経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

消費のための金融と財政

2024年12月08日 | 経済
 10月のCTIマクロは名目で前月比+0.1と増勢を保ったが、実質では-0.1と7か月ぶりのマイナスとなった。消費は、賃上げと定額減税で順調に伸ばしてきたけれども、このところの物価高があって陰りが見える。11月の消費者態度は持ち直しているし、12月のボーナス増で何とか持続してほしいところである。足下では、円安がやや戻しており、内需でもって成長を維持したいところだ。

 8,9月は円安が一服していたのに、10,11月にまた円安がぶり返してしまった。日銀が今月上手く利上げをすることで、円安が収ってくくればと思う。つくづくドル円は、適切な水準を目指すのではなく、方向感ばかりで動く。トランブ関税の米国、EV政策失敗の欧州ともに、輸出先として期待できなくなっており、内需を育てて、景気を維持するには、利上げが必要という論理になる。しょせん金融政策は為替への道具という割切りだ。

 他方、自民党税調は、来年度の定額減税はないという決定をし、所得控除は2026年1月からとしているが、それだとタイムラグで2025年は穴があいてしまう。定額減税は半年でできるが、所得控除は1年かかるという技術的理由だが、来年度の財政は、いったん強い引締めがかかってしまう形になる。定額減税と組み合わせる決着もあるかもと思っていたが、あとは運良く円安が緩んでくれるのを祈るしかない。

 社会保険料軽減型の給付つき税額控除なら、本人分の保険料を事業者に取らないでもらい、取らなかった分を保険機関に申告してもらい、その総額を保険機関に国が支払うという形になる。いわば、軽減分の補助金を事業者に出すより容易で、今年度も壁対策として、急遽、補助金を出したりしているくらいだから、技術的難易度は低い。厚労省のように、労使交渉で事業者が多く負担することで壁をなくすよりもね。知恵がないよネコの国は。

(図)



(今日までの日経)
 東京23区の家賃、30年ぶり上げ幅。学生バイト「103万円の壁」上げ。年収156万円未満の負担軽減 パートの社会保険料、企業肩代わり。「106万円の壁」撤廃、26年10月に。定額減税、来年は継続せず。円キャリー 猛威緩和の兆し。

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