日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

いつか故郷に~大統領選挙の結果と在日同胞

2013-01-31 09:00:00 | (瑛)のブログ

韓国の新しい大統領が決まってから、気になっていることがある。

私のような総聯の仕事をしていたり、外国人登録証明書の国籍欄の記載が「朝鮮」の人間、つまり韓国パスポートを持たない人間が、今後どれだけ「自由に」南の故郷を訪れることができるか、ということだ。

私が故郷を訪れたのは2002年の9月。朝鮮学校の子どもたちの芸術公演に記者として随行したのが最初で最後だった。2000年の6・15北南共同宣言を受け、それまで「敵」と考えていた南北の間で政府間、民間交流が始まり、それまで遮られていた人々が堰を切ったように出会い、心を通わせた。そのことは「お互いをもっと知りたい、会いたい」という大きな希望を生んだ。

この流れのなかで、朝鮮学校を訪れる南の市民も増え、彼らは朝鮮学校の児童・生徒たちの姿を人目みたいと故郷に招待してくれた。生徒たちはソウルと全州で朝鮮語、朝鮮の歌、朝鮮の踊りを立派に披露し、その舞台は大きな感動を呼んだ。今でも観客席で涙する市民の顔をはっきりと思い出せる。歴史的な瞬間だった。

あれから10年。

いつか子どもたちを連れて祖父たちが生まれた故郷の土を踏みたい―。2002年には、それが近い将来に実現すると思っていたが、見通しは甘かった。

南の現政権が南北対話を否定してからというものの、「朝鮮」表示の人間が南に旅行に行く際も「『韓国籍』に変えないと許可を出さない」という圧力がかかったり、親戚に総聯関係者がいることを口実にパスポートの延期を認めないといったことが頻繁に起きている。

在日同胞の歴史を知らない人は、「韓国籍に変えればいい」と簡単に言うが、同胞の多くは朝鮮半島の南北にきょうだい、親戚がいる。同族である北と南が対立し、分断が長引くなか、在日同胞は南北の両方に自由に行き来できない状況が長く続いた。私自身も、「親の死に目にも会えなかった」と涙を流した1世をたくさん見てきた。ましてや、日本政府が下した対朝鮮制裁で、朝鮮北部にいるわが子やきょうだいに会いにいけずにいる1世、2世たちが日本各地で行き場のない苦しみを抱えている。
(※「朝鮮」表示、在日同胞の国籍については過去のブログで書いています。
http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/f99cfa56fc9922a11cb0d10f742b763f

私たちが南にも北にも自由に行ける日は、いつなのだろうか。その日とは朝鮮半島に残る分断、冷戦が解ける日だろう。そのためには、まだまだ多くの山を乗り越えなくてはならないようだ。

飛行機で2時間あれば着く隣国・朝鮮。その狭間に立ちながら、されど狭間にいるからこそ見える、物事の本質をしかと見届けたいと思う。(瑛)


東京オリンピック招致と朝鮮学校への弾圧

2013-01-30 09:00:00 | (K)のブログ

 24日、愛知と大阪で「高校無償化」からの朝鮮学校排除は違法だと訴訟を起こした。そのことについては、25日と28日の日刊イオにそれぞれ現地で取材した(相)さんと(淑)さんが報告した。詳しい内容が書かれているので、ぜひ読んでほしい。

「高校無償化」問題、法廷闘争へ
http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/42ad4ab86612ab14e261ed915ff4a1d2
「高校無償化」問題、新たな闘い始まる
http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/447066b098e25f56b15c56cd54740fd7


 同じ24日、東京では文科省前での抗議行動が行われた。横断幕を掲げビラを配り、また日本人や朝鮮学校の保護者らがハンドマイクをもって、朝鮮学校だけを除外することの不当性、省令をも改悪して朝鮮学校を排除し弾圧しようとする日本政府の危険性を訴え続けた。
 最後にハンドマイクを手にしたある日本人男性が、「高校無償化」からの朝鮮学校排除の問題を東京オリンピック招致と関連付けて訴えていたのが印象的だった。

 訴えた内容を要約すると次のようになる。こちらはビラを配りながら聞いていたので、不正確な部分があるかもしれないが大目に見てほしい。
 「オリンピック憲章にはあらゆる差別に反対することがうたわれている。しかしオリンピックを招致しようとしている日本は朝鮮学校を公然と差別している。朝鮮学校だけを排除するために省令を変えようとする日本は国際社会から非難される存在だ」

 オリンピック憲章を見ると、最初の部分の「オリンピズムの根本原則」というなかで次のように書かれている。
 「スポーツを行うことは人権の一つである。すべての個人はいかなる種類の差別もなく、オリンピック精神によりスポーツを行う機会を与えられなければならず、それには、友情、連帯そしてフェアプレーの精神に基づく相互理解が求められる。」
 「人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別はいかなる形であれオリンピック・ムーブメントに属する事とは相容れない。」

 現在、東京へのオリンピック招致に対し、様々な人たちが様々な理由で反対している。福島の原発事故が理由であったり、オリンピックそのものを否定したり。オリンピックが「国威発揚」に利用され、ニッポンニッポンのコールの中で排外主義的な社会状況が助長されるのを心配する人たちも多い。確かに、省令まで改悪して朝鮮学校を差別・弾圧する日本にオリンピックを招致する資格はないと、少なくとも朝鮮学校に子どもを送る当事者の一人として思う。

 日本はいま、朝鮮民主主義人民共和国に対する「制裁措置」を取るなど露骨な敵視政策を行っている。朝鮮学校に対する差別・弾圧もその一環としてある。「敵国・北朝鮮をなんとしても潰したい」というのが日本政府の本音だ。もし東京でオリンピックが開催されれば、朝鮮の選手団や関係者も入国させなければならないが、朝鮮からの一切の入国を認めない「制裁措置」と明らかに矛盾してしまう。サッカーW杯の予選では朝鮮選手を入国させたが、FIFAの制裁があるためにすぎない。オリンピック開催中だけ入国させ、終わればすぐに日本から出て行かせる。そしてまた「制裁」を続ける。


 東京がやろうとしているオリンピックは2020年。2020年に在日朝鮮人や朝鮮学校がどのような状況に置かれているのか、今の日本の流れから想像するとゾッとしてしまう。しかし、いろんなことをあきらめるわけにはいかない。2020年を少しでも良い状況で迎えられるよう努力していくしかない。そのためにまず、「高校無償化」に関する今回の裁判は負けるわけにはいかない。月刊イオ、日刊イオでも裁判の経緯を随時、報告していきたいと思っている。
 ちなみに、オリンピックの開催地は今年9月に決まる。(k)


ムーミンだらけの休日

2013-01-29 09:00:00 | (麗)のブログ
先週土曜日に、教研で東京に来ていた先輩が私の家に遊びに来ました。
北海道出身の先輩は、いつものように北海道土産で有名な「じゃがポックル」を買って来てくれました。
じゃがポックルシリーズの「じゃがピリカ」という商品。
「ピリカ」とはアイヌ語で「かわいい」の意味だそうで、その名の通り、コロコロと可愛いお菓子でした。



翌日には、先輩の買い物に付き合い、後楽園のラクーアにある「ムーミンカフェ」へ。


なんでもムーミンが好きらしいということなのですが、予想以上に可愛いグッズがたくさんあって、
気付けば私も箸やらメモ帳やらを両手に持っていましたが、最終的に買いませんでした。危ない危ない…(笑)

ムーミンカフェはパンとグッズを販売しているブースと、横にカフェが隣接してあります。
どこもかしこもムーミンだらけ。テーブルにもムーミンママが。


「せっかく来たのだから」とここでお昼に。



なんとこのカップに入ったプリン、嬉しいことにカップが貰えるのです。

翌日、大好きなムーミングッズに囲まれた、先輩の机の写真を見て
「いいことしたな~」と、ただ付き添いで行っただけなのに、なんだが得意げになってしまいました。(麗)



「高校無償化」問題、新たな闘い始まる

2013-01-28 09:00:00 | (淑)のブログ


 問題の浮上から早3年。朝鮮学校への「高校無償化」適用をめぐり、ついに法廷闘争の火蓋が切って落とされた。
 国家賠償請求訴訟を名古屋地裁提訴した愛知と同時刻、大阪でも学校法人大阪朝鮮学園が、「高校無償化法」の規定にもとづき朝鮮学校を「無償化」適用対象に指定することを求め、国を相手に大阪地方裁判所に提訴した。原告、弁護団、大阪朝高卒業生、支援団体などの代表らが大阪地裁に訴状を提出。その後大阪司法記者クラブで記者会見が行われた。



 今回の大阪と愛知の裁判は訴訟形態がそれぞれ異なる。愛知が国賠訴訟であるのに対し、大阪の裁判は「義務付け訴訟」。「高校無償化」法の規定に基づいて朝鮮学校をその対象としないことは違法であるとして、「高校無償化法」の施行規則第1条第1項第2号ハの規定基づく指定を求めるものだ。訴状では「高校無償化法」の概要と認定基準を明記し、国際人権法に基づき「高校無償化」からの朝鮮学校排除の違法性を明らかにしている。また、朝鮮半島の砲撃事件を理由に適用手続きを停止するなどの文科省の不作為に触れ、「日本で生まれ育った生徒達が影響を与えられるはずもない外交的・政治的な問題によって不利益を与えることは、人々に対して、朝鮮学校の生徒に対する誤ったメッセージを伝え、差別意識を助長する重大な人権侵害行為である」としながら、「このような理由による審査の停止は、明らかに考慮してはならない事項を考慮した、裁量権の逸脱・濫用行為である」としている。
 弁護団団長の丹羽雅雄弁護士は会見で、依然として審査の結論が出されない中、省令改訂による朝鮮学校「完全排除」を目論む安倍政権の動きを受けて、やむなく提訴に踏み切った経緯を明らかにした。そして、「この裁判は日本社会がさまざまな文化を持った子どもたちとともに生きていけるか否かを問うものであり、共生社会をつくる試金石となる。この問題をきちっと解決することが東アジアの平和の構築につながる」と、今回の裁判の意味を語った。弁護団によると、省令改訂が現実となった場合、別の訴訟形態で提訴することも念頭に置いているという。

 一方、22日には大阪府と市による補助金不支給をめぐる訴訟の第2回口頭弁論が、大阪地裁大法廷で開かれた。大阪では「無償化」と補助金の二つの裁判をめぐる熾烈な闘いの日々が始まっている。
 第2回口頭弁論は、大阪地裁に集った約140人の傍聴希望者から、その関心の高さが示された。原告である大阪朝鮮学園側は意見陳述で、朝鮮学校の歴史的経緯と日本政府による差別政策、補助金支給に至る経過について説明しながら、本訴訟は、差別の歴史を繰り返すのか否かを問う訴訟であると結論づけた。次回は2ヵ月後、4月11日に第3回口頭弁論が行われる。

 在日同胞の民族教育の権利獲得をめざす長きにわたる闘いは今まさに、新たな局面を迎えているといえる。大阪と愛知で国を提訴した同日、東京・文科省庁舎前でも同時行動が行われた。今回の同時提訴を端緒とし、運動が大きなうねりとなり全国に広がっていくことを期待したい。「高校無償化」問題はますます長期化が見込まれ、これまで以上に幅広い支援が求められている。
 弁護団の一員で朝鮮学校出身の具良弁護士は、「日本政府による朝鮮学校への差別政策は時代を変え、場所を変え繰り返されてきた。その都度在日同胞たちはもぐらたたきのように闘い続けてきたが、根本的な部分で闘わなければこの先も同じようなことが繰り返される」としながら、「大阪と愛知、国を相手取った法廷闘争によって民族教育権獲得運動は今、歴史を変えるスタートラインに立っている」と語っていた。(淑)

「高校無償化」問題、法廷闘争へ

2013-01-25 09:00:00 | (相)のブログ


 「高校無償化」(公立高等学校生徒の授業料の無償及び私立高等学校生徒に対する就学支援金の支給)制度の対象から朝鮮高級学校を除外したのは違法として、愛知朝鮮高級学校(愛知県豊明市)の生徒たちが24日、名古屋地方裁判所に対して国家賠償請求訴訟を提起した。原告は同校在校生2人と卒業生の3人の計5人。制度からの排除によって就学支援金が受給できず精神的苦痛を受けたとして、1人当たり55万円、総額275万円の損害賠償を求めている。損害賠償金は就学支援金相当額ではなく、慰謝料を請求する。
 この日、弁護団、学校関係者、支援団体代表らが名古屋地裁を訪れ訴状を提出。受理された後、隣の愛知県弁護士会館で記者会見が行われた。
 同時刻、大阪でも学校法人大阪朝鮮学園が「無償化」適用指定を求める行政訴訟を大阪地裁に起こした。朝鮮高級学校への「無償化」適用を求めるたたかいは舞台を法廷に移し、新たなステージへ入った。



 今回の提訴は、朝鮮高級学校を「無償化」制度から排除する日本政府の行為が、日本国憲法が保障する原告らの平等権、人格権、学習権を侵害し、日本が批准する人種差別撤廃条約および「高校無償化」法に違反するとして、国の損害賠償責任を追及するものだ。訴状にも、違法性の核心として、憲法14条によって保障されている平等権の侵害、憲法13条の「個人の尊重」原理および幸福追求権から導かれる原告の人格権の侵害、憲法26条および国際人権諸条約によって保障される学習権の侵害などが挙げられている。(これまでの経緯や訴状のポイントなどについては、弁護団の声明を参照。 http://musyokanetaichi.blog.fc2.com/
 訴状には、在日朝鮮人社会形成の歴史や在日朝鮮人による民族教育の歴史についても詳細に記されている。原告側は今回の排除の違法性を日本の過去の植民地支配、在日朝鮮人差別という歴史の文脈からも明らかにしていくと思われる。
 会見で弁護団の内河恵一団長は、裁判をおこした目的について、自民党政権下で制度適用に向けた政府の姿勢がますます消極的になっている現状に言及し、「政治ではなく司法の場できっちりと解決しようと訴訟に踏み切った」と明らかにした。そして、「さまざまな政治、外交問題があるが、朝鮮学校で学ぶ子どもたちと日本にいるほかの子どもたちとの間に不平等があってはいけない、私たち弁護士にとっては究極の人権問題だという認識を持って対処していきたい。子どもたちに差別のない、自分の民族、国、祖先を自信を持って確認できるような時代を保障するため、憲法の下で子どもたちの人権を守るために努力していきたい」と話した。
 弁護団事務局長の明玉弁護士によると、原告側から訴訟に向けた最初の問題提起があったのは延坪島砲撃事件を機に文科省の審査が停止し「無償化」適用へのプロセスが年度をまたいだ2011年4月頃。訴訟の選択肢は二つ、一つは朝鮮高級学校を「無償化」の対象校として文部科学大臣に指定させる「義務づけ訴訟」、もう一つが、子どもたち個々人の学びの権利が侵害されている現状を訴える国賠訴訟。弁護団と原告との間で協議を重ねた結果、後者の訴訟形態に決まった。損害賠償の内容を就学支援金相当額ではなく慰謝料とした理由も、「原告側の希望があくまでも、裁判に立ち上がった自分たちだけでなくすべての朝鮮高級学校生に就学支援金が支給されることであるため」だとしている。

 会見では、学校関係者も切実な思いを訴えていた。「審査結果も出さずに省令を改悪し、朝鮮学校を排除しようとする政治に期待することはこれ以上難しい、司法の場で問うしかないという判断だった」と学校法人愛知朝鮮学園の李博之理事長。「法廷の場に出ることは非常に大きな負担。学園側としては、本音では生徒たちを原告として出したくなかった。しかし、子どもたち自身が(日本政府の措置に)納得していない、その思いを大人は受け止めるべきだと思った。今ここで引いたら何も変わらない。われわれも子どもたちも決意を固めた」と胸の内を明かした。
 支援団体である「無償化ネット愛知」の山本かほり事務局長も、「学校側としては幅広い支援を得るために朝鮮学校と日本学校の共通性を強調するが、支援者側としては両者の違いも強調したい。そもそも、違いを認めないことが問題であり、『国民の理解が得られない』というロジック自体がおかしい」と語っていた。
 会見では、愛知朝高の在校生や卒業生たちが自身の思いをつづった文章も読み上げられた。彼らの受けた深い心の傷が表れたそれを聞きながら、取材している私も胸が締めつけられた。
 この日の訴状提出、記者会見の場に原告やその保護者は姿を見せなかった。彼らの個人情報が流布された場合、嫌がらせ、暴行、脅迫などの犯罪被害が予測されるためだ。これは決して大げさな心配などではなく、過去の事例からしても十分ありうることだ。

 朝鮮学校はこれまで過剰なほどに「開示」を求められてきたが、今回の裁判では、これまでさまざまな理由をつけて逃げ続けてきた国の側に「無償化」除外の根拠を問い、違法性を突きつけることになる。
 裁判はいわば「最後の手段」。そのたたかいは端緒についたばかりだ。原告側によると、今後、行政訴訟などほかの訴訟形態をとることもありうるという。
 当面は、3月24日に名古屋市内で訴訟決起集会が予定されている。「無償化ネット愛知」では今後長く続くであろう裁判への幅広い支援を呼びかけている。

省令改悪と人種差別撤廃条約

2013-01-24 09:00:00 | (瑛)のブログ
 自民党が朝鮮高校を「高校無償化」から排除しようと省令改悪を進めようとしている。パブリックコメントの締め切りがいよいよ今週26日に迫った。省令改悪は、どこからどう見ても差別だが、この差別の根深さをどれほどの人が感じているだろうか。

 自民党が衆院選挙で大勝したのち、文部科学大臣に就任した下村博文氏は昨年末、
「朝鮮学校については、拉致問題に進展がないこと、朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)と密接な関係にあり、教育内容、人事、財政にその影響が及んでいることなどから、現時点では国民の理解が得られない」(2012年12月28日、閣議後の会見)と述べた。

 大臣の発言は、朝鮮学校が拉致犯罪に関係しているような「印象」を根拠もなく述べている点で、大きな問題があり、とても一国の教育に責任を持つ者の発言とは思えない。実際、大臣は今現在、朝鮮高校に通っている生徒の目を見ながら、同じことを言えるだろうか。

 この発言が正当化されるのなら、これから日本政府は、イスラエルがガザを攻撃したとき、例えば日本国内のイスラエル国籍の子どもが通う国際学校を高校無償化から除外する、というようなことをするのだろうか。米国がテロリストを撲滅するという理由でアフガニスタンを攻撃したとして、日本国内のアメリカンスクールに制裁を加える、ということをするだろうか。「北朝鮮は日本の敵国」だから、これくらいは許されるとでも思っているのだろう。

 高校無償化法は、公私立高校とともに、外国人学校生徒を支給対象とした点が画期的だった。

 日本政府は、今まで外国人学校を正規の学校と認めてこなかったが、今回の無償化法で初めて外国人学校について「基準」を設け、無償化法の対象とし、税金を投与することにしたのだ。その基準とは、①日本の高校に対応する外国の学校(ブラジル・中華・韓国、ドイツ、イギリス、フランス、ペルーなど)②国際的教育機関から認定を受けた学校(インターナショナル・スクール)③その他文科大臣が高校に類する課程を有すると認めた学校―で、すでに37校の外国人学校に支給が認められた(2012年5月現在)。

 今回の省令改悪では③の部分を削除するというが、ホライゾンジャパン・インターナショナルスクール(神奈川県)、コリア国際学園(大阪府)はすでに③の対象となっている。

 朝鮮高校は③の基準に沿って審査の対象となり、各種資料を提出していた。審査結果を待ち続けた朝鮮高校にとって、大臣のこの発言は、審査を一方的に放棄した無責任な態度以外の何物でもない。

 朝鮮高校をねらいうちにした差別を見ながら、日本が1995年に批准した国連・人種差別撤廃条約のことを思い出した。

 この条約の正式名称は、「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する条約」で、人種差別を、「人種、皮膚の門地(家柄)または民族もしくは種族的出身にもとづくあらゆる区別、除外、制約または優先」と定義している。日本では在日コリアンや他の外国人はもちろん、差別、アイヌ民族や沖縄出身者への差別も該当する。この条約の特徴は、国はもちろん、自治体などの公的機関、団体や個人による差別、公衆の利用する場での差別、機会だけでなく結果としての差別を対象としている点だ。今回の朝鮮高校の無償化制度からの排除もちろん該当する。

 人種差別撤廃条約発効後、日本ではこの条約を根拠に人種差別行為の責任を問う、いわゆる「人種差別損害賠償請求訴訟」が起こされてきた。その一つがブラジル人記者が勝訴した「浜松宝石店入店拒否事件」だ。1998年6月、浜松市に暮らすテレビ記者・アナ・ボルツさんは、アクセサリーを探しに入った浜松市の宝石店で、「Where are you from?(どちらの方ですか)」と聞かれ、「ブラジルです」と答えた。アナさんは、店から追い出されそうになったばかりか店主は、抗議するボルツさんを犯罪人扱いして警察を呼ぶなど屈辱的な仕打ちをした。(「朝鮮新報」1999年10月29日付)

 ボルツさんは、店側のこうした行為は「人種差別撤廃条約」違反だとして、慰謝料などを求める損害賠償訴訟を提起。結果出された判決は、画期的な内容だった。判決は、日本には人種差別を禁じる法律がないため、日本が加入している人種差別撤廃条約に国内法としての効力を認め、同条約を個人間に適用し被告の行為を「違法」としたのだ。

 人種差別撤廃条約は、1959年から60年にかけて欧米諸国で続発したネオ・ナチによる反ユダヤ主義事件やナチズムの扇動に対する世界の驚きを背景に、条約作成の決議(1962年)から3年という異例の速さで作成・採択され、1969年27ヵ国の批准を得て発効した。この条約については、「日本の民族差別」(岡本雅享編、明石書店)に詳しいが、同書には、国連史上初めて人種差別問題を提起し、それを取り入れようと奔走したのが日本であった事実が記されている。

 …1919年2月13日、パリ講和会議で日本政府代表は、国際連盟規約の中に「各国民(nation)均等の主義は国際連盟の基本的綱領なるに依り、締約国は成るべく速やかに連盟員たる国家における一切の外国人に対し、如何なる点においても均等公正の待遇を与え、人種或いは国籍如何に依り、法律或いは事実上何等差別を設けざることを約す」という、人種差別撤廃条項の挿入を提起した…(同書から)

 日本の行動の背景には、当時合衆国やオーストラリアでおきた日本人排斥運動があった。しかし、日本自身が朝鮮など他国を植民地支配している罪の意識はなかったのだろう。

 条約が日本で発効されて17年経つが、いまだに人種差別を禁じる国内法は日本にない。外国人を犯罪者集団のように扱い、教育の機会を奪うことが現実に起きようとしている今、反対の声があがらないこの現実が日本社会の人権感覚を物語っているように思う。(瑛) 

革筆という民族伝統民画を知ってますか?

2013-01-23 09:00:00 | (K)のブログ
 2月号に朝鮮民族の伝統民画である革筆とその書き手である金公一さん(号は江流)を紹介した。革筆とは文字を美しい絵のように書くもので韓国での呼び名。北の朝鮮民主主義人民共和国では꽃글(コックル・花文字)と呼ばれている。朝鮮を訪問した人なら1度くらいは目にしたことがあると思う。

 金さんは革筆の在日同胞唯一の書き手だという。取材のために資料をもらったり、いろいろと話を聞いたのだが、内容が知らないことばかりで興味深かった。また、それ以上に面白かったのが、実際に描いているところを見せてもらったことだ。特殊な筆に絵の具をつけて白い紙の上を滑らせると、色鮮やかな文字や絵が浮かび上がり、例えば「祖国統一」という言葉ができあがる。

 一番最初に金さんの存在を知ったのは、金さんが「이어」という文字を書いてイオのフェイスブックに送ってくれたからで、また取材の後も、わざわざイオ編集部員すべての名前を革筆で書いて送ってくださった。下に紹介するのは、ちょっと小さいけれど「이어」の革筆と私の名前を革筆で書いたもの。私の名前は、苗字は読めるけれど、名前は読めないかもしれない。



 革筆と金さんについては、ぜひイオの2月号を読んで詳しいことを知っていただきたい(28~29ページに掲載)。金さんは20年以上も前に韓国に住んでいたときに革筆と出会い興味を持つようになった。私が感心したのは、金さんが20年間も革筆に対する思いを持ち続け、実際に革筆を師匠から学んだのが50代半ばからだったということだ。興味を失わず年齢が行ってもチャンスを見つけて学ぶその意欲に驚かされた。

 金さんが革筆を学ぼうと思ったのは、それ自体が素晴らしい民族芸能であり、その文化・伝統を継承しなければならないと思ったから。そして、今の一番の願いは革筆を朝鮮学校の子どもたちに教えることで革筆を守り広げたいということ。また、同胞の各種イベントで革筆を披露したいと思っているそうだ。イオ2月号には金さんの連絡先も明記してあるので、興味をもたれた方はぜひ連絡してもらいたい。

 50代半ばから革筆という新しいことに挑戦した金さんの姿を見て、私も何か新しいことにチャレンジしてみようかという気持ちになった。例えばギターとか。(k)

街の猫たち

2013-01-22 09:00:00 | (麗)のブログ
(愛)さんが街で出会った可愛い猫たちをアップしていましたが、
実は私もひっそり撮っています。

以前は「猫はそんなに…」と思っていましたが、愛らしい見た目とは裏腹に、つれない態度をとるとか、
自由きまま、気まぐれなところが、なんだかほっとけない!
少しでも心を開いてくれた時には「あ、やられた」となるのです。笑


近所の神社でひなたぼっこする3匹。よく見ると、三角関係!?


商店街で見かけた野良猫。人慣れしているのか、全然逃げずコンビニの前で「餌くれ」とばかりにどっしりと鎮座。
近寄ると、身体をすり合わせ私の心を鷲掴みに。眉間をなでなで。



あー可愛い(笑)
なんでも、可愛い動物を見ると集中力、仕事の効率がアップするそうです。
忙しいときにでも見て集中力アップ! 
いわゆる「猫の手も借りたい」(?)ですね。(麗)

絵本「戦争のつくりかた」

2013-01-21 09:00:00 | (淑)のブログ



 同書の出版に携わった知人からいただいた本です。
 2004年に出版された「戦争のつくりかた」という本で、日本が「戦争をできる国」になるまで、私たちの身の回りでどのようなことが起こるのかその過程をたどったものです。
 出版の背景には、有事関連法の成立(04年6月)があります。
 衆議院で有事法案が審議されているさなか、法案成立に危機感を抱いた人々が「成立をやめよう」広く呼びかけるため、と議論を重ねてこの本が出来上がりました。

 本は小学校低学年でも無理なく読めるほど平易な文体で書かれていますが、物語は有事関連法をはじめ法律や法令、国会答弁の内容などにもとづいています。

 たとえば、
p14「だれかのことを、いい国民ではない人かも、と思ったら、おまわりさんに知らせます。」

というのは、国民保護法第43条や02年文科省発行の「心のノート」に根拠があります。
 逆説的には、国家が人々の見えないところで戦争を行うための法整備を着実に進めている実態を暴く、という意図も見受けられます。
 巻末には、上記のような本の内容の根拠と出自の資料が付されています。
 ページ毎に添えられたシニカルな挿絵にも、焦燥感を掻き立てられます。
 また、日本が「戦争できる国」になったときに、多くの被害を被るであろう外国籍の人々にもこの本を届けたいとの思いから、英語対訳も添えられています。

 発刊当初、大手新聞社などのメディアでも取り上げられ注目を集めた同書ですが、安部政権への警戒心からか、知人いわく最近またこの本を手に取る人が増えているそうです。
 第1次安倍政権は教育基本法を改定し、憲法改正国民投票法を成立させました。安倍施政下の向こう数年間、戦争をするためのシステムを完成するために、現政権がどのような動きをするのか、片時も目を離してはいけないと思います。(淑)

あの日から18年

2013-01-18 09:10:15 | (相)のブログ
 1995年に起きた阪神・淡路大震災から昨日で丸18年が経った。
 1月17日午前5時46分に発生した直下型地震は死者6434人、負傷者45000人以上という未曾有の大被害をもたらした。この地域に住んでいた在日同胞たちも、長田区を中心に多くの人々が命を落とした。
 震災当時、私は朝鮮大学校の1年生。震災当日、学内の寮でいつもどおり起床すると、ラジオから地震発生のニュースが流れてきた。その時点でまとまった情報はほとんど明らかになっていなかったが、ただならぬ被害が出たというのはすぐにわかった。
 1時限目の講義を控えて教室にいると、先生が血相を変えて教室に飛び込んできた。「近畿地方出身の学生たちは自宅にすぐに電話するように」。校内のテレビ画面には地震直後に発生した火災で真っ赤に燃える神戸市内の様子が映し出されていた。それを食い入るように見つめる顔面蒼白となった神戸出身の学生たちの姿が今も思い出される。
 この震災で朝大生も1人犠牲になった。同じ学部の1歳上の先輩だ。地元で催された成人式に出席するため神戸市長田区の実家に帰省していた時に地震に襲われた。成人式翌日の16日に東京へ戻るはずだったが、体調を悪くし、帰京を1日遅らせた。そして、震災当日の朝。1階で寝ていた彼は自宅の下敷きとなり、帰らぬ人となった。
 自分の身の周りにいた人間の存在が何の前触れもなく突然消えるという不条理。一昨年の東日本大震災の際には、人間の生の営みが奪われた悲惨な光景を自分も現地で目の当たりにした。

 仕事で神戸を訪れることが多々あるが、街中を歩けばここであの未曾有の大災害があったとは思えないほど建物や道路は整備されている。一方で、復興から置き去りにされる人々もいる。仮設住宅や復興住宅で起きた孤独死が1000人を超えたというニュースが伝えられた。
 昨日はさまざまな追悼の催しが行われた。亡き人に思いを巡らせた人々がどれだけ多くいただろう。私も犠牲者の冥福を祈りたい。
 そして、復興とは何なのか。悲惨な経験を今後に生かすため行政は、個々人は何をすべきなのか、自分なりに考えて小さなことでも実践していきたい。
 あと2ヵ月足らずで東日本大震災から2度目の「3.11」を迎える。

イオ、200号記念号

2013-01-17 09:00:00 | (瑛)のブログ

 記念すべきイオ200号がもうすぐ完成します。

 今回の特集は「イオ、私も編集長」、通巻200号を記念した特集です。

 イオが創刊されたのは1996年7月。創刊当事、編集部に籍を置いていたのは唯一(K)さんだけで、メンバーは入れ替わってきました。

 200号では、10人の読者に「自分が編集長だったらどんな特集を立てるのか」をテーマに意見を寄せていただいています。

 他にも、創刊号に登場していただいた俳優の阿部寛さんをはじめ、200冊のイオを振り返るコーナー、イオを通じて友だちになったイオトモのメンバー、図書館、本屋、銭湯などイオを読めるイオスポットを紹介しています。

 イオはこれからも、30、40代のコリアンの暮らしに根ざした楽しい雑誌を目指していきますが、編集部だけの力ではこの目標は達成できません。「現場の声こそ」という思いを込め、一日編集長の皆さんには、「イオにこういう所は改善してほしい!」という意見も寄せていただきました。

 特別企画は「2013年、朝鮮半島を読む」。昨年は朝鮮と関わりの深い、世界各国で国のリーダーを決める選挙が行われました。世界情勢に無関心でいられないのは、朝鮮半島の平和と在日朝鮮人の暮らしが密接に関係しているからですが、国際情勢や南北問題を見通す専門家の記事も必見です。

 その他にも、4年連続で「花園」に出場した大阪朝鮮高級学校ラグビー部の活躍、日本ウェルター級タイトルマッチで日本王者に輝いた金樹延選手などスポーツの話題も盛り込まれています。

 巻頭のカラーグラビアでは、京都・エルファの高齢者の皆さんの素敵な笑顔がみられます。とにかく今回はたくさんの同胞に登場いただきました。ぜひ、イオ200号を手にとってみてください。

 そして、200号にご協力いただいた皆さん、どうもありがとうございました。(瑛)

 


体罰による自殺事件に思う

2013-01-16 09:00:37 | (K)のブログ

 体罰により高校生が自殺した事件が大きな社会問題となっています。テレビでこの問題についての報道や人々のコメントを聞いていて、様々な感想を抱くとともに、昔の中学時代のことを思い出したりしました。


 中学に入学し、スポーツでもやったほうがいいかと思ったことと、仲の良い友人らが複数入るというので、とある体育部に入部しました。まったく強くも有名でもなかった部なので、専門家の先生がいて指導するということもなく、2年生が1年の面倒をみていました。入ってすぐはボールを触らせてもらうということは当然なく、基礎体力をつけるためのトレーニングが繰り返されました。しかしそれは、校舎の長い廊下の端から端まで何往復もうさぎ跳びをさせられたりと、合理的なものでも個々人の体力に合ったものでもなく、前近代的なシゴキと言えるもので、それが毎日繰り返されるのでした。


 あまり部員が多くても困るので、2年生たちは、ふるいにかけるためシゴキをしていました。また、1年前に自分たちがそのようなシゴキを受けたので、「復讐」という感じで強要する2年もいました。殴る蹴るということはなかったけれど、明らかに、いじめ、体罰だったと、いま振り返ってみて思います。それが馬鹿らしくて1ヵ月ほどで部を辞めました。


 いじめの問題も体罰の問題も、テレビのコメントを聞いていると、いじめられる側がどうのこうのとか、体罰をする側とされる側の人間関係だとか、指導方法がどうのとか、ごちゃごちゃといろんなことを言っている場合が多いですが、そんなことはまったく関係ない。いじめは悪い、体罰は悪い、差別は悪い、根絶しなければならない、ということを揺るがせない絶対的な前提としなければ解決の一歩を踏み出せない。


 体罰の問題とは少し違いますが、「人間はみな平等」と言いながら、そうなっていない世の中があり、「すべての人間が平等になるなんて不可能だ」ということも言われます。しかし、そこに向かって努力するしかない、その努力の中で、差別やいじめの問題も解決していくのではないかと、夢のようなことを思っています。(k)


 


一面の雪景色

2013-01-15 09:00:00 | (麗)のブログ

タイトル通り、昨日は「爆弾低気圧」による大雪で、首都圏は一日中、真っ白な銀世界となりました。しかしすごい量の雪でしたね!

久しぶりに降る雪に興奮が抑えきれずに、起きて早々、なんら面白味もない近所の雪景色を思わず写真におさめてしまいました。

それにしても、都心などは雪が降ると一大事です。
交通機関のマヒ、雪に慣れていない人たちの転倒・怪我、車のスリップ事故など。

昔、北海道の人に雪道を歩くコツは「足の裏全体をつけて歩くこと」だと聞いたので試してみましたが、どうにも滑ってしまいますね…。
こんなとき長靴があればなと思います。

幼い頃はもっと雪がたくさん積もっていたはずなのに、最近は数年にあるかないか…。
雪が降った朝は、母の「雪積もってんで!」という声で飛び起きて、喜んで外を眺めていたものです。
あとは定番の雪合戦やら雪だるまやら作って遊んだり…懐かしいです。


雪が完全に溶ける日までは、しばらく電車通勤です…。なんとか転ばないように、しっかり足を踏ん張らないと…。
皆さんも、十分気をつけて下さいね。(麗)


トンポ三ツ星店★★★

2013-01-12 08:44:06 | (淑)のブログ

 同胞が経営するお店を紹介する「お店Navi」という長寿連載が昨年で終わり、2013年から新しく「私の三ツ星」という連載が始まりました。同胞オススメのお店を、店主と常連さんの対話形式で紹介するという楽しい企画です。
 1月号では大阪の「ふくまさ」というふぐ料理店を紹介し、来週出来上がる2月号では東京・押上の「文花苑」という老舗の焼肉店を紹介しています。
 先日の取材では、墨田のご近所さん3人を交えてお話をお伺いしました。

 お店に着いたのは午後5時。
 飲食店の取材はとにかく料理を美味しそうに撮ることが大事なので、わりと時間をかけて何枚も撮影します。
 ですが店に着いて段取りを済ませると、次の瞬間には目の前にジョッキ生。ハイ、カンパーイ。矢継ぎ早に運ばれてくる料理。ジュー(肉の焼ける音)。え、私取材に来たのですが…。
 肉は次々に鉄板の上で焼かれメンバーの口の中へ。(肉!ちょっと待って!)と心の声は届くはずもなく、加速する仲良し3人トリオのお喋りを記録して…。店主の李さんは、「金トンムはビールは好き? 飲んで飲んで! 肉も焦げちゃうからいいから食べて!」と、取材そっちのけで料理を振舞ってくださいました。私、一体カルビ何枚食べて、「あ、じゃあもう一杯だけ」って何回言ったんでしょう(苦笑)。

 この「私の三ツ星」という連載、店主だけでなく常連さんも交えてお話をすることで、おすすめ料理やお店のコンセプトといった枠にとどまらず、店主と常連さんの思い出話から同胞トンネにまつわる四方山話にまで広がっていきます。そこからは商売をしながら同胞コミュニティを支えてきた人々の存在、地元史も見えてきます。それで、今後この連載が楽しみな取材の一つとなりそうです。もちろん、おいしい料理も目当てで(笑)。
 読者の皆さんも、「この店はわれこそ紹介したい!」という、ご自慢のトンポ三ツ星店があればぜひともイオ編集部までお知らせくださいね。(淑)


今年の目標は

2013-01-11 09:01:06 | (相)のブログ
 新年、あけましておめでとうございます。
 年が明けて10日以上経っていて、いまさらという感もありますが、2013年に入って最初の更新なので、あらためて。
 年末年始の休暇期間中にたっぷりと英気を養い、いざ仕事始め。5日の新年初出勤以来、昨日まで2月号の編集作業に全身全霊を傾け、昨日、何とか無事校了を迎えることができました。
 昨日のエントリーで(瑛)さんも書いていましたが、イオはこの2月号で通巻200号を迎えることになりました。2月号は200号記念の特集を組んでいます。
 1996年の創刊以来、足掛け16年あまり。一言で200号といいますが、決して簡単なことではありません。本誌の創刊当時、私は大学3年生でした。まったく新しい在日同胞メディアの誕生に興味津々、興奮したことを覚えています。
 それから14年後、まさか自分がその雑誌をつくる側にいることになろうとは…。

 2月号編集の過程で少なくない読者の方々の生の声を聞き、今後、雑誌をつくっていくうえで参考になる意見もたくさん聞くことができました。その声を一つでも多く雑誌編集に活かしていきたい、そう考えています。
 よりよい雑誌を作っていくために今の自分に必要なこと、それは、「自分の殻を破ること」だと思っています。いつの間にかこびりついてしまった古くて固定化した考え方や仕事のスタイルなどを見直し、常に外に目を向け、新しいアイデアや斬新な企画を準備すること。もちろん、そう簡単にはいきませんが、今年はこれを目標にしていきたい。

 雑誌ともども、今年もブログ「日刊イオ」をよろしくお願いいたします。(相)