暴力団とは、反社会的集団である。
概要
暴力団とは、日本を活動の拠点とし「暴力・脅迫により利益を得る反社会的集団」である。
敗戦後の日本のマスコミでは、暴力団の暗部に光を当てる報道は少なく、有っても定時ニュース(7時、9時など)で短く報道するのみで、逆に映画やドラマでは任侠や男らしさ、上下関係の厳しさなど、暴力団の良い部分を感じられる報道・構成が多い。戦後~高度経済成長期前の治安が悪かった頃の日本では暴力団が一種の自警団の役割を果たしていたとか、義理堅い親分が警察のアテにならないところで困っている民間人を助けたとか言った美談が残されていることもある。この暴力団を必要悪として捉える傾向は、マンガやアニメなどでも見られるが、実際の暴力団では、上位者(おじき)が部下の配偶者やパートナーを性交渉の相手として差出させたり、朝鮮半島などから覚せい剤・麻薬の密輸を行い売りさばく等、極めて野蛮で非人道的な行動を取る。
構成としてはトップである組長(会長、総長)の下に組員(兄弟分である舎弟と子分である若衆に分けられる)がおり、その組員が自らをトップとした暴力団を持つという形式になっている。トップの団体が一次団体、一次団体の組員が組長となっている団体が二次団体と呼ばれ、以下三次団体、四次団体と続いていく。報道で○○組傘下の△△組と呼ばれる場合、二次団体以降に所属する組員ということになる。
一次団体は住吉会、稲川会などのように「~会」という名称になっていることが多く、山口組のように「~組」となっているのは少数派でこの名称は二次団体以降に多い。
日本では2013年の時点で山口組が構成員約1万2千名を有し、最大組織となり、次に住吉会4千名、稲川会3千名と続いていた。暴対法の徹底や山口組の分裂によって現在は減少しており、2015年末の時点では山口組が6千名を有し最大組織となり、次に住吉会3200名、神戸山口組2800名、稲川会2700名と続いている。また構成員には属しないが、準構成員やフロント企業の組織員も含めるとその数は倍増するとされている。
特に高山 登久太郎(1928年 - 2003年6月15日])は指定暴力団四代目会津小鉄会長に上り詰めた。滋賀県の在日朝鮮人のまとめ役として、在日本大韓民国民団中央本部中央委員や滋賀韓商常任顧問も務めた。本名は「姜 外秀(カン ウェス)」であり、“今里のタッカン”とも呼ばれた。
一般に反社会的な日本人が構成員となるが、在日朝鮮人・在日韓国人若しくは帰化した者、朝鮮半島をルーツにもつ者等も全体の3割以上を占めると目される。
指定暴力団
竹書房のことである。暴力団対策法第3条に規定されており、以下の3つの要件すべてに該当すると認められたときに、当該暴力団を不法行為等を行うことを助長する恐れが大きいとして都道府県公安委員会によって指定された暴力団のことである。
一 名目上の目的のいかんを問わず、当該暴力団の暴力団員が当該暴力団の威力を利用して生計の維持、財産の形成又は事業の遂行のための資金を得ることができるようにするため、当該暴力団の威力をその暴力団員に利用させ、又は当該暴力団の威力をその暴力団員が利用することを容認することを実質上の目的とするものと認められること。
二 国家公安委員会規則で定めるところにより算定した当該暴力団の幹部(主要な暴力団員として国家公安委員会規則で定める要件に該当する者をいう。)である暴力団員の人数のうちに占める犯罪経歴保有者(次のいずれかに該当する者をいう。以下この条において同じ。)の人数の比率又は当該暴力団の全暴力団員の人数のうちに占める犯罪経歴保有者の人数の比率が、暴力団以外の集団一般におけるその集団の人数のうちに占める犯罪経歴保有者の人数の比率を超えることが確実であるものとして政令で定める集団の人数の区分ごとに政令で定める比率(当該区分ごとに国民の中から任意に抽出したそれぞれの人数の集団において、その集団の人数のうちに占める犯罪経歴保有者の人数の比率が当該政令で定める比率以上となる確率が十万分の一以下となるものに限る。)を超えるものであること。
三 当該暴力団を代表する者又はその運営を支配する地位にある者(以下「代表者等」という。)の統制の下に階層的に構成されている団体であること。
わかりやすくまとめると、「資金調達のために団員が暴力団の威力を利用させる、または利用するのを容認していること」「特定の前科を持つ人数の比率が一定以上であること」「組長の統制下で階層的に構成されていること」が要件となる。
現在指定されている団体は2022年7月現在で25団体。なお、指定されるのは一次団体のみであるため、解散・消滅する以外にも他団体の傘下となった場合も指定は取り消される(近年であれば國粹会が2005年に山口組の二次団体となったため取り消し)。このうち、山口組とそれを源流とする神戸山口組、絆會、池田組の3団体、住吉会、稲川会の計6団体が警察庁から主要団体等として扱われている。
特定指定暴力団
2012年の暴力団対策法改正により、指定暴力団間の抗争による暴力行為により生命または身体に重大な危害が加えられる恐れがある場合は「特定抗争指定暴力団」、団員の要求を拒絶した者に対して凶器を使用して生命または身体に重大な危害を加える方法による暴力行為を行い、さらに反復する恐れがある場合は「特定危険指定暴力団」に指定されるようになった。
第十五条の二 指定暴力団等の相互間に対立が生じ、対立抗争が発生した場合において、当該対立抗争に係る凶器を使用した暴力行為が人の生命又は身体に重大な危害を加える方法によるものであり、かつ、当該対立抗争に係る暴力行為により更に人の生命又は身体に重大な危害が加えられるおそれがあると認めるときは、公安委員会は、三月以内の期間及び当該暴力行為により人の生命又は身体に重大な危害が加えられることを防止するため特に警戒を要する区域(以下この条及び次条において「警戒区域」という。)を定めて、当該対立抗争に係る指定暴力団等を特定抗争指定暴力団等として指定するものとする。
第三十条の八 公安委員会は、次の各号のいずれかに掲げる行為が行われた場合において、指定暴力団員又はその要求若しくは依頼を受けた者が当該行為に関連して凶器を使用して人の生命又は身体に重大な危害を加える方法による暴力行為を行ったと認められ、かつ、当該指定暴力団員の所属する指定暴力団等の指定暴力団員又はその要求若しくは依頼を受けた者が更に反復して同様の暴力行為を行うおそれがあると認めるときは、一年を超えない範囲内の期間及び当該暴力行為により人の生命又は身体に重大な危害が加えられることを防止するため特に警戒を要する区域(以下この章において「警戒区域」という。)を定めて、当該指定暴力団等を特定危険指定暴力団等として指定するものとする。
一 当該指定暴力団等の指定暴力団員がした暴力的要求行為又は当該指定暴力団等の指定暴力団員がした第十二条の三の規定に違反する行為に係る準暴力的要求行為であって、その相手方が拒絶したもの
二 当該指定暴力団等の指定暴力団員がした第三十条の二の規定に違反する行為
特定抗争指定暴力団は2012年12月17日に道仁会と九州誠道会(後に浪川睦会、現在は浪川会)が指定され(2014年6月27日に解除)、特定危険指定暴力団は2012年12月17日に工藤會が指定されている。この3団体はいずれも福岡県に本部を置く団体である。2020年1月には山口組と神戸山口組が、2022年12月には山口組と池田組がいずれも特定抗争指定暴力団に指定された。
暴力団対策
世界はテロ撲滅に動いており、特にアメリカではIEEPAという安全保障・外交政策・経済に対する異例かつ重大な脅威に対し、非常事態宣言後、金融制裁にて、その脅威に対処している。具体的には、攻撃を企む外国の組織もしくは外国人の米国の司法権の対象となる資産没収、外国為替取引・通貨及び有価証券の輸出入の規制・禁止などを定めた強力法がある。
日本でもアメリカ大統領令13581号に基づき、在日朝鮮人を含めた以下の者が適用対象となっている。
- 2012年2月23日に山口組と組長司忍こと篠田建市、若頭高山清司。
- 2012年9月27日に住吉会と西口茂男総裁、福田晴瞭会長。
- 2013年1月23日に稲川会、清田次郎こと辛炳圭会長、内堀和也理事長。
- 2013年12月19日に、山口組総本部長入江禎、筆頭若頭補佐橋本弘文こと カン・ホンムン、 若頭補佐正木年男ことパク・ニョンナム、石田章六ことパク・テヨンチュン。
- 2013年7月2日に、工藤會と野村悟総裁、田上不美夫会長
また、暴力団対策法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)によって、指定暴力団の構成員はすべてリスト化されている。リスト入りした人間は銀行口座を開くことができず、クレジットカードも持てない。またアメリカなど一部の国に入国することもできなくなっている。[1]
関連動画
関連商品
関連チャンネル
関連リンク
関連項目
脚注
- 5
- 0pt