イングリッシュ・フットボールリーグ(English Football League / Sky Bet Football League)とは、イングランドのプロサッカーリーグである。略称はEFL。同じくプロリーグであるプレミアリーグの下位カテゴリでもあり、所属チーム総数は72チームである(※概要参照)。
概要
イングランドの男子サッカーのリーグピラミッド |
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1部
(所属チーム数:20)
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プレミアリーグ (バークレイズ・プレミアリーグ) |
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2部
(所属チーム数:24)
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フットボールリーグ・チャンピオンシップ (スカイベット・チャンピオンシップ) |
←イマココ | ||||||
3部
(所属チーム数:24)
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フットボールリーグ1 (スカイベット・リーグ1) |
←イマココ | ||||||
4部
(所属チーム数:24)
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フットボールリーグ2 (スカイベット・リーグ2) |
←イマココ | ||||||
ここから上がプロリーグ/ここから下がプロ・アマチュア混合リーグ | ||||||||
5部
(所属チーム数:24)
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フットボールカンファレンス・プレミア (スクリル・プレミア) |
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ここから上が全国リーグ/ここから下が各地のリーグ | ||||||||
6部
(所属チーム数:各22)
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フットボールカンファレンス・ノース (スクリル・ノース) |
フットボールカンファレンス・サウス (スクリル・サウス) |
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サザンプレミアフットボールリーグ・プレミアディビジョンからの昇格先は、 チームの本拠地の位置よって決まる。 |
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7部
(所属チーム数:各22)
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ノーザンプレミアフットボールリーグ・プレミアディビジョン(エヴォスティックリーグノーザン・プレミアディビジョン) | サザンプレミアフットボールリーグ・プレミアディビジョン(エヴォスティックリーグサザン・プレミアディビジョン) | イスミアンプレミアフットボールリーグ・プレミアディビジョン(ライマンリーグ・プレミアディビジョン) | |||||
長いので以下略。なお、以下は24部まで続くという。 |
リーグ開始年は1888年と、100年以上の歴史を持つサッカー界最古の(プロ)リーグである。
開始当初から1991-92シーズンまで、イングランドの最高峰リーグはフットボールリーグであった。1992-93シーズンからは新しいトップカテゴリとしてFAプレミアリーグが創設され、以降はプレミアリーグの下位カテゴリとなり、並行して4部を消滅させる形で1部から3部までに再編した。さらに2004年からディビジョンの表記をリーグ1→チャンピオンシップ(※以下同表記)、リーグ2→リーグ1(※以下同表記)、リーグ3→リーグ2(※以下同表記)と変更。2016年にThe Football LeagueからEnglish Football Leagueに改称し、現在に至る。
現在のリーグ冠スポンサーはブックメーカーのスカイベットである。
リーグ設立から開始まで
1885年、「The FA」ことイングランドサッカー協会(The Football Association)がプロチームの結成を認めて以降、有力チームを中心に、プロ化による安定的な収入確保が模索されていた。
そんな中、有力チームの1つ「アストン・ヴィラFC」のオーナーであったウィリアム・マクレガーは、他の有力チームにこのような提案をし、賛同を得ることになる。
こんな言い方で提案したのかは定かではないが(ぉぃ)、こうして1888年9月、フットボールリーグは12クラブの参加でスタートすることになった。試合方式はラウンドロビン方式である(これは今で言う「リーグ戦」のことである)。
さて、そんなフットボールリーグの最初のシーズンの参加チームを観てみよう。(※☆は後のプレミアリーグ優勝経験チーム)
記念すべき初回シーズン(1888-89シーズン)は計22戦行われ、プレストン・ノースエンドFCが18勝4分で優勝を果たした。(同チームは翌シーズンも計22戦15勝3分4敗の成績で連覇していった。)
トップカテゴリがプレミアリーグに移行するまで
フットボールリーグは毎年開催する度に参加チーム数が増えていった。
1892年は早くもディビジョン制が敷かれ2部制に。1920年には3部リーグが新規に設けられたが、早くも翌年に北南に分けた地域リーグに改編されることになる。1958年には3部リーグを統一して全国リーグに戻し、同時に4部リーグを設立。1部から4部まで、上下に連なる4つのカテゴリを持ち合わせ(それも全てが全国リーグ)ことになった。
この基本的な体制はプレミアリーグ創設まで続くことになる。
その一方で、イングランドサッカーの秩序は崩壊への道へと辿っていった。特にそれを象徴するのが、1984-85シーズンのUEFAチャンピオンズカップ決勝前に起きてしまった通称「ヘイゼルの悲劇」。そして、1988-89シーズンのFAカップ準決勝で起きた通称「ヒルズボロの悲劇」である(特に後者は皮肉なことに、事の大きさが影響を及ぼした結果、1部と2部に所属するチームのホームスタジアムの環境改善に繋がるのであった)。2つの事件の詳細はWikipediaの記事を閲覧したほうが早い。誰かが英語資料の翻訳まで出来れば詳しく書ける可能性が・・・。
・・・さて、当時のフットボールリーグだが、特にトップカテゴリであるリーグ1では、スタジアムの設備が古びたまま使用していることが観客から好まれなくなっていたことや(※これがヒルズボロの悲劇に関連することに・・・)、リーグからの収益の分配が均等で行われることもあり、各クラブのトップチーム戦入場者数や収益は低下していった。さらにサポーターが暴徒化していき(所謂フーリガン)、サポーター同士の衝突もよく起きる状況となっていた(※これはヘイゼルの悲劇に関連する)。その上、特に優秀なイングランド人選手は、リーグ1より儲かってる国のトップカテゴリを中心に国外各地へ活躍の場を求めていった。
そんな中、各クラブはスタジアム設備を更新し、またフーリガンの排除を目的としたセキュリティシステムの導入を決意するのだが、文字通り「お金がな~い」状況だったので中々実行に移せなかった。そこで・・・
おっしゃ!
とThe FA承諾の下、リーグ1に所属していた全クラブはフットボールリーグからの脱退を発表した。
なお、当のフットボールリーグ側は『やめろぉ!(建前) やめろぉ!(本音)』と言わんばかりにこの案に抵抗するも為す術もなく・・・。(プロリーグが2つになったことでリーグ存続が危ぶまれてしまった故、その辺の心情は皆して察するべき。)
その後のフットボールリーグの行く末は概要の冒頭通りである。
フットボールリーグ所属チームの選手の給与
2011年のサッカーナビのコラムによると、チャンピオンシップの選手で平均月450万円、リーグ1の選手で平均月100万円、リーグ2の選手で平均月75万円だったという。
日本からしてみれば一時は存続が危ぶまれていて且つ現在は下位カテゴリであるプロリーグの割には、ガッツリもらっている選手はいるっちゃいるという印象であろうか。
余談だが、同コラムによると、イングランドの30歳の一般国民の給与は、平均月22.5~27.5万円だという。ちょっとイングランドに行ってくる。
リーグ間の昇降格について
関連動画
関連項目
- サッカー
- イングランド
- プレミアリーグ(言わずと知れたイングランド最高峰サッカーリーグで直上の上位カテゴリ)
- フットボールリーグカップ(1960年に始まったリーグカップ戦でイングランド国内三大タイトルの一つ)
- フットボールリーグトロフィー(リーグ1とリーグ2の所属チーム限定のリーグカップ戦)
- フットボールカンファレンス(直下の下位カテゴリ)
リーグ公式サイト
THE FOOTBALL LEAGUE OFFCIAL WEBSITE
関連サイト
フットボールリーグ移籍情報(2部のチャンピオンシップを中心に発信しているツイッターアカウント)
記事作成時の引用元
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