2025年1月24日(金)

日本人なら知っておきたい近現代史の焦点

2025年1月22日

 1月20日、米国の首都ワシントンでドナルド・トランプが第47代大統領に就任する就任式が行われた。通常は連邦議会議事堂前で行われる就任式であるが、寒波襲来による氷点下の気温のため、1985年のレーガン大統領の二期目の就任式以来となる屋内での開催となった。

異例なことばかりの就任式から第二次トランプ政権は幕を開けた(代表撮影/ロイター/アフロ)

 米大統領の就任式には、人々の記憶に残るものも多い。就任演説で歴史に残るものもある。未曽有の経済危機の中、大統領に就任したフランクリン・ルーズベルトの「恐れるべきは、恐れそのもの」という一節や、ケネディ大統領の「国が何をしてくれるかを問うのではなく、自分が国に対して何をできるかを問え」という一節は、米国の歴史の一部として人々の記憶に残っている。

 1841年に就任式を行ったウィリアム・ハリソン大統領は、風の強い寒い日だったにもかかわらず、史上もっとも長い2時間近くの就任演説を行い、風邪をこじらせて1カ月後に急逝したことで知られている。実際は、風邪をひいたのは就任演説直後ではなく3週間たってからだったのだが、長い就任演説で亡くなったという就任式のエピソードとして語り継がれている。

 前回のバイデン大統領の就任式では、当時若干22歳のアフリカ系の女性詩人アマンダ・ゴーマンが、米国の不正義を直視しつつも未来への希望をみる詩を朗読して話題となったことが記憶に新しい。トランプの第一期目の就任式では、そこに集まった群衆の数が、トランプ側とマスメディアなどの発表と大きく食い違ったことが話題となった。ホワイトハウス側の発表では、史上「最大」とされたが、メディアの調査では、オバマの就任式の時の群衆の数が遥かに上回っていたとされた。このことを問われたトランプの広報はそれもまた「別の事実」と発言して物議をかもした。

 今回は屋外での就任式が中止となったため、参加者は史上最大とはいかないものの、その盛り上がりは特筆に値するものであった。トランプが登場した「勝利集会」と銘打った前夜祭では、デトロイト出身のミュージシャンであるキッド・ロックが登場し、トランプの親族も加わり大いに盛り上がった。


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