シーキングザゴールド(Seeking the Gold)とは1985年生まれのアメリカ産の競走馬。
競走馬としては一応一流レベルだったが、種牡馬としてワールドワイドの活躍を収めた。
名前は「金を探している」という意味。ミスプロ産駒はよく鉱物に関する名前を付けられていた。
掘っても掘っても銀ばかり、どれだけ掘っても金がない
父Mr. Prospector、母Con Game、母父Buckpasserという血統。
父は言わずもがなの大種牡馬で、本馬は9年目の産駒にあたる。ミスタープロスペクターはバックパサー牝馬と明確なニックス(活躍馬が多数輩出されている配合)が存在し、本馬の他ミスワキやウッドマンなどがこれに当たる。
母は繁殖牝馬として優秀で、本馬の他にもGI馬を含む複数の重賞馬を輩出している。
生産所有は名門クレイボーンファームで、管理したのも同牧場の専属であるクロード・マゴーヒー3世調教師である。
そんな彼の競走成績だが、2歳12月に6ハロンで12馬身ちぎるという鮮烈なデビューを飾ったのを皮切りに4歳6月まで走り、15戦8勝2着6回、着外は僅か1回である。
ここまで見ると、非常に安定した成績を有している様に見える。実際そうではあるのだが……
勝ったドワイヤーSとスーパーダービーは、言っちゃアレだがローカルGIである。前者は本馬が優勝した翌年にはGIIに降格、スーパーダービーは一応そこそこの格式はあったが、現在では見る影も無い。
一方負けたレースは前から順にクラシックの登竜門、夏の名物、真夏のダービー、世界一のダートレース、歴史あるハンデ競走。大一番で弱そうな印象を与え、実際そうであったようだ。接戦に弱かったのか、GIで負けた5戦のうち3戦はハナ差、1戦は半馬身差であった。
本馬の同期には*ブライアンズタイムや*フォーティナイナー、*グッバイヘイローがおり、1985年生まれやその前後の世代には後に日本と関係を持つ馬が多数存在する。
4歳6月のメトロポリタンHで2着に敗れた後、脚部不安を発症し引退。
因みに、唯一着外に敗れたレースはケンタッキーダービーである(7着)。
眩く輝く黄金を……息子が石油掘ってきた
1990年からアメリカで種牡馬入り。すると、初年度産駒から米国でGI競走8勝を挙げた名牝ヘヴンリープライズを輩出。翌年には最優秀2歳牝馬のフランダースを送り出すなど、快調な滑り出しを見せた。
何と言っても一番の大物はドバイミレニアムだろう。エプソムダービーこそ距離不適で敗北したが、それ以外では全戦全勝。名前の通りミレニアムイヤーのドバイワールドカップを制した怪物である。
日本でも直仔が多数輸入され、シーキングザパール、マイネルラヴ、ゴールドティアラが統一グレード含むGI競走を優勝し、重賞馬も複数いる。母父としても優秀な成績を残しており、日本ではローブデコルテやゴルトブリッツが、海外ではBCクラシック優勝馬のブレイムや、最近日本に輸入されてきた*マジェスティックウォリアーがいる。超シルコレのシーキングザダイヤは母父に似たんだろうか。
どっちかと言えば、牝馬に活躍馬が多いフィリーサイアーの傾向にある。後継種牡馬筆頭のドバイミレニアムが僅か1世代しか残せず早世してしまったものの、その仔であるドバウィが種牡馬として活躍しており、サイアーラインの継続は比較的安泰である。日本でもマイネルラヴがそこそこ頑張っていた。
2008年シーズンをもって受精率低下を理由に種牡馬を引退。長く功労馬として生活を送っていた最中、2016年7月に老化による衰弱を理由に安楽死の措置が執られた。享年31歳の大往生であった。
息子や娘達は世界中で活躍し、その血はワールドワイドで広がりを見せている。かつて父が探していた金脈を探しあてる仕事は、彼の血を受け継ぐ子供達が立派にやり届け、そしてやり続けてくれるだろう。
血統表
Mr. Prospector 1970 鹿毛 |
Raise a Native 1961 栗毛 |
Native Dancer | Polynesian |
Geisha | |||
Raise You | Case Ace | ||
Lady Glory | |||
Gold Digger 1962 鹿毛 |
Nashua | Nasrullah | |
Segula | |||
Sequence | Count Fleet | ||
Miss Dogwood | |||
Con Game 1974 黒鹿毛 FNo.5-c |
Buckpasser 1963 鹿毛 |
Tom Fool | Menow |
Gaga | |||
Busanda | War Admiral | ||
Businesslike | |||
Broadway 1959 鹿毛 |
Hasty Road | Roman | |
Traffic Court | |||
Flitabout | Challedon | ||
Bird Flower | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Discovery 5×5(6.25%)、Bull Dog 5×5(6.25%)、Blue Larkspur 5×5(6.25%)
主な産駒
1991年産
1992年産
1994年産
1995年産
1996年産
- Dubai Millennium (牡 母 Colorado Dancer 母父 Shareef Dancer)
- Lujain (牡 母 Satin Flower 母父 Shadeed)
- Oh What a Windfall (牝 母 Oh What a Dance 母父 Nijinsky)
- ゴールドティアラ (牝 母 Bright Tiara 母父 Chief's Crown)
1997年産
- Cash Run (牝 母 Shared Interest 母父 Pleasant Colony)
- Dream Supreme (牝 母 Spinning Round 母父 Dixieland Band)
- Favorite Funtime (牝 母 Promising Girl 母父 Youth)
1998年産
2001年産
2003年産
- Bob and John (牡 母 Minister's Melody 母父 Deputy Minister)
- Jazil (牡 母 Better Than Honour 母父 Deputy Minister)
関連動画
関連項目
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