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大そうじへの備え
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ちょっと前にGoogle Driveの中身が全部消えてしまって(操作ミスかシステム障害かは不明)Googleの中の人に戻してもらうという薄氷の思いをしたので、事務所のパソコンの重要ファイル類のバックアップ方式を見直すことにしました。 単にディスクの障害だけではなく、オフィス全体の災害(火事等)、オペミス、マルウェア、システム障害等にも対応できることが目的です。 以前からミラーディスク(Windowsの標準機能)は使っていますし、真に重要なファイルはGoogleドライブに同期しているので、仮に、事務所のPCが燃えちゃったなんてことになっても大丈夫なのですが。問題は、操作ミスやマルウェアへの対応です。Googleドライブ上のファイルは一定期間内であれば元に戻せるのですが、「半年前のファイルがない、間違えて消しちゃったかも(あるいはマルウェアに消されたかも)」という事態には対応できません。また、
【再修正】Appleの特許事務所のポカについて(Was:米国特許庁の大ポカについて(Was:Appleの特許事務所の大ポカについて)) 再追記:すみません、追記が続いてわかりにくくなってます。Appleの特許事務所大ポカ→特許事務所に落ち度はない、USPTO大ポカ→いややっぱり特許事務所のポカ(イマココ)です。 iPhone Maniaの記事に載っていた記事(元記事はPatently Apple)で、BAE Systemsという軍事車両メーカーの特許が、なぜかAppleの特許として登録されていた件のフォローです。これらの記事だとAppleの特許事務所が出願人を間違えて出願したという書きっぷりですがそのようなことはありません。 審査資料を追ったところ、出願時点からずっとBAEという正しい出願人だったのですが、最後の最後に今年の7月7日付の特許料納付のフォームで「特許証に掲載したい名前」の欄に
特許庁の運用として、審査中の特許・商標出願に対して情報提供(刊行物等提出)を行ない、登録要件の欠如を主張することが可能です。情報提供は匿名で行なうことが可能です。商標の場合は紙でしか提出できないのですが、特許の場合はインターネット出願ソフトで提出することができます。この場合に、添付ファイル(通常はPDFか画像ファイルになると思います)のプロパティデータに注意が必要です。 インターネット出願ソフトでファイル記録事項の閲覧を行ない、送付されてきた刊行物等提出書に対して「HTML変換」を実行すると、添付ファイルがオリジナルのままで復元されます。つまり、PDFファイルのプロパティデータに作成者や作成企業の名前が入ったままで情報提供すると、せっかく匿名にしてもそれをヒントに提出者がバレるリスクがあるということです(事務所名が入っているならまだしも、企業名がプロパティに入った資料をクライアントからもら
「”iphone”革製品に商標権侵害ない、中国裁判所アップルの訴え退ける」というニュースがありました。中国のメーカー新通天地が所有する革製品等を指定商品とするIPHONEの登録商標を無効にするAppleの訴えが棄却されたという話です。ゆえに、記事タイトルの「”iphone”革製品に商標権侵害ない」は不正確で、「”iphone”革製品の商標登録は有効」とすべきです。 中国の裁判資料を読むのはちょっとつらいので、中国商標局のデータベースおよび他の様々な報道からの情報を総合すると以下のような経緯と思われます。 2006年頃:Appleが中国でiPhoneの商標登録出願(ただし、皮革製品は指定せず) 2007年7月:Appleが米国でiPhoneを発表 2007年9月:新通天地社が中国でIPHONEの商標登録出願(皮革製品を指定) 2009年:Appleが中国でiPhone販売開始 2014年:新
特許庁が「悪意の商標出願セミナー」なるセミナーを定期的に開催しています。ここでいう「悪意の商標出願」とは、海外の出願人(特に中国)による日本の人気キャラクターや、地域の特産品などの名称の無断商標登録を狙った出願を指します。セミナー開催に加えて、今年度からこのような商標登録を取り消すための訴訟費用を補助する制度が始まるようです(参照ニュース記事)。 意味はわかりますが、法律用語としての「悪意」は「事情を知っている」という意味であって、道徳的な概念とは関係ないのでちょっと気持ち悪いですね。 英語での表記を見ると、英語ではBad Faith Trademark Filingであることがわかります。in bad faithの定訳は「不正目的の」なので「不正目的の商標出願」とした方がすっきりすると思います。さらに言えば「商標出願」ということばは正式ではないので(商標法の法文には出てきません)「不正目
日本の場合(中国等とは異なり)特許証や商標登録証は権利行使には必要ないため、出願人の名前くらいしか確認せず、スキャンだけして、出願人に転送していました。しかし、先日、出願人が在外者であったため、サービスとして特許証の翻訳をしていたところ、米国の出願人であるにもかかわらず国籍がウルグアイ東共和国となっているのに気づきました。 何か手続上のミスがあったか(「こちらで国籍を入力することなんてないしなー」「ウルグアイっていったいどこから出てきたんだ?」)とあせって、特許庁に連絡したところ、結局、識別番号付与の時にUSをUYと入力し間違えた特許庁のミスであることがわかりました(要はずっと間違えてたわけですが出願人の国籍情報が表に出るのは特許証くらいなので気がつかなかったわけです)。特許証を再送してもらうことになりました(ちょっと時間がかかります)。間違えた方の特許証は破棄すればよいそうです。当然なが
栗原潔による訳書・著書をご紹介します。 エスケープベロシティ 『キャズム』のジェフリームーア最新作。企業が過去のしがらみという重力圏を離れて新しい未来に進むための戦略を提言します。 戦略的データマネジメント データ品質が低ければ如何に高度な分析テクノロジーを駆使しても意味がある結果を得ることはできません。本書は、データ分析のテクノロジーではなく、データそのものにフォーカスを定めた戦略の指南書です。この道一筋30年の実務家が現場経験に基づいた重要な気づきを提供してくれます。 デジタルネイティブが世界を変える 「ウィキノミクス」のドン・タプスコット著。生まれたときから周りにコンピューターが存在しデジタル・テクノロジーを呼吸して育ってきたデジタルネイティブ世代が何を考えているのか、社会/メディア/政治をどのように変えていくのか、彼らから何を学べるのかを世界中の若者1万人に対する調査に基づき分析。
#本記事はYahoo!ニュース個人の再掲です。 「“おじいちゃんのノート”に大反響 孫がツイッターで拡散→在庫の山に注文殺到 奇跡を生んだ数々の偶然」というニュースがありました。 東京都北区の小さな印刷所が手作りしている「方眼ノート」。元日に、ある女子専門学校生がツイッターでつぶやいたことで、注文が殺到しています。「うちのおじいちゃんのノート、費用がないから宣伝できないみたい。Twitterの力を借りる」。特許をとって製品化したものの数千冊の在庫を抱えていたノートに、一気に注文が入り始めました。 ということだそうです。いい話ですね。 このノート、見開きした時に完全にフラットになるのが特徴です。書きやすい、見開きでコピー取る時に綴じ部(いわゆる「ノド」)がきれいにコピーできる等の利点もありますが、特に方眼ノートの場合には見開き左右2ページを完全に連続した一枚の方眼紙として使えることでさらに利
ウーバーやAirbnbなどのシェアリングエコノミー系(C2C系)の新興企業は特許とは縁がないと思われるかもしれません。特許は発明という技術的アイデアを保護するためのものであり、人為的な取り決めは対象外であるからです。 しかし、現実に、シェアリングエコノミー系の企業を運営するためにはインターネット関連の技術を使用せざるを得ません。そこで技術的に独自の創意工夫があるならば特許化できる可能性があります(もちろん、単にウェブで情報交換しているだけという当たり前の使用法であれば進歩性の欠如により特許化はできません)。 たとえば、ウーバー子会社のUber Technologies, Incは積極的に米国で特許出願をしており、そのいくつかは既に権利化されています。主に、カーナビゲーション関連の技術です。個人ドライバーと利用者をウェブで直接仲介するというビジネスモデルそのものの模倣を防ぐことはできませんが
業として訴訟事件の代理人をできるのは弁護士だけです。これに違反すると(いわゆる、「非弁活動」)弁護士法の規定により刑事罰が課されます。 一方、代理人を使わず、当事者本人が裁判を起こすことは可能です(いわゆる、「本人代理」)。とは言え、法律知識のない当事者のみで裁判を継続し、有利な結果を得ることは困難です。 そして、弁理士法の定めにより、知財関係(著作権を除きます)の訴訟であれば、弁理士は補佐人として裁判に関与できます。 第五条 弁理士は、特許、実用新案、意匠若しくは商標、国際出願、意匠に係る国際登録出願若しくは商標に係る国際登録出願、回路配置又は特定不正競争に関する事項について、裁判所において、補佐人として、当事者又は訴訟代理人とともに出頭し、陳述又は尋問をすることができる。 2 前項の陳述及び尋問は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなす。ただし、当事者又は訴訟代理人が同項の陳述を直
ITコンサルタント/弁理士/翻訳家/金沢工業大学客員教授の栗原潔によるブログです。知的財産権、先進IT、翻訳、企業経営に関する分析情報とちょっとした雑談を書いていく予定です。 リンク、コメント、ピングバックはご自由にどうぞ。不適切と判断されたコメント/ピングバックは予告なく削除することがあります。 お問い合わせは、コンタクトフォームまたはkurikiyo [at] techvisor.jpまで(SPAMと区別しやすいよう件名の先頭にTVJP:と付けていただくようお願いします)。 栗原潔による訳書・著書をご紹介します。 エスケープベロシティ 『キャズム』のジェフリームーア最新作。企業が過去のしがらみという重力圏を離れて新しい未来に進むための戦略を提言します。 戦略的データマネジメント データ品質が低ければ如何に高度な分析テクノロジーを駆使しても意味がある結果を得ることはできません。本書は、デ
弁理士業務にかかわらずプロフェッショナルの実務では、組織をまたがって特定のファイルを複数の人で更新する作業は頻繁に発生します。文書管理システムでバージョン管理できれば理想ですが、そこまではやらずに、ファイル名にバージョン番号を付けたり、タイムスタンプを付けて、添付ファイルとしてメールでやり取りするのが一般的でしょう。 この場合に、最も気を付けたいのは、古いバージョンのファイルで出願してしまったり、入稿してしまったりするトラブルです(かと言って、古いバージョンのファイルを消すようにすると、やり取りの履歴が残せないですし、前バージョンに戻れないという問題が生じます)。このトラブルは簡単な工夫で防げます。 弊所の場合、ファイル名の先頭にYYMMDD形式日付を付けることで簡単なバージョン管理しています(一日に複数バージョンがある場合は枝番付けています)(余談ですが、こうしてくと、「2015年6月頃
普段持ち歩き用のPCとしてはMacBook Air(mid-2011)にBootCamp経由でWindows 7を使っています(OS Xは全然使ってません)。携帯性、コスパ、質感いずれの点でも最強のWindowsラップトップのひとつですね。 Windows 10の無料アップグレードが可能になったわけですが、MacBook Air(mid-2011)はBoot CampによるWindows 10のサポートリストに入ってません。しかし、ダメ元でインストールしてみたところちゃんと動きました。 インストール作業は特に変わったことはなく、(1)Mac OS Xを最新バージョンにアップデート(OS X側は関係ないような気もしますが念のため)、(2)Windows側でBoot Campを最新にアップデート(Apple Software Updateで自動更新にしていたのでこれは既に終わってました)、(3
エイディシーテクノロジー株式会社という会社が「外付けキーボードに関する特許取得のお知らせ」というプレスリリースを出しています。 当該特許は5524148号「コンピュータ装置」と5149336号「コンピュータシステム、及び、このコンピュータシステムで用いられるキーボード」です。 プレスリリースには以下のように書かれています。 現在市場にある多くの製品は、この2件の当社特許に抵触すると思われます。例えば、会社の業務などでスマホ、タブレットに外付けのキーボードを使用してデータを入力する場合にも、これらの特許に抵触する可能性が大きいです。 もちろん、これはメーカー側の言い分なので、実際に抵触するかどうかは弁理士の鑑定等を含めて検討する必要があります。そして、最終的な決着は侵害訴訟の場ということになります。もちろん、ライセンス料を支払うという選択肢もあります。 両特許の具体的評価についてはさすがにオ
たまに聞かれる偽ブランド品販売で逮捕というニュースでは、商標法違反容疑のケースがほとんどです。しかし、偽物の販売を防止できるのは商標法だけでありません。 先日報道された「衣料販売会社社長ら逮捕=人気ブランド模倣の疑い—大阪府警」という事件では、人気ブランドのデザインを模倣した服を販売していた会社の社長らが不正競争防止法違反(商品形態模倣行為)容疑で大阪府警に逮捕されました。このGRL(グレイル)という会社、楽天等にも出店し、有名タレントを使って宣伝していた結構有名所で、社長は再三の警告を無視していたそうですが、商標登録されていない、あるいは、類似商標(ブランド名やマーク)を使用していないから大丈夫と高をくくっていたのでしょうか? 不正競争防止法「商品形態模倣行為」とは以下の規定です。元々は刑事罰対象では無かったのですが、平成17年の改正で刑事罰が付加されました。 不正競争防止法2条1項3号
焼鳥チェーンの鳥貴族対鳥二郎の争いに関する過去記事で「鳥二郎ロゴの商標登録(5698660号)に対して鳥貴族側が異議申立を行なっており、現在進行中」と書きましたが、その決定が出ました。鳥貴族側にとっては残念でしたが申立は認められず、鳥二郎ロゴ商標登録が維持される結果となりました。念のため書いておくと、これは鳥貴族が特許庁に鳥二郎の登録商標を取り消すよう申し立てた件の話であって、鳥貴族と鳥二郎の間の裁判の話とはまた別です。 異議申立の審判番号は2014-900320です。J-PlatPatの審決公報DBメニューで文献番号に2014-900320を入力すると異議の決定を見ることができます(固定リンクが張れないので本当に不便ですね)。 鳥貴族側が主張した論点は簡単に言うと以下の4つです。 1. 先願の文字商標「炭火串焼き 鶏ジロー」と類似なので取り消されるべき(商標法4条1項11号) 2. 先願
著作権使用料を支払わずにCDや携帯音楽プレーヤー、パソコンなどでBGMを流していた美容室や衣料品店、飲食店に対して、JASRACが使用料支払いなどを求める調停を各地の簡易裁判所に申し立てたというニュースがありました。 1999年の著作権法改正(附則14条の廃止)により、飲食店等でCDをプレイすることも著作権法上の「演奏」として扱われるようになったことから、たとえ自分で買ったCDであっても、店舗でBGMとしてかける場合(=営利目的)には著作権者(=JASRAC)の許諾が必要になっていますので、これはしょうがないと言えます。 営利目的でBGMを流す場合のJASRACの使用料はJASRACのサイトに載ってます。店舗面積500平米以下の場合は年額6,000円(月額500円)です。正直、法外に高いということはないと思います。 出典:JASRAC それでもJASRACに金は払いたくないという人はいるか
ある大御所ロック歌手が昔の持ち歌をことわりなくカバーされたことに苦言を呈してちょっと揉めたという事件がありました。もともと法律的な話でもなんでもなく、業界の礼儀的な話であるので、この事件についてはここでは論じません。元々の事件についてコメントされたい方は関連Togetterをサーチしてコメントするなどしてください。 ここで論じたいのは、自分の持ち歌を不本意にカバーされた歌手は著作権法上何かできるのかということです。上記の事件について、俺様著作権論を展開している人が見受けられたのでここで整理しておきましょうということです。 まず、大前提として、著作権法上は歌唱は著作物ではありません。歌唱は実演です。そして、実演は著作物とは別物で関連する権利も違います。なお、旧著作権法(明治32年)では歌唱も著作物のひとつとされていました。なので、歌唱は著作物であると決めてもよいのですが、今はそうなってないと
前回の記事では、カバー曲をCD化する際の元歌の歌手(実演家)について、法律的には特に権利があるわけではないが(業界の礼儀として)場合によっては事前にひと言おことわりをしておいた方が良いんじゃないかと書きました。 今回は、もっと基本的な話としてカバー曲をCD化する時の元歌の作曲家に対して何が必要かという話をしましょう。実演家ではなく著作者の話なので著作権法上の関連する権利が変わってきます。すなわち、著作隣接権ではなく、著作権が効いてくることになります。 ほとんどの作曲家・作詞家はJASRAC(あるいは、他の音楽著作権管理団体)に(多くの場合、音楽出版社経由で)自分の曲の著作権を信託しています。これにより、音楽の著作物を利用したい人は作曲家・作詞家や音楽出版社にいちいち許可をもらうことなく、所定の料金だけ支払うことで楽曲を利用(演奏、CD化、カラオケ配信、放送等々)ができます。 こういう仕組み
以前書いたマイケル・ジャクソン発明の斜め立ち特許は比較的有名と思いますが、FacebookのTL経由でエドワード・ヴァン・ヘイレン本人が発明したギターの特許があることを知りました。元ネタは、Popular Mechanicsの記事です。 同記事では、エドワード・ヴァン・ヘイレンは3件のギターの関連特許を取得して、うち2件が有効と書いてますが、現時点で有効なのは1件だけだと思います。 まずひとつめはUS4656917“Musical instrument support”です。出願は1985年、登録は1987年なので、もう権利は満了しています。 特許の基本アイデアは、この味のある図面を見るとよくわかります。ギターの背面についている折りたたみ式の支え(図の140)により体でギターを支えてライトハンド奏法等をやりやすくできる点がポイントです。 クレーム1は以下のようになっています。 1. A s
多くの人にとっては、もうはるか忘却のかなたの出来事かと思いますが、4月9日付で理研が米国におけるSTAP特許出願の持分をブリガムウィメンズ病院(ハーバード大)に譲渡していたた(事実上の権利放棄をした)ことがわかりました。理研は昨年12月の時点で放棄を検討すると言っていましたがそれを実行したことになります。 STAP特許をまだおっかけているのかと思われるかもしれませんが、別にわざわざ調べているわけではなく、通常の仕事として自分が扱っている米国特許を米国特許庁の審査状況データベース(PAIR)で照会するときに、STAP特許出願の番号(14/397,080)が検索窓でサジェストされるのでついでに見ているだけです。 理研の持分放棄によって、米国のSTAP特許出願はブリガムウィメンズ病院の単独出願となります。理研が放棄したのは別に驚くにあたらないのですが、ブリガムウィメンズ病院側が放棄しないばかりか
FNNで「焼き鳥に続き、ラーメンで「似ている騒動」 仮処分申し立て」というニュースがありました。鳥貴族に訴えられた会社が運営する「にく次郎」というラーメン店のメニューや店舗が類似しているとして「丸源ラーメン」を運営する会社が差止仮処分を請求したという話です。 テレビの映像を見る限り、店の名称は全然違いますが、店構え、店員の服装、メニューのデザイン、品揃え等が類似しているように思えます。鳥二郎の件と同様、トレードドレスが明確に法律で保護されていればNGになりそうな案件ですが、日本ですと厳しいように思われます。「熟成醤油ラーメン」や「熟成肉そば」という名称を真似されたという件についても、記述的な名称の域を超えていないと思います(商標登録もされていません)ので、やはり法律的には厳しいのではないかと思います。 鳥二郎の件と同様に(商売上の道義の話は別として)日本の法律上問題にならないぎりぎりセーフ
特許庁から「音商標の公開商標公報が発行されました」というプレスリリースが出ました。商標法改正により4月1日から音商標、色彩のみからなる商標、位置商標、動き商標、ホログラム商標といったいわゆる「新しいタイプの商標」が出願可能になり、音商標以外については既に早期の出願の公開公報が発行されていた(参考過去記事)のですが、音商標だけはCD-R(DVD-R)による音源の提出が必要なため、公開公報の発行が他より遅くなっていました。 過去記事では、色彩のみからなる商標の出願一番乗りだった久光製薬が音商標(「♪ヒ・サ・ミ・ツ」)も一番乗りするのではないかと書きましたが、現時点での一番乗りはこれも音商標として注目されていた大幸薬品の正露丸のCMにおけるラッパの音楽(参考過去記事)でした。とは言え、公開公報の発行順序は音源の提出の順番が影響するので、久光製薬が大幸薬品より先に出願している可能性は高いです。もし
Facebookのお誕生日通知機能、普段ちょっと疎遠気味の人が再度コンタクトを取れるようにするきっかけを作ってくれるという点では良い仕組みだと思います(自分はセキュリティ上の観点から誕生日は公開してないですがそれはまた別論(参考過去記事))。 しかし、友人、特に、普段しょっちゅう会ってない友人や知り合いレベルの人のタイムラインに誕生日お祝いメッセージを送る(タイムラインに書き込む)時には、その人のタイムラインを少し遡って内容をチェックしておくべきだと思います。そもそも、機械的に定型メッセージ送るよりは、やはりその人の近況を知った上でカスタマイズしたメッセージを送るべきですし、さらに言えば、その人が既に亡くなっている可能性もあるからです。 実際、昨年急逝した私の友人のタイムライン上に多くのお誕生日おめでとうメッセージ(その多くは定型的なもの)が表示されて、ちょっと辛い状態になっています。数ヶ
「そもそもXは著作物なのか」というのは著作権がらみの裁判でよく論点になります。特に、実用目的の大量生産品が著作物になるのかが問題です。大原則は、著作権は芸術作品を保護する法律であり、大量生産品は意匠権で保護すべきということなのですが、裁判所の判断には常にそうなるわけではありません。 TRIPP TRAPPという椅子(下画像参照)の類似品に関する最近の知財高裁判決で、当該製品の著作物性を肯定する判断がなされ、知財関係者に衝撃を与えました(なお、判決では製品が類似していないことを理由に侵害は否定されました)。 出典: Stokke社ウェブサイト 詳細はブログ「企業法務戦士の雑感」の「応用美術の「常識」を覆した新判断〜「TRIPP TRAPP」幼児用椅子著作権侵害事件・控訴審判決」等をご参照ください。 もちろん、これによって今後あらゆる工業製品が著作物と判断されるということではありません。著作物
商標法の改正により2015年4月1日から音の商標、色彩のみから成る商標等のいわゆる「新しいタイプの商標」が出願できるようになったのは既に何回も書きました(1,2,3,4,5)。出願一番乗りグループについては既に公開公報が発行されたという特許庁のプレスリリースが4月14日付けでありました。 4月1日から10日までで音の商標166件、色彩のみの商標203件、位置商標106件、動き商標37件、ホログラム商標3件の計515件の出願があったそうです。商標は先願主義ですし、大企業にとっては出願費用は知れていますから、多くの企業が速やかに出願することになったのはうなずけます。 前記プレスリリースには代表的な出願の例が載っています。また、番号一覧も載っていますので、J-PratPatの「商標番号照会」メニューから詳細を検索することも可能です(「商標出願・登録情報」メニューでは商標のタイプを指定して一括検索
商標法改正により日本でも音の商標が登録可能になったことはちょっと前に書きました。早速、大幸薬品が正露丸のCMでおなじみのラッパ音メロディを商標登録出願したことを発表したそうです(参照記事)。 念のため書いておくと、この商標が登録されて商標権が発生しても大幸薬品がこのメロディ(軍隊ラッパの食事の合図メロディですね)の演奏を独占できるわけではありません(これは著作権の範疇になります)。あくまでもこのメロディを自社製品の標識として(つまり、商標として)使用できる権利を独占できるだけの話です。 この軍隊ラッパの食事メロディ、てっきりパブリックドメインかと思っていたら、軍人でもあった音楽家須摩洋朔氏(2000年没)の作品(タイトルは「食事」)だそうなのでまだ著作権は存続しています。大幸薬品は権利者(の遺族)からライセンスを受けているのでしょう(追記:この曲はJASRACに信託されているようなので所定
商標とは商品やサービスと共にその出所を示すために使われる名称やマークなどのことです。音も商品やサービスの出所を示すことがあり、商標的機能を果たし得ます(サウンドマーク、あるいは、サウンドロゴなどとも呼ばれます)が、今まで日本の商標法では、商標は「文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合」でなければならなかったため、音の商標は登録できませんでした。 米国では大部前から音の商標が登録可能でした。USPTO(米国特許商標局)のサイトに登録された音の商標の例がまとめられたページがあります。たとえば、インテルのチャイム(注:クリックするとすぐ音が鳴ります)やMGMのライオンの吠え声(同上)等は日本でもなじみがあるでしょう。 そして、今年の4月1日より、商標法の改正によって日本でも音の商標が登録可能になります。上記の米国企業のものに限らず「♪スミトモセイメイ」や「
先日発表されたApple Watch、比較的安価なバージョンからApple Watch Editionと呼ばれる大変高価な(70万円以上)までがラインナップされています。中身は同じで外装の素材だけ変えたバリエーションを出すというのは、アップルがスマートウォッチを単なる携帯情報機器としてだけでなく、ファッション製品としてもとらえているということでしょう。 しかし、アップルは単に側(がわ)を金にするだけで値段を上げるというような会社ではありませんでした。しっかりその金素材でイノベーションを行ない、特許を取得しようとしています(しかも取得できる可能性は高いです)。 Gizmodo等の観測記事で、Apple Watch Editionで使われる金素材は特許を取っているらしいと書いてあったのを読んだ時は、特許化された素材をどこかのサプライヤーから調達したのかと思ったのですが、なんとアップル自らが出願
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