ウィトゲンシュタインの「論理哲学論考」を論考する 矛盾とトートロジー ウィトゲンシュタインは「4.461 トートロジーと矛盾は無意味だ」「4.4611 しかし、トートロジーと矛盾はナンセンスではない」と言う。この「無意味」と「ナンセンス」の意味を考える。 前節で見てきたように「論考」にとって、「4.2 命題の意味とは事態の成立不成立の可能性と命題との一致不一致である。」つまり、命題の意味とは「世界が実際にどうなっていればその命題自身が真だと言えるのかを決める線引きのための基準」ということであった。また、「5.11 幾つかの命題に共通な真理根拠の全てがある命題の一つの命題の真理根拠にもなっているとき、後者の命題が真であることは前者の諸命題が真であることから帰結すると言われる。」とも言う。これは、図で表すと、たとえばこのようになる。 上図で見て、真理根拠が限定されているものほど、情報量は多く、