高級寝具を手掛けるシモンズ(東京・港)の電動ベッド「シムレスト」が好調だ。介護用の需要が高い電動ベッドを、「リラックスベッド」として訴求した点が奏功した。高級マットレスを使いながら価格を20万円程度に抑え、ブランドになじみがない若い世代の心もつかんだ。

東京・有楽町の「SIMMONS GALLERY TOKYO」では電動ベッド「シムレスト」「シムレストプラス」を展示しており、若い世代が訪れる姿も見られるようになった。指名買いで購入するケースも多いという。シングルタイプはマットレスの厚さが約16.5cmと約18.5cmの場合で22万円(税込み、以下同)、約21.5cmで25万3000円(撮影/丸毛 透)
東京・有楽町の「SIMMONS GALLERY TOKYO」では電動ベッド「シムレスト」「シムレストプラス」を展示しており、若い世代が訪れる姿も見られるようになった。指名買いで購入するケースも多いという。シングルタイプはマットレスの厚さが約16.5cmと約18.5cmの場合で22万円(税込み、以下同)、約21.5cmで25万3000円(撮影/丸毛 透)
藤 大輔(とう だいすけ)氏
シモンズ マーケティング部
商品開発課係長兼睡眠工学ラボ係長

神奈川大学理学部化学科卒業後、2021年シモンズ入社。マーケティング部商品開発課で電動ベッドの商品開発、マットレス選定システムの開発を担当。24年8月に開設したシモンズ睡眠工学ラボ係長として、感性工学を取り入れたマットレス選定方法に関する研究を担当

 シモンズの電動ベッド「シムレスト」が快進撃を続けている。2023年3月の発売以来、24年9月末で累計販売台数が1万台を突破した。

 直近の24年10月でも約900台と月間で過去最高の売れ行きを示すなど、発売後1年半が経過しても勢いは衰えない。価格は約20万円で、月間販売台数ではシモンズの同価格帯の製品の10倍近く売れている。

 「これまでも電動ベッドを売ってきたが、1年半で1万台の販売台数を達成できたのは画期的。一般に電動ベッドは介護用のイメージが強く、価格帯も50万円以上のため、中高年の顧客層が将来も考慮して購入する例が多かった」とシムレストの開発プロジェクトを担当したシモンズ マーケティング部商品開発課係長兼睡眠工学ラボ係長の藤大輔氏は話す。

 「そうしたイメージをシムレストでは見直し、“リラックスしながら生活を楽しむための電動ベッド”というコンセプトを打ち出した。価格も約20万円と安価にした結果、若い世代から中高年まで幅広い顧客層に支持された」(藤氏)

ブランドへの入り口にも

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