ピクルとは、
1.重さの単位。
2.板垣恵助の漫画およびその登場人物。ティラノサウルスが主食で、塩漬けが名前の由来。
本ページでは2の項について解説する。
ネタバレを豊富に含んでいるので注意すべしッッ
概要
スマン、出逢っちまった
ど~しても描きてえヤツに
アメリカ合衆国はコロラド州にて、1億9000万年前に形成された白亜紀の岩塩層から、完璧な保存状態のティラノサウルスが発掘される。その横にはあのティラノサウルスに飛び蹴りをお見舞いする人間が閉じ込められていた。科学者たちは計り知れない重要文化財とし、塩漬け"ピクル"と名付け、蘇生を試みる(ティラノサウルスはピクルの攻撃による損傷が激しく、蘇生は出来なかった)。蘇生実験91日目にしてついに蘇生するがピクルは大暴れ。駆け付けた米軍の最新鋭の兵器を容易く撃破する。これを重く見た米軍が戦車や戦闘ヘリまで含めた軍隊をピクルに向けて派遣するが、指揮を執っていたゲリー・ストライダムの気転によってピクルの怒りを鎮めることに成功。白亜紀のチャンピオンであるピクルに対し「君に似つかわしい仲間達の所へ行こう」と言葉分からずとも口説き、ピクルを来日させる。
羽田空港に到着したピクルは、当然夥しい量のマスコミに囲まれる。そこでピクルにインタビューしようと近づいてきた新人女子アナウンサーを"雌"と認識しその場でレイプ。いいなあ。刃牙を含むテレビを見ていた者たちを驚愕させ、その滑稽なほどの野生っぷりを見せつけた。
その後は米軍の厳重な警備が敷かれる専用の収容施設に収容され、戦士であるピクルにとってはあまりにも退屈な日々を過ごす。しかし最強の原始人復活の報を受け、範馬勇次郎を初めとする8名の戦士が"ピクルと闘りたい"とピクルのもとに集い、勇次郎はピクルに力比べを挑む。その場は米軍の仲裁が入って8名は帰ってしまったが、ピクルの腕力に追い込まれた勇次郎が咄嗟に繰り出した"合気"を幾度も思い起こし、白亜紀には無かった未知のおもちゃとして大層喜んだ。
生態
ハルルルル…
鳴き声などは発声できるが、言葉はまったく喋れない。身長は2mを超える。体重130kg強。作中でも圧倒的巨漢を誇る花山薫より一回りほど大きい。文明に頼り切った現代の人類とは違い、体の機能に一切無駄がなく、転んで起き上がるという動作ですら勇次郎が思わず見入ってしまうほどビューティフルな体格をしている。狼のような犬歯(もはや牙)が生えていて、爪も鋭い。まるで水牛と例えられるほど頸椎(首の骨)が尋常ではないぐらい太く、生半可な攻撃では頭部にまったくダメージを受けない。とても誇り高き戦士であり、白亜紀ではティラノサウルスを初めとする数多くの恐竜たちに勝利し、捕食していた。これは生きるためだけでなく恐竜紀チャンピオンとしての誇りであり、捕食する際には良き好敵手との別れであると実感し、涙を流す。
蘇生して暴れまわった際に監視していた研究員の拳銃に至近距離から撃たれるが、ピクルの筋肉には通らず、撃ち落ちた弾丸をブンッと投げ返し、拳銃以上の威力で研究員の肩を撃ち抜いた。
後述の刃牙戦では最終形態として関節を組み換え、まさに恐竜の様な体形に変貌することもできる。この際、ティラノサウルスに捕食されかけた際の古傷が筋肉の隆起によって浮かび上がり、サメのように白目をむく凶悪な顔つきに変わる。
ファイトスタイル
範馬勇次郎と同じく合気などの"技術"などはまったく使わないが、他の追随を許さないその圧倒的な力でひたすらにブン殴る。烈海王戦で初めて構えるが、圧倒的な力を持つが故の勇次郎の構えとまったく同じであった。他にも勇次郎しか破壊したことのない扉を破壊するなど、作中では勇次郎と似ているという描写が多くされている。
前述の通り"技術"は使わないが、陸上の短距離のクラウチングスタートよりもっと低い前傾姿勢から、その圧倒的な脚力で飛び、体当たりするというような"技"は幾つかある(当記事では以下ピクル砲と命名)。ピクル程の質量の物体がピクル程の筋力で撃ち出されて飛んでくるその威力は想像に難くない。
烈海王戦
前述にもあるようにピクルは誇り高き戦士であり自らに向かってくる敵しか捕食対象とせず、ライオンですらがビビッて逃げ出してしまうため、やむを得ず唯一ピクルに襲い掛かる絶滅危惧種のシベリアトラを食料として捕食させるが、これが世論で大問題となり警察が動くほどの事態に発展する。ピクルの食糧問題が深刻になった頃、烈海王が「私をエサにしてはいかがかな」と徳川光成に申し出、戦いにこぎ着ける。目の前に現れた烈に対し、現代に蘇ってから初めて戦闘体勢となったピクル。拳法家vs野生の戦いが始まった。
ピクルの攻撃を一つ受けた烈は「力の勝負は無理だ――小細工を弄するぞ」と稀代の拳法家として"技"を惜しみなく次々と繰り出していくがピクルにはまったく通用せず、上半身を90度に曲げられ失神。ピクルは烈に喰らいついて捕食し始める。烈は飛び起きて反撃を開始するがやはり通用しない。
4000年に及ぶ武術がまるで通じない
無念だッ
アリガトウ4000年
もう技術は使わない
武が及ばぬ事をもう見ることはできない…
"烈海王"
師より授かった私の全てであったこの名を…ッッ
"烈永周"が護るッッッ
と涙を流し、烈の全てであった中国拳法を捨て、中国拳法を守るために一人の人間としてピクルに戦いを挑む。中々の名場面なのだが、武術を捨てた烈が繰り出した技はまさかの"グルグルパンチ"。号泣しながら小学生のような攻撃でピクルに突っ込んでいく様はかつての気高さの欠片も無く、ピクルへのダメージより読者の腹筋へのダメージの方が深刻だった。ウワアアアォォォォ!!
ピクルは困惑して半ば呆れ、まるで雌のようだと殴りかかるが、烈の身体が咄嗟に反応。ピクルの攻撃を阻止すると、その後もピクルの連撃を完璧に受け止める。極めに極めた武術はそう簡単に烈を離してくれなかった。自問自答を繰り返した結果、武を信じ、武に身を委ねる決意をした烈はついに覚醒。再び"烈海王"としてその技を存分に繰り出し、ピクルをダウンさせる。しかしピクルはすぐさま跳ね起き、強敵と認めた時にのみ発動する前述のピクル砲を放つ。烈もこれに応え、中国武術を象徴する中段突きをもって迎え撃つが入場口の道の突き当りにまで吹っ飛ばされ、敗北。ピクルは涙を流し、烈を捕食し始める。ペイン博士が麻酔を打ったことによってピクルは昏睡し、捕食は中断されるが烈は右足の膝から下を完全に捕食され、失ってしまう。
病院で目が覚めた烈は自らの「私をエサにしては如何か」の発言を思い起こし、エサと言いつつ、食べさせたのはたったの右足だけで誓いを破った、そもそも心の底では死ぬはずはないと期待していたのではないか、ありもしない覚悟をあるかのように語ってしまった、と自責の念に潰れそうになる。そこに刃牙が見舞いに訪れ、「拳法家が足を失ったにも関わらず、烈さんは心のあり様に苦しんでいる。その苦しみどうか誇ってください。"烈"という言葉の意味は"道にはずれない"。あなたそのものだ。烈さんの真の価値はその精神性の高さにある」と語りかけ、烈は救われる。同時に焼けるような夕日が沈んでいて、とても良いシーンである。
愚地克己戦
父・愚地独歩から烈海王敗北の知らせを聞いた愚地克己は「ナメやがって…」とキレる。これに独歩が「我々が肉や魚をナメてないのと同じく、ピクルも我々のことをナメていない」と述べるが「もう一度言う、そーゆーのをナメてるって言うんだよ」と反論。激怒しつつも真っ直ぐな克己の目と意志に、独歩も納得した。
その頃ピクルは麻酔から覚め、通行人から衣服を奪って夜の新宿を徘徊していた。風俗のキャッチに合い入店させられそうになるが、そこに花山薫が現れる。ピクルと花山は押し合いになるが
と、暴力団の組長である花山に社会を教えられる。
克己はピクル戦に備え、烈海王、郭海皇らと修行を開始し、関節を無限に増やすイメージによって音速を超える打撃"マッハ突き"を習得する(室内で繰り出すと音速を超える衝撃によって部屋の窓ガラスが全て消え去るので良い子はマネしないように)。
マッハ突きを手に、神心会空手の指導者の一人である烈の敵を取るため、ピクルに戦いを申し出た克己に徳川が課せた条件は二つ。一つは試合開始時刻が早朝6時であること、もう一つは試合会場がいつもの地下闘技場ではなくその地上のドーム球場であること。克己はこれを快諾し、試合当日を迎える。
試合当日、球場を訪れた克己の前に現れたのは義理の母親、愚地夏恵。「大きな試合だと聞いてあなたにとって一番大切な人を呼びました」と言う夏恵を「俺にとってのイチバンはあなた以外にいるはずがない」とそっと抱きしめる。次に現れた人物に克己は驚愕する。夏恵が呼んだ人物とは克己の実の母親であった。「私を憎みなさい」と叫ぶ母親を「あなたはたった一人の母親だ」と抱きしめる。これも良いシーンである。
と球場に足を踏み入れた克己はまたもや驚愕する。球場を囲む5万5千の座席は全て中段突きを繰り出している神心会門下生によって埋め尽くされていた(烈海王と郭海皇もいた)。我らが若大将を奮い立たせんと、5万5千の中段突きの覇気が克己を叩いた。様々な者からの激励を受け、克己はついにピクルと対峙する。
マッハ突きの構えをとった克己にピクルの表情が変わり、克己は"遊び相手"から"エサ"へと昇格する。ピクルは本気のパンチを繰り出すも、それより速く克己のマッハ突きがピクルに炸裂する。"ティラノサウルスの鋼の尻尾"が脳裏に過ったピクルは悶え、ダウン。音速を超えた打撃を放った克己の拳も無事ではなく、骨は折れ、自らの血で彩られていた。それでも克己はついに得たマッハの感覚に歓喜し、残された手足にもマッハの感覚は当てはまり、諸刃の追撃を食らわせる。
克己の両手と左足が音速の壁によって破壊されるも、ダウンして得た数秒でピクルは回復して立ち上がり、烈を一撃で倒したあのピクル砲を発射する。焦る烈、刃牙らをよそに「俺はまだ使っちゃいない、俺だけが掴んだマッハを」とマッハ突きのさらに上の段階、"当てない打撃"をピクルに繰り出す。音速を遥かに超えた打撃によって克己の腕の肉は飛び散り、骨がむき出しになっていた。鞭が振り下ろされる瞬間ではなく、振り戻される瞬間こそ最高速度になるということをヒントに得た克己の文字通り"最終兵器"であった。
郭海皇をして「拳法を50年進歩させおった」と言わしめる最高の技であったが、これを喰らって吹っ飛んだピクルに歩み寄ると、なんとピクルは寝ていた。しかし野生の世界で生きてきたピクルにとっては当然の行動であった。克己の右手は骨が飛び出し、出血も深刻。左手左足も使用不可能。満身創痍の獲物を前にしてとる行動は"相手が息絶えるまで寝て待つ"というのが当然であった。克己は全てを理解して「この命ごともっていけ」とピクルに差し出し、ついに倒れる。ピクルも涙し、克己の右腕を食いちぎる。ここで徳川は「ここは恐竜時代ではない、許せピクル」と鉄砲隊でピクルを狙撃しようとするが、独歩が「克己とピクルが交わした約束だ」と阻止。しかしピクルは右腕を噛みちぎっただけでそれすら捕食しようとせず、言葉分からずとも克己がどれほど努力して武器を手に入れたかを理解し、それほど貴重な武器(右腕)を差し出されたことに感謝して右腕を克己に返却した。
過去数多くの場面で失望されてきたお調子者のなんちゃってリーダー、その愚地克己がついに開花した名試合である。ベストバウトに挙げるファンも少なくない。
ジャック・ハンマー戦
克己の見舞いにきた刃牙に克己が想いを託し、いよいよ明日刃牙がピクルと戦うという時に地下闘技場に乱入。そのままピクルとの対決が始まる。
ピクルのその明らかに犬歯とは言えないレベルの牙に見惚れたジャックは「ヤシの実を切り裂くまでに鍛えた俺の咬筋力と勝負だ」と噛みっこ対決を持ち掛ける。腕とかに噛み付き合うのかと思いきや、もうそのままお互いの口に噛み付き合った。他に表現しようのない完全なディープキスである。結果噛みつき対決はピクルの勝利。ジャックは口の周りの皮膚をまるごとピクルに喰いちぎられた。ジャックは笑みを浮かべ、全身をフル稼働させた全力のアッパーを食らわせるがピクルはノーダメージ。これに火が着いたピクルは必殺のピクル砲を発射するが、ジャックは観客席までピクルをはじき飛ばす。
人生で金も女も地位も全て捨て、たった一つ、"強くある"ことだけを目指してきたジャックは"強さを求めて生きた最新"として"強さを求めて生きた最古"であるピクルに殴りかかる。ジャックに耳を噛みちぎられたピクルは初めて自らの身体が奪われたことに激昂。尋常ではない素早さでジャックの攻撃を悉く躱し"ピクルに勝利するということは恐竜に全勝するということ"とジャックに実感させジャックへ連撃を叩き込む。自分の力以外何も信用せずに生きてきたジャックが神に勝利を祈る程の強烈な打撃を見舞ってジャックの顎の骨を木っ端微塵にし、ノックアウト。失神したジャックを捕食しようと歩み寄るが、ピクルは"何か"を察知し、捕食をせずに去る。ピクルの脳裏に過ったのは、幼少期に毒蜂を仕留めて捕食した際に口の中で発生した激痛。"殺しても何かしらの反撃をする奴がいる"という記憶を思い出していたのであった。捕食しなかったことを疑問に思った徳川がジャックに歩み寄ったその刹那、中指を突き立てたジャックの両手が猛烈な勢いで徳川に向かってクワガタムシの様に閉じた。辛うじて徳川には当たらなかったが、これを見た刃牙は「仮にピクルがあのまま捕食しようとしていたらジャックの中指はピクルの両耳を突き破って延髄を分断させた」烈も「そうなったら結果は逆だった」と述べた。失神しつつもこんなことを繰り出すあたり、さすがジャックである。
しかしジャックの戦いはまだ終わらない。鎬紅葉による治療を受けるが病院を脱走。そのままピクルのもとへ行き、戦いを続行。しかしピクルは"倒したはずの者が生き返った"と認識して怯え、逃走。地上まで逃げ走るが恐竜紀無敗の誇りがそれ以上逃がさなかった。ジャックに向き直り、ジャックに強烈なパンチを見舞う。ジャックはこの一発で失神。生涯二度目の"日に二度の敗北"を喫する。
再びジャックは病院で目覚める。なおもピクルの所へ向かおうとするが刃牙が現れ「あんたはもうファイターとして終わりなんだよッッ」と痛烈な言葉を浴びせられる。続いて刃牙から「ピクルは兄さんを失神させた後、注意深く大切に運んでビルの屋上に括りつけた。つまり保存食にされた」と敵ではなく御馳走として扱われたという屈辱的な事実を伝えられ、刃牙を前にして思わず泣き叫んでしまった。
範馬刃牙戦
刃牙は勇次郎との親子喧嘩の準備に夢中で今はピクルに興味が無いと意地を張っていたが、ひとたびピクルと接触すると範馬の血が爆発。しかし地下闘技場にてピクルと戦う直前に、凶暴とはいえ自然で暮らしていただけの動物に特訓と銘打って戦いを挑み、最期には勇次郎の手によって死なせってしまった夜叉猿のことを思い出し、動物を戦いに巻き込むのはもうやめようと戦いの手を下げるが、当のピクルは戦う気満々(ピクルも動物というより戦士なので当然)であり、刃牙に強烈な蹴りをお見舞いし、客席まで吹っ飛ばせて一発ノックアウトする。
後日、その傷も癒えぬうちに「もう嘘はつけない」とピクルと戦うことを決意した刃牙は再びピクルの元へとむかい、闘技場で一緒に肉を食べるなどして半日ほど仲良く過ごす。重要文化財であるティラノサウルスの肉を泣く泣くピクルに与えることによってピクルの食糧問題が解決してしまったため、満腹になったピクルはもう戦わないのではないかと危惧した徳川光成が花山薫のもとを訪れるが花山は「心配せんでもピクルは"こっち側"ですよ。場所は闘技場、サイコーの女とサイコーの男がサイコーの部屋にいるようなもの」と述べた。
食後、刃牙はピクルの頬をものすんごく軽~くビンタするという攻撃をピクルに仕掛け、侮辱されたピクルは大激怒。満腹になったピクルが生まれて初めて"誇りを護るために戦う"ように仕向けた刃牙の挑発だったのだ。ピクルの"狩り"ではなく"文化"としての戦いが始まった。
刃牙の上段回し蹴りでピクルをダウンさせると、間髪入れずにピクルの顔をメッタメタに踏みつけ、さらには本気で首を絞めにかかる。首を絞められたピクルは刃牙を背負ったまま闘技場のてっぺんまで駆け上り、そのまま飛び降りて約30mの高さ(およそビル8階分)から落下。ピクルはピンピンしていたが砂地とはいえ30mの高さからまともに落ちた刃牙は立ってはいるものの、横隔膜がせりにせり上がって呼吸するのも困難な状態だった。イヤ生きてる方がおかしいって。これをピクルは見抜き「壊れやすい玩具を乱暴に扱ってしまった。どうか壊れないでくれ」と合唱して祈りそうになるが、既の所で「俺のために祈ってんじゃねェ!」と刃牙が血反吐を吐きながらなんとか阻止。しかしピクルは壊れそうな玩具にまだ本気を出せず、拳をゆ~っくり刃牙に叩きつけ「これ(拳)は安全なものなんだよ」と自らの凶器を安全物と偽る、桁外れの超手加減を刃牙にする。刃牙はブチ切れると思いきや「俺が弱いからピクルに気を遣わせた」と自ら闘技場のてっぺんに上って再び飛び降り、自らの耐久性をピクルに見せつけた。そのままピクルの顎へ打撃を叩き込んで脳震盪を起こさせ、ピクルからダウンを奪う。しっかりと立っているはずなのに地面がせり上がってくる(ように見える)という、生まれて初めての経験したピクルの目には刃牙が地面を自在に操る妖術師に映り、激しく混乱するが恐竜の牙や毒蜂の毒など、いかなる攻撃にも耐えてきた絶対の自信がピクルの足を辛うじて踏み留まらせる。しかし刃牙は二度の落下から完全に回復できておらず真っ向勝負はまだ不可能と判断し、"鞭打(べんだ)"をピクルに見舞う。どんなに過酷なトレーニングをしようが絶対に鍛えることができない皮膚をターゲットにした強烈な攻撃にピクルは激しく悶えて転がり回り、遂にはその人生初の防御の体勢を取った。続けて刃牙は自身オリジナルの中国武術の象形拳(動物の動きを取り入れた拳法)、トリケラトプス拳を披露。烈海王をして「ウッソ…」と言わしめる出来だった。驚きを隠せないピクルを他所に刃牙はさらにプテラノドン拳、ティラノサウルス拳を披露。それを見たピクルの目には刃牙がそれら三匹の特長を全て取り入れた最強の混合生物のように映り、激しく混乱し戦慄した。しかしここで刃牙の体力が回復したのか、刃牙はもう小細工をやめ、真っ向勝負でピクルに挑む。烈曰く「バカでしょ…?」
"地面に叩きつけられる"ような打撃ではなく"地面を叩きつけられる"ような規格外のパワーに最初は圧倒されるが、範馬勇次郎を想定して日々トレーニングをしてきた刃牙はピクルの攻撃を次々に躱す。もはや相手の体を"通り抜ける"境地に達していたその身のこなしはピクルをもってしても捕らえることができず、ピクルの背後に回り込んだ刃牙は全力の金的攻撃をお見舞いする。一体何回玉々潰されるの…。ピクルは転がり回って悶絶し、これにて勝負アリかと思われるが逆にピクルを本気の本気にさせてしまい、筋肉は激しく隆起、更に全身の関節を組み換え、戦闘に特化した最終形態へと変貌した。これを目にした烈は「有史以来進化し続けて来た人類は石器から核まで様々な武器を手にしてきた。手にする武器が強力になるにつれ、今では通り魔から身を守ることすら出来なくなってしまった。結果何を手にし、何を失ったのか――」と考え込んでしまうが、刃牙はピクルの本気の攻撃を"格闘技"をもって無効化し
と観戦していた徳川、烈、花山の三名が拍手してしまうほどの格闘漫画として素晴らしい名言を放った。そのまま格闘技を駆使してピクルを確実に追い詰めて行くが、ここで刃牙の悪い癖"正面からのブン殴り合い"をピクルに持ち掛けてしまう。結果、瞬く間に体力の差は現れ、刃牙がもうダウンするというその瞬間、僅かながら感じた敗北への恐れによってピクルは"合気"を刃牙にむかって繰り出した。刃牙はそのままダウンし気絶、ピクルは戦意喪失で座り込んでしまい、ゲームセット。
勝敗については作中でもファンの間でも議論がされているが観戦者の烈は「ピクルに戦う意思が見られないとはいえ生殺与奪がピクルにあるのは明らか」とピクルの勝利とし、これに対して花山は「ピクルには体格がある。筋力がある。その上さらに技術を使うってのは…」と合気を使ったことについて触れ、刃牙の勝利に一票を投じた。
ピクルの生きる道
刃牙戦後、"ピクル"というものの有り様に地球規模の徹底的な議論がされ、世界の意見はピクルを元の岩塩層に戻すか、共に現代で暮らすかの真っ二つに別れる。全世界の10億人を対象にした多数決投票の結果、僅か1000票の差で"元の岩塩層へ戻す"という結果が出された。この結果に対してピクル研究の第一人者にしてノーベル賞受賞者であるペイン博士は「愚かな結論。結局未来へ責任を丸投げしているだけだ」と述べたが、当のピクルは収容されていた施設を脱走。ストライダムとペイン博士の前に現れ、ストライダムにお礼としてティラノサウルスの頭を丸ごとプレゼントし、そのまま世界の出した結論を笑うかのように夜の東京へと消えていった。その後刃牙と勇次郎の親子喧嘩に乱入しようとするが、刃牙に殴られ一喝されたことで引き下がっている。
刃牙道編
下水道に潜んで暮らしており、巨大ワニを捕獲するシーンがテレビで放送された。邂逅した武蔵はピクルを無刀で倒すことは不可能と判断、愛刀金重を熊本から取り寄せている。地下闘技場にて武蔵と対戦。その凄まじい筋肉で武蔵の斬撃すら受け止めるが、武蔵が取り落とした刀を思わず拾ったことで隙を晒し、反撃を受けてしまう。筋肉の薄い関節部を切られ、さらに攻撃直前の脱力を狙われて重傷を負う。関節を組み替えた最終形態でも及ばず、最後には苦手な蜂や蝶のイメージを思い浮かべてしまい戦意を喪失。脱兎の如く逃げ出し本部以蔵に助けを求めた。
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