野﨑まど(のざき-)とは、独自の世界観と緻密なイメージをもつものではないかと考えられているが、個体数が少ないため、その生態の多くは明らかでない。[1]
概要
昭和22年に当時の向島区と本所区が合併する形で誕生した東京都墨田区生まれ。[2]
2009年、『[映]アムリタ』で第16回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>を受賞後キーボードが破損し、現在も括弧閉じキーの捜索を続けている[3]。同書は「2009野﨑まどベスト10」で第一位を獲得。加えて第一回野﨑まど賞長編部門も受賞し、野﨑まどの中で大きな話題となった[4]。2010年、続編『[映]アムリタ 大ダコ島の死闘』を執筆(未発表)。[5]
その他の作品に『妖精電撃作戦』(未発表)、『第十七回落雷小説大賞選評』(未発表)、『津波でおまじない』(未発表)[6]、『慰霊堂』(水彩・紙)、『家畜』(彫刻)、『ほうき星』(習字)[7]など。
1947年にタイで生を受け、1949年に来日して以来、戦後の日本を60年にわたって見守り続けてきた近所のゾウのはな子のように凛として頑張っていきたいと思っている。[8]
野﨑まど(のざき-)とは、日本の小説家、SF作家。苗字の表記は「野﨑」が正しいが、機種依存文字のため記事名は「野崎」とする。ファンからの愛称は「野まど」。
本当の概要
2009年、『[映]アムリタ』で第16回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>を受賞しデビュー。以降、主にメディアワークス文庫で作品を発表する。「電撃文庫MAGAZINE」では小説の常識を破壊する奇天烈な作品ばかりの『野﨑まど劇場』を現在も連載中。
2013年、ハヤカワ文庫JAで発表したSF小説『know』が高い評価を集め、第34回日本SF大賞候補、「SFが読みたい!」2014年版第4位、第4回Twitter文学賞7位となる。また同年、アニメ『ファンタジスタドール』の前日譚ノベライズ『ファンタジスタドール イヴ』を刊行、アニメノベライズという枠組みを粉砕する作風を披露し一部で話題を呼ぶ。2014年にはSFアンソロジー『NOVA+』に奇想SF短編「第五の地平」を寄稿し、『野崎まど劇場』のノリを知らないSFファンの度肝を抜いた。
2015年からは『バビロン』シリーズが講談社タイガから刊行中。野まど作品には珍しく、最初からタイトルがナンバリングされている。現時点での最新刊である3巻のサブタイトルが「-終-」だが、まだ完結していないので注意。2018年にはTVアニメ化が発表され、2019年秋アニメとして放送された。
2017年にはTVアニメ『正解するカド』のシリーズ構成・全話脚本を担当。2019年にはアニメ映画『HELLO WORLD』の脚本を担当(小説版も執筆)と、アニメ方面でも活動している。
ボケとツッコミが主体のコミカルな序盤から、中盤以降は読者の意表を突く展開を次々と繰り出し、読み始めたときには想像もつかないような結末に辿り着くツイストの効いた話運びと、ミステリ、SF、青春小説、ホラーなどの間を一作の中で飄々と飛んで渡るジャンルミックスで分類不能な作風が最大の特徴。そのため、どの作品もどういう話なのかというのを一言で説明し辛く、詳しく説明しようとするとネタバレ不可避なので「とりあえず読んでみろ」と言うほかない。
何らかの分野で突出した能力を持つ天才キャラが物語を大きく動かす役割を担うことが多い。人知を超えた能力を持つ存在が周囲を、そして世界をどう変えていくか、というのが野まど作品の統一テーマかもしれない。
基本的に1冊読みきりのスタイルなのでどの作品から読んでも構わないが、初めて読む人はデビュー作の『[映]アムリタ』か、出世作の『know』から入るのがオススメ。あるいは野まど作品とは思えないほど普通のいい話である『なにかのご縁』から入り、『[映]アムリタ』に戻ってびっくりするのもアリ。敢えて一番の劇薬である『野崎まど劇場』から入る……のはオススメできるかどうかわからない。
ただし、『2』だけはそこまでの野まど作品全ての続編的存在なので、『2』を読むときはその前に『[映]アムリタ』『舞面真面とお面の女』『死なない生徒殺人事件』『小説家の作り方』『パーフェクトフレンド』の5作を読んでいた方がよい。作風柄、ネタバレはかなり痛いのだが『2』には、前5作の要素が多分に含まれている。本作をより楽しむためにも、上記5作を読むのを強くおすすめする。
作品リスト
小説
- [映]アムリタ (2009年、メディアワークス文庫→2019年、メディアワークス文庫[新装版])
- 舞面真面とお面の女 (2010年、メディアワークス文庫→2019年、メディアワークス文庫[新装版])
- 死なない生徒殺人事件~識別組子とさまよえる不死~ (2010年、メディアワークス文庫→2019年、メディアワークス文庫[新装版])
- 小説家の作り方 (2011年、メディアワークス文庫→2019年、メディアワークス文庫[新装版])
- パーフェクトフレンド (2011年、メディアワークス文庫→2019年、メディアワークス文庫[新装版])
- 2 (2012年、メディアワークス文庫→2019年、メディアワークス文庫[新装版])
- 独創短編シリーズ 野﨑まど劇場 (2012年、電撃文庫)
- なにかのご縁 ゆかりくん、白いうさぎと縁を見る (2013年、メディアワークス文庫)
- know (2013年、ハヤカワ文庫JA)
- ファンタジスタドール イヴ (2013年、ハヤカワ文庫JA)
- なにかのご縁2 ゆかりくん、碧い瞳と縁を追う (2014年、メディアワークス文庫)
- 独創短編シリーズ2 野﨑まど劇場(笑) (2015年、電撃文庫)
- バビロン Ⅰ -女- (2015年、講談社タイガ)
- バビロン Ⅱ -死- (2016年、講談社タイガ)
- バビロン Ⅲ -終- (2017年、講談社タイガ)
- HELLO WORLD (2019年、集英社文庫)
- タイタン (2020年、講談社→2023年、講談社タイガ)
- 小説 (2024年、講談社)
アニメ
関連項目
脚注
- *『2』著者紹介より。
- *『[映]アムリタ』著者紹介より。
- *『舞面真面とお面の女』メディアワークス文庫公式サイトでの著者プロフィールより。
- *『パーフェクトフレンド』著者紹介より。
- *『舞面真面とお面の女』著者紹介より。
- *以上『死なない生徒殺人事件』著者紹介より。
- *以上『小説家の作り方』著者紹介より。
- *『[映]アムリタ』メディアワークス文庫公式サイトでの著者プロフィールより。
- *『パーフェクトフレンド』メディアワークス文庫公式サイトでの著者プロフィールより。このプロフィールはネタ要素が無いのでたぶん本当の情報。
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 相沢沙呼
- 青崎有吾
- 青山文平
- 赤川次郎
- アガサ・クリスティ
- 芥川龍之介
- 浅暮三文
- 芦沢央
- 芦辺拓
- 飛鳥部勝則
- 綾辻行人
- 鮎川哲也
- 有川浩
- 有栖川有栖
- 泡坂妻夫
- アーサー・C・クラーク
- 池井戸潤
- 伊坂幸太郎
- 石川博品
- 石田衣良
- 石持浅海
- 伊藤計劃
- 稲見一良
- 乾くるみ
- 井上真偽
- 井上夢人
- 今邑彩
- 今村翔吾
- 今村昌弘
- 岩井志麻子
- 歌野晶午
- 内田幹樹
- 浦賀和宏
- 江戸川乱歩
- エラリー・クイーン
- 円城塔
- 大沢在昌
- 大山誠一郎
- 岡嶋二人
- 小川一水
- 荻原規子
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- 小栗虫太郎
- 小野不由美
- 折原一
- 恩田陸
- 海堂尊
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- 加納朋子
- 紙城境介
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- 神林長平
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- 北方謙三
- 北村薫
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- 古泉迦十
- 甲田学人
- 古処誠二
- 小林泰三
- 小松左京
- 紺野天龍
- 今野敏
- 呉勝浩
- 佐々木譲
- 笹本祐一
- 細音啓
- 佐藤究
- 三田誠
- 時雨沢恵一
- 品川ヒロシ
- 篠田節子
- 島田荘司
- 島本理生
- 斜線堂有紀
- 朱川湊人
- 殊能将之
- 白井智之
- 真藤順丈
- 真保裕一
- ジョージ・オーウェル
- 水野良
- 須賀しのぶ
- 瀬名秀明
- 高木彬光
- 高村薫
- 竹本健治
- 田中慎弥
- 田中啓文
- 田中芳樹
- 田辺青蛙
- 月村了衛
- 月夜涙
- 辻堂ゆめ
- 辻村深月
- 土屋隆夫
- 都筑道夫
- 恒川光太郎
- 天藤真
- 遠田潤子
- 鳥飼否宇
- 中村文則
- 中山七里
- 仁木悦子
- 西尾維新
- 西澤保彦
- 西村京太郎
- 西村賢太
- 西村寿行
- 似鳥鶏
- 貫井徳郎
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