一つのテレビ局から企業のCMが一斉に消えるという前例のない事態が起きている。タレントの中居正広氏(23日に引退表明)の女性トラブルで、社員の関与が報じられたフジテレビでの混乱だ。スポンサー企業は何を恐れて逃げ出したのか。3000以上の危機管理案件を手掛けた危機管理コンサルタント、白井邦芳さんに聞くと、フジの「常識外れ」が見えてくる。 「性加害は今や、普通の不祥事とはレベルが違う問題なのです。放置すればブランドには致命傷となり、会社がつぶれることもあり得ます」。白井さんはそう強調する。旧ジャニーズの創業者、ジャニー喜多川氏による性加害問題で、かつて隆盛を誇った「ジャニーズ・ブランド」が消滅したのは2023年秋のことだ。 中居氏と女性とのトラブルにフジの社員が関わったと一部週刊誌が24年末、報道した。フジの港浩一前社長(27日辞任)は今月17日、ようやく記者会見を開いたが、出席できるメディアを