侵略(しんりゃく)とは、侵攻し略奪すること。他村・他国などの権利・土地などを奪うこと。挑発もされていないのに先に戦争行為を行うこと。
曖昧さ回避
概要
侵略とは国際法上、ある国家・武装勢力が別の国家・武装勢力に対して、自衛ではなく、一方的にその主権・領土や独立を侵すことを意味する。軍事学概念としての侵攻が目的を問わず相手方勢力・領域を攻撃する行動を指すのとは異なり、相手の主権・政治的独立を奪う目的の有無に注目した用語である。侵略することを目的とした武力侵攻、又は挑発もされていないのに武力を伴う先制攻撃を行うことを侵略戦争という。
ただし上の定義は主観的かつ暫定的なものであり各国の承認を得た拘束力のある定義はいまだに存在しない。例えばA国とB国がある領土の領有権を争っていたとする。この場合A国にとってB国は侵略者であるが、B国にとってA国は侵略者である。もしこの領土問題から戦争が起きた場合は両方が防衛戦争と主張することとなる。具体例を挙げるならば、中東戦争はイスラエルにとってエレサレムへの移住は聖地への帰還であるがアラブ側にとっては彼らは侵略者でしかないことが原因になっている。
更に、相手が先に攻撃を仕掛けてきたのに対して防衛行動を取るのは防衛戦争かというと必ずしもそうではない。普通の喧嘩でもそうだが「相手が先に〜した!」と主張し合うのは戦争でも同じであり、どちらが先に攻撃したかは曖昧なことも多々ある。例えば、相手を経済的文化的、あるいは小規模な軍事行動を含めて徹底した挑発を行い相手が怒って攻撃を仕掛けてきたら待ってましたとばかりに大掛かりに反撃をして敵国を占領してしまうということが歴史上よく見られる。これは19世紀以前から続くアメリカの十八番の戦略でもある。上に「挑発もされていないのに〜」とあるが当然これも「挑発した、してない」で両国で食い違う。
その意味で、ある一つの侵略を絶対的な善悪で解釈することは極めて難しい。ただし、失敗した侵略は往々にして悪として糾弾される。人間の歴史は侵略の歴史であり、もし侵略が悪だとするなら殆どの国家(特に先進国は全ての国)が悪ということになってしまう。アメリカはネイティブアメリカンの土地を侵略して生まれた国であるし、日本も元々は大和朝廷が他の豪族を侵略して出来た国である。近代日本の朝鮮半島や台湾の併合もその解釈に議論あり、琉球や蝦夷地(北海道)が侵略された土地であると考えている人も一定いる。ということで「歴史は勝ったものが正義」という言い方がよくされる。
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関連項目
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