リップヴァーン・ウィンクルとは (リップヴァーンウィンクルとは) [単語記事]

リップヴァーン・ウィンクルとは、日本の漫画「HELLSING」に登場する架空の人物の名である。

概要

吸血鬼"アーカード"・英国国教騎士団機関長"ヘルシング"・新米吸血鬼"セラス・ヴィクトリア"ら主人公サイドに対する敵役、ナチスの残党「最後の大隊(ラスト･バタリオン)」「ミレニアム大隊」内で中尉の位を持つ。
第二次大戦以前から生きており、外伝ではSS隊服に三つ編み、いささか野暮ったい雰囲気を纏っていた。

性別は女性。ギザ歯と眼鏡、そばかすが特徴。
二つ名は「魔弾の射手」であり、「有象無象の区別なく、私の弾頭は許しはしない」という台詞通り、一度狙った獲物は必中させる。
その能力を少佐は称賛するものの、オペラ「魔弾の射手」になぞらえて「いずれ魔王（ザミエル）が君の前に現れるだろう」と告げており、後にこれは現実となる。

よく間違えられるが、彼女は「吸血鬼」ではなく「人狼（ヴェアヴォルフ）」という設定であり、人造の吸血鬼、或いは「魔」と呼ばれる存在と人間の混成体か、どちらにしても純粋な吸血鬼・人狼ではない。吸血鬼のように血を吸うようだが、「アーカード」「セラス･ヴィクトリア」のように血を「魂の通貨」として他者の「魂」を奪うことは出来ないようであり、銀・祝福儀礼済みの兵器には弱いが、水に浮くか浮かないかも不明。純粋な吸血鬼とどれだけの共通点があるのかは分からない。なお、彼女が率いる軍団も人造の吸血鬼で構成されている。

武器はマスケット銃一丁。弾丸を自在に操り、英国の戦闘機三機・ミサイル三発を一発の砲撃で撃墜したり、人間よりも遙かに運動能力の高い吸血鬼三体をやはり一発の弾丸で手もなく葬ったり、急降下してくる英国の偵察機に対して複数回被弾させるなど、戦闘能力は抜群である。
彼女がいる限りあらゆる航空兵器・飛翔兵器は無効である。また、対人戦闘はほとんど行われていないが、首筋に彼女の弾丸を受けた兵士の首がもげる描写があり、対人戦闘においても相当の威力を持つものと思われる。
マスケットはマズルローダー（前装式）だが、装弾しているシーンは特に描かれていない。紙製薬莢を噛んで破くコマはあるもののリロードは雰囲気なのか、装弾動作抜きで発砲するシーンがある。

ロンドン決戦に先駆けてアーカードをおびき出す為、イギリス海軍のインヴィンシブル級航空母艦「イーグル」の乗組員を懐柔し、あらかじめ貨物に紛れて搭載されていた配下の吸血鬼ともども制圧。
人当たりの良い笑顔を浮かべつつ、国を裏切った乗組員に新たな指令として「当海域における2m四方立法体分の海中面積を恒久的に領土として与え、当海域付近の漁礁における魚類への滋養分の散布行動」という任務を告げた上で「用が済んだらちゃっちゃとおっ死ね　英国野郎（ライミー）」と宣言、始末。
犠牲者の血を用いて甲板上に巨大なハーケンクロイツを描き、旗艦「アドラー」（ドイツ語で鷲を意味する）と命名してヘルシング機関を相手に挑発を行った。

航空母艦の火力に加えて万能の「魔弾」により攻略は不可能と思われたが、SR-71に搭乗したアーカードの超高高度からの特攻および拘束制御術式解放には全く歯が立たず、旗艦の炎上と配下の鏖殺を許してしまう。
恐怖に涙を流しながらも奮い立ち、魔弾で甲板ギリギリまで追い詰めるも弾丸を噛み取られ砕かれて敗北。自身のマスケット銃でじっくりと胸を貫かれた挙句、血を吸われ消滅する。この時少佐は「完璧に任務を果たした」として発火装置による焼却を許さず、敬礼によって見送った。
彼女の未帰還をもって「アーカードのおびき出しと一時的な拘束」を目的とした作戦は成功。ヘルシング機関の最大戦力不在のロンドンへ至った「最後の大隊」による大虐殺が始まる。しかし洋上に漂う「イーグル」は霧を纏い、あり得ない速度でロンドンへの帰還を果たす……

ロンドン決戦にてアーカードが拘束制御術式・零号解放「死の河」を発動した際、同じく血を吸われていたトバルカイン・アルハンブラと共にアーカードの一部として一時的に復活。魔弾によって十字軍のヘリなどを攻撃した。多分眼鏡っ娘だから復活できたのか。

外伝ではアーカード（ロリ版）の前に姿を見せるが、敵襲だというのに眼鏡を忘れて右往左往していたドジッ子ぶりを発揮。敵だと名乗るアーカードに「また少佐殿が連れてきた妙ちくりんな人かと」と言いつつ攻撃態勢を取った瞬間、棺桶くん（仮名）にぶん殴られ蹴飛ばされ、あっさり無力化された。
基本的にギャグとしての出番に留まり、鼻血を出して昏倒しているのをよそにアーカードは「狙撃手の心得」なんてものを滔々と語り、奇しくも彼女の最期を予感させる内容になっている。