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ノーベル経済学賞の受賞者であり、世界的に大きな影響力のあるジョセフ・スティグリッツ。ドナルド・トランプ米大統領の政治は「進歩の終わり」をもたらす──「プロジェクト・シンジケート」への寄稿で、彼はそう警告している。 大きな進歩は簡単に起きない 35年前、ヨーロッパで共産主義が崩壊し、世界は時代の激変を経験した。フランシス・フクヤマが、その時代の節目を「歴史の終わり」と評したのはよく知られている。それは、すべての社会がいずれはリベラル・デモクラシーと市場経済に行き着くという予言だった。それがいかに的外れの予言だったのかをあげつらうのも、いまではすっかり陳腐な常套句となった。 ドナルド・トランプと「MAGA(米国を再び偉大な国にする)」運動が復権を果たしたいま、時代はむしろ「進歩の終わり」を迎えていると言うべきかもしれない。 私たちの多くは、進歩を当たり前のものだと思い込みがちである。だから、2
フロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールドのマジック・キングダム・パーク Photo: Gary Hershorn / Getty Images ディズニー旅行は高すぎる 米来園客が離反 イボンヌ・キンデルさんは、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートへの旅行を何年も考えていた。昨年11月、ついに家族4人で訪れる機会を得た。 デラウェア州ベアの銀行でコンプライアンスを担当するキンデルさんは、特に最近の値上げ後の料金に衝撃を受けた。2日分のパークチケットが1123ドル(約17万円)。人気アトラクションの待ち時間短縮パスが208ドル。ドナルドダックやデイジーダックなどキャラクターとの食事が219ドル。ミッキーマウスのシャボン玉が吹き出るバブルワンドが2本で60.68ドル。 「どれだけお金を使ったのかを考えるのがとてもストレスだった」とキンデルさんは話す。倉庫の運転手である夫と2
揺れ動く米台関係 第二次政権の発足後、トランプ米大統領は「米国第一主義」を前面に押し出している。他国との関わりにおいて軸になるのは「友好関係」や「共通の価値観」ではなく、「取り引き」だ。 これは、米国との関係に依存していた世界の国々に大きな影響を及ぼす。特に、バイデン政権まで米国から超党派で全面的な支持を受けていた台湾は、中国の習近平国家主席がますます圧力を強めているなか、苦しい状況に置かれるかもしれない。 台湾は、トランプと渡り合い、これからも支援を引き出すことはできるのか。その鍵となる人物がいる。それはトランプが最初に大統領に当選したのと同年に中華民国総統に当選した「同期」、蔡英文前総統である。 「自分はトランプを味方につけることができた」 総統を退任後、初めての大型のインタビューを受けて英紙「タイムズ」に登場した蔡は、「トランプと仕事をするのは良い思い出だった」と振り返り、第一次トラ
結婚しないことに対する偏見は、年々少なくなっている。 その結果、実際に人々は以前ほど結婚しなくなっている、あるいは結婚のタイミングを遅らせるようになった。 これについて米メディア「ブルームバーグ」はこう述べている。 「ある意味、それは人々が批判されることなく、自分の望む人生を送れる、より自由な社会を反映している。しかし、独身者の増加は、経済学者が「負の外部性(ある経済主体の活動が他の経済主体の行動に悪影響を及ぼすことを指す)」と呼ぶものも生み出している」 独身の経済的恩恵を受けやすい人、損する人
トランプ大統領が仮想通貨を推進する姿勢を示してから、ビットコインの上昇が続いている。今後も上昇しそうな気配を感じるものの、高すぎて買えないという投資家の受け皿として、ある戦略を取り入れた企業が注目を集めている。新NISAやルール変更も後押しする、日本人も投資するその企業とは。 ビットコインの代わりに トランプ米大統領が仮想通貨を推進する方針が波及し、日本でもビットコインへの需要が拡大している。一方、ビットコインを買おうと思っても、1ビットコインが10万ドル(約1500万円)以上まで値上がりし、なかなか手が出ないのが実情だ。 しかし、ビットコインが今後も上昇していく予感がしているので投資しておきたい。そういった人たちが増えるなか、ビットコインへ投資する代わりに、「ある」投資先に世界中からお金が集まっている。 そのお金が向かう先は、大量のビットコインを資産として保有し、ビットコイン価格と自社の
ヒラ・アンワル(14)は生まれ育った米国ニューヨークで、ふたつの対照的な世界に生きていた。 家の外では、典型的な米国人のティーンエイジャーであり、友達と笑い合い、TikTokに動画を投稿し、無限の可能性に満ちた未来を夢見ていた。 家の中では、ずいぶん違う現実を生きていた。20年ほど前にパキスタンから米国にやってきた移民である両親は、女性に慎み深さを求める自分たちの文化的・宗教的な価値観を娘のヒラも守ることを期待した。 両親にしてみると、ヒラがオンラインで見せる大胆で表情豊かな存在感は、真っ向からの挑戦だった。 西洋諸国に暮らす南アジアからの移民家庭ではなじみ深いその緊張関係は、命取りの暴力沙汰に終わった。 家族の休暇だと言われてパキスタンに来てから数日経った1月27日の夜、ヒラは父親とおじに銃殺されたと警察は発表した。当局はその死を「名誉殺人」と呼んだ。
米国を中心に日本発のゲームが絶好調だ。そのブームを牽引するのが「セガ」。同社の看板キャラクターを主人公にした映画は、興行収入でディズニープリンセスと張り合うほどに人気となっている。そのセガを率いる内海州史社長が同社復活のカギについて、英紙「ガーディアン」に語った。 セガのレガシー セガと言えば、1980年代末から21世紀の幕開けまで10年以上にわたり、世界で指折りのクールなゲーム会社だと高い評価を得た。『ゴールデンアックス』や『バーチャファイター』などのアーケード用ゲームを大ヒットさせ、反抗精神が感じられる家庭用ゲーム機「メガドライブ」を生み出した。 家族みんなが楽しめる任天堂に挑戦するかのように、強烈なインパクトのテレビCMを繰り出したり、「モータルコンバット」や「ナイトトラップ」といった年齢制限付きゲームを発表したりした。 しかし、セガのゲーム開発チームが革新的で突飛なタイトルを制作す
上海のルイ・ヴィトンの店舗 Photo: CFOTO / Future Publishing / Getty Images 中国の「高級ブランド熱」冷める シェ・ウェイナさん(45)はかつて、1500ドル(約23万円)以上する高級バッグを2ヵ月おきに購入していた。昨年は、バッグの代わりにジムの会員権とピラティスのレッスンに2800ドルほど費やした。 「人は裕福になると、それを誇示するためにモノで自分を満たさなければと感じる」とシェさんは言う。「ただ一定のレベルに達すると、そうした見栄のためのモノはもういらないと感じるようになる」 中国で高級ブランドの輝きが失われつつある。景気低迷、政治的な緊縮ムード、高級ブランドは時代遅れだと感じる消費者の存在が相まって、ここ数年の業界を押し上げてきたブームに終止符が打たれた。 コンサルティング会社ベインの推計によると、中国の高級品市場は昨年、2割ほど縮小
中国発のAI開発企業ディープシークの成功の背景には、STEM人材の育成と産学連携に惜しみなく資金を注ぎ込む習近平政権の教育改革があるという。だが、有力な支援者であるはずの中国政府は国内のAI企業の成長を阻害する要因にもなり得ると米紙「ニューヨーク・タイムズ」は指摘する。 中国が「IT業界のリーダー」の地位を奪う 中国のAI企業ディープシーク(深度求索)が低コストで開発した高性能な大規模言語モデル「R1」は、世界に衝撃を与えると同時に、中国国内を沸かせた。 多くの人が同社の成功は、中国の教育レベルが米国のそれと同等か、すでに凌駕したことの表れだと考えているという。 ディープシークの創業者である梁文峰によれば、同社の開発の中心メンバーは全員、北京大学や清華大学など国内の名門大学の出身だ。これまでの中国IT企業には、海外で教育を受けた人材が多かったことを考えると、これは大きな変化だと言える。
日本テレビで2001年から2004年まで放送された「¥マネーの虎」を覚えている人は多いだろう。「ノーマネーでフィニッシュです」という言葉や、キャラの濃い「虎」たちと志願者らの緊張感漂うやりとりが印象的だったこの番組は、そのフォーマットが世界中に輸出された結果、各国の状況に合わせた現地版が数多く誕生することとなった。 「¥マネーの虎」はなぜこれほど人気になり、どんな影響を及ぼしたのか。英キングス・カレッジ・ロンドンの政治経済学者である筆者が、経済的観点から同番組の意義を解説する。 スタートアップ時代黎明期の一角 英国のテレビ番組「ドラゴンズ・デン」が世界的なヒットとなり、さらに米国の「シャーク・タンク」によってピッチ(起業家らが投資家に対しておこなう、資金調達等を目的としたプレゼンテーションのこと)がメジャーなエンターテイメントになるよりも前のことだ。 「¥マネーの虎」という番組があった。2
この記事は、ベストセラーとなった『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』の著者で、ニューヨーク大学スターン経営大学院の経営学者であるスコット・ギャロウェイによる連載「デジタル経済の先にあるもの」です。月に2回お届けしています。 先週末、テクノロジー業界の大物実業家イーロン・マスクは私のことを「残酷で、意地悪で、不誠実」だと非難した。2年半前、私は彼のことを「政府の援助に依存して成り立っている寄生者(welfare queen)」と呼んだ。この相互の評価について、どちらが正しいのか、判断は読者に委ねよう。 以下の投稿は2022年8月19日に公開されたものである。 歴史上最も成功した投資機関はどこだろうか? シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタル、クライナー・パーキンスやセコイア・キャピタルは、多くのインターネット企業の成功を支えてきた。近年注目を集めるアンドリーセン・ホロ
59歳になったいまも、ビョークのエネルギーが衰えることはない。2024年の秋にパリのポンピドゥー・センターで没入型のサウンド・インスタレーションの展示をし、11月には5年間に及んだ「コーニュコピア」ツアーを記録した書籍も刊行した。 そんな彼女が、「嫌い」だと断言する最初のアルバム『ビョーク』から「最悪」な結果を迎えたという映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』、そしていま注力しているテクノロジーと環境問題についてまで、幅広くフランス紙に語った。 ──あなたがここまでたどりつけたのは、どうしてだと思いますか? 14歳のとき、レイキャビクのとあるレコード店の扉を開けたからですね。その店は、ミュージシャンやアーティスト、作家、パフォーマーのたまり場で、私はそこのコミュニティに入れたのです。そこで私は最年少でしたが、ヒエラルキーはありませんでした。 店の床掃除、コンサートの運営の手伝い、ポスターの印刷
※本記事は『大人のいじめ』(坂倉昇平)の抜粋です。 仕事の「質」を大切にする労働者は「いじめても良い」? 「規律型」の職場いじめが標的とするのは、「生産性」の低い人間だけではない。仕事の「質」にこだわりをもつ労働者もターゲットとなる。 「できるだけ安く・長く」働かせる労務管理においては、労働の「中身」についても、あくまで単純労働に徹し、マニュアル通り、「歯車」として従順に働くことが良しとされる。この働かせ方は、人の命や生活に直接関与する、社会性の強い労働の「質」を軽視するもので、労働者が生み出す製品やサービス、特にケアや公共部門のサービスの「質」の劣化をもたらしている。 特に、ケア労働においては、コスト削減を優先したサービスが求められ、それこそが「理想的」なケアとされるようになってしまった。職員の数や必要な備品などが削られる中で、一人当たりできるだけ大勢の利用者の相手を、できるだけ最低限の
※本記事は『大人のいじめ』(坂倉昇平)の抜粋です。 同僚たちの「敵意」と「自警団化」 経営の論理、市場の論理に服従しない労働者を、会社や管理職が敵視するのは、ある意味当然かもしれない。しかし、経営者でも管理職でもない、単なる同僚が、別の同僚を標的に定めて「確信犯」的に職場いじめを実行している実態には、驚かされる。いじめを率先して行う労働者自身も、自分の健康や生活、家庭の事情などで、いつ排除の対象となるかわからないにもかかわらずだ。 そこでは、もはや上からの指示は必要とされない。経営者や上司の顔色を窺う「忖度的」ないじめもあれば、経営重視の価値観を内面化して、より「自発的」にいじめを行うケースもある。 しかも、その職場いじめは残酷さを増している。経営に服従しない労働者を炙り出し、見つけたら人ではなく、人格を認めなくて良い「敵」として扱い、見せしめにする。ストレスの発散先を求めているどころか、
「資産の守り神」 「私はプライベートバンカーです。フリーランスとして、依頼人の資産を守ることに人生を捧げています。いわば、資産の守護神。お金の執事です」。黒縁メガネの庵野甲一(58)は、切羽詰まった依頼人を鋭く見つめながらアドバイスする。 庵野はテレビ朝日で放送されているドラマ『プライベートバンカー』の登場人物で、俳優の唐沢寿明が演じている架空の主人公だ。ドラマはネットフリックスでも配信されている。 物語の舞台は、億万長者、巧妙なポンジ・スキーム、後継者争い、不倫スキャンダルが渦巻く世界。その中心にいるのが、唐沢寿明演じる庵野だ。彼は、欠かせないフィクサーとして活躍する。 ドラマは冒頭シーンから、「富」について大いに表現されている。ドラマ内で100億円と評価されるプライベートジェットに乗るのは、実在する大富豪の前澤友作だ。彼が出演することで、物語の豪華な世界観が一気に提示される。 プロデュ
フランスに“輸出”される日本の漫画は、少年漫画や少女漫画だけではない。古典文学や伝記、哲学書などを漫画化した「学習漫画」が、続々とフランス語訳され、フランスの書店に並び、そして教育現場で用いられているという。 「漫画」の棚に並ぶ、ヴィクトル・ユゴーやフランツ・カフカの作品……。見間違いではない。書店によく行く人は、日本の漫画としては見慣れないタイトルがあることに気がつくだろう。 マキャヴェッリの『君主論』、カントの『純粋理性批判』、ガンジーやサン=テグジュペリ、クレオパトラなどの伝記。漫画出版社が子供向けに歴史や科学の入門書を刊行しはじめて10年近くが経つ。漫画は若い読者から特別好まれているジャンルだ。今日、彼らを取り込むために漫画ほど適した形式は他にないだろう。 この分野において、特に3社のシリーズが際立っている。まず、ソレイユ社は、プルーストの『失われた時を求めて』やマルクスの『資本論
孤独を埋めるためにお金を払う 香港メディア「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」によれば、中国では2020年、20歳から49歳までの未婚者数が1億3400万人に達した。中国民政部の統計によると、同国で受理された婚姻届の数は、過去10年間でほぼ半減している。 オーストラリアのニューサウスウェールズ大学で中国について研究しているワン・パン准教授は、こうした社会背景から、中国では「孤独な人がますます増えており、彼らは愛や親密さを強く求めている」と言う。その結果、ネットを通して繋がった「見知らぬ人にお金を払って」でも、通話をする文化さえ生まれている。 お金を使ってでも誰かと関わりを持ちたい──この願望を叶えるのは生身の人間だけではない。人々の孤独を癒すことで巨額の利益を上げている分野の一つが、日本発祥の「乙女ゲーム」だ。
※本記事は『大人のいじめ』(坂倉昇平)の抜粋です。 若者を「死なせても良い」労務管理が広がった 外食や小売のチェーン、ITなどの広義のサービス業界において、企業が利益を拡大するには限界がある。限定された職務のため、技術革新や労働者の能力開発で、製造業のように生産性が上がるわけではない。ここでは、労働者を「できるだけ安く・長く」働かせることが、利益につながる。そのために編み出された方法が、以下のような労務管理だ。 まず、正社員として大量に採用された若者は、入社まもないうちから長時間労働や大量の業務を命じられる。ここで、労働者は早期に選別される。「使える」労働者、つまり長時間労働、未払い残業、ハラスメントを伴う業務に精神的・身体的に耐えられ、会社に対して不満を言わずに従順に働く者だけが残され、耐えられない労働者は退職していく。 選別を「生き延びた」労働者は、消耗品のように、その心身の限界まで働
※本記事は『大人のいじめ』(坂倉昇平)の抜粋です。 「生産性」の低い労働者は「いじめても良い」? 「できるだけ安く・長く」働かせる労務管理は、労働者を体力や精神力の限界まで使い潰す、長時間労働の職場だけに広がったわけではない。「コスト」となる労働者の数を最小限に抑える一方で、一人当たりの業務量を最大限まで増やし、休憩や休暇をろくに取らせずに働かせる。この働かせ方は、いまや業界や雇用形態を超えて拡大し、日本社会全体に浸透している。 そして、これは若手正社員だけでなく、業界によっては中高年社員にも広がっている。さらには契約社員や派遣社員、主婦パートや学生アルバイトなどの非正規雇用までも対象となった。サービス業を中心に、基幹的な業務が単純化・画一化・マニュアル化され、非正規雇用にも任されるようになった。低賃金にもかかわらず、責任や業務量は膨大になっていった。 こうした余裕の失われた職場で、職場い
かつての富裕層は、芸術支援や公共財への投資を通じて社会的な貢献を果たしていた。 しかし、現代の超富裕層は、社会貢献を可能な限り避け、富を自己の享楽のためだけに使うようになった。 その象徴的な例が、サウジ皇太子によるレオナルド・ダ・ヴィンチの名画「サルバトール・ムンディ」の史上最高額での落札で、この名画の物語は富裕層の社会との関わり方の変化をよく反映していると米誌「アトランティック」は報じている。 その昔、超富裕層は美術や建築を支援し、公共の利益のために財を投じることで自分たちの富や社会的地位を正当化していた。 それは、宗教的献身や市民的義務の表明でもあった。
食事で手を汚したがらない人 アンドレア・オスキス博士は、デートを重ねる前に、元カレの「不吉な」食習慣を知っておくべきだった、という面白い分析をした。オスキスは心理療法士でありながらプロの料理人でもある。取材で彼女が教えてくれた警告は、やはり食に関連したものだった。 「四等分ですよ!」と彼女は大笑いする。「彼はハンバーガーを四等分に切ったんです。両手でそのまま掴んで食べることを嫌がった。それで彼の人となりが充分わかります。両手で持つと手を汚す、それを彼はよしとしなかったということです」 この男が対人恐怖症を患っていて、親密性の構築に難を抱えていたと判明したことは驚くに値しない。さらに、この男の神経質っぷりは、オスキスにも影響を及ぼした。彼女はチーズ嫌いにもかかわらず、5種のチーズ乗せリゾットを注文したのである。 「実に恐ろしいことですが、私は彼みたいになりたかったんです。彼のようにふるまえば
「ウィキペディアは嘘つきだ!」 イーロン・マスクはかねてより、世界中の人々が利用しているウェブの百科事典「ウィキペディア」を敵視してきた。 インド紙「タイム・オブ・インディア」によれば、彼は2023年10月、「ウィキペディアの名称を『ディキペディア(Dickipedia)』(男性器を指す俗語のDickにかけている)に変更したら10億ドル提供する」と語っている。 2024年12月末にも、彼はXで「ウォキペディア(Wokepedia)」(「社会問題に対して関心があること」を指すスラングの「Woke」とかけている。「意識高い系」のように使われることもある)に寄付をしないようフォロワーに呼びかけた。仏紙「ル・モンド」によると、それはウィキペディアの「左傾化に抗議するため」だ。 ちなみに、ウォキペディアという名称は「米国の極右アカウントが使いはじめたもの」だ。彼らによれば、ウィキペディアは、マスクや
フランス政府が移民に新しく課す語学テストが、ネイティブスピーカーでも難しいレベルだとして批判されている。 フランスは昨年、国境管理や移民制度の厳格化に関する法案を可決し、年内に施行される予定だ。その法律では、フランスに短期滞在する外国人や、フランスの市民権取得を目指す移民に求める語学力の要件も厳しくされた。
ドナルド・トランプ米大統領がウクライナへの軍事支援継続の見返りとして、同国のレアアース(希土類)を要求していると先日報じられたが、その詳細が明らかになってきた。 米紙「ワシントン・ポスト」や「ニューヨーク・タイムズ」によると、米国はレアアースにとどまらず、より幅広い鉱物資源の50%の所有権を求めてきたという。
若者は教会を離れ、デジタル上の信仰コミュニティへ? 「若者の宗教離れ」が叫ばれて久しいが、TikTok上の宗教系のコンテンツは、膨大なリーチ数を獲得している。 2025年現在のTikTokの世界中のユーザー数は約20億人と見積もられており、そんななかで、#Jesus(ジーザス)や #Islam(イスラム) など、上位5つの宗教関連ハッシュタグの総再生回数は1.2兆回を超えている。 ただ信者(フォロワー)を集めているのは、牧師などの聖職者ではなく、「フェイストッカー(FaithToker)」こと信仰について語るインフルエンサーだと英紙「エコノミスト」は述べている。
根本的な溝 欧州と米国を一括りにして「西側陣営」と考える──冷戦以来のこの構図は、冷戦終結後もウラジーミル・プーチンや習近平といった権威主義的なリーダーが台頭したこともあり、存続していると思われてきた。経済や軍事の面での協力もそうだが、「民主主義」「自由」といった「共通の価値観」のもとに、大西洋を横断する連帯が存在するはずだとされてきた。 しかし、もはや共通の価値観は存在しないことが、2月14日に明確になった。ミュンヘン安全保障会議で演説した米国のバンス副大統領は、欧州の安全保障政策やウクライナ支援策について語ることが期待されたにもかかわらず、「欧州の脅威は欧州の内部にある」として欧州批判を展開。特に、欧州ではヘイトスピーチ規制などによって「言論の自由」が制限されていることや、極右政党の政権入りが他党に拒まれていることを問題視した。 EUの幹部や、EUで主導的な立場にあるドイツの中道政党の
世界中で高級ブランドが売れなくなり各社の業績が悪化するなか、「ブランド価値」という点で競合と一線を画す会社がある。イタリア高級車のフェラーリだ。半導体業界出身のCEOに、唯一無二のブランドを作るための5つの秘訣を米メディアが聞いた。 世界中で高級ブランドが売れなくなっている時代に、エルメスは二桁成長を続けている。ルイ・ヴィトンを擁するLVMHの時価総額を抜き、エルメスが世界最大の高級ブランド企業となる日も近いと予測する専門家も多い。 しかし、このエルメスをブランド価値で凌駕する企業がある。イタリア高級車のフェラーリだ。2024年にフェラーリは株価収益率(PER)で一時初めてエルメスを上回った。PERは株価が1株利益の何倍の価値になっているかを表す指標で、ブランド価値を表すとも言える。 米メディア「ブルームバーグ」によると、直近のフェラーリの時価総額は850億ドル(約12兆7500億円)以上
スキャンダルがもたらした変化 日本を騒然とさせているセックス・スキャンダルは、いろいろな意味で、馴染みのあるものだった。お決まりの要素がすべて出揃っていたといえばいいだろうか。重役が辞任し、隠蔽工作が告発され、記者会見では、カメラの前で年配の男性役員の一行が深々とお辞儀した。 ただ、今回の事件には、日本がいま成長痛に見舞われているのだと示す側面もあった。それは単に、フジ・メディア・ホールディングス(以下、フジ・メディアHD)の役員の面々が、敵意むき出しの記者の一団から10時間以上も質問攻めにされた2024年1月27日の記者会見が過酷だったことを言っているのではない。 日本がいま経験している成長痛とは、芸能人に対する姿勢、セクシュアル・ハラスメントへの向き合い方、そして危機管理広報の重要性の認識なども含んでいるのだ。そして何よりも外部の投資家が日本企業の取締役会に緊張感を持たせるようになって
1 ボウルに卵を割り入れ、たっぷりと塩胡椒をふる。白身が見えなくなるまでしっかり溶く。パンを焼く間、ボウルをコンロのすぐそばに置いておく。 2 小さめのフッ素樹脂加工のフライパンに薄く切ったバター1枚(大さじ1/2程度)を入れ、弱めの中火で溶かす。パンを入れ、滑らせるようにしてバターをよく吸わせる。底がこんがりきつね色になるまで、いじらずに2〜3分焼く。バターをもう1枚足し、パンをひっくり返して溶けたバターを全部吸わせる。火力を最弱火にし、軽く色づくまで1〜2分焼く。皿に取り出す。 3 残りのバターと卵をフライパンに入れ、木べらで常にかき混ぜながら、バターが溶けて卵が半熟になるまで15〜45秒火を入れる。火を止めてチーズを加え、生の部分がなくなりクリーミーになるまで、30〜45秒かき混ぜ続ける。トーストにのせて召し上がれ。 © 2024 The New York Times Company
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