狙撃手(スナイパー:Sniper)とは、
狙撃手とは、銃器を用いて遠距離から対象を攻撃することに専門化された要員、及び職種を言う。その明確な定義については若干見解が分かれる部分がある。
凄腕のスナイパーと遭遇していまえば
どこから撃たれたかも分からないまま、一人また一人と仲間が撃ち抜かれ、身動きが取れなくなる。
軍隊や警察はもちろん、非合法手段(テロ・殺し屋など)でも脅威としてスナイパーとなりうる。
軍隊においても歩兵用の小銃とは異なる、専用の狙撃銃を使用する場合も多い。
比喩的にスポーツや趣味における射撃や、投擲・射出などで狙った場所に
ピッタリ当てた人・当てる人への称賛の言葉として使われる場合もあるが、ここでは割愛する。
英語では「スナイパー(sniper)」と表記される。snipeの原義はタシギと呼ばれる鳥の一種で、狩猟の対象とするのに高い技量が求められたことから、転じて「狙撃」の意味を持つようになった。
スコープのついたライフルで、遠くにいる相手を
照準の十字の中央に捉えて引き金を引くクールな仕事…
…で合ってそうだが、そんな単純ではない。
十字の真ん中に必ず当たってくれるのはゲームの中だけである。
敵に気付かれずに現場へ移動し、射撃可能な場所を探し、待ち伏せて撃つだけでもなく…
距離 | 風速 | 風向き | 温度 | 湿度 |
気圧 | 高低差 | 銃身温度 | 移動速度 | 地球の自転 |
その他もろもろを正しく測定し、考慮に入れて計算、スコープの十字を上下左右にを調整する必要がある。
1000m前あたりからは地球の自転(コリオリの力)も計算に入れて…狙撃手は大変である。
もちろん測定や計算・調整を間違えれたり、途中で変わった場合も十字の中央には命中しない。
暑さ・寒さ・害虫・悪天候・視界不良といった外部要因はもちろん
呼吸や脈拍・筋肉の収縮など自分自身までもがあなたを邪魔してくるし
興奮・動揺してしまえば照準は揺れまくり、もはや狙撃どころではなくなる。
相手に気付かれれば逃げられ、隠れられ、人質を殺傷され、増援を呼ばれ、囲まれてフルボッコである。
迫撃砲や榴弾砲、航空支援であなたのいる場所ごと焼け野原、更地にされる場合もある。
目標を見事に仕留めた場合でも、逃げ遅れれば同じ目に遭う点を忘れてはいけない。
もちろん狙撃に見事失敗すれば、命からがら無事に逃げ帰ってきても称賛の言葉はない。
捕虜にされようものなら地獄の方がマシといった待遇が待っている。(後述)
フィクションでは颯爽と仕事をこなしているが、実際は地味で忍耐力の必要な大変な仕事である。
もちろん素質がなければ、そもそもスナイパーを任せてもらえない。
基本的には単独、または観測手(スポッター)とペアで行動する。最近の戦例ではさらに小銃、機関銃射手まで含めた3名で動くケースも見られる。
長射程・高精度の狙撃銃と専用弾薬を支給されるほか、ギリースーツと呼ばれる擬装用の装備も使用される。
軍事作戦における狙撃は、敵の要人(指揮官、無線手・操作員などの特殊技能者)や高価値目標(車両、航空機、弾薬、電子装備など)を破壊・無力化する目的で行われる。
また、狙撃兵には戦闘地域に潜伏しての偵察・斥候任務なども与えられる。
このほか遅滞作戦時などわずかな人数でプレッシャーを与えることで大軍の行動を足止めしたりすることも可能としている。擬装能力にすぐれ、単独または少人数で位置も特定できず、一方的に指揮官、通信手などを狙撃していくためで、アメリカ海兵隊のカルロス・ハスコックはベトナム戦争時、観測手とわずか二人のペアで5日間、1個歩兵中隊(200名)を足止めしつづけたという偉業が残っている。
このように狙撃兵には高い射撃技術のほか、長時間の任務に耐えるスタミナや偽装・移動・サバイバルなど多岐にわたる技能が要求される。このため、第二次世界大戦前後においては似たような技能を必要とされた狩猟を得意としていたものから多くの名狙撃手も誕生している。
また、通常の歩兵部隊でも、優秀な射手が選抜射手(マークスマン)や分隊狙撃手と呼ばれる狙撃任務をはたす場合がある。彼らは狙撃手とは異なり、ギリースーツなどの特殊な装備は持たず、比較的近距離(800m前後)の狙撃任務を負う。火器も一緒に分隊を組む小銃手のもつ火器と弾薬の融通が利きやすい小銃ベースのオートマチック・長射程ライフルを与えられている。
それとは別にロシア軍・ソビエト軍における「ストレローク」はしばしば日本語で「狙撃兵」と訳されることがあるが、これは慣例的に用いられる定訳であって(原義では「銃兵」の方が近い)、基本的には一般の歩兵と変わるところはない。「狙撃師団」「自動車化狙撃師団」というのは「歩兵師団」「機械化歩兵師団」を指すと考えてよい。
犯罪及びテロ事件、特に武装した犯人が人質をとっているような状況では、対抗する警察機関の側に狙撃手が必要とされる場合がある。
こうした事案における狙撃は、人質の安全を確保することを目的としている。可能であれば、犯人の武器や体の一部などを狙撃することも行われるが、犯人を射殺せざるを得ないと判断される状況では一撃で確実に犯人を無力化することが求められる。いずれにせよ、狙撃の実行を命令した治安当局は、その妥当性について問われることとなる。
また、こういった事件は主に市街地で発生し、失敗の許されない精密な射撃が求められるため、できる限り犯人に近い場所に狙撃ポイントを構える。そのため警察機関による狙撃は軍隊よりも短い射距離になることが多い。また現場の周囲を味方(警察)で囲んでいるため、補給や行動は軍隊よりも融通が利きやすい。
他にも、警察は原則として「犯人を無力化・逮捕する」というスタンスであるため、警察の狙撃手はとにかく犯人に弾をぶち込めば良いと言う話ではない。実際、路上に居座った自殺志願者の持つリボルバーの弾倉を撃ち抜く、なんて狙撃が行われた例がある。
こうした事情から、警察における狙撃手は装備・運用・編成など多くの部分で軍隊と異なっている。
犯罪者・テロリストの側が、狙撃を手段として選ぶことがある。
特定の対象を選んで行われることも多いが、手当たり次第に目標を撃ち殺す無差別狙撃事件の事例なども存在する。
また、厳密に犯罪と呼べるかは疑問だが、政府機関などによる非公然の不正規活動においても狙撃による暗殺は効果的である。
最初に述べたとおり、「狙撃」の定義にあいまいな部分があるため、「狙撃」と「銃撃」の区別をどうつけるかは悩ましいところである。
狙撃が行われた事件として、サラエボ事件(1914年 ただし狙撃は失敗)、ケネディ大統領暗殺事件(1963年)、テキサスタワー乱射事件(1966年)、ラスベガス・ストリップ銃乱射事件(2017年)、などがある。
狙撃には、その行為自体に始めから名詞が付いちまってる。だからスナイパーだけは捕虜になれない。
狙撃手は捕虜に取られない......何故だかわかるだろうか?
それは『狙撃』という行為故である。
狙撃兵は狙撃によって、敵の頭脳を文字通り一方的に粉砕する事が可能である。
だが、裏を返せば仲間を撃ったのが誰か、一発で分かる行為でもある。
皆さんは疑問に思った事は無いだろうか?
今まで戦っていた目の前の敵が降伏し、何故捕虜として扱えるのかと。
もちろんジュネーヴ条約があるから、と言う側面もある。
しかしながら、仲間を撃たれ殺されてもなお、どうして捕虜を取れるのか。
理性も条約も倫理も吹き飛んだ第二次世界大戦の東部戦線でさえ、少なからずドイツ軍ソ連軍ともに捕虜を取っているのは何故なのか。
普通の戦闘ではアサルトライフルなどの銃器で弾をばらまく為、微妙に誰がどの弾を撃ったかが分からなくなる。
その為戦闘後に捕虜を取る時、『仲間を撃った奴はこいつじゃなくて死んだ敵かもしれない』と心の隅で強引に納得する事が出来る。この納得によって、条約に則って一応一定の身分を保証する「心の余裕」が生まれるため、一般兵は捕虜になる事が出来る。
だが狙撃手はどうか。
誰が撃って仲間を殺したかが、完璧に分かるのである。
そうなると、仲間を殺された事による怒りや悲しみが、向い易い対象を得た事によって憎しみへと変化し、狙撃兵に向けられる。そうなれば倫理や理性が吹き飛び、感情に赴くまま、最大限の苦痛を伴うリンチが往々にして行われてきた。
即刻射殺などまだ幸せな方で、とてもここには書けない身の毛のよだつ方法によって遊ばれるのである。
もちろんその先に捕虜などと言う天国は無い。行く先は死のみである。
狙撃兵が使用するライフルは専用の狙撃銃が開発されるか、あるいは通常の小銃の中でも出来のよいものをピックアップして改造したりするケースがある。なおかつ高倍率の光学照準器を装備している。
概ね交戦距離は選抜射手、分隊狙撃手で800m、狙撃手で1.5km前後と言われる。
使用する弾薬も長射程を目的として、重量のある弾頭が選ばれる傾向にある。現在では.338ラプア弾(8.58mm)が長射程・高速度などにより注目されているが、カルロス・ハスコックはベトナム戦争時、M2重機関銃(50口径)が使用する12.7mm弾の直進性に目をつけ、わざわざセミオートマチックに改造、照準器を取り付け、狙撃銃として扱ったという逸話がある。
この戦訓をうけてか、フォークランド紛争ではアルゼンチン軍狙撃兵がM2重機関銃に照準器をつけ単発射撃による狙撃をイギリス軍に対して行った。対するイギリス軍が運用する小銃の射程では攻撃を行う狙撃兵まで届かず、結果的に(あまりに高価かつ数が少ない)対戦車ミサイルで一発一発、敵狙撃兵が潜む場所へ打ち込む羽目になった。
現在、このような戦訓をもとに12.7mm弾頭を使う対物(アンチマテリアル)ライフルを使って狙撃を行うケースも増えてきており、実際にアフガニスタンにおいてオーストラリア軍特殊部隊兵士が、バレットM82A1を用いて2,851m先のタリバン指揮官に対して狙撃に成功したという実例がある。
一部は 銃器用語 を参照。
「今時、一発ずつカチャカチャやるなんて時代遅れ」に見えるかもしれないが
構造が単純で命中精度・信頼性・整備性がマジキチレベルで高いため、狙撃用として現役。
構造が単純で部品数も少ないため、自動式と比較して安価でかつ命中精度を出しやすい。
考えようによっては費用対効果の高すぎる方式である。
スコープを覗いた際に見える十字は
「クロスヘア」や「レティクル」(レチクル)とよばれる。
暗所・夜間においてはバッテリーによって発光させられるものもある。
ソ連のSVDのスコープように、対象の伸長を上下の線に挟むことで距離を測定するものもある。
(→Svd reticle - Google 検索)
スコープを覗いた際に見える
定規のように等間隔に刻まれている目盛りの多くは「ミルスケール」とも呼ばれる。
ミル角(1000mで1mが1ミル)を基準とし、目標までの距離や目標のサイズを計算するもの。
相手の身長や周囲の車両・物体のサイズから距離を割り出すことが可能。
狙撃用は1ミル間隔だが、双眼鏡などは5ミル間隔でついているものも多い。
よく見ると狙撃手の隣の観測手が、双眼鏡を持っている場合もあるが
双眼鏡っぽいでかいヘンテコな形をした望遠鏡(単眼鏡)を持ってる場合が多い。
フィールドスコープ / スポッティングスコープとよばれるもの。
携帯性は犠牲になっているが、双眼鏡以上の倍率に調整可能なものも多く、遠くの詳細までよく見える。
高い倍率で使用す場合、手振れを抑えるため三脚などで使用する事も多い。
対物ライフルなど、相手までの距離によっては20倍(例)など非常に高い倍率で使用する事もある。
ただし手振れまで倍増し、周囲の状況も見えないためとにかく高すぎれば良いという訳ではない。
固定倍率のものと、可変倍率のものがある。
長距離射撃に目が行きがちだが、軍用では不意の接敵や近距離の交戦に備え
スコープに小型のドットサイトや拳銃のような凹凸式の予備照準が付属している場合もある。
大まかにはスコープと同様だが
スポッターが周囲も広く見なくてはならないため6~7倍程度の倍率も珍しくない。
狙撃手専用という訳ではない。また誤解されがちだが、高い倍率=高性能ではない。(→双眼鏡)
高倍率のスポッティングスコープとは場合・距離によって使い分けられるが
こちらの方が携帯性があり、ぱっと取り出して使用しやすい。(三脚が取り付け可能な双眼鏡もある)
太字は個別記事がある人物。
掲示板
200 ななしのよっしん
2022/08/21(日) 08:11:48 ID: BqX+LoZrZ2
イラクで2004年に4人、2005年に6人の海兵隊スカウトスナイパーチームが全滅した事はあったね
2004年の事例では潜伏拠点を襲撃されて反撃する間もなくやられたらしい
2005年の事例では徒歩移動してたら囲まれてやられたとか
2006年に海兵隊スカウトスナイパーが武装勢力を射殺して武器を回収したら2004年にやられたチームが使っていたM40A1狙撃銃だった
これ以降少人数での活動は避けろだの防弾チョッキとヘルメット着用しろだのと上層部からの指示があって現場が困ることに
201 ななしのよっしん
2022/08/31(水) 20:08:13 ID: aKt2iuImVn
>>200
スナイパーつっても、偽装が見破られたら、少人数で徒歩移動する軽装の歩兵だから
根本的にスナイパーは使いにくい
202 ななしのよっしん
2023/08/09(水) 16:45:38 ID: GtTzwXJX45
狙撃手は捕虜に取られないってデマだよなぁ
捕虜がスナイパーの時だけ、どんな戦争でもどんな軍隊でも必ずジュネーブ条約が破られる?んなわけあるかい
そんなもんケースバイケースだとしか言いようがない
「普通の兵士と比べて恨みを買いやすい」くらいの書き方にしときゃ良いのに、よくもまあこんな堂々と嘘書けるな
急上昇ワード改
最終更新:2025/02/01(土) 14:00
最終更新:2025/02/01(土) 14:00
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