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生成されたAIビジネス、OpenAIと「AGIというナラティブ」 2025.02.18 Updated by yomoyomo on February 18, 2025, 11:40 am JST AI Now Instituteは、マイクロソフトリサーチの主席研究者だったケイト・クロフォードと、Googleに所属していたメレディス・ウィテカーによって2017年に設立された、人工知能の社会的な影響を研究し、政策戦略を策定する研究機関です。ここは、ティムニット・ゲブルが設立したDAIR Institute、ダナ・ボイドが設立したData & Societyといった他の研究機関とも提携していますが、これらの研究機関の創始者が軒並み女性というところに、「先鋭化する大富豪の白人男性たち、警告する女性たち」で書いた構図が見てとれるように思います。 さて、そのAI Nowには、「テクノ楽観主義者からラ
日本酒xAIハッカソン 優勝チームのメインプログラマーは女子中学生【磯田メソッド】 2025.02.17 Updated by Ryo Shimizu on February 17, 2025, 11:57 am JST 2/15、16は、長岡市にて「日本酒xAIハッカソン」を開催していました。 協力は酒造メーカーの吉乃川、主催は長岡市。賞金5万円を競うハッカソンで、集客に苦戦した昨年と比べ、あっという間に定員に達した人気イベントとなった。 まずは吉乃川の本社がある摂田屋の醸蔵(じょうぐら)で日本酒について学ぶ 吉乃川株式会社の峰政社長自らが日本酒の歴史や構造、ペアリングなどについて解説し、参加者たちは日本酒とAIを絡めたアプリ開発の構想を膨らませた。 そこから24時間かけて、4チームでアプリ開発に取り掛かる。 翌日は、全国小中学生プログラミング大会と全国高等学校プログラミング大会の最終審
ホワイトカラーの仕事は全てハッカソン型へ移行する 2025.02.13 Updated by Ryo Shimizu on February 13, 2025, 09:31 am JST AIはもはや十分進歩してきた。これからのホワイトカラーは、ハッカソン型の仕事へ切り替えることを早晩要求されるようになるだろう。 それは仕事のプロセスがより創造的になることを意味する。創造性を持てない人は、ホワイトカラーではいられなくなる。 なぜなら、これまでのホワイトカラーの仕事の大部分は、AIで十二分に置き換え可能なものだからだ。 オフィスにおける、非創造的な仕事を列挙してみよう。 メールの整理、議事録のまとめ、契約の締結、役所との対応、給与計算、家賃の支払い、あらゆるルーティンワークと呼ばれるものに、創造性はない。 逆に創造的な仕事を考えてみると、企画や制作という仕事がある。実は接客、接遇も創造的であ
人類はAIを使いこなすことができるのか?これからの人間に最も必要な資質 2025.02.06 Updated by Ryo Shimizu on February 6, 2025, 09:05 am JST o3-miniが衝撃的である。 o1 pro modeもなかなかすごかったが、o3-miniの衝撃はそれを上回る。DeepSeekが霞むほどだ。まあすぐにキャッチアップしてくれると思うが。 o3-miniの凄さというのは、人智を超えるところにある。 例えば、超立方体という概念がある。これは、三次元の立方体という概念を四次元に拡張したものだ。 超立方体の描画は、ちょっとしたプログラマーなら誰でも書くことができる。これを書けない人を一人前のプログラマーとは呼びにくい。 超立方体はハイパーキューブとも言う。 さて、とはいえ四次元の立方体を回転させようとすると、回転軸が二軸あることに驚く。三次
DeepSeek狂奏曲 2025.01.30 Updated by Ryo Shimizu on January 30, 2025, 08:35 am JST DeepSeekという中国製のモデルが世界を席巻している。 OpenAIが有償で提供するo1より高性能だとか、OpenAIの規約に違反した方法で学習されているとか、色々あるのだが、それを噂する人々が不正確な情報に基づいてピーチクパーチクやっているだけなので基本的にメディアにはほぼ出鱈目な情報しか出ていない。 まず、整理しておきたいのは、DeepSeek(特にV3とR1)とは何か、ということだ。 DeepSeek-V3は、GPT-4o相当のAIであり、オープンウェイト(AIの学習結果=重みが公開されている)で公開されている。オープンソースではない。 DeepSeek-R1は、o1相当のAIであり、こちらもオープンウェイトで公開されてい
アーカイブの危機とメンテナンスの大事さ 2025.01.15 Updated by yomoyomo on January 15, 2025, 13:09 pm JST 無駄に長くネットで文章を書いていると、自分の中にあるネットに関する常識が、時代に合わなくなっているのに気付くことがあります。 例えば、こうした技術コラムを書くのであれば、(Googleと名前を出すたびにGoogleのトップページにリンクをはるようなやり方は過剰としても)必要に応じて他のサイトのページにリンクすべきであり、参照リンクがウェブにおける説明責任を担保し、元の文章の主張を補強するのが当然のように考えてきました。 昨年末、某セキュリティベンダーの技術ブログがいつの間にかパパ活ブログに変わっていたのに驚く投稿をしたところ、意図せずバズり、結果やじうまの杜やITmedia NEWSに取り上げられました。これはいわゆる「ド
最近、AIが長年の悩みを次々と解決してしまう 2025.01.12 Updated by Ryo Shimizu on January 12, 2025, 09:12 am JST 今日は特に強いメッセージとかはない。 ただ、正月休みの次に来た連休で、特に休んですることもない。まあすることがあるとすれば仕事くらいだ。 今日はこの後シラスの特別講義の仕事があるが、まあそれも半分は趣味みたいなもので、もっと真剣に取り組むべき仕事もいくつか抱えている。これは休みという概念がないのでまあ置いておく。 ただ、最近、OpenAI o1の正式版が出て、さらにo1 pro modeとかが出てきてしまったことで、僕の長年の悩みがどんどんなくなっていく現状について語っておきたい。 長年の悩みというと大袈裟だが、「こういうプログラムがあれば便利なのに」と思っていたようなことが、o1 pro modeに頼むと、次
フルスタックAIユーザーとAI社員で人間の仕事で残るのは社長くらいしかない 2024.12.15 Updated by Ryo Shimizu on December 15, 2024, 17:04 pm JST 予想通り、今月に入ってOpenAIが怒涛のように新製品を発表し、それに呼応するかのようにGoogleがGeminiを、Tencentが動画生成AIのオープンソースを相次いで発表している。OpenAIの発表はクリスマスまで平日は毎日あるらしいので、それを追いかけるだけでも大変だ。 このまま行くと、OpenAI版ComputerUseは、おそらくAI社員のようになるだろう。月額2000ドルという噂もあるが、2000ドルとなると、経営者はいよいよ人間かAIのどちらかを選ぶという選択を迫られる。 OpenAIの作り出すAI製品群は、どれもそのほかの製品を霞ませてしまう。この領域で戦おうと
沈鬱な黒い毒と小さな希望 2024.12.13 Updated by yomoyomo on December 13, 2024, 21:49 pm JST 11月2日にニューヨーク・タイムズ紙は、わずか1パラグラフ、110ワードからなる社説を掲載しました。「あなたはドナルド・トランプを知っている。彼は指導者として不適格だ」という直截な文章で始まるその意図は極めて明快で、ドナルド・トランプはアメリカ合衆国の大統領として適任ではないのだから、彼の時代を終わらせるべく投票しよう、と訴えるものです。 この社説の特徴は、ベテランブロガーのジェイソン・コトキーが指摘するようにその平易な言葉遣いと情報密度の高さにあります。この簡潔な社説は、過去数カ月に公開されているニューヨーク・タイムズ紙の27本もの論説記事をリンクしており、それを辿ってその27本の記事をじっくり読み、社説の主張の正しさを確かめること
日本の勝ち筋は大企業信仰にある 2024.12.03 Updated by Ryo Shimizu on December 3, 2024, 08:19 am JST 先週末は軽井沢で過ごした。 と言うと、いかにも優雅に聞こえてしまうかもしれないが、仕事である。 いや、仕事であったらどれほど救われただろうか。 仕事どころではない。 「初島会議」という名前の、いかにも秘密結社めいた名前の会議が13年間行われているらしい。 その13回目の「初島会議」に登壇して欲しいと、かつてお世話になった大阪大学の栄藤先生からお声がかかり、よく話を聞かずに引き受けてしまった。 この初島会議、参加費は12万円するらしい。登壇する場合、その12万円が免除され、往復の交通費とホテル、食事などがタダになる。 スタートアップ業界でいえば、いわゆるICC方式というやつだ。 ICCは属性の近い人が集まるからまだ楽しいから良
セキュリティ人材不足と増大する脅威対応を生成AI活用で解決へ、NTT Comが新ソリューション 2024.11.21 Updated by Naohisa Iwamoto on November 21, 2024, 06:25 am JST 生成AIの活用について、さまざまな議論や実践がなされてきている。そうした中で、セキュリティの運用支援のソリューションに組み込んだ活用法が登場した。NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が開発した「AI Advisor」がそれだ。生成AIを活用した自然言語による問い合わせでセキュリティ運用を支援する。 ランサムウエアなどのサイバー攻撃は増加し続け、これに対する防御が不可欠になっている。NTT Com ビジネスソリューション本部 ソリューションサービス部 担当部長 エバンジェリスト 城 征司氏は、対策についての現状を以下のように説明する。「リスクへの
シリコンバレーのビジネスモデルと政治哲学の出口、そして地獄と折り合いをつけること 2024.11.19 Updated by yomoyomo on November 19, 2024, 12:29 pm JST 地獄とは他人のことだ (ジャン=ポール・サルトル『出口なし』) 2024年のアメリカ合衆国大統領選挙は、ご存じの通り共和党候補のドナルド・トランプが完勝し、返り咲きを果たしました。今回の大統領選挙については、シリコンバレーを中心とした米国テック業界の動向もいろいろと話題になり、選挙結果が確定した後もそのあたりについての分析記事が出ています。最初からそれに乗っかって後出し孔明もどうかと思いますので、選挙前に書かれた目線の高い記事として、『武器化する経済 アメリカはいかにして世界経済を脅しの道具にしたのか』の邦訳があるジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院教授のヘンリー・ファ
有害な「創業者らしさ」 2024.10.16 Updated by yomoyomo on October 16, 2024, 11:49 am JST 先月、スタートアップアクセラレータのY Combinatorの共同創業者であるポール・グレアムの「創業者モード」というエッセイが大変話題になりました。 これはAirbnbの共同創業者にして最高経営責任者のブライアン・チェスキーが、Y Combinatorのイベントで行った講演に触発されて書かれたもので、原文を読みたくない人は、小林雅一氏の紹介記事などを読んでいただければと思います。 一言で言えば、創業者は企業が大きくなる過程で組織を階層化し、管理職となる人材を雇って権限を委譲するべき、という現行の企業経営の常識を疑う内容です。 優秀な人材を雇って仕事を任せるというと聞こえがいいが、現実にはそうして雇われたマネージャーの元で組織はブラックボ
任天堂の「ノン・ウェアラブル」なヘルスケア・サービス 2014.02.06 Updated by Kenji Nobukuni on February 6, 2014, 09:30 am JST 1月30日に行われた任天堂の経営方針説明会で同社の岩田社長はヘルスケア分野に注力していくことを強調した。後半の新事業のパートでは、これまで取り組んできた娯楽というものを、「QOL(クオリティー・オブ・ライフ)を楽しく向上させること」だと再定義した上で、そのプラットフォーム構築の第一ステップに「健康」分野を挙げている。 特徴的なのは、ハードウェアを含めた実現手段。他社がまずスマートフォンでのサービス提供に注目し、次にリストバンド型などのウェアラブルな機器をこぞって開発しているのを尻目に、その2段階を一足飛びに飛び越えて「ノン・ウェアラブル」というブルー・オーシャン(競合のいない世界)を目指すのだそう
OpenAI o1はすでに理解を超えている。が、別に全ての問題を解決してくれるわけではない。そしていまさらロボットを作る理由 2024.10.04 Updated by Ryo Shimizu on October 4, 2024, 01:16 am JST OpenAIが発表したo1-previewは、とても高度な数学的推論を行う大規模言語モデルだ。 最初は「数学オリンピックの問題が解ける」ことが売りだったので、数学的な問題ばかりを聞いていたが、普通に生きていて数学的問題に直面することは普通の人には少ないので、僕は「クォータニオン量子力学」とか「乱数テンソルをベースとした確率論」とか、小学生の妄想するような「A+B」みたいな二つの数学的概念を与えて、それをo1-previewがどう調理するのかを観察した。 その結果、分かったことは、「僕はo1より数学的素養がない」という当たり前のことだっ
自動運転の時代 2024.09.20 Updated by Ryo Shimizu on September 20, 2024, 05:05 am JST 今年も何度目かの世界一周に行ってきた。 世界一周と言っても、そういう名前の航空券を買っただけだ。 世界一周チケットは、いろいろな航空会社から発売されている。有名なのはスターアライアンスとワンワールドのものだろう。 どちらもかなり安く世界を一周することができる。エコノミーで50万円くらい、ビジネスで70万円くらい、ファーストでも120万円くらいだ。 何故こんなに安いのかというと、その代わりに制約が激しいからだ。 世界一周で最低5箇所で降りなければならない。西回りか東回りかどちらか一方向へしか飛ぶことはできず、航空会社によっては取れる便と取れない便がある。 また、例えばANAで世界一周航空券を買おうとすると、ANAに電話して4時間くらいは待
ジャーナリスト自身が運営する404 Mediaにみる「オルタナメディア」の可能性 2024.09.03 Updated by yomoyomo on September 3, 2024, 10:46 am JST プログラマじゃない人間がソフトウエア会社を運営しているのを見ると、サーフィンの仕方を知らない人間がサーフィンしようとしているみたいに思える。(ジョエル・スポルスキー) 2023年5月にVice Mediaが破産申請をしたのを受け、配下のオンラインメディアMotherboardの編集長だったジェイソン・コーブラー、同じくMotherboardの編集者だったサマンサ・コール、エマニュエル・メイバーグ、ジョゼフ・コックスの4人は、自分たちのメディアである404 Mediaを急遽立ち上げました。 2023年8月22日にその4人の連名で公開された「404 Mediaへようこそ」において、「
サム・アルトマンとユニバーサル・ベーシックインカムの蹉跌 2024.08.06 Updated by yomoyomo on August 6, 2024, 17:11 pm JST 先月たまたま、すべての個人に無条件でお金を支給する制度であるユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)についての記事を続けて読んだので、今回はこの話題でいきたいと思います。 まずは、英Observer紙に掲載された「不労所得:ユニバーサル・ベーシックインカムがまもなく社会を変えるか?」ですが、ベーシックインカムという概念は斬新で新奇に思えるかもしれませんが、その歴史は1795年まで遡るという話が興味を惹きました。これはアメリカ建国の(思想的な)父と言えるトマス・ペインが、すべての成人に貧富の差を問わず「地代」を支払う「国民基金」の設立を提案したことを指していますが、興味のある方は『土地をめぐる公正』をお読みく
ChatGPTの財政危機から学ぶAI開発の問題点 Learning from ChatGPT's issues 2024.07.27 Updated by Mayumi Tanimoto on July 27, 2024, 13:31 pm JST ここ数年、AIといえばChatGPTですが、最近発表された「The Informationの報告書」はChatGPTのみならずAI開発の問題が指摘されています。 同レポートによれば、ChatGPTの開発と運用コストは約20億ドルの収益を上回っており、今年だけで約50億ドルを失う可能性があるとされています。収入源は、ユーザーから徴収するLLMのアクセス費用になりますが、開発と運用費が約70億ドルと巨額です。 まず、モデルのトレーニングに巨額の費用がかかっており、約30億ドルに達します。さらに支出のうち約40億ドルはMicrosoftのAzureク
ついに始まった大規模言語モデルの真の"民主化" 5年後の社会はどうなるか 2024.07.26 Updated by Ryo Shimizu on July 26, 2024, 14:43 pm JST Metaがついにやり遂げた。 そもそも大規模言語モデルを早い段階から熱心にやっていたのはMetaのFAIR(旧Facebook AI Research/現Foundamental AI Research)だった。会話するAIも2016年頃から公開していたし、オープンソースとして広く成果を共有していた。 Metaと名前を変えた後も、Llamaシリーズを積極的に展開するなど、機械学習コミュニティへの貢献は語り尽くせないほどだが、ついに今回、Llama3.1-405B-Instructと言う、「GPT-4」と比べても遜色ない性能のモデルの無償公開に踏み切った。 このモデルは、8ビット浮動小数点数
最適化を知らないAIコンサルタント会社 2024.07.13 Updated by Ryo Shimizu on July 13, 2024, 09:43 am JST 昨日、知人から急に「会いたい」と言われたのでまあ時間もあったし相手もゴールデン街に来てるというので会いに行った。 すると見知らぬ人物を伴っていた。別にそれはいい。 彼はとあるコンサルティングファームで、AI戦略リーダーという要職にあると自己紹介した。というか名刺にそのように書いてあった。 知人・・・ややこしいので門間(仮名)とするが、門間氏はもともとデザイナーで、動画編集などをするAIが好きなクリエイターで、彼が連れてきたAI戦略リーダーは彼の会社とは何の関係もない人で、山本(仮名)と言った。 門間氏は、面白いくらい鬱陶しいのが特徴で、そこが彼の魅力なのだが、そもそもデザイナーなのでコンピュータの基礎的なことを全く理解して
ティム・オライリーとシリコンバレーの贖罪 2024.07.10 Updated by yomoyomo on July 10, 2024, 11:00 am JST きっかけは、『ブログ 世界を変える個人メディア』や『あなたがメディア! ソーシャル新時代の情報術』の著書で知られるジャーナリストのダン・ギルモアが、16年務めた教職を辞すという「引退」について書いているのを4月に読んだことでした。 調べてみると、彼は1951年生まれの73歳らしいのですが、ふと、自分が20年以上前からその言説を参考にしてきたベテランたちの何人かも70歳前後なのに気付きました。それは例えば、ブログやポッドキャストの発展に大きく関わったデイヴ・ワイナーや、やはりベテランブロガーにして『グーグル的思考』、『パブリック 開かれたネットの価値を最大化せよ』、『デジタル・ジャーナリズムは稼げるか』の著書で知られるジェフ・ジ
AIにとって微分可能性が必須条件でなくなりつつある意味 2024.07.04 Updated by Ryo Shimizu on July 4, 2024, 12:26 pm JST かなり長い間、本欄でも「AI(人工知能)」と書くときに、注釈として「AI(人工ニューラルネットワーク)」と書く必要があった。 というのも、AIという言葉が指す意味は範囲がとても広く、解釈次第ではただの電卓や辞書、IMEまでもがAIと呼べてしまうからだ。 だから、「AI」という言葉を多用する人を見た時、それは「新しいインチキ(Atarashii Inchiki)」であると考えた方が良いというジョークを言ったものである。 ここ5年で、事態は一気に変化した。今やニューラルネットワークでないものを「AI」と呼ぶのは憚られる。まあそれでもニューラルネット以前の古いシステムをいまだに「AI」と呼ぶようなIT(インチキ)企
加熱するLLM開発競争に冷や水、オープンモデルの組み合わせだけでGPT-4o越えの事実 2024.06.21 Updated by Ryo Shimizu on June 21, 2024, 18:19 pm JST 世界中の企業や政府が狂ったようにNVIDIAのGPUを買い漁る流れはそろそろ潮時かもしれない。 いくつかの興味深い事象が起きているからだ。 昨日発表されたKarakuri社のLLM、「KARAKURI LM 8x7B Instruct v0.1」は、非常に高性能な日本語LLMだ。Karakuri社は今年の一月にも非常に高性能な70Bモデルを引っ提げて業界に旋風を巻き起こした。この最新のLLNは、日本語向けオープンLLMとしては初の「命令実行」チューニングを施されている。それだけでなく、RAGと呼ばれる、複数の知識を組み合わせてより正解に近い答えを導く技術や、Function
Googleからウェブサイトへのトラフィックがゼロになる日 2024.06.10 Updated by yomoyomo on June 10, 2024, 16:28 pm JST 今年のはじめにこの連載で、今こそインターネットは変化の機が熟しており、ヒューマンスケールのインターネットが再興すべきときだと訴える文章を書きました。たまたま、その続きといえる文章を最近いくつか読んだので、今回はまずはそれを紹介したいと思います。 Web3の代表的な批判者として知られるソフトウエア・エンジニアのモリー・ホワイトは、「我々は違ったウェブを手にできる」で、ウェブの「古き良き時代」に憧れる人は多いが、我々はそれを取り戻せるし、それどころかウェブをもっと素晴らしいものにできると説きます。 ホワイト自身も、ウェブをずっと愛してきた者として、現状は少し絶望的な気分にならずにはいられないと認めます。 検索エン
「AI PC」と強調されども中身は空っぽのComputex 2024 2024.06.09 Updated by Ryo Shimizu on June 9, 2024, 15:18 pm JST 過日、台北にて開催されたComputex Taipei 2024に行ってきた。 貧乏性の我輩としては、原稿料の出る媒体(本欄)にComputexレポートを書いて少しでも旅費を回収したい。 国内のコンピュータ系のジャーナリストは、どこを向いてもメーカーからお金や旅費を出してもらってメーカーの思う通りの記事を書く人だらけになってしまった。 そうじゃない人もいるのかもしれないけど、これは昨今の媒体の原稿料が信じられないくらい安くなっていることを考えると仕方のないことではないかと思う。 筆者は収入のうちで原稿料が占める割合は5%くらいだが、それでも「原稿料が高い方」と言われている(自分で原稿料を決めたこ
AI時代の経営塾 2024.05.17 Updated by Ryo Shimizu on May 17, 2024, 08:44 am JST 今年の1月から稼働し始めたFreeAI社は、社長をAIスーパーコンピュータ「継之助」にした世界初の会社である(多分)。 ただ、この社長はまだポンコツなため、ファウンダーである我々が社長としての帝王学を叩き込まなければならない。 そこで我々は、社長(AI)に経営の本質論を教えるための独自データセット開発に着手した。 我々の目標は、今後FreeAI社が様々な投資活動を行っていく時に、投資先のスタートアップに対して「真に有用な知見」を「オンデマンド」で「24時間365日」提供することである。 我々が目指す投資事業は、10年後成功率80%を目指している。通常のベンチャーキャピタルの成功率は33%である(投資額に対して下振れしない割合)ことを踏まえると、こ
TESCREALふたたび:AGIが約束するユートピアはSF脳のディストピアなのか? 2024.05.08 Updated by yomoyomo on May 8, 2024, 13:03 pm JST 主にインターネット研究を対象とするオンライン論文誌First Mondayの2024年4月号は、「AIのイデオロギーと権力の強化」と題された特別号でした。気になる論文はいくつがありますが、もっとも目を惹いたのは、ティムニット・ゲブルとエミール・P・トーレスによる「TESCREALバンドル:汎用人工知能にみる優生学とユートピアの約束」でした。 この連載でも、AI研究者のティムニット・ゲブルについては「先鋭化する大富豪の白人男性たち、警告する女性たち」、そして彼女と哲学者のエミール・P・トレスが提唱した造語「TESCREAL」については「テクノ楽観主義者からラッダイトまで」で取り上げており、そ
BlueskyやThreadsに受け継がれたネット原住民の叡智 2024.04.15 Updated by yomoyomo on April 15, 2024, 14:17 pm JST 旧聞に属しますが、少し前にBlueskyを眺めていて、マイク・マズニックが「ガチギレしてごめん。我慢ならなかった」とTechdirtの記事を告知する投稿をみて、相変わらず意気盛んだなと微笑ましく思った話から今回は始めたいと思います。 マズニックがガチギレしたのは、「バーチャルリアリティーの父」ジャロン・ラニアーと政治学者でミドルベリー大学教授のアリソン・スタンガーがWIREDに寄稿した「すべてを救えるインターネット・ハック」という記事で、これは前回の文章でも触れた、ユーザー生成コンテンツに対するプラットフォーム企業の免責条項を定めたとも言われる通信品位法230条の撤廃、つまりは「インターネットを生み出し
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