リニア中央新幹線の静岡工区の着工時期が見えない。昨年5月に静岡県知事が川勝平太氏から鈴木康友氏に交代したことで、停滞していた県とJR東海などの協議や、トンネル工事の前段階で実施する「ボーリング調査」が矢継ぎ早に進んだ。だが、環境への影響を懸念する声が根強いことなどから、JR側も行政手続きの申請時期を慎重に見定めており、品川-名古屋間の開業は2035年以降になりそうだ。 「期待したが…」「一気に議論が進むかと期待したが、年後半はそうはならなかった」。国土交通省幹部は昨年をこう振り返る。 JR東海は品川-名古屋間の開業目標を27年としていたが、川勝氏が工事に反対し、着工できない状況が続いたため、昨年3月に27年開業断念を表明した。 ただ、川勝氏が自身の不適切発言で辞任し、5月に鈴木氏が知事に就任。斉藤鉄夫国交相(当時)やJR東海の丹羽俊介社長と工事推進に向けた連携を確認した。川勝氏が大井川の流