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デニス・サファテ(Dennis Scott Sarfate、1981年4月9日-)とは、アメリカ合衆国出身の元プロ野球選手(投手)である。
日本プロ野球シーズン最多セーブ記録(54セーブ、2017年)の保持者。
概要
福岡ソフトバンクホークス #58 | |
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デニス・サファテ Dennis Sarfate |
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基本情報 | |
国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | ニューヨーク州 |
生年月日 | 1981年4月9日 |
身長 体重 |
193cm 102kg |
選手情報 | |
投球・打撃 | 右投右打 |
守備位置 | 投手 |
プロ入り | 2001年MLBドラフト9巡目 |
経歴 | |
プロ野球選手テンプレート |
2001年にミルウォーキー・ブルワーズから9巡目(全体268位)指名を受け、入団。
2006年にメジャーデビュー。2007年にはヒューストン・アストロズに移籍し、メジャー初勝利を挙げる。
2008年にボルチモア・オリオールズに移籍すると、4月に鎖骨を骨折しながらそれを隠して登板を続け、結果的に自己最多の57試合に登板。
2009年も中継ぎで活躍すると思われたが、5月に右手の血行障害を発症。メジャーでの登板は20試合に留まった。
2010年はメジャー登板はなかったが、同年のAAA級での成績、そして何よりメジャーでの実績が評価されオフに広島東洋カープと契約。
日本球界時代
広島時代
2011年はオープン戦で驚異的な奪三振率を記録し、怪我で二軍にいたNG川永川勝浩を押しのけ抑えに抜擢された。開幕直後こそ直球を痛打されるシーンが目立ったが、5月頃からは安定したピッチングを見せ、チームを支えた。終盤にヘルニアで離脱したが、57試合で1勝3敗35セーブ、防御率1.34という神成績を残す。
2012年は、前年のヘルニアの影響もあってセーブ失敗を繰り返し(と言っても岩本貴裕のエラーが絡んだり仕方ない試合もあったが)、どっかのNG川前任者の雰囲気が漂い始める。チーム自体も先発前田健太の5月20日9回裏での大逆転負けをはじめとする悪い雰囲気の中、5月末には遂に二軍降格が決まり、それから間もなく夫人の体調悪化を理由に一時帰国した。
ファンからは3年前のオフに同様の理由により退団したコルビー・ルイスの如く戻ってこないのでは?と心配されたが、帰国後の交流戦でチームが勝ち越しまくったせいか6月末に無事帰国。抑えにキャム・ミコライオを据えたため、セットアッパーとして登板したが、前年のような安定感が戻ることはなく、9月の月間防御率は5点を超えた。オフに退団となり、埼玉西武ライオンズへと移籍。背番号26。
西武時代
2013年は、開幕当初は制球が定まらず、復活どころか「サファ者」誕生とまで囁かれていたが、中継ぎでの登板を重ねるうち徐々に調子を取り戻し、6月からはクローザーに固定された。増田達至・ランディ・ウィリアムスとのトリオで勝利の方程式を形成。中継ぎでありながら、チーム3位の9勝を挙げた。しかし、オフに退団となり、福岡ソフトバンクホークスに移籍した。背番号58。
ソフトバンク時代
2014年はシーズンを通して抑え投手として活躍。5月20日の広島東洋カープ戦で全球団からセーブを達成した。その後8月12日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦で史上初の両リーグ30セーブを達成。日本シリーズでは球が浮いていたが、阪神タイガースの西岡剛のあのプレーに救われたこともあり、胴上げ投手となった。
2015年はパ・リーグのシーズンセーブ記録を更新する41セーブを挙げ、2年連続の優勝と日本一に貢献した。
2016年はセーブ機会はほぼ完璧に抑えるのに対し、なぜか同点の場面で登板すると打たれて負けるというパターンを繰り返したため7敗を喫したが、前年の記録を更新する43セーブを挙げ、2年連続の最多セーブ投手のタイトルを獲得した。
2017年も不動のクローザーとして君臨、異様に接戦の多いシーズンだったため異常なペースでセーブを積み重ねた。7月5日のオリックス・バファローズ戦で、外国人投手史上初の通算200セーブを達成。8月31日の北海道日本ハムファイターズ戦で、前年に続き自身のパ・リーグ記録を更新する44セーブを記録し、8月の月間MVPを受賞した。9月5日に日本プロ野球新記録の47セーブを記録すると、最終的に54セーブまで記録を更新。優勝の原動力となり、パ・リーグMVPと正力松太郎賞を受賞した。通算250セーブまで残り21とした。
横浜DeNAベイスターズとの日本シリーズでは第2戦・第3戦とも1点差の9回を抑えてセーブを挙げると、第6戦では1点ビハインドの9回から登板、裏に同点に追いつくと延長10回も続投し、さらに11回も志願の続投で来日初の3イニングを投げてDeNA打線を抑え込み、11回裏のサヨナラ日本一決定に繋げる活躍で日本シリーズMVPを獲得した。
2018年は前年のフル稼働が祟ったか、右股関節を故障。シーズン中の復帰は絶望的となった。4月18日に登録抹消され、4月20日にスポーツドクターのセカンドオピニオンを受けるため日本を離れた。4月28日にはTwitterにて、リハビリに勤しむ自身の動画を投稿し、「チームメイトやファンの皆様には申し訳ない。きっと、強くなって戻ってくる。それまでは頑張って…」と、自らの心境と決意を語った。そのため6試合の登板で1勝5セーブに留まった。通算250セーブまで残り16セーブ。
2019年は春のキャンプでの登板で直球が130km/h台まで落ちこむなど状態が上がらず、6月からアメリカに戻り、PRP療法を受けてリハビリに徹した。一軍・二軍とも登板なしに終わり、話題はTwitterで炎上騒ぎを起こしてしまったこと程度に留まる。
2020年は右股関節の故障のために8月に帰国し、10月に手術を受けた。このため2年連続で一軍での登板はなかった。
リハビリのため2021年も登板なし。NPBでの250セーブまであと16に迫っていたが、11月に現役を引退することを表明した。
特徴・プレースタイル
投球の80%近くが直球という超速球派。アメリカでの最速は161km/hだが、日本での最速は172km/h158km/hである。
来日前はコントロールに難があるという前評判だったが、広島入団後は制球は安定している。
奪三振が多い印象があるサファテだが、本人曰く
「三振って狙えば狙うほど奪えないもんなんだよ。」
マウンドへ上がるときに心がけていることは
- 何も考えない
- 捕手を信頼している
- 開き直る
2011年は守護神として完璧な安定感と脅威の奪三振率からか、広島ファンから「神様、仏様、サファテ様」と崇められた。
成績
年度別投手成績
年度 | 球団 | 登板 | 先発 | 完投 | 完封 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | ホールド | 勝率 | 投球回 | 与四球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 | 防御率 |
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2006年 | MIL | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .--- | 8.1 | 4 | 11 | 4 | 4 | 4.32 |
2007年 | HOU | 7 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1.000 | 8.1 | 1 | 14 | 1 | 1 | 1.08 |
2008年 | BAL | 57 | 4 | 0 | 0 | 4 | 3 | 0 | 15 | .571 | 79.2 | 62 | 86 | 47 | 42 | 4.74 |
2009年 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 5 | .000 | 23.0 | 14 | 20 | 15 | 13 | 5.09 | |
2011年 | 広島 | 57 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 35 | 1 | .250 | 60.2 | 16 | 82 | 10 | 9 | 1.34 |
2012年 | 47 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 9 | 4 | .286 | 49.2 | 24 | 44 | 24 | 16 | 2.90 | |
2013年 | 西武 | 58 | 0 | 0 | 0 | 9 | 1 | 10 | 16 | .900 | 57.2 | 24 | 66 | 13 | 12 | 1.87 |
2014年 | ソフトバンク | 64 | 0 | 0 | 0 | 7 | 1 | 37 | 7 | .875 | 68.1 | 22 | 96 | 10 | 8 | 1.05 |
2015年 | 65 | 0 | 0 | 0 | 5 | 1 | 41 | 9 | .833 | 64.2 | 14 | 102 | 8 | 8 | 1.11 | |
2016年 | 64 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 43 | 8 | .000 | 62.1 | 11 | 73 | 15 | 13 | 1.88 | |
2017年 | 66 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 54 | 3 | .500 | 66.0 | 10 | 102 | 9 | 8 | 1.09 | |
2018年 | 6 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 5 | 0 | 1.000 | 6.0 | 3 | 9 | 2 | 2 | 3.00 | |
MLB:4年 | 92 | 4 | 0 | 0 | 5 | 4 | 0 | 21 | .556 | 119.1 | 81 | 131 | 67 | 60 | 4.53 | |
NPB:8年 | 427 | 0 | 0 | 0 | 27 | 20 | 234 | 48 | .574 | 435.1 | 124 | 574 | 91 | 76 | 1.57 |
タイトル・表彰・記録
タイトル | |||
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NPB | 最多セーブ投手 | 3回 | 2015年-2017年 |
表彰 | |||
NPB | 月間MVP | 2回 | 2016年5月、2017年8月 |
MVP | 1回 | 2017年 | |
その他 | |||
NPB | 全球団からセーブ | - | 2014年5月20日 |
両リーグ30セーブ | - | 史上初 | |
オールスターゲーム出場 | 3回 | 2011年、2014年、2016年 |
NPB記録
初登板 初セーブ |
2011年4月11日 | 対阪神タイガース3回戦 | 阪神甲子園球場 |
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初奪三振 | 対阪神タイガース3回戦 マット・マートンから | ||
初勝利 | 2011年5月14日 | 対読売ジャイアンツ5回戦 | マツダスタジアム |
初ホールド | 2011年8月28日 | 対読売ジャイアンツ18回戦 | |
全球団からセーブ | 2014年5月20日 | 対広島東洋カープ1回戦 | ヤフオクドーム |
このほか、2015年に記録した43イニング連続奪三振はプロ野球記録となっている。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
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