」と呼ばれている。
- 元々は青州の軍人で、罠にはめられた宋江を花栄が助けた際に、その討伐軍を率いて現れ、宋江らと戦った際に捕らえられ、賊になる気がない為釈放されたものの、宋江らが仲間入りさせる為に、捕らえて歓迎している間に偽者に青州城を攻めさせていた為、家族が殺されてしまう。
- 青州軍と戦って家族の仇を討った後は、不憫に思った花栄が妹との縁談をきりだして妻にした。
- 梁山泊に入った後は戦争時の主力として活躍するが、戦闘以外の才能が特に無いので戦争時以外は空気である。
- 横山光輝版ではなぜか黄信に登場シーンをまるごと奪われている。
呼延灼(こえん・しゃく)
席次 |
第八位 |
前世 |
天威星(てんいせい) |
綽名 |
双鞭(そうべん) |
- 梁山泊の「騎兵軍五虎将」を務めるミスター連環馬。宋国建国の立役者「呼延賛」の末裔。
- 「銅鞭」二本を武器としていたところから「双鞭」と呼ばれている。なお中国における「戦場で使用する武器としての鞭」とは「金属製の棒」のことであり、メイスよりは軽いために片手持ち、2本持ちも可能という武器である。日本に水滸伝の資料が不十分だった時代に描かれた横山光輝の漫画では、仕方なかったこととはいえいわゆるムチとして描かれてしまった。
- 梁山泊討伐軍の大将に抜擢され、鎖で繋いだ装甲馬を突撃させる「連環馬」で梁山泊軍を苦しめた。
- 梁山泊軍が初めて相対した官軍としてその強さを十二分に見せ付けたが、戦闘を重ねるごとに味方が捕らえられては梁山泊に味方するようになり、得意の連環馬も徐寧を仲間にした梁山泊軍が釣鎌槍を手に入れた事で装甲馬を倒されてしまい敗走し、その後も各地で賊討伐を行うも、最後は捕らえられて梁山泊入りし、結果的に戦った賊らも含めて多くの人材が梁山泊に集まる事になった。
花栄(か・えい)
席次 |
第九位 |
前世 |
天英星(てんえいせい) |
綽名 |
小李広(しょうりこう) |
- 梁山泊の「騎兵軍八驃騎兼先鋒使」を務める梁山泊のゴルゴ13。存在が公式チート。本当にチート。
- 弓術で、弓聖「李広」に劣らぬ腕前を持っている事から「小李広(シモ・ヘイヘ)」と呼ばれている。
- 百発百中で精密射撃も可能な弓の腕前の他、槍をとっては銀槍手と呼ばれる使い手なうえに、四書五経にも通じる教養も持ち合わせ、洞察力・作戦理解力・実行力は高く、トドメに背が高くて切れ長の目をしたイケメンという完璧超人。
- 元々は青州清風塞の長官で、宋江とは大親友であった為、青州に流罪となった宋江が危機に瀕した際に、軍人の職をなげうって助けに行き、宋江や秦明や燕順らと共に梁山泊に入った。
- とにかく弓の腕前が凄まじく、槍を手に戦った相手に背を向け、相手が追走してきたところにとってかえして矢を放つ戦法で、数々の敵を倒しており、神箭将軍が来たと言うだけでパニックが起きるぐらいだった。
- 光栄の「水滸伝・天命の誓い」では、知力を+3することで妖術が使えるようになって出来ない事が無くなる他、育て方によっては腕力も技量も100になると言う恐ろしいスペックが設定されている。花栄だから仕方ない。
柴進(さい・しん)
- 梁山泊の「金銭糧食を司る頭領」で、趙匡胤に国を譲って宋朝を開かせた後周の皇室の末裔。
- 宋の皇室から治外法権を認める「丹書鉄券」と言うお墨付きをもらい、豪邸で暮らしていた。
- 「小旋風」と呼ばれる由縁は不明[1]だが、高貴な家柄で威厳も備えているが面倒見が良く、豪邸には天下の豪傑達を好んで招き、一癖も二癖もある者達が集まっていた。梁山泊ともつながりがあり、林冲や武松を紹介したりしている。
- 朱仝を仲間入りさせる際にいたいけな子供を手にかけた李逵を、朱仝の恨みが晴れるまで屋敷に留まらせることになった際に、高唐州知事となった高廉の義弟に叔父の柴皇城の庭園を奪われ、怒った李逵が問題をややこしくしたせいで投獄されてしまう。大恩人の危機と高唐州を攻めた梁山泊軍が、高廉の妖術を公孫勝が打ち破った事で陥落させ、救出された柴進は梁山泊入りした。
李応(り・おう)
- 梁山泊の「 金銭糧食を司る頭領」を務める、百歩離れた敵を倒す飛刀の使い手。
- 点鋼槍を操って戦う他、背中に隠した飛刀の腕前から「撲天鵰(天を打つ鷲)」と呼ばれていた。
- 元々は祝家荘・扈家荘と並ぶ独竜岡三家荘の一つ李家荘の長者で、楊雄や石秀と共に梁山泊を目指して旅していた時遷が祝家荘で盗みを働いた事がきっかけて始まった梁山泊と祝家荘の戦いの際に、山賊の仲間と見なされるのを考慮して中立を保った。
- 戦いが梁山泊の勝利に終わると、呉用の策で役人に変装した者達に捕らえられて梁山泊に連れて行かれると、すでに家族も梁山泊に連れてこられていたので、半ば諦めぎみに仲間になった。
朱仝(しゅ・どう)
席次 |
第十二位 |
前世 |
天満星(てんまんせい) |
綽名 |
美髯公(びぜんこう) |
- 梁山泊の「騎兵軍八驃騎兼先鋒使」を務めるヒゲのおじちゃん。
- 立派なヒゲをたくわえており、関羽の子孫を自称する関勝がいるにも拘わらず、関羽の通称「美髯公」と呼ばれる。
- 元々は、雷横をコンビを組む役人で、義に厚く友情を重んじる性格から人助けをしていた。
- 相棒の雷横が、母親を侮辱した白秀英を殺した際に見逃し、自らは雷横を見逃した罪で自首して流罪となったが、流刑先でその義理型さを評価されて知府の幼な子の子守役となり「ヒゲのおじちゃん」として安息の日々を送っていた。
- しかし、前に朱仝に救われた事のある宋江に目をつけられ、梁山泊に無理矢理迎い入れられようとした際に、李逵が幼な子を殺してしまい、その罪を着せられる破目になってやむなく梁山泊に入った。
- 梁山泊解散後は軍功を稼いでいって、一番の出世頭となる。
魯智深(ろ・ちしん)
- 梁山泊の「歩兵軍頭領」を務める豪腕自慢の陸戦型破戒坊主。
- 身体に刺青(花)をいれており、坊主となってからは「花和尚」と呼ばれた。
- 仏門に入る前の名は「魯達」で、元々は、延安府の提轄(警察官)を務めていたが、怪力自慢の大酒呑みで乱暴なところはあるものの、性根は曲がった事が大嫌いで義に厚いというまっすぐな人間だった為、憎めないキャラが地元の人気者となっていた。
- 金翠蓮を騙した肉屋をこらしめようとした際に力加減を誤って殺してしまい、延安府を逃げ出し五台山にて出家した。
- 問題を起こして五台山を追われ、開封府の大相国寺で菜園の番人になった際に林冲と出会って義兄弟になった。
- いろいろあって武松や楊志らと二竜山で山賊をしていたところに、梁山泊に敗れた呼延灼に攻め込まれて窮地に陥るが、梁山泊の助勢で撃退し、二竜山や周辺の山賊らと共に梁山泊入りした。
- 62斤の禅杖を軽がる操る怪力の持ち主だが、李逵の様に弱い者にもその力を振るう様なことはしない。また、戦場で道に迷っては目の前に大功が転がり込んで来ると言う特殊能力を持っている。
武松(ぶ・しょう)
席次 |
第十四位 |
前世 |
天傷星(てんしょうせい) |
綽名 |
行者(ぎょうじゃ) |
- 梁山泊の「歩兵軍頭領」で、酒に酔って虎を殴り殺すほどの武力の持ち主。
- 水滸伝きっての人気者で、メインを務める話が10回もある為、それらは「武十回」と呼ばれている(「武十回」の一部は「金瓶梅」として二次創作されている)。
- 実家に戻る途中、酒に酔ったまま峠越えをしようとした際に人食い虎に出くわして殴り殺し、その功を認められて役人となると、隣町に兄の武大がいたのを知り、兄弟仲良く生きていくことになるかと思われた。
- しかし、嫌がらせで醜男の武大の嫁にされた美女・潘金蓮と、間男の西門慶(「金瓶梅」の主人公)により兄が殺されると、その仇討ちの際に大立ち回りを演じて大罪人となり、逃亡中に知り合った張青と孫二娘から追剥していた行者の装束を得た以降は、「行者」と呼ばれる姿で戦い続けた。
- 二本の戒刀を武器に、魯智深や楊志と共に二竜山で山賊となっていたが、呼延灼の攻撃を受けて梁山泊に助けてもらった際に仲間入りし、以降は魯智深と組んで歩兵を率いて大暴れした。
董平(とう・へい)
席次 |
第十五位 |
前世 |
天立星(てんりつせい) |
綽名 |
双鎗将(そうそうしょう) |
- 梁山泊の「騎兵軍五虎将」を務める文武両道の風流人。
- 両手に一本ずつもった二本の槍を巧みに操るところから「双槍将」と呼ばれ、高い教養と音楽を奏でる風流人なところから「風流双槍将」とも呼ばれた為、本人も、戦闘時には背中に「風流双槍将」「英雄萬戸候」と書かれた二本の旗指物をつけてアピールしていた。
- 元は東平府の兵馬都監で、東平府が宋江と盧俊義のどちらが首領になるかの最終試験の攻略目標となった際に宋江軍と戦い、捕らえられた後に梁山泊入りした。
- 一見、前田慶次の様な傾奇者を彷彿とさせるような設定だが、梁山泊入りする際に、婿入りを拒んでいた上司を殺して娘を奪ったりしている。また瓊英ファンからはその迂闊な性格のせいで起きた悲劇から敵視されている。
張清(ちょう・せい)
席次 |
第十六位 |
前世 |
天捷星(てんしょうせい) |
綽名 |
没羽箭(ぼつうせん) |
- 梁山泊の「騎兵軍八驃騎兼先鋒使」を務める石つぶての名手。銭形平次の元ネタとも言われる。
- 投げては百発百中の石つぶての腕前だった為「没羽箭(羽の無い矢)」と呼ばれた。
- 元は東昌府の武将で、東昌府が宋江と盧俊義のどちらが首領になるかの最終試験の攻略目標となった際に、龔旺と丁得孫を率いて盧俊義と戦い、徐寧・燕順・韓滔・宣贊・呼延灼・劉唐・楊志・朱仝・雷横そして関勝を退け、大ダメージを与えていたが、公孫勝の妖術と水軍の連携で生け捕りにされ、梁山泊の仲間入りを果たした。
- 梁山泊入り後は、騎兵軍の将として活躍し、得意の石つぶてを顔面にくらって倒れる者も数知れずの状況だった。
- また120回本では、田虎戦の際に瓊英と言う美少女と出会って結婚し、夫婦一緒で戦う中で張節と言う子を設けた。
楊志(よう・し)
席次 |
第十七位 |
前世 |
天暗星(てんあんせい) |
綽名 |
青面獣(せいめんじゅう) |
- 梁山泊の「騎兵軍八驃騎兼先鋒使」を務める、宋朝初期の英雄「楊業」の子孫で、歩く不幸属性。
- 顔に大きな青痣があることから「青面獣」と呼ばれ、武芸十八般に通じて梁山泊の豪傑達と互角の勝負を繰り広げた。
- 若くして武挙に合格したエリート武官だったが、皇帝の庭用の珍花・名木・奇石を調達・輸送する花石綱運搬の監督をしていた際に船が沈没した為、責任逃れの為に出奔し、恩赦を期待して都に戻る際に、梁山泊入りの条件として首ひとつを要求されていた林冲と互角の勝負を演じた。
- 都に戻ったものの「都合の良い事を言うな」ということで恩赦をもらえず、生活資金に困って先祖伝来の名剣「吹毛剣」を売ろうとした際に、因縁をふっかけてきた牛二を斬り殺してしまい罪人となった。
- 流罪先の北京で参加した武芸大会で索超と互角の戦いを繰り広げた事から、都への賄賂「生辰網」の運搬監督の役目を与えられたが、晁蓋らの策略により生辰網を奪われ、自殺を考えるも好漢として生きて行く道を選び、無銭飲食で知り合った曹正の縁で魯智深と出会って二竜山の山賊となった。
- 呼延灼の攻撃を受けて梁山泊に援軍を頼んだ事から、呼延灼戦後に梁山泊入りし、大事な荷物を奪った晁蓋らと再会するも笑って済ませた。
- 宋朝に恨みを持っていた事から宋江が帰順を言い出した際は、林冲や魯智深と共に大反対したが、帰順後は奮戦して戦功をあげた。しかしどんどん空気化して行き、最期まで暗い星の宿命を背負った不幸の人だった。
徐寧(じょ・ねい)
席次 |
第十八位 |
前世 |
天祐星(てんゆうせい) |
綽名 |
金鎗手(きんそうしゅ) |
- 梁山泊の「騎兵軍八驃騎兼先鋒使」を務める鉤鎌槍の使い手。
- 元は八十万禁軍教頭槍術師範で、金鎗法の教頭を勤めていた事から「金槍手」と呼ばれた。
- 呼延灼の連環馬を破る「鉤鎌槍」の使用法腕と製造方法を知っていた事から梁山泊に目をつけられ、梁山泊入りしていた従兄弟の湯隆の提案で、先祖伝来の家宝で刀も矢も通さない金色の鎧「賽唐猊」を時遷に盗み出され、おびき出されたところを酒屋でしびれ薬を飲まされて梁山泊に連れて行かれた。
- 家族を無事に梁山泊に連れて送る事と、「賽唐猊」を返却する事を条件に梁山泊入りし、武器の製造を担当する湯隆と共に鉤鎌槍を作り出して呼延灼の連環馬を破った。
索超(さく・ちょう)
席次 |
第十九位 |
前世 |
天空星(てんくうせい) |
綽名 |
急先鋒(きゅうせんぽう) |
- 梁山泊の「騎兵軍八驃騎兼先鋒使」と務める、金蘸斧と呼ばれる金色の大斧使い。
- とにかく短気で無鉄砲な性格から「急先鋒」と呼ばれた。
- 北京大名府に流罪となった楊志と、知府の御前試合で戦って引き分けた。
- 梁山泊が北京を攻撃した際に、聞達や李成と共に梁山泊軍と戦ったものの、落とし穴に嵌って捕らえられ、楊志に説得されて梁山泊入りした。
戴宗(たい・そう)
席次 |
第二十位 |
前世 |
天速星(てんそくせい) |
綽名 |
神行太保(しんこうたいほう) |
- 梁山泊の「情報収集を統べる頭領」で、諜報・情報活動のエキスパート。「OVA版ジャイアントロボ」でおなじみの人。
- 一日に800里の距離を走破する「神行法」の使い手である事から、「神行太保」と呼ばれている。
- 「ジャイアントロボ」同様、李逵にとっては頭の上がらない兄貴役である。
- 江州の牢役人で、流刑となってやってきた宋江と知り合い、宋江を李逵とめぐり合わせ、宋江が酔った勢いで壁に書いた詩が原因で殺されそうになった際は、「神行法」で都に行く用事の際に酔い潰されて梁山泊に捕まった。
- 事の次第を話して呉用から宋江救出の策を得るも、呉用のうっかりにより策が失敗し、宋江と一緒に処刑されそうになったところを、乱入した李逵と梁山泊軍に救いだされて仲間入りした。
- 梁山泊に入った後は、その高速移動の能力で情報収集から伝令・諜報活動から行方不明となった公孫勝探しまで幅広く活躍し、その過程で多くの仲間を梁山泊にスカウトしている。
- 「神行法」を使う為に、普段から肉や酒といった不浄なものは食べない為、連日の宴会もよくある梁山泊では苦労したのではないかと思われる。
劉唐(りゅう・とう)
- 梁山泊の「歩兵軍頭領」で、脛毛に濃さに定評がある。
- こめかみのあたりに赤い痣があり、そこから赤い髪が生えていた為「赤髪鬼」と呼ばれたが、画像・映像化される際は、きまって髪全体が真っ赤にされてしまう。
- 元は、天涯孤独の無頼の徒で、北京から都に送られる不義の財を奪い取ろうと考え、義に厚い人物として知られた晁蓋を頼り、呉用や公孫勝や阮兄弟と協力して強奪に成功した。
- 事が露見すると晁蓋らと共に梁山泊に入り、歩兵将校としては不覚を取る事も多かったが、真っ先に敵陣に切り込む勇者だった。しかし死に方はドリフのコントっぽい
- 元が無頼の徒であり、出自が同じ者達の中では最上位の席次の為、席次がチートと言う意見も。
李逵(り・き)
- 梁山泊の「歩兵軍頭領」で、上半身裸で二丁斧を振りまして戦場に血の雨を降らす黒い悪魔。
- 目が赤く、戦いの際は上着を脱いで黒い肌をさらし、両手に持った二丁の斧を振り回すことから「黒旋風」と呼ばれた。
- 兄貴と慕う戴宗により江州に流罪となった宋江と巡りあい、義兄弟の契りを結んで終生変わらぬ忠義を貫いた。
- 酔った勢いで書いた詩を利用された宋江と、助けようとしてミスった戴宗を救う為、処刑当日に刑場に乱入して二人を助け出し、梁山泊の仲間入りを果たした。その後もちょくちょく事件をおこしていたものの、鮑旭ら気の合う歩兵軍の仲間達と共に、騎兵に負けない戦いぶりを見せる。
- 子供の様な素直さを持つ反面、人を殺すことに躊躇がなく、朱仝を仲間入りさせる際には、朱仝が子守していた男の子を殺害したり、周囲の一般人の被害がどれだけ発生するかは全く考えずに二丁斧を振り回す。特に腕力は、腕自慢が集まる梁山泊でも一、二を争う力を持ち、武松同様、素手で虎を殴り殺している。
- 凶悪な反面、水滸伝に度々登場する人肉饅頭や人肉食の話の様な血なまぐさいまでの凄惨さはあまり感じられないが、梁山泊でも一、二を争う巨体を持ちながらも、一、二を争うお子様な中身をしているのは確かで、愛すべき馬鹿のお茶目と捉えられる反面、やる事が悲惨すぎて好き・嫌いがはっきりしているキャラでもある。
史進(し・しん)
- 梁山泊の「騎兵軍八驃騎兼先鋒使」で、一〇八の魔星で一番最初に登場する好漢。
- 身体に9匹の龍の刺青を入れていた事から「九紋竜」と呼ばれていた。
- 史家村の庄屋の息子に生まれ、母親がその不良ぶりを嘆いて死ぬ程のワルガキだったが、李忠らに習った武芸の腕を鼻にかけていたところを、逃亡中に立ち寄った王進に叩きのめされて弟子入りし、武芸十八般を叩き込まれた。
- 父親と死別して史家村の長となると、朱武・陳達・楊春ら少華山の山賊に対抗する為に自警団を組織した。
- 攻めてきた陳達をあしらって捕らえたものの、朱武と楊春が涙を流して役所に突き出すなら三人一緒にしてくれと頼んだ心意気に感動して解放し、朱武・陳達・楊春らと意気投合した。
- 朱武・陳達・楊春らを自宅に招こうと書いた手紙を李吉に盗まれた事で危機が及ぶと、李吉を殺した上、自宅に火を放って王進を探す旅に出た。
- 旅先で李忠や魯智深と出会い、戻って少華山の賊の首領となっていたところを、先に梁山泊入りした魯智深の紹介で朱武・陳達・楊春らと共に入山した。
- 入山後は、三尖両刃刀を使って戦うも、入山後初戦の芒碭山攻めで項充・李袞に一度敗れたり、東平府攻めで内部から攻めようとなじみの芸者の元に隠れるのに失敗したりと、序盤の若きヒーローっぽさが薄れてしまっている。
- しかし最初に登場する好漢という事で人気キャラでもある。あと女性運が悪い。
穆弘(ぼく・こう)
- 梁山泊の「騎兵軍八驃騎兼先鋒使」で穆春の兄。李俊・張順と並ぶ江州三覇の一人。
- 掲陽鎮の富豪の家に生まれたが、喧嘩好きの暴れん坊だった為「没遮欄(さえぎる者無し)」と呼ばれた。
- 江州に護送中の宋江に弟の穆春が因縁をつけた事が縁で出会い、弟の無礼を詫びて屋敷で数日間もてなした後、涙を流して見送った。
- 罪をでっちあげられた宋江が処刑されかけると弟らと共に処刑場に乱入し、救援にきていた梁山泊軍に加わった。
- 威風堂々とした壮士だったが梁山泊では目立った実績は残しておらず、武力は語られないままで終わった。
- 解珍・解宝兄弟とならんで天罡星である事を読者から疑問に思われる事も多いが、「水滸新伝」では、リストラどころか、席次がアップして活躍すると言う変更が行われている。
雷横(らい・おう)
席次 |
第二十五位 |
前世 |
天退星(てんたいせい) |
綽名 |
挿翅虎(そうしこ) |
- 梁山泊の「歩兵軍頭領」で、鍛冶屋の経歴を持つ鄆城県の都頭。朱仝とは良い相棒の間柄。
- 雷とも虎とも言われる声を持ち、身の丈八尺の大柄な体ながら三丈の長さの川を飛び越える跳躍力を持っていた事から「挿翅虎(羽の生えた虎)」と呼ばれた。
- 劉唐を捕らえて晁蓋に引き渡したり、生辰綱奪取後は晁蓋の脱出に協力し、宋江が妾の閻婆惜を殺した際も助けた。
- 芸人の白秀英の舞台を見に行った際に、金を持っていなかった事から白秀英の父に罵られた事に怒って芝居をぶち壊し、捕らえられて首枷をはめられたところに差し入れに来た母親を白秀英に侮辱された事から首枷で白秀英を殺してしまい、朱仝に助けられて梁山泊入りした。
- 罪を被った朱仝が北京へ流罪になった際は、梁山泊入りに尽力した。結果は悲惨な事になってしまったが・・・
- 柴進救出戦で高廉を斬る戦功をあげ、呼延灼との戦いでは、鍛冶屋の経歴を活かして湯隆と共に鈎鎌鎗を製造した。
李俊(り・しゅん)
- 梁山泊の「水軍頭領」で水軍一の体格を誇る。穆弘・張順と並ぶ江州三覇の一人。
- 八尺の大柄な体格に、「霜峰」と言う剣をふるって水中戦を行い、船底に穴をあけて船を沈める事等から揚子江を掻き回す「混江竜」と呼ばれた。
- 船頭や塩の密売を生業にしていた義侠心にあふれる男で、傍らには常に童威と童猛を従えていた。
- 名声を知っていた宋江が江州に流されてくることを知って迎えに行き、手下の李立の酒場でしびれ薬を飲まされていた宋江を助け、その後も宋江が地雷をふみまくって、江州三覇の穆弘と張順に死にそうな目にあわされる所に現れては仲裁していった。
- 罪をでっちあげられた宋江が処刑されようとした際は、仲間達と共に処刑場に乱入し、救援にかけてつけていた梁山泊軍と合流し、その後は水軍の総頭領的な立場となり、高俅率いる討伐軍に対して水軍の恐ろしさを見せつけた。
- 招安にも積極的ではなく、あまりの無礼っぷりに腹を立てた事もあったが、尊敬する宋江の判断ゆえに最後は従った。しかし招安後も続く宋朝の冷たい態度に、梁山泊へ戻りたいと呉用に相談し、宋江に説得されたりした。
- 方臘戦終結で宋江への義理を果たしたと考えた李俊は、蘇州で知り合った費保・倪雲・上青・狄成や童兄弟と共に外海に旅立ち、その後の話を描いた「水滸後伝」では主役を務める事となった。
阮小二(げん・しょうじ)
席次 |
第二十七位 |
前世 |
天剣星(てんけんせい) |
綽名 |
立地太歳(りっちたいさい) |
- 梁山泊の「水軍頭領」を務める阮氏三兄弟の長男。
- 荒くれ者だった事から、すぐに暴れる凶星と言う意味の「立地太歳」と呼ばれた。
- 石碣湖で漁師を生業にしていたが、呉用に見込まれて晁蓋・公孫勝・劉唐らと生辰綱の強奪に協力する。
- 事が露見すると晁蓋らと共に梁山泊入りし、得意の水泳で三兄弟協力して水中戦に持ち込み、凌振や張清を生け捕りにしている。
- 三兄弟唯一の妻子持ちであり、梁山泊入りする前は母親の面倒も見ていた。
張横(ちょう・おう)
席次 |
第二十八位 |
前世 |
天平星(てんぺいせい) |
綽名 |
船火児(せんかじ) |
- 梁山泊の「水軍頭領」で張順の兄。李俊・穆弘と並ぶ江州三覇の一人。
- 元は渡し舟の船頭を装った強盗で、乗ったら身包み剥がされる事から「船火児」と呼ばれた。
- 江州に流される途中の宋江が、薛永に金を恵んだ事で穆弘・穆春兄弟に追われる羽目になった際に、船の乗せた後に身包み剥ごうとしたが、李俊から宋江である事を知らされると無礼を詫び、江州にいる弟の張順を紹介した。
- 宋江が罪をでっちあげられて処刑されそうになった際は、弟や仲間達と共に処刑場に乱入し、救援にきていた梁山泊軍と合流した。
阮小五(げん・しょうご)
- 梁山泊の「水軍頭領」を務める阮氏三兄弟の次男。
- 母親のかんざしを質に入れるほどの博打好きで喧嘩っ早い。
- 渾名の「短命二郎」の由来は単に「命知らずの次男坊」とも、彼と関わった人間の方が命が短くなるから「人の命を短くする次男坊」とも言われている。
- 石碣湖で漁師を生業にしていたが、呉用に見込まれて晁蓋・公孫勝・劉唐らと生辰綱の強奪に協力する。
- 事が露見すると晁蓋らと共に梁山泊入りし、得意の水泳で三兄弟協力して水中戦に持ち込み、凌振や張清を生け捕りにしている。
張順(ちょう・じゅん)
席次 |
第三十位 |
前世 |
天損星(てんそんせい) |
綽名 |
浪裏白跳(ろうりはくちょう) |
- 梁山泊の「水軍頭領」で張横の弟。元は江州の魚場を取り仕切る仲買人。
- 絹の様に白い肌で七日七晩水に潜れる特技を持っていた事から、「浪裏白跳」と波間を跳ねる白い姿を称えられた。
- 江州に流されてきた宋江と、戴宗の仲介で知り合った李逵が、宋江に食べてもらおうと魚場で魚を調達しようとした際に、強引なやり方を懲らしめようと水中にひきずり込んで溺れさせかけた。
- 戴宗の仲裁で宋江と巡りあい、宋江が罪をでっちあげられて処刑されると聞くと仲間達と共に処刑場に集い、救援に来ていた梁山泊軍に合流した。
- 宋江が背中に腫れ物で倒れた際は、安道全の神医ぶりを訴えて迎えに行き、強引な方法で梁山泊入りさせた。
- 水軍の中でも最も水泳を得意としており、宋江からも可愛がられる等、地味目な兄貴に比べて目立っている。
阮小七(げん・しょうしち)
席次 |
第三十一位 |
前世 |
天敗星(てんぱいせい) |
綽名 |
活閻羅(かつえんら) |
- 梁山泊の「水軍頭領」を務める阮氏三兄弟の末弟。
- 兄二人に劣らぬワルで、生きた閻魔大王と言う意味の「活閻羅」と呼ばれて恐れられた。
- 石碣湖で漁師を生業にしていたが、呉用に見込まれて晁蓋・公孫勝・劉唐らと生辰綱の強奪に協力する。
- 事が露見すると晁蓋らと共に梁山泊入りし、得意の水泳で三兄弟協力して水中戦に持ち込み、凌振や張清を生け捕りにしている。
- 末弟ゆえお茶目なところもあり、梁山泊に最初の招安の詔勅が降った際は、使者が持ち込んだ酒を飲み干して濁酒に入れ替え、船を転覆させて招安を失敗に終わらせたりした。
楊雄(よう・ゆう)
- 梁山泊の「歩兵軍頭領」で、元は薊州の首切り役人。キレると怖い。
- 顔が黄色く、堂々たる風貌と武芸に優れた点を関索に喩えられて「病関索」と呼ばれた。
- 街でごろつきに因縁をつけらえていたところを助けてくれた石秀と義兄弟の契りを結び、自宅を間借りさせて肉屋を営業させる等した。
- 石秀が妻の藩巧雲の密通相手を斬った事から、自らの手で妻を腸を引きずりだす等して惨殺し、石秀と盗み聞きしていた時遷と三人で梁山泊入りした。
- 官軍との戦いでは楊温を斬り、遼国戦では賀重宝を斬るなど戦功をあげている。
- ちなみに石秀には何度も助けられているが、自身が石秀を助けた事は無い。
石秀(せき・しゅう)
- 梁山泊の「歩兵軍頭領」で、困った人を見るとほおっておけない熱血漢。棒・槍の腕は一流。
- 普段は冷静で頭が切れるのに、義に厚く困っている人を見かけると命を顧みないことから「拚命三郎(命知らずの三男坊)」と呼ばれた。
- 商売に失敗して薪売りをしていた際に、ごろつきに因縁をつけられていた楊雄を助けた事から、公孫勝を探す旅の途中の戴宗と楊林から梁山泊への入山を推薦された。
- 楊雄と意気投合して義兄弟の契りを結び、楊雄の家に住んで肉屋を営むようになるが、楊雄の妻の藩巧雲が僧侶の裴如海と密通している事を知り、裴如海を殺した。
- 楊雄が妻を手にかけた後は、盗み聞きしていた時遷をつれて梁山泊に向かい、祝家荘と梁山泊の開戦のきっかけをつくりつつも梁山泊入りした。
- 祝家荘との戦いでは、欒廷玉に偽りの協力を申し出た孫立に敗れて信用させる役を演じたり、盧俊義が捕らわれの身となった際は、北京へ単身乗り込み、処刑場へ乱入して孤軍奮闘するなど、綽名通りの命知らずな大活躍を見せる。
解珍(かい・ちん)
- 梁山泊の「歩兵軍頭領」で解宝の兄。正装は虎の着ぐるみと言う根っからの漁師。
- 気性が荒く、刃が二股の武器「点綱叉」を得意としていた事から、「両頭蛇」と言うモンスターの様な綽名で呼ばれた。
- 元は登州一と呼ばれた漁師で、ある時、弟の解宝と共に賞金付きの虎を退治したものの、死体が転がり落ちた家の息子の毛仲義に嵌められて虎を奪われたうえに罪人として投獄されてしまう。
- 牢番の楽和に顧大嫂への救援依頼と届けてもらい、孫立ファミリーや鄒淵・鄒潤に助け出された後、孫立ファミリーとして梁山泊入りした。
- 点綱叉を操って曾頭市の戦いでは曾索を、高俅軍との戦いでは軍師の聞煥章を捕らえたりしているが、やはり孫立の功績と活躍が目立つのと出自の違いからか、読者からは天罡星である事を疑問視される事も。
解宝(かい・ほう)
- 梁山泊の「歩兵軍頭領」で解珍の弟。正装は虎の着ぐるみと言う根っからの漁師。
- 兄よりさらに気性が荒く「点綱叉」を得意としていた事から、「双尾蝎」と言うモンスターの様な綽名で呼ばれた。
- 元は登州一と呼ばれた漁師で、兄の解珍と共に退治した虎の死体が転がり落ちた家の息子の毛仲義に嵌められ、虎を奪われたうえに罪人として投獄されてしまう。
- 牢番の楽和に顧大嫂への救援依頼と届けてもらい、孫立ファミリーや鄒淵・鄒潤に助け出された後、孫立ファミリーとして梁山泊入りした。
- 兄弟の抜群のコンビネーションで活躍するものの、やはり孫立の功績と活躍が目立つのと出自の違いからか、読者からは天罡星である事を疑問視される事も。
燕青(えん・せい)
- 梁山泊の「歩兵軍頭領」で、全身に刺青をいれた風流人且つ相撲の腕は天下無双と言う伊達男。
- 風流を嗜み歌舞音曲に通じていた洒落者だった事から「浪子(ろうし)」と呼ばれた。ナミコではない。
- 元は盧俊義の店の奉公人で、孤児だったところを拾われて育てられた事から主人の盧俊義に絶対の忠誠を誓っており、盧俊義が旅行の途中で梁山泊を訪れた際に妻に裏切られて財産を失うと、乞食に身をやつして主人の帰りを待ったり、盧俊義が流罪になった際は、後をつけて暗殺者を射殺したりしている。
- 体格は大柄ではないものの天下無双の相撲の腕の他、武芸は一通り得意で、特に弩の腕は百発百中を誇っている。
- 梁山泊軍に救い出された盧俊義と共に入山後は、曽頭市との再戦で史文恭を捕らえる手柄をたてている。
- その他にも、東京開封府の芸妓で徽宗皇帝となじみの李師師に教養の高さと伊達男振りを認められて義姉弟の契りを結び、宋江と徽宗皇帝を結ぶ役目を果たしたり、李逵をも手玉にとる相撲の技で泰山の相撲大会に参加し連続優勝中の任原を投げ飛ばす等、登場の遅さを苦にしない大活躍を見せる。
地煞星七十二星
朱武(しゅ・ぶ)
- 梁山泊の「機密を司る軍事参謀」で元は少華山の山賊。陳達と楊春とは義兄弟の契りを結んだ仲。
- 軍略マニアで陣形に詳しく知略に富む事から「神機軍師」と呼ばれ、地煞星の72人の筆頭を務めた。
- 元は、義兄弟の契りを結んだ陳達・楊春と共に少華山で賊の頭を務めていた。
- 陳達が史進に敗れて捕えられた際に、楊春と共に全力土下座しながら「我ら生まれし日は違えども、死す時は同じ日同じ時を願わん」な話で史進の義侠心を揺さぶり、陳達を解放してもらった上に史進と仲良くなった。
- 紆余曲折あって実家に戻れなくなった史進を少華山の首領に迎え、魯智深の推薦で史進らと共に梁山泊入りした。
- 梁山泊入り後は、呉用よりも頼りになる参謀として活躍し、二手に分かれる際は盧俊義が率いる軍の軍師を務めた。
黄信(こう・しん)
席次 |
第三十八位 |
前世 |
地煞星(ちさつせい) |
綽名 |
鎮三山(ちんさんざん) |
- 梁山泊の「騎兵軍小彪将兼斥候」で、結果的に大法螺吹きになってしまった可哀想な人物。
- 青州の慕容彦達の下で兵馬都監を務め、青州にある清風山・二竜山・桃花山の三つの山の賊を平定するのが口癖だった事から「鎮三山」と呼ばれた。
- 喪門剣の使い手だが、劉高に騙されて花栄を捕えたり、宋江と花栄を護送中に清風山の燕順らに奪われたりと散々な成果ばかりで、あげく武術の師匠である秦明が尻ぬぐいに呼び出された上に清風山の戦いで捕えられ、花栄の策で秦明の偽物が青州で暴れた際に、誤認から秦明の家族が処刑される際も何も出来ず、宋江らの仲間となった秦明に説得されて仲間入りすると言う情けない事が続いた。
- 遼国戦で賀重宝を斬る等の功績もあげたが、梁山泊入り後も情けない話が多く、読者からは孫立より上の席次になる為に石板にいくら賄賂を払ったのかと疑いをかけられたりしている。
- ある意味ギャグキャラなので死なない。
孫立(そん・りつ)
席次 |
第三十九位 |
前世 |
地勇星(ちゆうせい) |
綽名 |
病尉遅(びょううつち) |
- 梁山泊の「騎兵軍小彪将兼斥候」で、騎兵軍五虎将に劣らぬ腕を持つ豪傑。
- 鉄鞭を扱わせたら敵無しと言われた登州一の豪傑で、顔色が黄色みがかっていた事と同じく鞭の達人だった唐の時代の名将で中国の名将ベストテンを決めようとする際に確実に名前があがるであろう「尉遅恭」になぞらえて「病尉遅」と呼ばれた。
- 弟の嫁の顧大嫂に説得され、弟の孫新と共に冤罪で捕えられた解珍・解宝を救いだした。
- 一族を引き連れて梁山泊入りした際に、梁山泊軍が祝家荘と戦っていた為、手土産代わりに武芸の同門で祝家荘の武芸教師であった欒廷玉に、梁山泊入りした事を隠して偽りの協力を申し出、祝家荘を内部から陥落させた。
- 顧大嫂・孫新・楽和・解珍・解宝・鄒淵・鄒潤らと登州ファミリーを形成し、欒廷玉を破り、秦明と互角の張威や方瓊を討ちとる等、「尉遅恭」の名に恥じぬ活躍を見せたが、石板のせいで解珍・解宝よりも下の席次になってしまった。
- 「水滸新伝」では天の星に格上げされている。
宣贊(せん・さん)
- 梁山泊の「騎兵軍小彪将兼斥候」で梁山泊一のブサメン。
- 娘婿(郡馬)として結婚する事になった際に、妻となるはずだった娘があまりのブサイクぶりに嘆いて自殺してしまった事から「醜郡馬」と呼ばれた。
- 北京救援の為に梁山泊軍を攻撃する事になった関勝の軍に郝思文と共に参加し、秦明と戦って捕えられ、関勝や郝思文と共に梁山泊入りした。
- 人を見る目はあり、地方で燻っていた関勝を梁山泊討伐軍の指揮官として推薦したのも宣贊によるものである。
- ブサメンを苦にしない男振りから以外と女性読者人気はあるらしい。
郝思文(かく・しぶん)
席次 |
第四十一位 |
前世 |
地雄星(ちゆうせい) |
綽名 |
井木犴(せいぼくかん) |
- 梁山泊の「騎兵軍小彪将兼斥候」で関勝とは義兄弟の契りを結んでいる。
- 母親が二十八宿の星座の一つである井宿が胎内に入る夢を見て身ごもったと言った事から、井宿を表す「井木犴」と呼ばれた。
- 北京を救援する為に梁山泊討伐を命じられた関勝の軍の参加し、宣贊と共に梁山泊軍と戦ったが、林冲と戦って敗れ、扈三娘に捕えられた後、関勝・宣贊と共に梁山泊入りした。
- 武芸十八般に精通すると言う設定だったが、それが活かされる事は無かった。
韓滔(かん・とう)
席次 |
第四十二位 |
前世 |
地威星(ちいせい) |
綽名 |
百勝将(ひゃくしょうしょう) |
- 梁山泊の「騎兵軍小彪将兼斥候」で、棗木槊と呼ばれる長い矛を得意武器としている。
- 元は陳州団練使で、呼延灼の梁山泊討伐の際に彭玘と共に副将を務め、連環馬の突進力で梁山泊軍を苦しめるも、徐寧を仲間にした梁山泊軍に敗れて捕えられ、説得されて仲間入りした。
- 綽名は百戦百勝の常勝将軍と言う意味の「百勝将」だが・・・
彭玘(ほう・き)
席次 |
第四十三位 |
前世 |
地英星(ちえいせい) |
綽名 |
天目将(てんもくしょう) |
- 梁山泊の「騎兵軍小彪将兼斥候」で、代々武門の家柄に生まれた元軍人。
- 綽名の「天目将」は、かに座の凶星からとられている等の諸説があるが詳しい事は不明。
- 三尖両刃刀を得意とする頴州団練使で、呼延灼の梁山泊討伐の際に韓滔と共に副将として参加した。
- 扈三娘と戦って敗れ、呼延灼軍で最初に捕らわれると説得されて梁山泊入りした。
- 共に梁山泊入りした韓韜とコンビで行動する事が多く、最期もコンビのお約束を貫いた。
単廷珪(ぜん・ていけい)
席次 |
第四十四位 |
前世 |
地奇星(ちきせい) |
綽名 |
聖水将(せいすいしょう) |
- 梁山泊の「騎兵軍小彪将兼斥候」で、黒い軍装の兵を率いるブラックナイト。
- 水攻めを得意としていたところから「聖水将」と呼ばれた。
- 元凌州の団練使で、梁山泊討伐の命をうけて魏定国と共に戦ったものの、関勝との一騎打ちに敗れて捕えられ、関勝に説得されて梁山泊入りし、敗走して抵抗を続ける魏定国を説得し、二人そろって梁山泊入りする事になった。
- 「桿鎗」と呼ばれる一丈の黒鎗を武器とし、魏定国とコンビを組んで戦ったものの、得意の水攻めは披露される事は無かった。
魏定国(ぎ・ていこく)
席次 |
第四十五位 |
前世 |
地猛星(ちもうせい) |
綽名 |
神火将(しんかしょう) |
- 梁山泊の「騎兵軍小彪将兼斥候」で、赤い軍装の兵を率いるレッドナイト。
- 火攻めを得意としてたところから「神火将」と呼ばれた。
- 元凌州の団練使で、梁山泊討伐の命をうけて単廷珪と共に戦ったものの、単廷珪が捕えられ、関勝との一騎打ちに敗れて敗走した。
- 得意の火攻めで対抗しつづけたものの、単廷珪と関勝の説得により単廷珪と共に梁山泊入りした。
- 火薬や火器を装備した500の火兵を率いて戦い、得意技を発動できない単廷珪に代わって火攻めで功績を挙げた。
蕭譲(しょう・じょう)
席次 |
第四十六位 |
前世 |
地文星(ちぶんせい) |
綽名 |
聖手書生(せいしゅしょせい) |
- 梁山泊の「文書作成を司る頭領」で、他人の筆跡を真似る書の達人。
- 筆跡を真似る腕前が神の領域であるとして、神の手を持つ書生「聖手書生」と呼ばれた。
- 江州で捕えられた宋江を救う為に、呉用の策で騙されて梁山泊入りし、その腕前をもって書家として知られる蔡京の筆跡を真似て偽手紙をつくった。
- この時は呉用の失態で無意味に終わったが、その後は梁山泊の公文書の作成等を担当し、120回本では、王慶戦で兵法の知識を披露した。
裴宣(はい・せん)
席次 |
第四十七位 |
前世 |
地正星(ちせいせい) |
綽名 |
鉄面孔目(てつめんこうもく) |
- 梁山泊の「論功賞罰を担当する軍政司」を務めた元裁判所の書記官(孔目)。
- 曲がった事が嫌いな真面目な性格で、不断の意志で公平な判断を行う事から「鉄面孔目」と呼ばれた。
- 意地悪な上司の罠により無実の罪で流罪となったが、鄧飛と孟康に助けられて飲馬川の首領となった。
- 鄧飛の友人の楊林とめぐりあい、勧められて梁山泊入りした。その後は、無法者揃いの梁山泊の裁判官として、公明正大な判断を鉄血の意志をもって下していったと思われる。また軍の編成等も仕事に含まれている。
- 120回本では、王慶軍に捕えられた際に拷問に屈しなかった事で蕭嘉穂を揺り動かした。
欧鵬(おう・ほう)
席次 |
第四十八位 |
前世 |
地闢星(ちかつせい) |
綽名 |
摩雲金翅(まうんきんし) |
- 梁山泊の「騎兵軍小彪将兼斥候」で、元は揚子江を守備していた軍人。
- 飛んできた矢を掴み取る身の軽さから、雲を摩する金翼をもつ迦楼羅になぞらえて「摩雲金翅」と呼ばれた。
- 折り合わない上官に反抗して脱走した後に蒋敬・馬麟・陶宗旺らと黄門山で賊となり、首領を務めた。
- 宋江を慕っており、江州で難にあった宋江を助けだした梁山泊軍を待ち伏せて歓待し、そのまま梁山泊入りした。
- 曽頭市戦では、晁蓋の戦死で浮足立つ仲間達をとりまとめて梁山泊まで帰還させた。
鄧飛(とう・ひ)
席次 |
第四十九位 |
前世 |
地闔星(ちとうせい) |
綽名 |
火眼狻猊(かがんしゅんげい) |
- 梁山泊の「騎兵軍小彪将兼斥候」で鉄錬の名手。
- 人を喰らった報いで目が赤くなったと言われ、「火眼狻猊」と綽名された。
- 孟康と共に飲馬川で賊になり、流刑をうけて護送中の裴宣を助け出して首領に迎い入れた。
- その後、親友の楊林に誘われて、裴宣・孟康と共に梁山泊入りした。
- 好漢が戦いで負けたところを助けようとして自分も負けて帰る事が多い。
燕順(えん・じゅん)
- 梁山泊の「騎兵軍小彪将兼斥候」で、髪が赤く、ヒゲが黄色かった事から「錦毛虎」と呼ばれた。
- 元は家畜の仲買を商っていたが元手をすり、流れ着いた清風山で王英・鄭天寿と共に賊をはじめて、首領になった。
- 見た事の無い宋江に多大な憧れを抱いていた為、逃亡中の宋江を捕えた際に酔い覚ましの吸い物にしてしまうところで正体に気づき、平伏して客人として迎えた。
- 清風塞との戦いが終わった後は、宋江に導かれて梁山泊に入った。
楊林(よう・りん)
- 梁山泊の「騎兵軍小彪将兼斥候」で、美しい毛並みを持つ豹を表す「錦豹子」と呼ばれた。
- 昔は鄧飛と組んで追剥をしていたが、一人で盗賊をやりつつも今後の事を考えていた際に公孫勝と出会って梁山泊入りを勧められ、公孫勝を探していた戴宗に声をかけて義兄弟となり、梁山泊に仲間入りした。
- 筆管槍の使い手で、梁山泊に攻めてきた八十万禁軍の武芸師範長の丘岳を斬るなどしている。
凌振(りょう・しん)
- 梁山泊の「大小号砲の製造」を担当する、当時の宋ではオーパーツな大砲技術者。
- 大砲技術の第一人者で、得意とする大砲から轟音が鳴り響く様を表した「轟天雷」と呼ばれた。
- 呼延灼の梁山泊討伐時に大砲を率いる士官として参加し、梁山泊軍を苦しめたものの、呉用の策と水軍の活躍で頼みの大砲を水中に引きずりこまれた上、自身も阮小二に捕えられ、そのまま梁山泊に仲間入りした。
- 高い射撃技術の他に大砲の製造技術も持ち、風火砲・子母砲、金輪砲等を発明している。
- オーパーツなのではなく、全て凌振が開発したものと考えるのが自然・・・なのか。
蒋敬(しょう・けい)
- 梁山泊の「金銭糧食の出納を管理する頭領」で、一分一厘の狂いなく暗算する生体計算機。
- その計算能力の高さから「神算子」と呼ばれたが、科挙に落第したため、欧鵬・馬麟・陶宗旺らと黄門山で賊になった。
- 江州で災難にあった宋江を助けだして帰還中の梁山泊軍に合流して入山し、その計算能力を事務方に活かした。
- 朱武や呉用ほどではないものの兵法にも通じている。
呂方(りょ・ほう)
席次 |
第五十四位 |
前世 |
地佐星(ちさせい) |
綽名 |
小温侯(しょうおんこう) |
郭盛(かく・せい)
- 梁山泊の「中軍守護を司る騎兵軍驍将」で、薛仁貴のコスプレイヤー。
- 呂布と並ぶ方天画戟の名手「薛仁貴」を真似た白装束から「賽仁貴」と呼ばれた。要するに薛仁貴モドキ。
- 元は水銀の商いをしていた商人だったが、船が転覆して文無しになり流浪していたところ、方天画戟を得意とする呂方の噂を聞いて勝負を挑んだ。
- 決着がつかずにいる中に遭遇した宋江の仲裁を受け、梁山泊入りする事になり、入山後は呂布モドキの呂方とコンビを組んで親衛隊を率い、二人のコンビネーションで祝家荘戦で祝虎を、対曾頭市戦で曾塗を斬った。
安道全(あん・どうぜん)
席次 |
第五十六位 |
前世 |
地霊星(ちれいせい) |
綽名 |
神医(しんい) |
- 梁山泊の「人間の病気治療にあたる医師」であらゆる医学を修めた名医。
- 建康府に住む町医者で、どんな病気も治すゴッドハンドぶりから「神医」と呼ばれた。
- 腫れ物が出来て倒れた宋江を治療するために、張順が推薦したものの、愛人がいた為に梁山泊入りを固辞したため愛人を張順に斬られ、さらにその罪を着せられてしまった事から梁山泊入りして宋江を治療した。
- 安道全の存在がどれだけ大きいものだったかは、100回本または120回本の方臘との戦いを読めば解る。
皇甫端(こうほ・たん)
王英(おう・えい)
席次 |
第五十八位 |
前世 |
地微星(ちびせい) |
綽名 |
矮脚虎(わいきゃくこ) |
扈三娘(こ・さんじょう)
席次 |
第五十九位 |
前世 |
地慧星(ちけいせい) |
綽名 |
一丈青(いちじょうせい) |
鮑旭(ほう・きょく)
席次 |
第六十位 |
前世 |
地暴星(ちぼうせい) |
綽名 |
喪門神(そうもんしん) |
- 梁山泊の「歩兵軍将校」で、放火上等で人殺しが三度の飯より好きと言う生来の殺人狂。
- 闊剣と名付けた朴刀を武器に暴れまわった事から「喪門神(疫病神)」と呼ばれた。
- 顔は獰猛で、眼はギラギラしていると言う薬でもキメていたのかと思えるような風貌をしている。
- 枯樹山の賊となって悪行三昧の日々を送っていたが、李逵と焦挺に巡り合い、ある意味無慈悲な子供っぽい李逵と意気投合し、誘いを受けて梁山泊に入った。
- 梁山泊では、李逵・項充・李袞と最凶の歩兵チームを組んで暴れまわった。
- 石板が宴席で暴れないようにと配慮したのか、席の両側を女傑の扈三娘と妖術使いの樊瑞が固めている。
樊瑞(はん・ずい)
- 梁山泊の「歩兵軍将校」を務める妖術使い。元は芒碭山の賊の首領。
- 横山光輝水滸伝では、外伝エピソードのひとつで主人公となっている。
- 得意の妖術で官憲を追い払った事等から「混世魔王(世を騒がす魔王)」と呼ばれた。
- 梁山泊の併吞を画策するも、先手を打たれて芒碭山を攻められ、敗れた後に梁山泊入りした。
- 妖術の腕前は公孫勝に及ばず、梁山泊軍と戦った際も公孫勝に敗れて、後に弟子入りしている。
- 石板のおかげで芒碭山時代からの仲間である項充・李袞と席次が離されてしまった。
孔明(こう・めい)
席次 |
第六十二位 |
前世 |
地猖星(ちしょうせい) |
綽名 |
毛頭星(もうとうせい) |
孔亮(こう・りょう)
- 梁山泊の「中軍守護を司る歩兵驍将」で、同じ役目を務める孔明の弟。
- 気が短くて喧嘩好きだった事から、見ると不吉になると言う「独火星(火星)」と呼ばれた。
- 地元有数の地主の子に生まれたが、諍いから人を殺してしまい、兄と共に白虎山に入って賊になった。
- 呼延灼の攻撃をうけた際に兄の孔明が捕まった為、旧知の宋江に救援を頼み、解決後梁山泊入りした。
項充(こう・じゅう)
席次 |
第六十四位 |
前世 |
地飛星(ちひせい) |
綽名 |
八臂哪吒(はっぴなた) |
- 梁山泊の「歩兵軍将校」で、元は芒碭山の山賊。横山光輝水滸伝では外伝の主人公の一人を務める。
- 背中に装備した24本の飛刀が百発百中の腕前で、見事な早技から繰り出すところから、毘沙門天の子で六本の腕を持つ「八臂那吒」と呼ばれた。
- 樊瑞・李袞と共に梁山泊打倒を画策するも、先手を打たれて梁山泊軍に攻められ、降伏後に梁山泊入りした。
- その後は李袞とコンビを組んで、半裸で暴れ回る李逵を団牌で防御する盾役を務めた。
李袞(り・こん)
席次 |
第六十五位 |
前世 |
地走星(ちそうせい) |
綽名 |
飛天大聖(ひてんたいせい) |
- 梁山泊の「歩兵軍将校」で、斉天大聖と並ぶ孫悟空の綽名「飛天大聖」と呼ばれた。
- 元は樊瑞・項充と共に芒碭山で山賊をしていたが、梁山泊打倒を目論んだ際に梁山泊に先手を打たれて攻められた際に降伏し、樊瑞や項充と共に梁山泊に入った。
- 背中の24本の投槍で敵を倒し、項充と組んで団牌を用いて半裸で暴れる李逵の盾役を務めた。
- 「水滸新伝」では好漢の師匠役に格上げされたが、一〇八星からはリストラされた。
金大堅(きん・だいけん)
席次 |
第六十六位 |
前世 |
地巧星(ちこうせい) |
綽名 |
玉臂匠(ぎょくびしょう) |
- 梁山泊の「兵符・印信製造を司る頭領」で、印鑑製作の腕は天下一と呼ばれた職人。
- 玉石や印鑑を彫る腕があまりにも見事な事から「玉臂匠」と呼ばれた。
- 江州に流された宋江が叛詩を書いた疑いで捕えられた際に、呉用の策で偽の命令書を作成して助けようと言う事になり、嵌められて梁山泊入りさせられた。
- 偽手紙用に本物と寸分違わぬ印鑑を作成するも、呉用のうっかりで古いものだったと言うオチがついた。
- その後は、偽の印鑑作成で罪に問われるぐらいならと梁山泊に留まり、兵符や印信製造を一手に引き受けた。
馬麟(ば・りん)
席次 |
第六十七位 |
前世 |
地明星(ちめいせい) |
綽名 |
鉄笛仙(てってきせん) |
- 梁山泊の「騎兵軍小彪将兼斥候」で、元は下役人として働いていた遊び人。
- 風流を好み、宴会で疲労する簫や鉄笛の腕前が見事だった事から「鉄笛仙」と呼ばれた。
- 欧鵬・蒋敬・陶宗旺らと共に黄門山で山賊をしていたが、江州で危機に陥った宋江を救出した梁山泊軍を山に招き、誘いをうけて入山した。
- 梁山泊入り後は造船を担当していたが、造船技術を持つ孟康が仲間入りすると騎兵軍に配置替えとなった。
童威(どう・い)
席次 |
第六十八位 |
前世 |
地進星(ちしんせい) |
綽名 |
出洞蛟(しゅつどうこう) |
- 梁山泊の「水軍頭領」で、弟の童猛と共に李俊にオプションの如く従う。
- 元は塩の密売人で、長江を掻きまわす龍と呼ばれた李俊に合わせて「出洞蛟(洞から出でる蛟)」と呼ばれた。
- 李俊に対して忠実に行動し、共に梁山泊入り後も李俊の下で戦った。
- 一時期は弟の童猛と共に梁山泊の酒場を切り盛りしていた。
童猛(どう・もう)
席次 |
第六十九位 |
前世 |
地退星(ちたいせい) |
綽名 |
翻江蜃(ほうこうしん) |
- 梁山泊の「水軍頭領」で、兄の童威と共に李俊のオプションの如く従う。
- 元は塩の密売人で、長江を掻きまわす龍と呼ばれた李俊に合わせて「翻江蜃(江を掻き回す蜃)」と呼ばれた。
- 李俊に対して忠実に行動し、共に梁山泊入り後も李俊の下で戦った。
- 「水滸伝」そして李俊が主役を務める「水滸後伝」含めて、一度も台詞を発しない。
孟康(もう・こう)
席次 |
第七十位 |
前世 |
地満星(ちまんせい) |
綽名 |
玉旛竿(ぎょばんかん) |
- 梁山泊の「戦船建造を監督する頭領」で、元は大小様々な大きさの船を建造する船大工。
- 背が高く色白だった事から「玉旛竿(宝石の様な旗竿)」と呼ばれた。
- 花石綱運搬用の船を建造する際に、作業を急かす監督官に腹を立てて殺害し逃亡、その後、鄧飛と出会って飲馬川の山賊となり、裴宣を首領とした。
- その後、鄧飛の友人だった楊林と共に公孫勝を探す旅の途中の戴宗と出会い、梁山泊に加わった。
侯健(こう・けん)
席次 |
第七十一位 |
前世 |
地遂星(ちすいせい) |
綽名 |
通臂猿(つうびえん) |
- 梁山泊の「旌旗・袍襖制作を司る頭領」で、中華のサルト・フィニート。
- 針を飛ばし糸を走らせると言う腕前と、色黒で腕が長かった事から「通臂猿(テナガザル)」と呼ばれた。
- 宋江を陥れた黄文炳の屋敷に出入りする仕立屋をしていた際に、棒術の師匠である薛永に頼まれて黄文炳討伐に協力し、そのまま梁山泊に加わった。
陳達(ちん・たつ)
席次 |
第七十二位 |
前世 |
地周星(ちしゅうせい) |
綽名 |
跳澗虎(ちょうかんこ) |
- 梁山泊の「騎兵軍小彪将兼斥候」で元は少華山の山賊。朱武と楊春とは義兄弟の契りを結んだ仲。
- 点鋼鎗を得意とし、力が強くて粗暴だが、どんな谷川も身軽に飛び越える事から「跳澗虎」と呼ばれた。
- 朱武と楊春の反対を聞かずに史進に挑んであっさり捕まるが、この時の縁で史進と親交を深める。
- 後に史進を少華山に迎え、魯智深の推薦を受けて史進と共に梁山泊入りした。
楊春(よう・しゅん)
- 梁山泊の「騎兵軍小彪将兼斥候」で元は少華山の山賊。朱武と陳達とは義兄弟の契りを結んだ仲。
- 大桿刀の使い手で、背が高く長い腕から毒蛇または舞い散る花の様な動きを見せた事から「白花蛇」と呼ばれた。
- 史進に捕まった陳達を解放する為に、朱武と共に男の思いを語って解放させ、後に史進を少華山の首領に迎える。
- 史進と旧知の魯智深の推薦で梁山泊に入り、義兄弟の陳達と共に史進の副将を務めた。
鄭天寿(てい・てんじゅ)
席次 |
第七十四位 |
前世 |
地異星(ちいせい) |
綽名 |
白面郎君(はくめんろうくん) |
- 梁山泊の「歩兵軍将校」で、「白面郎君」と言う綽名が示す通りの色白美男子。
- 蘇州生まれの銀細工職人だったが、落ちぶれて諸国を放浪していた際に訪れた清風山で王英と戦って引き分けた為、燕順の勧めで賊になった。
- 清風塞の花栄の元に宋江が訪れた事を発端とするいざこざが解決後、清風山の仲間達と共に梁山泊入りした。
陶宗旺(とう・そうおう)
席次 |
第七十五位 |
前世 |
地理星(ちりせい) |
綽名 |
九尾亀(きゅうびき) |
- 梁山泊の「城垣構築監督の頭領」で元は農民で鉄鍬が得意武器。
- 百姓の出身の為、農作業から土木工事に精通するうえ刀や槍も使いこなせると言う多彩さと、得意武器が鍬であったことから「九尾亀」と呼ばれた。
- 欧鵬や馬麟、蒋敬らと共に黄門山で賊となっていたが、江州で難にあった宋江を救出して帰還中の梁山泊軍に合流してそのまま入山した。
宋清(そう・せい)
- 梁山泊の「宴席準備を取り仕切る頭領」で宋江の弟。所謂「幹事」「宴会部長」。
- 宋江が閻婆惜を殺して逃亡した際に同行し、一旦実家に戻るも家族と共に梁山泊に迎え入れられた。
- 綽名の「鉄扇子」とは「差配が上手い」と言う意味以外に「役立たず」と言う意味がある。しかし、酔ったら虎すら殴り殺す様な豪傑が揃う梁山泊で、頻繁に行われたであろう宴会を切り盛りする人物が、役立たずでは務まるわけがなく、どんな豪傑達の宴会でも切り盛りする才能の持ち主だったと考えるのが適当と思われる。
楽和(がく・わ)
席次 |
第七十七位 |
前世 |
地楽星(ちがくせい) |
綽名 |
鉄叫子(てっきょうし) |
- 梁山泊の「機密伝達を司る歩兵軍頭領」で歌の名人。姉の楽大娘子は孫立の妻。
- 楽器演奏と歌を得意としており、その美声から「鉄叫子」と呼ばれた。
- 解珍と解宝が毛仲義の謀略で捕まった際に牢番を務め、助け出そうとする顧大嫂らに協力した。
- 孫立一家や姉らと共に梁山泊に入り、斥候やスパイ活動の他、得意の歌で宴会を盛り上げた。
龔旺(きょう・おう)
席次 |
第七十八位 |
前世 |
地捷星(ちしょうせい) |
綽名 |
花項虎(かこうこ) |
- 梁山泊の「歩兵軍将校」で、投げ槍を得意としている。
- 頸部に虎の頭を、全身に虎縞模様の刺青(花)をしていた事から「花項虎」と呼ばれた。
- 丁得孫と共に張清の副官として梁山泊と戦い、捕縛された後に梁山泊に入って騎兵から歩兵にクラスチェンジした。
丁得孫(てい・とくそん)
席次 |
第七十九位 |
前世 |
地速星(ちそくせい) |
綽名 |
中箭虎(ちゅうせんこ) |
- 梁山泊の「歩兵軍将校」で、投げ槍が得意。
- 顔から首にかけての痘痕(あばた)が矢傷に見えた事から「中箭虎」と呼ばれた。
- 龔旺と共に張清の副官として騎兵で登場したが、梁山泊入り後は歩兵になってしまった。
- 方臘軍との戦いで、伏兵で隠れていた時に毒蛇に咬まれて死ぬと言う好漢一惨めな最期が有名。
穆春(ぼく・しゅん)
席次 |
第八十位 |
前世 |
地鎮星(ちちんせい) |
綽名 |
小遮攔(しょうしゃらん) |
- 梁山泊の「歩兵軍将校」で、江州三覇の一人で掲陽鎮を仕切る豪農の穆弘の小者な弟。
- 「没遮欄(遮るもの無し)」と言う兄により劣る事から「小遮欄」と呼ばれた。要するに小者。
- 江州に流された宋江が薛永に金を施した際に因縁をつけたが、薛永に返り討ちにあい兄貴に泣きついた。
- 縁を結んだ宋江が処刑されそうになった際に救出しようと穆弘と共に集まり、そのまま梁山泊入りした。
曹正(そう・せい)
席次 |
第八十一位 |
前世 |
地羈星(ちけいせい) |
綽名 |
操刀鬼(そうとうき) |
- 梁山泊の食肉の管理を担当する「牛馬豚羊の屠殺を司る頭領」で、先祖代々から続く肉屋の家系。
- 肉屋の家系に生まれで、見事な包丁捌きを見せた事から「操刀鬼」と呼ばれた。林冲の棒術の弟子でもある。
- 商売に失敗し、百姓の婿養子になって居酒屋を経営していたところ、無銭飲食しようとした楊志と出会う。
- 楊志に二竜山行きを勧めて、後に自分も二竜山に入り、そのまま梁山泊入りした。
宋万(そう・まん)
席次 |
第八十二位 |
前世 |
地魔星(ちませい) |
綽名 |
雲裏金剛(うんりこんごう) |
- 梁山泊の「歩兵軍将校」で、王倫が梁山泊で賊稼業を始めた際は副首領の一人だった。
- 相方の杜遷と同じで背が高く、雲をつくような仁王と言う意味の「雲裏金剛」と呼ばれた。
- 王倫が斬られて晁蓋が首領になっても梁山泊を離れず、席次はどんどん下がっていった。
- 宋江から公式に「格別の手柄をたてたことはなかった」と言われてしまっている。
杜遷(と・せん)
- 梁山泊の「歩兵軍将校」で、王倫が梁山泊で賊稼業を始めた際は副首領の一人だった。
- 相方の宋万と同じで背が高く、天に届く様な男と言う意味の「模着天」と呼ばれていた。
- 王倫が斬られて晁蓋が首領になっても梁山泊を離れず、席次はどんどん下がっていった。
- 杜撰(ずさん)ではない。
薛永(せつ・えい)
席次 |
第八十四位 |
前世 |
地幽星(ちゆうせい) |
綽名 |
病大虫(びょうだいちゅう) |
- 梁山泊の「歩兵軍将校」で、元は由緒正しい武官の家の出だが、武芸を見世物にした膏薬売りに落ちぶれていた。
- 顔が黄色く芸として客寄せ出来る槍棒の腕を持つ事から「病大虫(黄色の虎)」と呼ばれた。
- 宋江が江州に流されてきた際に、薛永の芸に金を払った事から穆弘・穆春兄弟に絡まれるが後に和解する。
- 宋江が処刑されそうになった際に李俊らと救援に向かい、先に宋江を救出していた梁山泊軍にそのまま合流した。
- 侯健の武芸の師匠だが、石板のせいで弟子よりも席次が下が確定してしまった。師匠カワイソス
施恩(し・おん)
席次 |
第八十五位 |
前世 |
地伏星(ちふくせい) |
綽名 |
金眼彪(きんがんひゅう) |
- 梁山泊の「歩兵軍将校」で、元は孟州の獄長の息子で武松とは義兄弟の間柄。
- 蒋忠との縄張り争いで大怪我を負って寝込んでいた時に、虎殺しの武松の力を見込んで義兄弟となる。
- 縄張りを取り戻したが官憲に囚われた武松に泣きながら食事を差し入れする等、泣いている事が多い。
- 武松の後を追って二竜山の賊となり梁山泊に入るが、基本的に華々しい活躍は一切しなかった。
- 綽名の「金眼彪」も金色の目をもつ小さな虎と言う意味で、その器の小ささが解る。
李忠(り・ちゅう)
- 梁山泊の「歩兵軍将校」で、元は武芸を見せて集めた客に膏薬を売る流れ者。
- 綽名は虎を倒した男と言う意味の「打虎将」だが、実際の描写は無く、客寄せネタの可能性大。
- 史進の最初の師匠でもあるが、王進の方が教えるのは上手かったようだ。
- 金に困った親子を救う際も渋り、山賊稼業もセコかった事から、魯智深から「冴えない奴」と言われた。
周通(しゅう・とう)
席次 |
第八十七位 |
前世 |
地空星(ちくうせい) |
綽名 |
小覇王(しょうはおう) |
湯隆(とう・りゅう)
席次 |
第八十八位 |
前世 |
地孤星(ちこせい) |
綽名 |
金銭豹子(きんせんひょうし) |
- 梁山泊の「武器・甲冑製造監督」を務める元鍛冶屋で徐寧の従兄弟。
- 体中に銭模様のあばたがあった事から「金銭豹子」と呼ばれた。
- 李逵と意気投合して義兄弟になって梁山泊に入った後、呼延灼の連環馬を破る為に徐寧を巻き込んだ。
杜興(と・こう)
席次 |
第八十九位 |
前世 |
地全星(ちぜんせい) |
綽名 |
鬼瞼児(きれんじ) |
- 梁山泊の「南山酒店」を取り仕切る、元は李応の使用人。
- 鬼の様な恐ろしい顔つきをしていた事から「鬼臉児」と呼ばれた。
- 薊州で人を殺した際に助けられた縁で楊雄に頼られた際に李応を紹介し、結果的に祝家荘と梁山泊の戦いに発展した後、偽手紙で呼び出された李応と同時に梁山泊に入った。
鄒淵(すう・えん)
- 梁山泊の「歩兵軍将校」で、元は登雲山の賊。鄒潤の叔父だが年齢差はあまり無いらしい。
- 綽名の「出林龍」は、盗賊を意味する緑林から転じて、林から現れる強者みたいな意味。
- 顧大嫂が解珍・解宝を救出する際に牢破りに協力し、そのまま孫一家と共に梁山泊に入った。
鄒潤(すう・じゅん)
- 梁山泊の「歩兵軍将校」で、元は登雲山の賊。鄒淵の甥。後ろを向いたら気をつけろ!
- 後頭部に瘤があり、それを使った頭突きで松の木をへし折った事から「独角竜」と呼ばれた。
- 顧大嫂が解珍・解宝を救出する際に協力し、祝家荘戦を経て梁山泊入りした。
朱貴(しゅ・き)
- 梁山泊の「南山酒店」を取り仕切る王倫の頃からの古株。朱富の実兄。
- 綽名の「旱地忽律」とは乾いた大地の悪獣との意味で、「陸上のワニ」とも・・・ワニ顔だった?
- ホームシックにかかって老母にあいたくなった李逵のお目付役で旅に同行し、李逵が李鬼殺しで捕らえられた際に、弟の朱富と力を合わせて助け出した。
朱富(しゅ・ふう)
- 梁山泊の「酒の醸造監督の頭領」を務める元居酒屋で、朱貴の実弟。常に笑顔を絶やさない。
- しかしその笑顔の裏に虎の本性を秘めていると思われた事から「笑面虎」と呼ばれた。
- 李逵救出の際に師匠の李雲を騙した事を直接謝罪する等、根は真面目で縁の下の力持ち役に最適。
蔡福(さい・ふく)
席次 |
第九十四位 |
前世 |
地平星(ちへいせい) |
綽名 |
鉄臂膊(てつびはく) |
- 梁山泊の「処刑を司る首斬人」で、元は北京の牢役人。蔡慶の実兄。
- 処刑用の斧をふるう強力自慢だった事から「鉄臂膊(鉄腕)」と呼ばれた。
- 盧俊義が囚われた際に保護し、盧俊義救出後に弟と共に梁山泊入りして田畑を耕した。
蔡慶(さい・けい)
席次 |
第九十五位 |
前世 |
地損星(ちそんせい) |
綽名 |
一枝花(いっしか) |
- 梁山泊の「処刑を司る首斬人」で、元は北京の牢役人。蔡福の実弟。
- 髪の毛にはいつも死刑囚に挿す花を一輪挿していた為「一枝花」と呼ばれた。
- 四奸の一人「蔡京」と同じ日本語読みの為、いつの間に敵から味方になったのかと間違えられる事も。
李立(り・りつ)
席次 |
第九十六位 |
前世 |
地奴星(ちどせい) |
綽名 |
催命判官(さいめいはんがん) |
- 梁山泊の「北山酒店」を取り仕切る元居酒屋。
- しびれ薬を盛った旅人を殺して金品を奪っていた事から「催命判官(死神)」と呼ばれた。
- 宋江とは知らずしびれ薬を盛ってしまい、李俊の指示であわてて解毒薬を飲ませたが、息を吹き返すまで生きた心地がしなかっただろう。2メートル近い大男に「もしもの時は」とすごまれている状況では。
李雲(り・うん)
席次 |
第九十七位 |
前世 |
地察星(ちさつせい) |
綽名 |
青眼虎(せいがんこ) |
- 梁山泊の「家屋の建築修理にあたる頭領」で、席次を確定させた石板の最大の被害者。
- 西域人のような風貌で目が碧眼であった事から「青眼虎」と呼ばれた。バリバリの武官。
- 李鬼を殺した罪で捕らえられた李逵を護送した際に、弟子の朱富にしびれ薬を飲まされて任務に失敗する。
- その後、謝罪した朱富の説得を受けて梁山泊に入ったが、武官なのに土建屋にされた。どうしてこうなった!
焦挺(しょう・てい)
席次 |
第九十八位 |
前世 |
地悪星(ちあくせい) |
綽名 |
没面目(ぼつめんもく) |
- 梁山泊の「歩兵軍将校」で、三代続く父子相伝の技を伝える力士。
- 生来の無愛想な為「没面目」と呼ばれている。なお、力士だが日本の相撲の力士とは別物。
- 凌州攻略戦で一人飛び出した李逵と遭遇して、父子相伝の技で倒した事で意気投合し、梁山泊に入った。
石勇(せき・ゆう)
孫新(そん・しん)
席次 |
第百位 |
前世 |
地数星(ちすうせい) |
綽名 |
小尉遅(しょううつち) |
- 梁山泊の「東山酒店」で顧大嫂のお手伝いをしている孫立の弟。
- 綽名は「小尉遅」で、登州提轄として名声を轟かす兄の孫立のプチ版扱いされている。
- 顧大嫂の旦那で、血気にはやる嫁の押さえ役というより・・・井戸の枠で叩かれる役。
顧大嫂(こ・だいそう)
- 梁山泊の「東山酒店」を取り仕切るおばちゃんパワーに定評のある女丈夫。
- 大きな眼とどっしりとしたアンコ体型から「母大虫(メスの虎)」と呼ばれた。
- 元は酒屋の他に賭博場の元締めを務めており、怒れば井戸の枠で夫を打っ叩き、石臼で下男の腿を殴る女傑。
- 従兄弟の解珍・解宝を助ける為に、親族巻き込んで大暴れした後、梁山泊に入った。
張青(ちょう・せい)
席次 |
第百二位 |
前世 |
地刑星(ちけいせい) |
綽名 |
菜園子(さいえんし) |
- 梁山泊の「西山酒店」を取り仕切るおとなしい男。嫁は鬼女振りに定評のある「孫二娘」。
- 元は寺の菜園の番人だった為「菜園子」と呼ばれたが、故あって坊主を殺した為、菜園に火を放って逃亡。
- その後、孫二娘を娶って追剥酒屋となっていたが、武松と出会って二竜山に入り、その後梁山泊へ。
孫二娘(そん・じじょう)
席次 |
第百三位 |
前世 |
地壮星(ちそうせい) |
綽名 |
母夜叉(ぼやしゃ) |
王定六(おう・ていろく)
席次 |
第百四位 |
前世 |
地劣星(ちれつせい) |
綽名 |
活閃婆(かっせんば) |
- 梁山泊の「北山酒店」を担当している、長江の近くの酒屋の六男坊。
- 足が速いところから、雷神もしくは韋駄天を意味する「活閃婆(ガンダルバとも)」と呼ばれた。
- 追剥に襲われた張順を助けた縁で梁山泊に入るが、戴宗がいた為、足の速さをアピール出来なかった。
郁保四(いく・ほうし)
席次 |
第百五位 |
前世 |
地健星(ちけんせい) |
綽名 |
険道神(けんどうしん) |
- 梁山泊の「帥字旗を棒持する頭領」を務めるデカい男。その身長なんと一丈!
※宋代の単位だと約310~330cm程だが、実際には三国時代の単位で約240cm程と思われる。それでもデカイ!
- その人間離れした身長から、背丈の高い棺を導く神「険道神」と呼ばれた。
- 元は曾頭市に加勢していた馬泥棒で、梁山泊との再戦時に人質となり、裏切った後に梁山泊に入った。
- 高い身長を活かして帥字旗を持って鼓舞する役目に徹した為か、ガタイのわりに武勇伝は無い。
白勝(はく・しょう)
席次 |
第百六位 |
前世 |
地耗星(ちもうせい) |
綽名 |
白日鼠(はくじつそ) |
- 梁山泊の「機密伝達する歩兵軍頭領」で、晁蓋の「生辰綱」奪取に協力したが正式メンバー入りしなかった男。
- 昼間から鼠のようにうろちょろして悪さを企んでそうなところから「白日鼠」と呼ばれた。
- 晁蓋らが「生辰綱」奪取後に早々に捕まって白状し、普通なら死にそうなものだが救出されて梁山泊に入った。
時遷(じ・せん)
席次 |
第百七位 |
前世 |
地賊星(ちぞくせい) |
綽名 |
鼓上蚤(こじょうそう) |
- 梁山泊の「機密伝達する歩兵軍頭領」で、手癖の悪さと身軽さに定評のあるマスターシーフ。
- 盗みの腕の評判の高さと身軽さから、「鼓上蚤(鼓の上のノミ)」と呼ばれた。
- 徐寧の家宝の鎧を盗んだり、敵城に忍び込んで内部撹乱したりと、単独で非常に役に立つスーパースパイ。
段景住(だん・けいじゅう)
- 梁山泊の「機密伝達する歩兵軍頭領」で、元は照夜玉獅子という金国の王子の馬を盗んだ馬泥棒。
- 髪が赤く、ヒゲが黄色く、胡人の様な容貌をしていたところから「金毛犬」と呼ばれた。
- 盗んだ名馬を手土産に梁山泊に入ろうとするが、曾頭市に奪われ、梁山泊との戦いの切っ掛けとなった。
- ある意味、晁蓋にとっては不幸を運んできた男と言えなくも無い。梁山泊全体的な意味でも。
年表
※梁山泊の108人の好漢は「」とじで掲載しています。空気王を探してみよう。
嘉祐三年
政和二年
- 宋代のファンタジスタ高俅が蹴鞠の腕だけで太尉となり、逆恨みで処罰されそうになった王進が老母と共に逃亡する。
- 王進が逃亡中に立ち寄った史家村で「九紋龍:史進」と出会い、武芸十八般を伝授する。
政和三年
- 「神機軍師:朱武」「跳澗虎:陳達」「白花蛇:楊春」らが史家村近くの少華山で山賊となり、「九紋龍:史進」といろいろあって意気投合する。
- 山賊とのつながりを脅迫された「九紋龍:史進」が殺人を犯して故郷から逃げ出し、魯達(後の「花和尚:魯智深」)や「打虎将:李忠」と出会う。
- 魯達が悪徳肉屋をはずみで殺した為、五台山に入って出家し「花和尚:魯智深」となる。
政和四年
- 「花和尚:魯智深」が問題を起こして寺を追放され、開封の都への旅の途中、桃花山の山賊「小覇王:周通」を懲らしめ、桃花山の首領になっていた「打虎将:李忠」と再会する。
- 開封の都の大相国寺の菜園の番人となった「花和尚:魯智深」が、「豹子頭:林冲」と出会って義兄弟になる。
- 「豹子頭:林冲」が高俅に嵌められて無実の罪で流罪となり、旅の途中で「小旋風:柴進」と出会う。
暗殺者を返り討ちにした「豹子頭:林冲」が、「小旋風:柴進」の勧めで梁山泊へと向かい、「旱地忽律:朱貴」と出会って梁山泊へと通される。
- 「雲裏金剛:宋万」「摸着天:杜遷」そして首領の王倫と面会した「豹子頭:林冲」は、入塞の条件として首一つを取る事を要求され、同じぐらいの腕前の持ち主と見込んだ「青面獣:楊志」と戦う。
- 「豹子頭:林冲」と引き分けた「青面獣:楊志」は梁山泊に入らず、都に戻って花石綱運搬失敗の帳消しを嘆願するも聞き入れられず、復職に失敗する。
政和五年
- 生活費に困った「青面獣:楊志」が、家宝の吹毛剣を売ろうとしてごろつきにからまれ、つい殺してしまう。
- 北京への流罪となった「青面獣:楊志」が「急先鋒:索超」と試合して引き分け、賄賂の輸送担当に取り立てられる。
- 「美髯公:朱仝」と「挿翅虎:雷横」が、「赤髪鬼:劉唐」を不審者として捕らえ、晁蓋の元へと連れて行く。
- 「赤髪鬼:劉唐」から生振綱十万貫の話を聞いた晁蓋は、「智多星:呉用」の他、「立地太歳:阮小二」「短命二郎:阮小五」「活閻羅:阮小七」そして、晁蓋の噂と生振綱十万貫の話をもって現れた「入雲龍:公孫勝」らを仲間に加える。
- 「白日鼠:白勝」にも協力させて「青面獣:楊志」を騙した晁蓋らは、生振綱十万貫を手に入れる。
- 生振綱十万貫を奪われた責任を全て擦り付けられた「青面獣:楊志」は、無銭飲食した際に「操刀鬼:曹正」と出会い、「操刀鬼:曹正」は行く宛の無い「青面獣:楊志」に二竜山の話をする。
- 「花和尚:魯智深」と「青面獣:楊志」と「操刀鬼:曹正」が組んで二竜山の山賊を支配下に置く。
- 拷問をうけた「白日鼠:白勝」が白状した事で晁蓋らの生振綱十万貫奪取事件が露見した事を「呼保義:宋江」が晁蓋に伝え、「美髯公:朱仝」と「挿翅虎:雷横」が晁蓋の家を囲むも、わざと晁蓋らを逃がした。
- 梁山泊に向かった晁蓋を受け入れようとしない王倫に怒った「豹子頭:林冲」が、王倫を斬って晁蓋を首領に迎え入れ、「赤髪鬼:劉唐」が晁蓋の手紙を「呼保義:宋江」の元へ届け、助け出された「白日鼠:白勝」が梁山泊入りする。
- 「呼保義:宋江」が晁蓋の手紙をネタに閻婆惜にゆすられたあげく殺してしまい、「美髯公:朱仝」のはからいで弟の「鉄扇子:宋清」と共に逃亡し、「小旋風:柴進」の家で「呼保義:宋江」と「行者:武松」が巡り会う。武十回はじまるよ~
- 「行者:武松」が故郷に帰る途中、酔いつぶれた状態で人食い虎を殴り殺し、功績を認められて都頭に抜擢され、兄の武大と再会する。
政和六年
- 兄嫁の潘金蓮が薬屋の西門慶と密通し、兄の武大が二人に毒殺された事をしった「行者:武松」が二人を殺害して流罪となり、護送中に立ち寄った酒屋で、毒を盛って追剥&人肉饅頭コースにしようとした「母夜叉:孫二娘」と「菜園子:張青」夫婦と巡りあう。
- 流刑地についた「行者:武松」が「金眼彪:施恩」と義兄弟となるも、賊の濡れ衣を着せられて流罪となり暗殺されかかり、谷川に落ちたところで「毛頭星:孔明」「独火星:孔亮」兄弟に捕まって「呼保義:宋江」と再会する。
- 「行者:武松」が「花和尚:魯智深」と「青面獣:楊志」のいる二竜山に入る。「操刀鬼:曹正」「母夜叉:孫二娘」「菜園子:張青」「金眼彪:施恩」も続いて二竜山に入る。
- 「呼保義:宋江」が「小李広:花栄」のいる清風塞を目指すが、途中で「錦毛虎:燕順」を首領とする「矮脚虎:王英」「白面郎君:鄭天寿」ら清風山の賊に捕らわれるが、正体判明後は厚遇され、捕らわれていた劉高の妻を解放させる。
政和七年
- 「呼保義:宋江」が助けたはずの劉高の妻の告げ口で捕らわれ、一旦は「小李広:花栄」が助け出すものの、「呼保義:宋江」が清風山で劉高の兵に捕らえられる。
- 「小李広:花栄」が「鎮三山:黄信」に謀反人として捕らえられ、「呼保義:宋江」と共に護送中に「錦毛虎:燕順」「矮脚虎:王英」「白面郎君:鄭天寿」らに救出される。
- 「小李広:花栄」が清風山に攻めてきた「霹靂火:秦明」を策略をもって捕らえ、清風山内で歓待する間に、偽者を清風塞に攻撃させた為、「霹靂火:秦明」が清風塞に戻った際に偽者の攻撃のせいで妻子を殺され、「鎮三山:黄信」と共に「呼保義:宋江」の仲間となる。
- 「錦毛虎:燕順」が劉高の屋敷を襲撃して劉高の妻を斬り、「小李広:花栄」がお詫びに妹を「霹靂火:秦明」に娶らせ、「呼保義:宋江」が清風山で仲間になった好漢達を連れて梁山泊に向う途中、どっちがコスプレマニアかを競う「小温侯:呂方」と「賽仁貴:郭盛」を仲間に加える。
- 梁山泊を前にして「石将軍:石勇」から父の死の手紙を受け取った「呼保義:宋江」は実家に戻り、「小李広:花栄」「霹靂火:秦明」「鎮三山:黄信」「錦毛虎:燕順」「矮脚虎:王英」「白面郎君:鄭天寿」らは、「石将軍:石勇」と共に梁山泊へ。
- 実家に戻った「呼保義:宋江」が父の嘘を知り、官軍に自ら捕まって江州へ流刑となる。
- 流刑地に向かう途中の「呼保義:宋江」が梁山泊に招かれ、「神行太保:戴宗」への手紙と黄金を受け取る。
- 護送中の「呼保義:宋江」が立ち寄った酒屋で、「催命判官:李立」にしびれ薬をもられるも、かけつけた「混江龍:李俊」「出洞蛟:童威」「翻江蜃:童猛」に救われる。
- 「呼保義:宋江」が、膏薬売りの「病大虫:薛永」を気に入って膏薬を買うが、「小遮攔:穆春」と乱闘になり「没遮攔:穆弘」まで現れるが、「混江龍:李俊」のはからいで「没遮攔:穆弘」や「船火児:張横」と親睦を深める。
- 江州についた「呼保義:宋江」が「神行太保:戴宗」と「黒旋風:李逵」と出会い、獲れたての魚を食べさせたいと港で「浪裏白跳:張順」と喧嘩した「黒旋風:李逵」を仲裁する。
- 「呼保義:宋江」が酔った勢いで吟じた詩から蔡得章に反逆者に仕立て上げられ、「神行太保:戴宗」が開封へと蔡得章の報告書を届ける途中で、「旱地忽律:朱貴」にしびれ薬を盛られる。
- 「旱地忽律:朱貴」と「神行太保:戴宗」から「呼保義:宋江」の危機を知った晁蓋は救出を決意し、「智多星:呉用」の策と「神行太保:戴宗」の神行法で「聖手書生:蕭譲」と「玉臂匠:金大堅」を梁山泊に仲間入りさせて偽の命令書を作成して、「神行太保:戴宗」が偽の命令書をもって江州に帰還するも、往復にかかった時間と「智多星:呉用」のうっかりミスにより偽物である事が発覚し、捕らえられて「呼保義:宋江」と共に処刑される事になる。
- 処刑当日、官民無関係に暴れまわる「黒旋風:李逵」の活躍と、梁山泊軍の救援により「呼保義:宋江」と「神行太保:戴宗」が救出される。
- 「通臂猿:侯健」を仲間に加え、反逆者に仕立て上げた元凶の黄文炳を殺し、「混江龍:李俊」「出洞蛟:童威」「翻江蜃:童猛」「催命判官:李立」「病大虫:薛永」「没遮攔:穆弘」「小遮攔:穆春」「船火児:張横」「浪裏白跳:張順」「神行太保:戴宗」「黒旋風:李逵」を加えた梁山泊軍が、途中で「呼保義:宋江」を慕う「摩雲金翅:欧鵬」「神算子:蒋敬」「鉄笛仙:馬麟」「九尾亀:陶宗旺」を更に加えて帰還する。
- 実家の家族を連れてこようと梁山泊軍と離れた「呼保義:宋江」が、役人に見つかって隠れた先で九天玄女より三巻の天書を授かる。
- 「呼保義:宋江」が「鉄扇子:宋清」や家族と共に晴れて梁山泊入りする。
- 「呼保義:宋江」の親孝行ぶりに老母の事を思い出した「入雲龍:公孫勝」が100日の暇をもらって帰郷する。
- 「黒旋風:李逵」も見張り役の「旱地忽律:朱貴」と共に故郷に戻り、自分の偽者の李鬼に施しするも裏切られて殺す。
- 「黒旋風:李逵」が老母と共に梁山泊へ戻る途中、目の見えぬ老母を四匹の人食い虎に食い殺され、人食い虎を殴り殺す。
- 李鬼殺害の罪で捕らえられた「黒旋風:李逵」を救出しようと、「旱地忽律:朱貴」が弟の「笑面虎:朱富」と策を練り、護送担当の「青眼虎:李雲」と護送隊にしびれ薬をもって救い出し、「笑面虎:朱富」の謝罪を受け入れた「青眼虎:李雲」も加えて梁山泊に戻る。
- 100日経っても戻らない「入雲龍:公孫勝」を探しに、「神行太保:戴宗」が旅に出て、途中で出会った「錦豹子:楊林」と義兄弟になる。さらに「錦豹子:楊林」の知人の「火眼狻猊:鄧飛」が首領と仰ぐ「鉄面孔目:裴宣」と出会い、「玉旛竿:孟康」と共に梁山泊に連れ帰る。
- 「拚命三郎:石秀」が「病関索:楊雄」と義兄弟となって義兄の妻の密通相手を殺し、「病関索:楊雄」も妻を殺す。
重和元年
- 梁山泊を目指す「病関索:楊雄」と「拚命三郎:石秀」が、途中で仲間にした「鼓上蚤:時遷」が祝家荘で盗みを働いて捕らえられ、「鬼瞼児:杜興」の主で李家荘の長者「撲天鵰:李応」に救出を頼む。
- 「鼓上蚤:時遷」を伴った「鬼瞼児:杜興」が祝家荘をおとずれるも追い返され、「撲天鵰:李応」自らがおとずれた際に矢を射られる。事態が大きくなっていく事を察知した「病関索:楊雄」と「拚命三郎:石秀」は梁山泊へと向かい、梁山泊と祝家荘との戦いが始まる。
- 戦いの最中、祝家荘の「一丈青:扈三娘」が梁山泊軍に捕らえられる。
- 登州で「両頭蛇:解珍」「双尾蠍:解宝」兄弟が、毛仲義の計略で捕らえられ、「母大虫:顧大嫂」が夫の「小尉遅:孫新」と義兄の「病尉遅:孫立」、義兄の妻の弟の「鉄叫子:楽和」の協力を得て救出し、山賊の「出林龍:鄒淵」「独角龍:鄒潤」らと共に梁山泊入りする。
- 祝家荘の武術師範の欒廷玉と友人の「病尉遅:孫立」が、弟達を連れて偽の援軍として祝家荘に入り、内と外で呼応して祝家荘を陥落させる。
- 梁山泊の偽手紙と演技により「撲天鵰:李応」と「鬼瞼児:杜興」が梁山泊に入り、「一丈青:扈三娘」が「矮脚虎:王英」と結婚する。
- 「挿翅虎:雷横」が老母を侮辱した白秀英を殺して捕まるも、「美髯公:朱仝」の手で逃亡に成功する。代わりに「美髯公:朱仝」が捕まって北京へ流罪となる。
- 北京の知事に気にいられて、息子の子守役をしていた「美髯公:朱仝」が、「黒旋風:李逵」に子供を殺され、行く場所がなくなって梁山泊に入る。
- 「美髯公:朱仝」の気持ちが落ち着くまで「小旋風:柴進」の元に預けられた「黒旋風:李逵」が、「小旋風:柴進」の叔父に因縁をふっかけて狼藉を働いた高廉の義弟の殷天錫を殴り殺し、罪をかぶった「小旋風:柴進」が捕らえられる。
- 「小旋風:柴進」の救出に向かった梁山泊軍が高廉の妖術に苦戦した為、「神行太保:戴宗」が「黒旋風:李逵」を連れて「入雲龍:公孫勝」の元に向かい、師匠の羅真人に下山の許可を得る。
- 「黒旋風:李逵」が旅の途中で意気投合した「金銭豹子:湯隆」と義兄弟となり、帰還した「入雲龍:公孫勝」に妖術を破られた高廉が戦死し、救出された「小旋風:柴進」が梁山泊入りする。
宣和元年
- 「双鞭:呼延灼」が「百勝将:韓滔」「天目将:彭玘」「轟天雷:凌振」と共に梁山泊討伐軍を率いて現れる。
- 「双鞭:呼延灼」の連環馬を破る為に、「金銭豹子:湯隆」から釣鎌槍の話を聞いた梁山泊軍は、使い手の「金鎗手:徐寧」を家宝の鎧を「鼓上蚤:時遷」に盗み出させる事でおびき出して仲間に加える。
- 連環馬が破られ、「百勝将:韓滔」「天目将:彭玘」「轟天雷:凌振」が捕らえられて梁山泊に入った「双鞭:呼延灼」が青州に敗走する。
- 「双鞭:呼延灼」の攻撃をうけた青州の三山の賊からの救援依頼をうけた梁山泊が青州に現れる。
- 「智多星:呉用」の計略で捕らえられた「双鞭:呼延灼」が梁山泊に入り、三山の賊「花和尚:魯智深」「青面獣:楊志」「行者:武松」「操刀鬼:曹正」「母夜叉:孫二娘」「菜園子:張青」「金眼彪:施恩」「打虎将:李忠」「小覇王:周通」「毛頭星:孔明」「独火星:孔亮」も梁山泊に加わる。
- 捕らえられていた「九紋龍:史進」が梁山泊の手により救出され、「神機軍師:朱武」「跳澗虎:陳達」「白花蛇:楊春」と共に梁山泊に入る。
- 梁山泊を倒さんとした芒碭山の山賊「混世魔王:樊瑞」「八臂哪吒:項充」「飛天大聖:李袞」と、「呼保義:宋江」を大将とする梁山泊軍が戦い、敗れた芒碭山の三人が梁山泊入りする。
- 梁山泊に入ろうとしていた「金毛犬:段景住」が、手土産にするつもりの馬を曾頭市で奪われ、報告を受けた梁山泊と曾頭市の間で戦いが始まる。
- 戦いの最中、晁蓋が史文恭に毒矢で射られ、史文恭を捕らえた者を次の首領とする遺言を遺して戦死し、「呼保義:宋江」が仮の首領となる。
- 梁山泊付近を通りかかった大円和尚から「玉麒麟:盧俊義」の噂を聞いた「呼保義:宋江」が人材ハンティングを開始し、易者に化けた「智多星:呉用」に騙された旅の途中の「玉麒麟:盧俊義」を梁山泊に招きいれる。
- 「玉麒麟:盧俊義」は、賊になる気がなかったので梁山泊を出て二ヶ月ぶりに北京へ戻るも、妻が間男と裏切って屋敷を乗っ取った事を腹心の「浪子:燕青」から聞かされるが、信じなかった為に役人に捕らえられる。
- 「玉麒麟:盧俊義」暗殺依頼の金を受け取った「鉄臂膊:蔡福」「一枝花:蔡慶」兄弟が、梁山泊からも金を受け取り暗殺しない事を選ぶ。
- 護送中に暗殺されかけた「玉麒麟:盧俊義」が「浪子:燕青」に助けられるも、再度捕まり、救出に向った「拚命三郎:石秀」も捕らえられた為、梁山泊軍が北京へと攻め込み、篭城戦となる。
- 梁山泊軍に包囲された北京救援の為、「大刀:関勝」「醜郡馬:宣贊」「井木犴:郝思文」が援軍として送られるが、「双鞭:呼延灼」の偽りの投降等で捕らえられ、梁山泊入りし、「智多星:呉用」の計略で落とし穴に落ちた北京軍の「急先鋒:索超」が旧知の「青面獣:楊志」の説得を受けて仲間入りする。
- 病に伏した「呼保義:宋江」の為に、「浪裏白跳:張順」が「神医:安道全」に殺人の罪をなすりつけて梁山泊入りさせ、強盗に襲われたところを助けてくれた「活閃婆:王定六」と共に梁山泊に帰還する。
宣和二年
- 梁山泊軍がついに北京を攻め落とし、救出した「玉麒麟:盧俊義」と共に、「浪子:燕青」「鉄臂膊:蔡福」「一枝花:蔡慶」が仲間入りする。
- 梁山泊討伐の命を受けた「聖水将:単廷珪」「神火将:魏定国」が「大刀:関勝」と戦い、「醜郡馬:宣贊」「井木犴:郝思文」を捕らえるが、「没面目:焦挺」「喪門神:鮑旭」と義兄弟になった「黒旋風:李逵」らにより救出される。
- 「神火将:魏定国」が先に捕らえられて説得されて梁山泊入りし、「聖水将:単廷珪」も梁山泊入りする。
- 曾頭市の再軍備を確認した梁山泊が復讐戦を開始し、「険道神:郁保四」が曾頭市を裏切り、「玉麒麟:盧俊義」と「浪子:燕青」が晁蓋の仇である史文恭を捕らえ、曾頭市を滅ぼして史文恭の首を晁蓋の霊前に捧げた。
- 遺言により首領に推薦された「玉麒麟:盧俊義」が固辞した為、「玉麒麟:盧俊義」を首領にしようとする「呼保義:宋江」が、東平府と東昌府を攻めて先に陥落させた方を首領にする案を提示し、主力を「玉麒麟:盧俊義」につけて二軍に分かれて攻略にむかう。「呼保義:宋江」が東平府の守将「双鎗将:董平」に苦戦するも捕らえて梁山泊入りさせ、東平府を陥とすと、東昌府の「没羽箭:張清」に苦戦を強いられていた「玉麒麟:盧俊義」の救援にむかい、水軍の手で「没羽箭:張清」を捕らえると、説得して副将の「花項虎:龔旺」「中箭虎:丁得孫」と共に梁山泊の仲間に加え、「没羽箭:張清」の紹介で最後の仲間「紫髯伯:皇甫端」が加わる。
- 梁山泊に108の魔星の生まれかわりにあたる好漢が集結し、「呼保義:宋江」が正式に三代目首領になった祝いと、戦死した仲間達の供養の最中に、空から梁山泊に飛来した石板の順に席次を決める。
※70回本はここまで。「俺達の戦いはこれからだ(キリ!」
宣和三年
- 開封の都に潜入した「浪子:燕青」が李師師と出会って義姉弟となり、徽宗皇帝と「呼保義:宋江」を面会させる。
- 梁山泊の招安が朝廷内で上奏されるが、高俅・童貫・蔡京・楊戩らの策謀で潰される。
- 童貫が討伐軍を率いて梁山泊に攻め込むも敗れる。
- 高俅が討伐軍を率いて梁山泊に攻め込むも敗れる。
宣和四年
- 高俅が再度梁山泊を攻撃するも敗北したうえ捕らえられる。しかし捕らえられた高俅はそのまま返される。汚物は処分するんじゃなかったんですか。
- 「浪子:燕青」が李師師の手引きで徽宗皇帝に直訴し、梁山泊の招安が決まる。
- 招安を受けた梁山泊軍が遼国討伐に向かい、落された城を取り戻して、遼国軍を追い払ったうえに追撃して、慌てた遼国は宋と和議を結ぶ。
- 梁山泊軍が今度は田虎軍討伐の命を受けて河北へ向う。
宣和五年
- 「没羽箭:張清」が瓊英を娶り、孫安・卞祥・山士奇・喬冽・馬霊ら元田虎軍の降将らと協力して田虎三兄弟を捕らえる。
東京開封府に護送された田虎三兄弟、国家反逆の罪で凌遅刑(体を生きながら切り刻まれると言う最も残酷な刑)に処される。
- 梁山泊軍、王慶軍討伐の命を受けて淮西に向かい、元田虎軍の降将達を失いながらも王慶を捕らえる。
- 東京開封府に護送された王慶、国家反逆の罪で凌遅刑に処される。
- 帰還した梁山泊軍に対して、「呼保義:宋江」と「玉麒麟:盧俊義」に官職が与えられる。
- 勝利の立役者「入雲龍:公孫勝」が梁山泊軍を離れて、老母の待つ山へと戻る。(108→107)
- 梁山泊軍が方臘軍討伐の命を受ける。
宣和六年
- 「紫髯伯:皇甫端」と「玉臂匠:金大堅」が才能を徽宗皇帝に認められ、「聖手書生:蕭譲」は書道家でもあった蔡京に認められ、都尉の王晋卿に歌唱力を認められた「鉄叫子:楽和」らが梁山泊軍を離れる。(108→103)
- 梁山泊軍が方臘軍討伐のため江南に向かうが、緒戦で「雲裏金剛:宋万」「九尾亀:陶宗旺」「没面目:焦挺」が戦死する。(108→100)
- 病に倒れた「青面獣:楊志」を置いて、梁山泊軍は二手に分かれる。
- 「呼保義:宋江」率いる軍が常州を陥落させるも、「百勝将:韓滔」「天目将:彭玘」が戦死する。(108→98)
- 「玉麒麟:盧俊義」率いる軍が宣州を陥落させるも、「白面郎君:鄭天寿」がイケメン顔に石臼の直撃を食らって陣中で没し、「操刀鬼:曹正」と「活閃婆:王定六」も戦死した。(108→95)
- 梁山泊軍が蘇州を陥落させるも、「醜郡馬:宣贊」が敵将と一騎打ちの際に相打ちになって戦死し、強風で船が沈没して「金眼彪:施恩」と「独火星:孔亮」が溺死した。(108→92)
- 徽宗皇帝が病にかかった為、「神医:安道全」が東京開封府へと異動となる。(108→91)
- 偵察中に敵軍の伏兵に捕らえられた「井木犴:郝思文」を救おうとした「金鎗手:徐寧」が毒矢で射られて全身から血を噴き出して死に、「井木犴:郝思文」は処刑され、その首を梁山泊軍は見せつけられる。(108→89)
- 水軍が杭州を攻めるも敗れ、「浪裏白跳:張順」が射殺され竜王によって神に封じられる。(108→88)
- 「玉麒麟:盧俊義」が独松関を陥落させるも、負傷を負いながら抜け駆けしようとした「双鎗将:董平」に付き合った「没羽箭:張清」が敵に見つかって戦死し、「双鎗将:董平」も討たれ、「小覇王:周通」も戦死した。(108→85)
- 徳清県攻めの際に「挿翅虎:雷横」が戦死し、馬ごと谷川に転落した「花項虎:龔旺」が戦死した。(108→83)
- 方臘軍最強の中ボス石宝と戦い、「赤髪鬼:劉唐」が門の下敷きになって戦死し、「急先鋒:索超」と「火眼狻猊:鄧飛」が石宝に斬られて戦死した。(108→80)
- 「黒旋風:李逵」率いる歩兵軍が石宝と戦い、深追いした「喪門神:鮑旭」が戦死し、「黒旋風:李逵」が号泣した。(108→79)
- 石宝は取り逃がしたもの杭州を陥落させた。しかし、嵐により「通臂猿:侯健」と「金毛犬:段景住」が溺死した。(108→77)
- 梁山泊軍内で疫病が発生し、多くの好漢が療養と看病の為に杭州に残される。
- 梁山泊軍が烏竜嶺にて敵に足止めされ、水軍を繰り出すも敗れて「立地太歳:阮小二」が敵に囚われるのを良しとせずに自刎し、「玉旛竿:孟康」が大砲の直撃弾を食らって戦死した。また烏竜嶺の裏側から奇襲しようとした「両頭蛇:解珍」「双尾蠍:解宝」が敵に発見されて墜死した。(108→73)
- 方臘の妖術使い包道乙と鄭彪と戦って破るも「行者:武松」は左腕を失い、「矮脚虎:王英」が鄭彪の妖術に惑わされたところで槍で突かれて戦死し、「一丈青:扈三娘」も鄭彪から銅磚を顔面に投げつけられて戦死し、「八臂哪吒:項充」と「飛天大聖:李袞」も戦死した。(108→69)
- 烏竜嶺の戦いで「錦毛虎:燕順」と「鉄笛仙:馬麟」が石宝に倒された。(108→67)
やっとの思いで烏竜嶺を陥落させ、石宝を自刎に追い込んだ梁山泊軍だったが、「賽仁貴:郭盛」が坂道を転がってきた大岩の下敷きになって戦死し、「小温侯:呂方」も敵将の白欽ともみあううちに谷底に落ちて戦死した。(108→65)
- 昱嶺関の斥候に出た「九紋龍:史進」が敵将龐万春の手により、共に斥候に出ていた「拚命三郎:石秀」「跳澗虎:陳達」「白花蛇:楊春」「病大虫:薛永」「打虎将:李忠」らと共に射殺された。(108→59)
- 昱嶺関を陥落させた梁山泊軍だったが龐万春には逃げられ、歙州城攻略戦の際に龐万春の矢を一度は掴んだ「摩雲金翅:欧鵬」が二射目で射殺され、乱戦の中で「菜園子:張青」が騎馬に踏み殺されて戦死した。(108→57)
- 龐万春の夜襲を「神機軍師:朱武」が看破して捕らえる事に成功するも、森の中に伏せていた「中箭虎:丁得孫」が毒蛇にかまれて死んだ。「中箭虎:丁得孫」は毒蛇にかまれて死んだ。大事な事なので二度(ry (108→56)
- 梁山泊軍が歙州城を攻略するも、王寅の空城の計にかかった「聖水将:単廷珪」と「神火将:魏定国」が戦死し、「青眼虎:李雲」と「石将軍:石勇」も戦死した。(108→52)
- EXラスボスの方臘自らが率いる軍と相対した梁山泊軍だったが、「霹靂火:秦明」が杜微の飛刀を避けたところを方杰に斬られて戦死した。(108→51)
- 方臘軍との最終決戦となる戦いに勝った梁山泊軍だったが、「母夜叉:孫二娘」と「険道神:郁保四」が杜微の飛刀に倒れて戦死し、乱戦の中で「短命二郎:阮小五」が婁敏中の手にかかって死に、「摸着天:杜遷」「金銭豹子:湯隆」「出林龍:鄒淵」「鉄臂膊:蔡福」「催命判官:李立」が戦死した。(108→43)
- 方臘軍内部にアンダーカバーとして潜入していた「小旋風:柴進」と「浪子:燕青」によって方臘軍は内部から壊滅し、逃げ出した方臘も道に迷っていた魯智深に捕らえられた。
- 東京開封府に護送された方臘は、国家反逆の罪で凌遅刑に処される。
- 睦州へと移動した梁山泊軍のもとに、杭州で療養・看病していた「没遮攔:穆弘」「船火児:張横」「毛頭星:孔明」「旱地忽律:朱貴」「笑面虎:朱富」「白日鼠:白勝」が病死した事が、回復して合流した「錦豹子:楊林」と兄を看取った「小遮攔:穆春」より報告された。(108→37)
- 梁山泊軍が杭州の六和寺に駐屯した際に、「花和尚:魯智深」が潮信と呼ばれる銭塘江の潮の流れの音を戦の音と勘違いするが、それが五台山の智真長老の「聴潮而円、見信而寂」の言葉を指している事に気づき、これから死ぬといって身を清めて座禅を組み、「呼保義:宋江」らが駆けつけた時にはすでに大往生を遂げて円寂した。(108→36)
- 左腕を失っていた「行者:武松」は、東京開封府への凱旋に従わず、六和寺の寺男となった。後に80歳で亡くなった。(108→35)
- 半月ほど滞在したところ凱旋帰還が決まったが、その間に「病関索:楊雄」も背中に腫れ物が出来て急死し、「鼓上蚤:時遷」も続くように亡くなり、先に病に倒れていた「青面獣:楊志」も病死した他、風疾にかかって治療をうけていた「豹子頭:林冲」も病死した。(108→31)
- 凱旋の途中で「浪子:燕青」が主人の「玉麒麟:盧俊義」に対して官僚になっても未来が無いと諭すが、「玉麒麟:盧俊義」が凱旋する事を選ぶと、暇乞いを願い出て、手紙を残していずこかへと消えていった。(108→30)
- 梁山泊軍が蘇州についたところで「混江龍:李俊」が病にかかったが実は仮病で、「出洞蛟:童威」「翻江蜃:童猛」と共に梁山泊軍を離れた後には、蘇州攻めの際に意気投合していた費保らと共に外海に出て暹羅国の王となって優雅な生活を送った。(108→27)
そしてこのエピソードを元に「水滸後伝」が出来た。
- 東京開封府に凱旋した梁山泊軍は官職や褒美を得、涙を流して解散した。
- その後は、
- 「鉄扇子:宋清」は官職を得る事を望まず、実家に戻って子孫を残した。(108→26)
- 「神行太保:戴宗」は官職を返上して出家し、死期を悟って別れの宴を開催したあと大往生を遂げた。(108→25)
- 「活閻羅:阮小七」は方臘との最終決戦時に城内にあった天子の装束を着た事を咎められて官職を剥奪されるが、むしろ喜んで故郷の石碣村に戻って天寿を全うした。(108→24)
- 「小旋風:柴進」は、方臘の元に潜り込んでいた事を「活閻羅:阮小七」の如く咎められるのを考慮して、自ら官職を返上して悠々自適の暮らしの後に天寿を全うした。(108→23)
- 「撲天鵰:李応」もまた「小旋風:柴進」が官職を辞した事を聞き、病気を理由に官職を辞して「鬼瞼児:杜興」を連れて李家荘に戻り、二人とも天寿を全うした。(108→21)
- 「大刀:関勝」は北京の兵馬総管となったが、酔って落馬した傷が元で死亡した。(108→20)
- 御営兵馬指揮使となった「双鞭:呼延灼」は、金国征伐で戦功をあげるが淮西で戦死した。(108→19)
- 保定府都統制となった「美髯公・朱仝」も金国を破って戦功をあげ太平軍節度使になって天寿を全うした。(108→18)
- 「轟天雷:凌振」は火薬局に任官し、「病尉遅:孫立」は官職を望まなかった「小尉遅:孫新」と「母大虫:顧大嫂」を連れて登州へと赴任し、「鎮三山:黄信」は青州に赴任した。庶民になる事を望んだ「独角龍:鄒潤」は登雲山に帰り、「一枝花:蔡慶」は北京へ、「神算子:蒋敬」は譚州へ、「小遮攔:穆春」は掲陽鎮へ、「鉄面孔目:裴宣」は「錦豹子:楊林」を連れて飲馬川へ戻り庶民として暮らした。(108→7)
- 「神機軍師:朱武」と「混世魔王:樊瑞」は、二仙山の「入雲龍:公孫勝」のもとへと行き、弟子入りした。(108→5)
- 「玉麒麟:盧俊義」は東京開封府に呼び出された際に、高俅と楊戩から毒杯を飲まされ、帰還の途中で毒が回って船から落ちて溺死し、「呼保義:宋江」も皇帝からの贈り物とする酒に毒が入っている事に気づき、「黒旋風:李逵」を道連れに毒酒を飲んで死に、「智多星:呉用」と「小李広:花栄」が、「呼保義:宋江」の墓前で首を吊って殉死した。(108→0)
- 夢枕に現れた「呼保義:宋江」らから真実を聞かされた徽宗皇帝は、高俅・童貫・蔡京・楊戩を叱責し、梁山泊に慰霊碑を建てた。
その他の登場人物
梁山泊の一〇八の魔星達の他にも、様々な人物が登場する。
梁山泊の関係者
- 洪信(こう・しん)
- 第一回に登場する太尉で、仁宗皇帝の命を受けて竜虎山の仙人・張天師に祈祷をお願いする為、山を目指した。
- 困難を乗り越えて山を登るも、すでに張天師は祈祷の為に都に向っていた事を知る。
- 魔王を封じ込めたと言われる伏魔殿を無理矢理開かせて、中にあった石碑を動かし一〇八星を復活させた。
- 晁蓋(ちょう・がい)
- 梁山泊の二代目首領で、義に厚い人物として天下にその名を轟かせていた。
- 「替天行道」を旗印としており、多くの好漢たちが晁蓋の元に集まったが、志半ばで戦死した。
- 地主だった頃、隣村が魔除けの宝塔を建てたせいで、自分の村に幽霊が出るようになったと怒り、隣村の魔除けの宝塔を担いで持ち帰った事があった為、「托塔天王」と呼ばれるようになった。
- 「托塔天王」とは毘沙門天の事でもあり、死後は梁山泊の守護神として崇められた。
- 王進(おう・しん)
- 元は八十万禁軍の武芸師範で、高俅に命を狙われた為、老母と共に逃亡した。
- 延安府に向かう逃亡の途中で巡り合った史進の師匠となって武芸十八般を叩き込んだ。
- 王倫(おう・りん)
- 科挙に落第して梁山泊の賊になった書生。
- 初代の首領ながら、次々とやってくる好漢達に居場所を奪われぬようにと偏狭さを露にした為、林冲に斬られた。
- 羅真人(らしんじん)
- 公孫勝の師匠である仙人。公孫勝を迎えに来た李逵を弄んだ。後に朱武らも弟子入りしている。
- 李師師(り・しし)
- 徽宗皇帝に寵愛された芸妓。
- 都に潜り込んだ燕青を気に入って義弟にし、徽宗皇帝と巡り合わせた。
- 瓊英(けい・えい)
- 120回本にのみ登場する田虎軍の女性武将。
- 両親の仇である田虎に復讐する為、夢に現れて石つぶてを投げる方法を伝授され「瓊矢鏃」と呼ばれた。
- 夢の人物が張清と知ると結婚し、田虎を裏切って復讐を果たした後は、王慶討伐で夫婦一緒に戦った。
- 許貫忠(きょ・かんちゅう)
- 孫安(そん・あん)
- 身の丈九尺という巨漢で、武芸にも兵法にも通じる一流の武人。
- 父の仇を討った為に犯罪者となり、田虎の部下となっていた友人の喬道清の推薦で田虎軍に加わる。
- 梁山泊軍と相対した際に、盧俊義との一騎討ちで落馬してしまうがトドメを刺さない盧俊義に感動し、帰順を促されて15000人の部下を説得して梁山泊軍に降伏する。
- 友人の喬道清も説得し、王慶戦では、敵城を攻めた際に落とし穴の罠にかかり、副将を全員失うも味方の死体で穴を埋める苛烈な作戦を指揮して陥落させた。
- 王慶との戦いが終わった後、戦いの最中に戦死した元田虎軍の仲間達の霊を慰めた後、急病を発して死亡した。
- 卞祥(べん・しょう)
- 田虎の将で開山大斧を使い、史進・花栄・董平が三人がかりでも倒せない程の豪傑。
- 盧俊義と戦って敗れた後に帰順し、王慶戦では数々の戦功をあげるも、寇烕の妖術で炎に包まれて焼死した。
- 山士奇(さん・しき)
- 殺人を犯して逃亡中に田虎の配下となった豪傑。
- 40斤の鉄棒をふりまわして宋江軍と戦うも破れて帰順する。
- 田虎や王慶との戦いで戦功をあげるも、王慶配下の鄷泰に倒された。
- 喬冽(きょう・れつ)
- 綽名は「幻魔君」。名は「喬道清」とも。
- 殺人を犯して逃亡中に田虎の配下に加わる。
- 幻術で梁山泊軍を苦しめたが、公孫勝に幻術を破られ、友人の孫安の説得をうけて帰順した。
- 田虎や王慶との戦いで戦功をあげた後、急病を発して死んだ友人の孫安を弔った後、公孫勝に弟子入りした。
- 馬霊(ば・れい)
- 田虎軍の司令官で1日千里を走る神行法の使い手。
- 梁山泊軍と戦い、公孫勝に術を破られて降伏した。
- 王慶軍との戦いでは、王慶軍の誇る六花陣を、自慢の投石の腕だけで壊滅させた。
- 王慶との戦いが終わった後に、喬冽と共に公孫勝に弟子入りして二仙山に入った。
- 蕭嘉穂(しょう・かすい)
- 荊南で人々に慕われていた硬骨漢で、王慶軍に占拠された荊南解放の機会を伺っていた。
- 王慶軍に捕らえられた蕭譲と裴宣と金大堅が荊南で虐待を受けるも屈しない姿勢を見て、城内に決起を促す檄文をまいて住民を扇動し、荊南解放に成功する。
- 梁山泊軍に荊南を引き渡した後、雲の様に自由に生きる喜びを説いて姿を消した。
- 蕭嘉穂の話を聞いていた好漢達は、後に出家や隠遁生活を選んだ。
- 費保(ひ・ほう)
- 太湖を縄張りにしていた強盗の首領で、赤いヒゲと黄色い髪から「赤鬚竜」と呼ばれた。
- 倪雲・上青・狄成ら弟分と湖上で追剥稼業をしていたが、方臘軍討伐に訪れた梁山泊軍の李俊と出会って意気投合し、義兄弟の契りを交わした。
- 蘇州攻略に協力した事で官軍入りを期待されたが断り、逆に李俊に梁山泊の命運が尽きた事をつげて外海で飛び出す事を提案し、方臘との戦いが終わった李俊が仮病で梁山泊軍を離れると合流し、外海へと旅立った。
宋朝
- 徽宗(きそう)
- 北宋の第八代皇帝。芸術に傾倒する風流君子で、浪費家でもある。
- 政治に興味がなく国政を省みなかった為、史実では宋を滅ぼした元凶とされている。
- 結局、最後まで高俅達に厳しい処罰を下すことができなかった。
- 高俅(こう・きゅう)
- 四奸臣の一人で、宋代末期のファンタジスタで、蹴鞠の達人。
- 蹴鞠の腕を徽宗に気に入られ、取り入って太尉となった。
- 基本的に心がゆがんでいる為、梁山泊の関係者との縁も深く、ラスボス扱いをうけている。
- 史実では伝記も立てられていない小者。
- 童貫(どう・かん)
- 蔡京(さい・けい)
- 四奸臣で朝廷の最高権力者。私服を肥やす事に目が無く、賄賂をもらいまくる。
- 史実では書に優れた才能も持っており、蘇東坡・黄魯直・米元章と並ぶ四絶とされている。
- 楊戩(よう・せん)
- 高廉(こう・れん)
- 高唐州の長官になった高俅の従弟で妖術を使う。
- 柴進を救う為に攻め込んできた梁山泊軍を、得意の妖術で苦しめたが、戻ってきた公孫勝に妖術を破られ、雷横に斬られた。
- 宿元景(しゅく・げんけい)
- 太尉筆頭で朝廷の中では数少ない清廉さを持ち、徽宗の信頼も厚い。
- 梁山泊に拉致された際に宋江に興味を持ち、招安に尽力した。
- 梁世傑(りょう・せいけつ)
- 北京の留守司で「梁中書」とも呼ばれる。蔡京の娘婿。
- 地位を悪用して蔡京に送る賄賂「生辰綱」十万貫を集め、楊志に護衛を任せて送りだしたが、晁蓋らに奪われた。
- 盧俊義が梁山泊を訪れた際に、李固から賄賂をもらって盧俊義を捕らえたが、梁山泊軍の攻撃を受ける事になり、二度梁山泊軍が撤退したものの、三度目の攻撃で北京の街を焼かれ、聞達と李成に守られて東京開封府へと落ち延びた。
- 陸謙(りく・けん)
- 高俅の養子である高衙内の腹心で、林冲とは友人の間柄だったが、高衙内が林冲の妻に横恋慕した際は、友人を切り捨てる事を選んだ。
- 林冲が無実の罪で流罪になった際は、牢番を買収して殺そうとしたが、難を逃れていた林冲により斬り捨てられた。
- 水滸伝でも珍しい友人を裏切る人物で、こいつのせいで林冲は人間不信になってしまった。
- 聞煥章(ぶん・かんしょう)
- 梁山泊討伐軍が組織された際に参謀となった人物。
- 兵法に通じていたものの、高俅に諫言が受け入れられずに大敗した。
- 王煥(おう・かん)
- 高俅の梁山泊討伐軍に参加した節度使の一人で、元盗賊。
- 武芸は林冲と互角の腕前で、帰順後に高い官職にまで上ったのが頷ける人物。
- 馬万里(ば・ばんり)
- 童貫率いる八路軍の一軍を率いる将校で、梁山泊軍と戦った際に林冲と戦って刺し殺された。
- 光栄の「水滸伝・天命の誓い」では「仮面ノリダー」の様な顔グラが当てられている。
梁山泊の敵
- 祝龍(しゅく・りゅう)
- 祝虎(しゅく・こ)
- 独竜岡祝家荘の庄屋「祝朝奉」の次男で、三兄弟で「祝家の三傑」と呼ばれた。
- 穆弘と互角の腕前だったが呂方と郭盛に敗れて戦死した。
- 祝彪(しゅく・ひゅう)
- 独竜岡祝家荘の庄屋「祝朝奉」の三男で、扈三娘の許婚。
- 三兄弟の中でも最も武芸を得意としていたが、梁山泊に敗れた際に、扈三娘の実家の扈家荘に逃げ込んだ。
- 扈三娘の兄の扈成により捕らえられて梁山泊軍へ護送される最中、バーサーカーと化した李逵に斬り殺された。
- 欒廷玉(らん・ていぎょく)
- 独竜岡祝家荘の庄屋「祝朝奉」に雇われた武術師範。
- 「鉄棒」の異名を誇る勇者だったが、義兄弟の孫立を梁山泊軍とは知らずに内部に招きいれた為に破れ、乱戦の中で戦死した。
- 宋江は「殺したのは残念」と嘆いた。ちなみに水滸後伝では、実は生きていたとして再登場する。
- 曾弄(そう・ろう)
- 女真族の出身で三千人を抱える凌州曾頭市曾家府の長。
- 名を上げる為に「曾家の五虎」と呼ばれる息子たちと協力して梁山泊を倒そうとする。
- 息子たちが次々と死に、曾頭市が梁山泊軍によって陥落した際に絶望して自刎した。
- 曾塗(そう・と)
- 凌州曾頭市曾家府の「曾弄」の長男で曾家の五虎筆頭。
- 梁山泊軍と戦って呂方と郭盛を一騎討ちで追いつめたものの、花栄に射殺された。
- 曾昇(そう・しょう)
- 凌州曾頭市曾家府の「曾弄」の五男。梁山泊と休戦する際に人質として梁山泊軍に引き渡された。
- 息子の安全から奇襲できないでいた曾弄を史文恭が説得して梁山泊軍を攻撃した為、処刑された。
- 史文恭(し・ぶんきょう)
- 凌州曾頭市曾家府の「曾弄」に雇われた武芸師範。
- 段景住から奪った照夜玉獅子に乗り、抜群の用兵能力と知略を発揮して梁山泊軍を破った。
- 晁蓋が前線に出てきた際に攻撃して、毒矢を浴びせて晁蓋を射殺した。
- 後に盧俊義の手で捕えられ、晁蓋の霊に捧げる為に、梁山泊で生きたまま肝を抉られた。
- 耶律輝(やりつ・き)
- 遼の皇帝で宋の混乱に乗じて併呑を目論んだ。
- 四方から同時に宋に攻め込むも、招安を受けた梁山泊軍に敗れ、宋朝に賄賂を贈って休戦した。
- 兀顔光(こつがん・こう)
- 賀重宝(がちょう・ほう)
- 遼軍の副総司令官で妖術を使う。
- 梁山泊軍を、妖術で惑わせて谷間に追い込み餓死させようとしたが、公孫勝に妖術を破られて戦死した。
- 答里孛(とうり・はい)
- 天山勇(てんざん・ゆう)
- 漢人だが遼国に仕えている弩の名手。
- 一点油と名付けた矢で張清の喉を射たが、徐寧との一騎討ちに敗れて戦死した。
- 田虎(でん・こ)
- 河北の漁師だったが、世の乱れに乗じて蜂起し、河北を制圧して燕王を名乗った。
- 梁山泊軍との戦いで連敗を喫し、瓊英の父の仇でもあった為に信望が薄く、味方から離反者が続出した。
- 田豹・田彪ら兄弟三人とも捕らえられると都に送られて凌遅刑に処された。
- 鈕文忠(ちゅう・ぶんちゅう)
- 田虎配下の元盗賊で、三尖両刃刀の使い手。奪った金品を田虎に貢いで重用された。
- 梁山泊軍に連敗した為に籠城策をとったが、時遷に城内に侵入されて内外で呼応され、魯智深に一撃で倒された。
- 王慶(おう・けい)
- 淮西に住む遊び人の色男だったが、反乱軍を指揮して淮西地方を征圧し、楚王を名のった。
- 百一回から百五回まで伝記を作ってもらうなど格別な待遇を受けている。
- 腐敗した官軍を相手に大勝利を収めるも、梁山泊軍に苦戦し、最後は生け捕りにされて凌遅刑に処された。
- 段三娘(だん・さんじょう)
- 腕っぷしが強いのが自慢の女傑だったが、王慶に敗れて一目惚れし結婚する。
- 王慶の反乱に協力し、王慶が楚王を名乗ると妃となったが、容貌が醜かった為、王慶は離れていた。
- 最後は瓊英に石つぶてをくらって捕らえられ、斬首に処された。
- 李助(り・じょ)
- 王慶の軍師を務める元易者。王慶を唆して反乱を起こさせ、王慶が楚王を名乗ると丞相に任ぜられた。
- 最後は元帥として出陣するも盧俊義に捕らえられて刑死した。
- 寇烕(こう・けつ)
- 「毒焔鬼王」の綽名で知られた道士で、容貌が醜い。
- 口から妖術の炎を吐いて卞祥を倒したものの、喬冽に妖術を破られて斬られた。
- 袁朗(えん・ろう)
- 王慶配下の虎威将軍。秦明と一騎討ちして引き分けるほどの猛者。
- 梁山泊軍と戦って、田虎軍からの降将達を倒すも、凌振の火砲が直撃して戦死した。
- 縻貹(び・せい)
- 王慶の配下で、索超と互角の腕を持つが、智謀に欠け猪突猛進する為、たいした戦果を上げられなかった。
- 梁山泊軍に連戦連敗を喫し、降将の唐斌・文仲容・崔埜を斬ったものの、最後は火砲が直撃して戦死した。
- 鄷泰(ほう・たい)
- 二本の鉄簡を使う猛者で、梁山泊軍を竜門関で迎え撃った。
- 田虎軍の降将で猛将の山士奇を討ち取ったが、卞祥の槍を受けて戦死した。
- 方臘(ほう・ろう)
- 歙州のきこりだったが、民衆の不満に乗じて反乱を起こし、江南地方を制圧して呉王を名乗った。
- 梁山泊軍を苦しめたが敗れ、逃げたところを道に迷った魯智深に捕まり、凌遅刑に処された。
- 方杰(ほう・けつ)
- 石宝(せき・ほう)
- 方臘軍の将軍・元帥。杭州や烏竜嶺にて梁泊軍の前に立ちはだかり、数多の好漢を戦死させた最強の中ボス。
- 方臘が援軍を惜しんだ為に劣勢となり、関勝に追い詰められたところで自刎し、梁山泊軍も石宝を直接倒す事はできなかった。
- 龐万春(ほう・ばんしゅん)
- 「小養由基」の綽名を持つ弓の達人。
- 得意の連射で偵察に出た好漢達を次々に射殺し、石宝と並ぶ好漢キラーとなった。
- 最後は湯隆に生け捕られ、射殺した好漢の霊への手向けとして生きたまま肝をえぐりとられた。
- 王寅(おう・いん)
- 元は石工で詩文にも通じる。
- 空城の計で梁山泊の好漢を倒し、最後は林冲や孫立らに囲まれてめった斬りにされた。
- 鄧元覚(とう・げんかく)
- 「宝光如来」の綽名をもつ破戒僧で、国師を称する。
- 太子・方天定配下の四元帥の一人で50斤の禅杖を振り回して魯智深と互角に戦ったが、花栄に射殺された。
- 包道乙(ほう・どういつ)
- 「霊応天師」の綽名をもつ道士で、武松の左腕を皮一枚残る程度まで斬り落した。
- 妖術で梁山泊軍を苦しめたが、樊瑞に妖術を破られたところで思わず立ち上がり、凌振の大砲をくらって死んだ。
- 鄭彪(てい・ひょう)
- 方臘の殿帥太尉で包道乙の弟子。
- 妖術を使って梁山泊軍を苦しめ、好漢夫婦を討ち取るも、妖術を樊瑞に破られ、関勝に斬られた。
市井の女性
- 金翠蓮(きん・すいれん)
- 東京開封府から渭州に流れてきた女性の歌い手で、親切そうな素振りで近づいてきた肉屋の妾になるも、本妻に追い出されたうえに妾になった際の身代金三千貫を、肉屋からもらってもいないのに払わされる羽目になってしまう。
- 酒場の歌い手として父と二人ほそぼそと生計を立てていたが、話を聞いた魯達(後の魯智深)や史進や李忠から路銀をもらったうえ、逃げる事に成功する。
- その後、雁門で趙員外の妾になり、肉屋を殺してお尋ね者になった恩人の魯達に出家を勧めた。
- 水滸伝に登場する市井の女性では珍しくハッピーエンドを迎えている。
- 閻婆惜(えん・ばしゃく)
- 鄆城県に流れてきた十八歳の歌い手で、父の葬儀代のあてもない程の貧乏に苦しんでいたところを、宋江の妾になることで助けられた。
- しかし宋江ではものたりなくなり、張文遠との密通をはじめた上、梁山泊から送られた手紙を見つけて宋江を脅したものの、逆上した宋江に殺された。
- 欲をかかなければ、梁山泊で悠々自適よりどりみどりな生活が出来たかもしれないのに・・・
- 潘金蓮(はん・きんれん)
- 武松の兄の武大の妻。
- 元は金持ちの家の使用人だったが、主人に言い寄られたのを断った事から嫌がらせに醜男の武大の嫁にされてしまい、まだまだ若い身で醜い夫に満足出来ず、性の捌け口として薬屋の西門慶と密通し、武松にも色仕掛けした。
- 西門慶の罠で武大が大怪我をした際に、西門慶から渡されていた毒薬を飲ませて殺してしまうが、毒を盛られた事を知った武松により、西門慶と共に斬首され髪で首同士を結ばれて武大の位牌の前に捧げられた。
- 潘金蓮と西門慶の密通は、性描写に定評のある「金瓶梅」と言うスピンオフ作品になっている。
- 藩巧雲(はん・こううん)
- 夫を病で亡くし、楊雄の元に嫁いで何不自由無い暮らしをしていた。
- 楊雄が職場に泊まる事が多かった為、前夫の二回忌に来た報恩寺の僧侶の裴如海と密通してしまう。
- しかし密通が楊雄の義兄弟の石秀にばれてしまい、裴如海を殺された上に、自身は楊雄に裸に向かれて木に縛りつけられた上、舌を斬られ、内臓を引きずりだされて惨殺された。
- 白秀英(はく・しゅうえい)
- 旅から旅の女芸人で、雷横が金も無いのに上席に座っていた事から父が因縁をつけた為、芝居小屋をめちゃめちゃにされてしまう。
- 役所に訴え出て雷横を捕縛させ、芝居小屋の前で首に枷をつけてさらし者にしていた際に、差し入れに来た雷横の母に暴力を振るった為、雷横に殺された。
- 李瑞蘭(り・ずいらん)
- 東平府の娼妓で、史進と顔見知りだった事から、梁山泊の東平府攻めの際に、城内から呼応せんと史進が店に協力を求めてきた際に、店の主人が史進を役所につきだしてしまった。
- 捕らわれの身となった史進が梁山泊軍により解放された際に、店の主人ら共々惨殺されてしまった。
武芸十八般
水滸伝に度々登場する「習得すべき十八種類」の武術の事で、いくつかパターンはあるものの、水滸伝では以下が挙げられる。
- 矛(ぼう)
両刃の穂先に長い柄をつけた武器。林冲が得意としている。
- 鎚(つい)
錘とも呼ばれる打撃武器の他、紐の先端に分銅をつけた流星鎚等。樊瑞や湯隆が得意としている。
- 弓(ゆみ)
主に馬上で扱う短弓の事。弓と言えば花栄。
- 弩(いしゆみ)
所謂「ボウガン」。燕青が得意としている。
- 銃(じゅう)
手斧説と火器説がある。火器だとしても大砲ではない。
- 鞭(べん)
鉄や銅で出来た棒状の打撃武器。呼延灼や孫立が得意としている。
- 簡(かん)
基本構造は鞭と同じだが、竹の様な外観の鞭と異なり、角が尖って断面が角ばっている。
- 剣(けん)
片手で扱う両刃の武器。刀は片刃のものをさす。史進が得意とする三尖両刃刀も剣に含まれる。
- 鏈(くさり)
多節棍の一種で、棒を鎖でつないだもの。鄧飛は鉄で出来た鏈を使う。
- 撾(か)
ジャベリンの様に投げる事も出来る槍。穂先によっては引っ掛けたりも出来る。
- 斧(おの)
片手用の短い斧で、李逵は二梃の板斧を振り回す。
- 鉞(まさかり)
長柄の斧。索超が得意としている。
- 戈(ほこ)
鉤状の刃のついた長柄の武器。戟の事をさす場合もある。
- 戟(げき)
矛と戈を組み合わせ構造の武器。呂方と郭盛が得意とする方天画戟は進化系。
- 牌(はい)
団牌・変牌とも呼ばれる腕に装備する盾。項充と李袞が李逵を守るのに使用している。
- 棒(ぼう)
木製や鉄製の棒。一番お手軽に出来る装備なので多くの好漢が所有している。
- 鎗(やり)
突き刺す事を目的にした穂先のついた長柄の武器。刃はついていない。
- 叉(さすまた)
先が二叉から三叉に分かれている農機具から発展した武器。丁得孫はこれを投げつける。
関連作品
70回本・100回本・120回本の他に、水滸伝に続く作品としては以下の物が挙げられる。
金瓶梅
西門慶と潘金蓮の2人が武松に殺されなかったらというIFから始まるスピンオフで、二次創作でありながら四大奇書の一つとして本家と肩を並べる作品である。
作者は「蘭陵笑笑生」。どう見てもペンネームで正体不明な人物である。
タイトルは西門慶の愛人、潘金蓮、李瓶児、龐春梅の名前から一字ずつ取ったもの。
ストーリーは西門慶が才能を生かして成り上がり、多数の愛人たちと愛欲に爛れた生活を送るというもので、冒険と戦闘が織りなす他の三作品とは違ったテイストで書かれている。また、講談をベースとするのではなく、1人の作者が緻密な構成を行って書き上げたという意味でも画期的である。
ただし、萌えゲー化すら難しい青年誌的な展開から、他の三作品のように児童版を作るのが不可能な作品であり、派生作品も少ない。(せいぜい山田風太郎がノベライズした程度)
水滸後伝
「陳忱」作。梁山泊壊滅後、李俊とその仲間たちが暹羅国に行って新しい国を造り上げるまでの話で、金国の侵攻によって北宋が滅び、梁山泊の生き残りやライバル、花栄や張清の息子達といった新キャラも李俊達に加わってくる。そして、最後には日本の関白が暹羅国に襲撃するという展開が。良作という評価が高いが、「自由を求めて海外へ旅立ったというのに、中国と同じ国を建てて支配階級に収まってしまうのはなんなんだ」というツッコミも。
水滸新伝
「褚同慶」作。20世紀になって書かれた水滸伝物で、170回と分量が大幅に増えている。主なポイントとしては遼国戦の増強とキャラクター描写の見直し。その過程で女性キャラの追加とリストラ、席次の入れ替えが行われた。
ただし、社会主義思想から梁山泊を肯定するという観点で書かれており、好漢たちを「いい人」にしてしまっているという批判もある。
蕩冦志
「愈万春」作。70回本の続きとして始まっているのが特徴で、盗賊行為が悪という観点から梁山泊が官軍の攻撃にあって壊滅。生き残った36人も凌遅で処刑されるという驚天動地な内容となっている。
日本での派生作品
ハードボイルド小説家の北方謙三も「大水滸」三部作シリーズの第一部として「水滸伝」を書いており、独自に構成しなおした内容と、ハードボイルドさが増した事で人気を博している。また続編として「楊令伝」「岳飛伝」もある。
そのほか「宿命でつながった者達が導かれて結集する」という骨子は、滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」等に反映されていると言われ、同様の骨子の作品の元ネタになっている場合も多い。
TVゲームでは、コナミの「幻想水滸伝」が有名で、こちらは108の魔星が登場するも基本は西洋風ファンタジーとなっている。
小説では水滸伝に古のまつろわぬもの、更にはクトゥルフ神話を織り込んだ栗本薫の「魔界水滸伝」の他、水滸伝を21世紀の日本に翻案した吉岡平の「妖世紀水滸伝」などの変わり種が挙げられる。
関連動画
脚注
- *水滸伝の基となった『大宋宣和遺事』では席次が「黒旋風」李逵の次に位置している事から元々は李逵絡みの由来だったと思われる。(貴族の設定もまだ存在しなかった)