広島県出身で30歳代女性のA子は、毎年実家から送られてくるカキが冬の楽しみの一つだ。だが、夕食にカキフライを食べた深夜、ひどい腹痛と下痢、吐き気が生じた。フライに火があまり通っていなかったことによる食中毒を疑い、翌日は自宅で安静にしていた。後日、A子は実家に帰省し、生カキを食べたところ、数時間後、またもひどい腹痛と下痢を起こした。感染性胃腸炎を疑い、近医を受診したが原因は分からず、一緒に食べた家族には何の症状もない。「最近、私は運悪くカキにあたる」とA子は感じた。その後もA子は、カキでおなかを壊すことが何回か続いた。その度にひどい腹痛を伴うため、主治医に相談したところ、「カキのアレルギーかもしれないが、うちではカキのIgE抗体検査はできない」と言われ、専門医に紹介された。紹介先では、(1)これまで問題なくカキを喫食できていたが突然発症した、(2)カキ喫食時に毎回発症する、(3)喫食後、数時