人類滅亡後のPinocchiaとは、饗庭淵が制作したフリーゲームである。コンセプトは「仲間を切り捨て前に進むRPG」。
概要
RPGツクールMVで作成されている。敵を含むキャラクターのグラフィックは全て描き起こし。ゲームクリエイターズキャンプにおける企画と制作を経て、2018年4月7日にRPGアツマール(サービス終了)で発表された。同5月8日にはFreem!にてDL版が公開されている。
クリアまでのプレイ時間は300分が目安とされている。シビアな判断が要求されるギリギリ感、様々なやり込みができる奥深いゲームシステム、想像をかき立てるバックストーリー、そして個性豊かな女性型アンドロイドたちの数々が人気を集めた。
ストーリー
明確な原因が分からないまま引き起こされた「核狂乱」により、地上では人類が死に絶えていた。
シェルターらしき施設の中で、主人公はコールドスリープから目覚める。元々は非常に重要な役職に就いていたことが示唆されるが、彼の他に人間は見当たらない。
暴走した機械や爆弾を抱えた鶏が襲いかかってくる狂った施設の中を突き進むために、主人公はジャンクをかき集めて資源を調達し、戦闘用アンドロイドを製造する。
スリープ前に受けていた手術の影響で、彼に残された時間はわずか30日。
システム
施設の中は複数の階層に分かれていて、それぞれにジャンクから資源を取り出す「分解炉」と資源からアンドロイドやアイテムを作り出す「自動工場」、そして主人公が眠ることのできるベッドなどが備わっている。
階層間は基本的に一本道の通路となっていて、この中を一歩ずつ探索しながら落ちているジャンクを拾い集めたり次の階層を目指したりすることになる。道中ではランダムで敵が出現(一部は固定エンカウント)し、これを倒すことで経験値やジャンクを稼いでいく。
戦闘時は主人公+最大7体の味方アンドロイドでパーティーを編成し、指揮官である主人公以外は自動AIで行動する。経験値を貯めてレベルを上げると主人公はHPが、アンドロイドたちは攻撃力が少しずつ上昇する。
通路の探索は原則として1日に1度しか実行できない。また主人公は一日の行動を終えて睡眠を取る以外にHPを回復する手段がなく、少しでも欲を出せばあっという間に死んでゲームオーバーとなってしまうだろう。アンドロイドたちは移動中も「応急処理キット」で修復できるが、回復量は現在のHPの25%なのでアイテムを節約しようとすると手遅れになってしまう。全てのキャラクターは破損度が大きくなるにつれ攻撃命中率が下がってしまい、アンドロイドはHPが0になると機能停止しジャンクとなってしまう。
資源は鉄、銅、プラスチック、カーボン、シリコン、リチウムにコアを加えた7種類。入手できる量に限りがある以上、やりくりが大事で、ときには行動を共にしたアンドロイドを資源に分解する非情な選択も必要となるだろう……
アンドロイドたち
基本タイプ6種類と上級タイプ2種類に分かれる。各アンドロイドには固有のスキルがあり、レベルが10になるとAIの向上によりスキルがパワーアップする。普通にプレイする限りにおいていらない子は一人もいないという奇跡的なバランスである。同一機体を複数製造することもできるので、様々な戦術が選べる。
汎用型 スキル:なし→(学習内容引き継ぎ)
施設のメンテナンスなどに使われていたという機体。一応戦闘もできるが、特化型には及ばない。使い捨てを念頭に置いてデザインされたかのような性能で、分解時の資源回収量が他の機体よりも多い。特別なスキルを持たないが、レベル10を超えるとこれまでの戦闘で学習した内容を「即時育成キット」として残すことができる。分解時に。これを使えば、彼女の遺志(?)を引き継ぐ機体はレベル9まで引き上げられて即戦力となる。また、即時育成キットも分解するとさらにコアが1つ手に入るため、1つのコアで作った機体からコアが2つ手に入るという錬金術が可能となる。手間は掛かるものの、何体も製造してレベル10まで育て上げて分解すればその分有利にゲームを進められるだろう。
事実上、このゲームのメインヒロインでもあり、ゲーム開始直後のイベントで必ず一体作ることになる。主に忠実で健気なところがあり、彼女を分解できずに一緒にラスボスへ突撃した指揮官も多いとか。
小さい。
攻撃型 スキル:赤熱刃→赤熱刃+
防御を捨てて攻撃に特化した機体。片腕はサーベルとなっており、指揮官の危機の際や強敵を前にしたときはこれを赤熱させ攻撃力を倍にすることができる。ただしその代償として自身のHPも5%削られてしまう。レベル10になると攻撃力2.5倍、消耗HP10%の赤熱刃+を使うようになる(通常の赤熱刃を使うこともある)。
名前の通りメイン火力担当であり、よほど特殊なプレイをしなければ一体は投入することになるだろう。そして彼女のために大量の応急処理キットが飛んでいく。だがその分アタッカーとしての仕事はきっちり果たしてくれる。どれだけ破損しても赤熱刃は必中であり、後半になれば3桁ダメージを叩き出してくれるのだ。
大きい。
砲撃型 スキル:曲射砲撃→曲射砲撃+
後方支援型アンドロイド。常に敵全体を攻撃できる上に、後列に下げても威力が減衰しない特性を持つ。複数運用したり手榴弾と組み合わせたりすることで複数編成の敵を一掃し、ボス戦でも取り巻きの処理を彼女に任せることで攻撃型等が大物に集中出来るようにする露払い要員。敵の装甲が硬くなる中盤でやや火力が物足りなくなるが、レベル10になれば相手の防御力を無視するようになるため非常に心強い。
お姉さんっぽい外見ながらボクっ娘であることが判明し多くのプレイヤーを驚かす。
やや小さい。
索敵型 スキル:早期警戒→早期警戒+
人によって評価の分かれる機体。一定確率でランダムエンカウントを察知し、戦闘するか回避するかを選ぶことができる。ただし検出率は半分程度であり、戦闘になれば攻撃も防御も汎用型以下なのでとても弱い。そんな彼女だがレベル10になると覚醒する。敵を発見したときの選択肢が「戦闘」から「奇襲」に変わり、1ターン目は一方的に相手をボコれるのだ。
小さい。
防御型 スキル:守護→守護+
片腕がビームシールドとなっていて、その名前と外見に違わずパーティーの盾として活躍する。HPと防御力は全機体中トップ(万能型と1位タイ)を誇る。前衛に立たせれば味方を敵の単体攻撃からかばってダメージを肩代わりしてくれる。1体が集中攻撃を受けると応急処理キットの消費量が増えるゲームデザインのため低レベルでは痛し痒しだが、レベル10からは守護時の防御力が1.5倍になるのでますます安心。ただし全体攻撃はかばえないので過信は禁物。
「壊れるまで盾となる」と心強いことを言ってくれるが、本当に壊れたら大変なので応急処理キットを攻撃型と分け合うことになる。コアが余っているなら複数作成して交互に修理ポッドに放り込むという運用も。
中くらい。
運搬型 スキル:積載量増加→積載量増加+
パーティーが持ち運べるアイテムの上限は50kgだが、彼女がいると一体につき50kg荷物を増やせる。これで一歩ごとにネジを捨てるプレイとはおさらばだ。レベル10になるとこれが75kgまで上昇するが、その25kgが必要となる場面はあまりない……気がする。攻撃力も防御力もそこそこあるので、戦闘時に彼女自身がお荷物となる心配はない。一体は居ないと困るけど二体は要らないタイプ。
自動工場から出てきたときの一言目が「運ぶのはあなたの死体以外でありたいものです」。シャレになってない。
大きい。
速攻型 スキル:先手必勝→先手必勝+
特性:敵より先に攻撃。攻撃対象の命中率低下。
レベル10時:一定確率で鈍足付与。PT全体で敵に先んずる。
攻撃力高、防御力最弱。火力に期待して前衛に配置するなら防御型必須。デバフ要員として後衛に回すのもアリ。死神との戦いでは彼女の有無が損害の多寡を大きく左右する。
小。
万能型 スキル:二の太刀→二の太刀+
攻撃型と同等の攻撃力と、防御型と同等の防御力・HPを誇る文字通りの万能機体。その上で隙あらば1ターンで2回攻撃する優秀なアタッカー。レベル10になると必ず二の太刀が発動するようになる。無駄が生じないように攻撃対象を選んでくれるのでありがたい。難点を挙げるとすれば、製造コストが高い点(特にコアを2つ使うのが痛い)とスピードがさほどでもないので敵に先行できない点だろうか。また、純粋な火力では必中2.5倍撃の出来る攻撃型に劣る。
彼女が加わったときの達成感と戦力増強は大きいし、それでいて他の特化型がいらなくなるわけではない。絶妙なゲームバランスである。
プレイヤーからの愛称は「お母さん」「ママ」。なぜなのかは実際にプレイして確かめてほしい。
見た目としては汎用型がパワーアップしたような雰囲気だが、とても大きい。
関連動画
各種リンク
- RPGアツマール版 https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm6329
- DL版(Freem!) https://www.freem.ne.jp/win/game/17637
- 喘葉の森(製作者のブログ) http://aeb.iku4.com/ (※注:18禁ゲームの情報あり)
関連項目
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- 0pt