受賞のときは?
自宅で、そろそろ風俗行こうかなと。
行かなくて良かったです。
西村賢太(にしむら けんた、1967年7月12日 - 2022年2月5日)とは、日本の私小説家である。東京都江戸川区出身。ワタナベエンターテインメント所属。
経歴
- 1967年:東京都に生まれる。
- 1978年:父親が強盗強姦事件を起こし逮捕・収監される。
- 1983年:それまで父親は強盗事件で逮捕されたと認知していたが性犯罪で逮捕されたことを知り、不登校となる。
- 1990年:藤澤清造の作品に出会う。
- 1994年 - 1996年:暴行傷害事件で2度逮捕される。
- 2001年:西光寺に申し入れ「清造忌」を復活させる。
- 2003年:同人誌『煉瓦』に参加。小説を書き始める。
- 2004年:『煉瓦』を退会。
- 2007年:『暗渠の宿』で第29回野間文芸新人賞受賞。
- 2011年:『苦役列車』で第144回芥川賞受賞。
- 2012年:『苦役列車』が映画化されるが、映画の出来に不満を述べる。
- 2022年:2月4日夜、タクシー乗車中に意識を失い、翌日搬送先の病院で死去。54歳没。没後90年目にあたる「清造忌」の1週間後、存命作家で唯一敬愛していた石原慎太郎の訃報の4日後のことであった。
作風
西村賢太の作品は、ほぼ全てが私小説であり、西村賢太本人の実体験に基づいている。初期は「私」という一人称で書かれた作品が多かったが、おそらくエッセイとの区別のためか、途中から「北町貫多」という名前での三人称に切り替えられた。
作中の「私」もしくは「北町貫多」は、日雇い労働で稼いだ金を風俗と酒代で浪費し、数少ない友人に金をせびり、風俗嬢に入れあげた挙げ句に金をだまし取られ、ようやく交際にこぎ着け同棲まで持ち込むことに成功した女(「私」の一人称ではただ「女」としか呼ばれず、「北町貫多」の三人称では「秋恵」という名前がついている)に対して些細なことでキレて暴力を振るう、ぐうの音も出ないほどのクズである。
作中ではそのクズぶり、空回りぶりをどこまでも滑稽に描いており、心酔する作家・藤澤清造に関する事柄への真剣な態度との落差も含め、ある種のコメディ小説のように読める。そのため、純文学と聞いて鼻白む人でも読みやすく、誰が呼んだかエンタメ私小説とも称される。実際に「野性時代」のようなエンターテインメント系の小説誌でも作品を発表した。
作中では『藤澤清造全集』の刊行に向けて作業をし、資金繰りに奔走する場面がたびたび描かれているが、芥川賞受賞で一躍有名になり年収も大幅に増え資金繰りの問題は解決したにも関わらず、結局全集が出ることはなかった。その代わりにか、代表作である長編『根津権現裏』の復刊(新潮文庫、のち角川文庫)と、自ら編集した『藤澤清造短篇集』(新潮文庫、のち角川文庫)と『狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集』(講談社文芸文庫)を出している。
著作リスト
小説
- どうで死ぬ身の一踊り (2006年、講談社→2009年、講談社文庫→2012年、新潮文庫→2019年、角川文庫)
- 暗渠の宿 (2006年、新潮社→2010年、新潮文庫)
- 二度はゆけぬ町の地図 (2007年、角川書店→2010年、角川文庫)
- 小銭をかぞえる (2008年、文藝春秋→2011年、文春文庫)
- 瘡瘢旅行 (2009年、講談社)
→ 廃疾かかえて (2011年、新潮文庫[改題]) - 人もいない春 (2010年、角川書店→2012年、角川文庫)
- 苦役列車 (2011年、新潮社→2012年、新潮文庫)
- 寒灯 (2011年、新潮社)
→ 寒灯・腐泥の果実 (2013年、新潮文庫[改題]) - 棺に跨がる (2013年、文藝春秋→2016年、文春文庫)
- 歪んだ忌日 (2013年、新潮社)
→ 形影相弔・歪んだ忌日 (2015年、新潮文庫[改題]) - けがれなき酒のへど 西村賢太自選短篇集 (2013年、幻冬舎文庫)
- 疒(やまいだれ)の歌 (2014年、新潮社→2022年、新潮文庫)
- 無銭横町 (2015年、文藝春秋→2017年、文春文庫)
- 痴者の食卓 (2015年、新潮社)
→ 夢魔去りぬ (2018年、講談社文庫[改題])
- 蠕動で渉れ、汚泥の川を (2016年、集英社→2019年、角川文庫)
- 芝公園六角堂跡 (2017年、文藝春秋)
→ 芝公園六角堂跡 狂える藤澤清造の残影 (2020年、文春文庫[改題]) - 夜更けの川に落葉は流れて (2018年、講談社)
- 羅針盤は壊れても (2018年、講談社)
- 瓦礫の死角 (2019年、講談社→2022年、講談社文庫)
- 雨滴は続く (2022年、文藝春秋)
エッセイ
- 随筆集 一私小説書きの弁 (2010年、講談社→2011年、新潮文庫)
- 随筆集 一日 (2012年、文藝春秋)
→ 小説にすがりつきたい夜もある (2015年、文春文庫[改題]) - 一私小説書きの日乗 (2013年、文藝春秋→2014年、角川文庫)
- 一私小説書きの日乗 憤怒の章 (2013年、KADOKAWA→2022年、角川文庫)
- 随筆集 一私小説書きの独語 (2014年、KADOKAWA→2016年、角川文庫)
- 下手に居丈高 (2014年、徳間書店→2017年、徳間文庫)
- 一私小説書きの日乗 野性の章 (2014年、KADOKAWA)
- 東京者がたり (2015年、講談社)
→ 藤澤清造追影 (2019年、講談社文庫[改題・増補]) - 一私小説書きの日乗 遙道の章 (2016年、KADOKAWA)
- 一私小説書きの日乗 不屈の章 (2017年、KADOKAWA)
- 一私小説書きの日乗 新起の章 (2018年、本の雑誌社)
- 一私小説書きの日乗 堅忍の章 (2021年、本の雑誌社)
対談集
編著
- 藤澤清造短篇集 (2012年、新潮文庫→2019年、角川文庫)
- 田中英光傑作選 オリンポスの果実/さようなら他 (2015年、角川文庫)
- 狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集 (2019年、講談社文芸文庫)
関連動画
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 相沢沙呼
- 青崎有吾
- 青山文平
- 赤川次郎
- アガサ・クリスティ
- 芥川龍之介
- 浅暮三文
- 芦沢央
- 芦辺拓
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