財産(property、fortune、wealth)とは、個人や団体に帰属する有体物や無体物を指す言葉である。
個人や団体に帰属する有体物や無体物を財産という。
有体物の財産の中で、持ち運びできないものを不動産という。土地や、土地に定着するもの(建物)が不動産である(民法第86条)。
有体物の財産の中で、持ち運びできるものを動産という。紙幣や硬貨といった現金、金塊や宝石などの宝飾品、美術品、株式などの有価証券が動産である。
無体物の財産の中で、人の創造的活動によって生み出されるものを知的財産という(知的財産基本法第2条)。特許権や著作権などが知的財産である。
無体物の財産の中で、特定の人に対して行為を要求する権利のことを債権という。銀行預金は、預金者にとって銀行に対する債権であり、債権の典型例といえる。
表にしてまとめると、以下のようになる。
不動産 | 有体物 | 持ち運べない |
動産 | 持ち運びできる | |
知的財産 | 無体物 | 人の創造的活動によって生み出されるもの |
債権 | 人に対して行為を要求する権利 |
財産を支配する権利を財産権という。
有体物の財産(不動産または動産)を支配する権利を物権という。物権は所有権、地上権、地役権、抵当権、占有権などがあり、最も代表的なものは所有権である。
つまり、無体物の財産を支配する権利を所有権と呼ぶのは間違いである。ただし日常会話では財産権も所有権も同じような意味を持つ言葉として扱われる。
無体物の財産を支配する権利のうち、著作権など知的財産を支配する権利、すなわち知的財産権を無体財産権ということが、日本の法律界における慣例である(国税庁の資料)。
つまり、物権+無体財産権(知的財産権)+債権=財産権 ということになる。
物権と無体財産権(知的財産権)は、排他性・独占性が高く、権利者が全面的に対象を支配するという特徴がある。
一方で、債権はそれらと異なっており、排他性・独占性がやや低く、権利者は特定の人の行為だけを要求するだけで、特定の人を全面的に支配するわけではない。債権というのは財産権の中でも特別な存在だといえる。債権と物権を比較した文章は、債権の記事にあるので、参照されたい。
表にしてまとめると、以下のようになる。
それを支配する権利 | 権利の性質 | |
不動産 | 物権 | 排他性・独占性が高く、対象を全面的に支配する |
動産 | ||
知的財産 | 無体財産権(知的財産権) | |
人の行為 | 債権 | 排他性・独占性が低く、対象を全面的に支配しない |
簿記の世界では、資産(assets)という言葉を使う。資産と財産は似ている概念だが、ある一点で異なっている。
資産は、資本(capital)として使われる財産のことである。資本というのは営利追求の事業活動の基金のことをいう。
政府や地方公共団体は、営利追求の事業活動をする団体ではないと考えられている。そのため、資産という言葉を使わず、財産という言葉を使う。国有財産は政府所有の財産で、公有財産は地方公共団体所有の財産である。
資産は、資本(営利追求の事業活動の基金)になりうる財産である。つまり、財産の中で、市場価値があって換金性があるもののみが資産と扱われる。
Aさんが、趣味の一環として、ペットボトルの蓋を収集しているとする。この場合、ペットボトルの蓋はAさんの財産である。ところがペットボトルの蓋に対して2020年5月1日現在、価値を感じる人が少なく、市場価値が非常に低い。それゆえ、「Aさんが所有するペットボトルの蓋は、資産にならない」と考える人が多いだろう。
財産と資産の違いをまとめた表は、以下の通り。
財産 | 資産 | |
定義 | 支配する有体物・無体物のすべてを指す。 | 支配する有体物・無体物のうち、資本(営利追求の事業活動の基金)となるもののみを指す。 |
市場価値や換金性 | 市場価値が低く換金できないものも含むことができる | 市場価値が低く換金できないものを含むことができない |
所有する団体 | 営利追求をしない公的団体。政府、地方公共団体など | 営利追求をする企業 |
評価する人 | 所有者本人が価値を感じていれば、財産になる | 所有者以外の多くの人々が価値を感じ、市場価値を認めることで、やっと資産として扱われる。所有者本人以外の評価が必要になる |
Aさんは趣味の一環として、河原に転がっている石を大量に集めて、自分の家の敷地内に置く癖があった。河原の石はキラキラ光っているのでAさんにとって宝物であったが、Aさん以外の大多数の人にとってガラクタだった。
Aさんの奥さんが家計簿として貸借対照表を作成したとき、河原の石は、「一切の市場価値がなくて資産にならない。それどころか、自宅の敷地の一部を無駄に占有するので金食い虫であり、負債である」と考え、負債の部に河原の石のことを書き入れた。
以上の例では、所有者本人が財産と思っていたものが貸借対照表において負債の部に入れられてしまった。
消極財産とは、おもに相続のときに使われる法律用語である。
親が他界して、子が親の財産に属する権利・義務の一切を引き継ぐことを相続という(民法第896条)。親の資産(土地・建物など)と、親の負債(借金の返済義務など)を子が引き継ぐことになる。このとき、資産を積極財産といい、負債を消極財産という。
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最終更新:2025/01/31(金) 14:00
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