週刊文春による元タレントの中居正広さんやフジテレビをめぐる誤報問題で、文春の一連のスクープ「文春砲」の精度が改めて注目されている。社会的な影響力を強める一方、後になって報道が否定されるケースが目立っているからだ。新聞やテレビなどの大手メディアが文春報道を「引用」する形で拡散してしまうケースもあり、メディア全体のあり方も問われている。 かつては「センテンススプリング」文春砲という言葉は平成28年、タレントのベッキーさんのスキャンダルや甘利明元経済再生相の金銭授受問題のスクープなどを受けて本格的に使われるようになり、その年の新語・流行語大賞候補に選ばれた。 当初は「文」と「春」の英語にちなんで「センテンススプリング」などと揶揄もされたが、次第に影響力を増し、文春砲の名が定着。文春が報じた政治家の不祥事を大手紙などが追随する際も、以前なら「一部週刊誌」としたところを「週刊文春によると」などと誌名