概要
ハワイは、広義には北太平洋のほぼ真ん中に位置するハワイ諸島一帯を指す地名である。5つの火山の噴火によって造成された島々と岩礁から成り、現在も火山活動が非常に活発ではあるが流動性の高い玄武岩質なので比較的危険は少ない。日本にとってもっとも身近な海外の観光地の一つである。明治の頃から日本からの移民があり日系人が多い。
ハワイ(ハワイ語でハワイイ Hawaiʻi)という名前の由来には諸説あるが、ポリネシア伝説の故地サワイキ(*Sawaiki)に由来するとする説が有名。ハワイ語の w は英語の v と w の中間のような発音(ドイツ語やオランダ語の w がこれに近い)なので、英語では個人や地域によってハワイイー、ハワーイー、ハワーイェー、ハヴァイイー、ハヴァーイーなど、結構自由に発音されているようだ。なおアクセントは /wa(i)/ にある。
日本の団塊世代のナウでヤングな言い方では「ワイハ」。漢字では「羽合」「布哇」で、これは漢音の「ホ・アイ」による当て字であり、文字の並びに特に意味は無いようだ。中国語では「夏威夷」(広東語で「ハーワイユィー」 haa6wai1ji4、標準語で「シアウェイイー」 xiàwēiyí)で、文字自体も「常夏の勢威あふれる東の異郷」といった意味になる。
ハワイ諸島
ハワイ州
ハワイ諸島におかれたアメリカ合衆国の50番目の州。州都はオアフ島のホノルル。
欧米諸国にハワイ諸島の存在が知られるようになったのは、イギリス海軍の士官ジェイムズ・クック(いわゆるキャプテン・クック)の来航による。クックは当初こそポリネシア系先住民から神と同一視され盛大に歓待されたが、図に乗り過ぎて後にトラブルとなり1779年にハワイ島で殺された。
1790年にカメハメハ大王によりハワイ島の諸部族が統一される。大王は卓越した外交センスにより英国の兵器供与を取り付けることに成功し、ハワイ諸島の他の5島を併合してハワイ王国を建国。攻めあぐねていた残り2島も外交により1810年に傘下に収め、ハワイ八島統一を実現した。
この後、主にアメリカとイギリスの接近によって急速に西欧化が進む。宣教師や学者を通じて西洋文化が浸透し、大王の後継者であるカメハメハ2世リホリホは伝統宗教やしきたりを廃止して会衆派プロテスタントを公認。早くも1840年には大王の娘であるカアフマヌ2世キーアヌの下で世界的にも先進的な憲法が制定され立憲君主制国家になる。外国資本によって製糖業が大規模工業化し、不足した労働力を賄うため日本をはじめとした各国から大量の移民が流入したのはこの時期である(とはいえ労働の実態はプランテーションの農奴に毛の生えた程度であった)。しかし、これらの事象はハワイ民族のアイデンティティ迷走とそれによる国家の混乱を招き、更には超大国アメリカの政治・経済侵略の標的となることをも意味していた。
1893年、政治的・経済的混乱に乗じて邦人保護を名目にアメリカ軍が大挙侵攻、王政廃止とハワイ暫定政府樹立を宣言する(ハワイ事変/革命)。日本はハワイ国王派の求めに応じて巡洋艦「浪速」や「高千穂」を派遣してアメリカ軍を牽制するも4ヶ月ほどで撤収し、アメリカにとってハワイ戦略上の仮想敵国であったイギリスをも含む帝国主義列強と共に暫定政府を承認する。しかし最後の女王リリウオカラニを中心とする国王派による抵抗や人道的観点から内外世論の反発も強く、結局は暫定政府をそのまま正式政府とする形で1894年にハワイ共和国が発足した。そして翌年初めにハワイ系国王派によるクーデタが発生、直接は無関与であったリリウオカラニが反逆罪で逮捕され、約200名もの国王派の助命と引き換えに正式な王位放棄を余儀なくされ、ハワイ民族による統一王朝はわずか1世紀余りでその幕を閉じた。
その後アメリカはスペインとの米西戦争の補給地確保のために1898年にハワイ準州(領土、テリトリー)として併合。1900年にアメリカ本国の法律を大統領選挙権等を除き適用する1900年基本法が成立し、かつての奴隷的労働契約の無効化と労働争議の合法化が実現した。これにより労働条件改善や賃金上昇を要求するストライキが頻発したものの、第一次世界大戦や世界恐慌に伴う不況も相まって根本的な改善には至らず、大半の日系移民がアメリカ本国へと移住した。しかし、彼らの多くは第二次世界大戦によって収容所に送られることとなる。
第二次世界大戦では太平洋戦争の端緒である真珠湾攻撃の舞台になった。こうした戦争や終戦後の冷戦を通じてハワイ市民にアメリカへの帰属意識や危機意識が強まったこともあり、公民権運動が盛り上がる1959年にハワイ州(ステイト)に昇格した。近年は度重なる近代化や文化摩擦、混血によりハワイ民族文化の危機が叫ばれる中、かつてのハワイ民族の伝統を復興に向けた動き(ハワイアン・ルネッサンス)も盛んになってきている。
ハワイ州出身の有名人
ハワイ島
ハワイ諸島の中で最も大きな島。
標高4205mのマウナ・ケア山には世界各国が天文台を設置しており、日本の国立天文台もすばる望遠鏡を設置している。
関連動画
解説動画
やってみた
関連項目
- ハワイアン
- アロハ
- フラダンス
- ロコモコ
- カメハメハ大王
- ハワイアンな女の子
- ハワイ万能説
- マナ(ファンタジー作品における魔力の根源物質。ポリネシアの伝説に由来)
- 羽合町(はわいちょう) - 鳥取県の旧自治体。羽合温泉で有名。2004年の市町村合併により湯梨浜町の一部となったが、1996年以来のハワイ郡との姉妹都市提携は健在
- クアアイナ
- フムフムヌクヌクアプアア(ハワイ州の州魚)
外部リンク
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