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今年の「#文学」
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デヴィッド・フィンチャー最新作『ゴーン・ガール』。自分もエントリーを上げたが、多くの人もまた大きく心動かされてエントリーを上げている。内容的には理解出来ないような物ではないが、一筋縄ではいかないキャラクターや展開に韜晦させられている人も多い。 また、フィンチャー過去作との比較をしているものもあったのだが、奇をてらった解釈が流行りなのか、首をかしげざるをえないものも少なからずある。そこで、フィンチャー作をデビューから最新作まで俯瞰して、ごくごく一般的なデヴィッド・フィンチャー作品の解釈・テーマの読み解きをしようと思う。 失敗したデビュー 『エイリアン3』(1992) ●「体内のヘビ」よもう一度 エッジの効いたPVを作るフィンチャーならMTV感覚のクールな映画を作るだろうと監督起用されたが、待っていたのはスタジオの過度な介入と、いくつもの案をツギハギにした歪な脚本。誰がやっても暗澹たる結果にな
『インターステラー』観賞。 クリストファー・ノーラン監督の新作。砂嵐が吹きすさび、謎の疫病で植物が死滅する地球から、移住できる星を探す旅に出るという壮大なSF話。 毀誉褒貶の激しい監督の新作で、すでに両極端な感想が出そろっているが、ボクは楽しめた。この先、オチを含めた話を書くので未見の方で、まだ観賞しようという気のある人は、この先は読まず、他の感想も見ないようにして、上映館と開始時間だけをチェックして、まずは劇場へ行くのをおススメする。 まず、私自身は理数系は弱く、SFもそれほど読んでいないので、本作で描かれる「それにしても1時間が7年分になる重力って?www」とか「離陸も大気圏突破も星間飛行もオールインワンで出来るスーパーシャトルwww」といった柳田理科雄めいた視点を持てず、だいたい『スターウォーズ』デススターのスーパーレーザー砲を見るときと同じような「でっけえなぁ!」とか「はやいなぁ!
『GODZILLA ゴジラ』観賞(以下、めんどくさいから『ゴジラ』と表記)。 その昔、ゴジラ映画のドラマパートが煩わしくて仕方なかった。巨大なゴジラと恐ろしくもカッコいい黄金のキングギドラやスティール・グレーのクールなメカゴジラとの死闘を今か今かと待ちながら博士の娘と若き学者の間に芽生えた恋心を見せられて「ごじらよ…… あいつらふみつぶせ! はやくたたかえ!」と未就学児童だったボクはスクリーンに向かって呪いの言葉を吐いていた。成人してから、当時の自分が、実際にそうだったように幼かったのだと思い知る。 壊れてしまったビデオデッキを買い替えたあと、ダメもとでヘッドクリーナーをかけたり、カバーをあけて掃除をしたら治ってしまった。新しいデッキと組み合わせればダビングが可能だと気付いたが最後、アダルトビデオをダビングしまくり、好きなシーンだけ繋ぎ合わせたMTV感覚溢れた自分専用AVを編集した。しかし
「これはオレの愛だ!」 客席に豚の頭や内臓をぶちまけたザ・スターリンのボーカル遠藤ミチロウが抗議に来た客に言い返した言葉だそうだ。 かえすがえすもクェンティン・タランティーノ/QTの登場は映画史において重要だった。そう思わされるのは、センスの無いジャンル映画風のタイトルバックや、画面にそぐわないのも構わずに混入される70’sソウルやバブルガム・ポップを聞いた時、深いため息と共にだ。 一般的に「QTらしい」「QTっぽい」と言った場合、単なる懐古主義だったり下品なジャンルものを愛でるような人々を、かなり大雑把に指す表現として機能している。 もちろんQTは古い映画に造詣が深いし、その中にはポルノやホラーといった多くの人に敬遠される下品な作品も多い。ただ、同様に新しい映画も好きだし、上品とされる作品も好んでいる。つまり「QTらしい」といった言葉を正確に定義するなら「恐ろしいほど映画好きがしそうな感
『プリズナーズ』鑑賞。 アメリカに「プレッパーズ」と呼ばれる人がいるそうだ。缶詰やミネラルウォーターを買いこみ数か月は外界と隔離されても生活が出来るように備えている(prepare:プリペアー:備える→プレッパー)人々だ。 日本でも311震災以降「備えをしなければいけない」という意識が芽生えたと思うが、アメリカでも911以降に同じような意識が現れたのだろう。ただ、日本と決定的に違うのはアメリカの「プレッパーズ」たちの「備え」には銃武装も組み込まれているところだ。狩猟用のライフルはもちろん。自衛用ハンドガンにアサルトライフルまで、日ごろからそれら銃器を扱えるように訓練までする。そこからは「備え」を使わなくてはいけなくなった「事態」を、どう想定しているかが解る。 『プリズナーズ』舞台はアメリカ南北戦争の激戦地ゲティスバーグのあるペンシルバニア州。映画はヒュー・ジャックマン演じる父ケラーによる祈
『アクト・オブ・キリング』鑑賞。 このあいだの都知事選で田母神を応援するデヴィ夫人を見た。「彼こそラスト・サムライです!」というお馴染みの文句を咆哮していた。ただ、なにぶん周囲を取り囲む品を欠いた連中と一緒だと思われてはかなわないし、耳が腐って落ちるような妄言を聞いてやる程度のヒマもなく、眼ヤニをほじるなどの「田母神の演説を聞く」よりも重要な雑事をこなすため、その場は後にした。 彼女の狂った言動に奇妙な違和感を持つ人は多いだろう。右翼団体フィクサー児玉誉士夫に、愛人としてスカルノ大統領の元へ送りこまれる。後に一夫多妻制の第三婦人として結婚するも、1965年の軍事クーデターにより立場を追われる。さらに、そんな境遇にあっても日本大使館から亡命許可は下りず終い*1。ことごとく「右翼」「日本」に裏切られ続けた経緯がある。その彼女が何故、田母神などという、それまで彼女を裏切り続けた側に与するチンピラ
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