昨日、10月分の税収調が公表された。所得税が前年同月より少なかったため、本コラムの税収予測は、若干、下方修正し、4.3兆円とする。ここまで行くかはともかく、ベースとなる2014年度決算の上ブレが2.2兆円もあったのだから、日経が報じる1.6兆円は堅めの数字ではないか。なお、法人税は11月が主な納税月なので、次の公表日の1/5までは、当局しか実態は分からない。
さて、久しぶりに経済教室で年金と思ったら、積立方式への移行だった。日経も好きだね。その最大の難点は、貯蓄は強制的に集められても、それに見合う投資は自動的に用意されないことだ。ここが経済学の教科書と現実の大きな違いである。実際、日本は1980年代から90年代前半にかけて、大規模な積立金の造成を行ったが、投資不足に苦しみ、財政赤字を出して大規模な公共事業で補う始末だった。
マクロ経済スライドが導入され、年金制度の持続可能性の問題は、ほぼ解決した。課題は、1%以上の物価上昇率を伴う経済成長を実現することである。また、若年の低所得層に、保険料の軽減をしてでも、社会保険の適用拡大をしなければならない。非正規の壁を取り払い、地位の向上を図り、少子化を緩和することが、年金制度にもプラスになる。まあ、関心のある人は、「世代間負担論の到達点」をどうぞ。
(今日の日経)
JX・東燃ゼネ統合合意。法人企業統計・設備投資11.2%増、なぜズレた。GDP上方修正の公算。税収上振れ1.6兆円、補正が焦点。経済教室・年金、積み立て方式移行を・北尾早霧。
さて、久しぶりに経済教室で年金と思ったら、積立方式への移行だった。日経も好きだね。その最大の難点は、貯蓄は強制的に集められても、それに見合う投資は自動的に用意されないことだ。ここが経済学の教科書と現実の大きな違いである。実際、日本は1980年代から90年代前半にかけて、大規模な積立金の造成を行ったが、投資不足に苦しみ、財政赤字を出して大規模な公共事業で補う始末だった。
マクロ経済スライドが導入され、年金制度の持続可能性の問題は、ほぼ解決した。課題は、1%以上の物価上昇率を伴う経済成長を実現することである。また、若年の低所得層に、保険料の軽減をしてでも、社会保険の適用拡大をしなければならない。非正規の壁を取り払い、地位の向上を図り、少子化を緩和することが、年金制度にもプラスになる。まあ、関心のある人は、「世代間負担論の到達点」をどうぞ。
(今日の日経)
JX・東燃ゼネ統合合意。法人企業統計・設備投資11.2%増、なぜズレた。GDP上方修正の公算。税収上振れ1.6兆円、補正が焦点。経済教室・年金、積み立て方式移行を・北尾早霧。