欧州棲姫とは、DMMのブラウザゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」に登場する敵キャラクターである。
2017年8月10日23時40分より開始された期間限定イベント「西方再打通!欧州救援作戦」の最終マップとなる第7海域「ドーバー海峡沖海戦」の敵主力艦隊旗艦として、ここまでの長い死線をくぐり抜けてきた提督と艦娘たちを待ち受ける。ただし、イベント当初は前段作戦である第1~第4海域までしか解放されておらず、後段作戦となる第5~第7海域は同月12日午前2時より実装されることが告知された。なお実装は遅れ、最終的に全サーバーへ解放更新されたのは同日午前8時30分すぎであった。
海域名のとおり、イギリスとフランスに挟まれたドーバー海峡を遊弋する。外見は、エイのような艦載機を従えた、重武装の空母ヲ級といった趣き。一部の提督からは「バイクに乗ってるみたいだ」「セグウェイに乗ってるのか?」などといわれているようだが、彼女が手にしているのはハンドルではなく大型のボウガンである。
戦闘前の演出画面では「航空旗艦 欧州棲姫」と表記されている。これらの特徴と、本マップの突破報酬が正規空母アーク・ロイヤル(艦これ)であることから、彼女も空母と思いきや、その装備は、
深海15inch連装砲後期型・深海15inch連装砲後期型・深海FCS+CIC・深海攻撃哨戒鷹
つまり、副砲・副砲・ソナー・艦載機であり、どちらかというと航空巡洋艦や航空戦艦のようなアーミングである。ただし搭載数が多いので、彼女だけで制空値が107もあることは注意。
大規模イベントのラストを飾る、いわばラスボスであるため、その性能はシステムの限界に挑むものとなっている。最高難易度となる甲作戦のステータスは以下のとおり。
耐久 | 880 |
火力 | 330 |
雷装 | 0 |
対空 | 150 |
装甲 | 269 |
搭載数 | 180 |
速力 | 高速 |
射程 | 超長 |
T字不利でなお砲撃戦キャップを超える大火力、夜戦火力200の夜戦魚雷カットインでも30%ほどの確率で割合ダメージに抑えてしまう(=とどめを刺せない)超重装甲がとにかく脅威。
おまけに、本マップは連合艦隊機動部隊による最短ルートでも一戦目で駆逐棲姫と軽巡ツ級が登場し、二戦目で潜水新棲姫の容赦ない先制雷撃の洗礼を受け、三戦目で空母夏姫と空母ヲ級改をはじめとした敵連合艦隊を相手取り、四戦目では戦艦夏姫1~3隻とPT小鬼群がボスへの突入を阻むという、道中としては歴代屈指の理不尽さを誇る。
ボスではわが方の弾薬こそ四戦目相当だが(連合艦隊では潜水マスで弾薬を消費しないため)、燃料がほぼないために、回避ががた落ちとなっている。被弾はまぬかれない。その敵艦隊の編成もまた慈悲がない。
第一艦隊 | 欧州棲姫 | 戦艦夏姫 | 戦艦夏姫 | 軽母ヌ級改flagship | 駆逐ナ級後期型flagship | 駆逐ナ級後期型flagship |
第二艦隊 | 軽巡ツ級elite | 駆逐ナ級後期型flagship | 駆逐ナ級後期型flagship | 駆逐ナ級flagship | 駆逐ナ級flagship | 駆逐ナ級flagship |
陣形は第四警戒航行序列であるため、砲撃戦の火力は最大限に活かされる。駆逐ナ級後期型flagshipの火力は89(装備なし)であり、これは戦艦ガングート・ドヴァーの火力90(装備なし)に匹敵する。雷装は123、装甲は69とやはり高く、駆逐艦とは名ばかりの戦艦(北上改二なみの雷撃可能)である。
つまり、いずれの深海棲艦も、「当たれば艦娘を一撃で中破ないし大破できる」スペックを有しているといえる。
もちろん、ゲージ破壊可能圏内に入ると、彼女自身も含めて艦隊が強化される。
ラストでは欧州棲姫-壊となり、グラフィックも禍々しいものへと変化。台詞も変わる。
ステータスはさらに上昇する。
耐久 | 880 |
火力 | 390 |
雷装 | 155 |
対空 | 180 |
装甲 | 289 |
搭載数 | 198 |
速力 | 高速 |
射程 | 超長 |
装甲の高さは戦艦仏棲姫-壊-(装甲277)をも超えて、驚愕の289となり、装甲を抜ける可能性はさらに下がる。
ダメ押しに艦隊も再編成される。
第一艦隊 | 欧州棲姫-壊 | 戦艦夏姫 | 戦艦夏姫 | 空母夏姫 | 駆逐ナ級後期型flagship | 駆逐ナ級後期型flagship |
第二艦隊 | 軽巡ツ級elite | 軽巡ツ級elite | 駆逐ナ級後期型flagship | 駆逐ナ級後期型flagship | 駆逐ナ級後期型flagship | 駆逐ナ級後期型flagship |
戦艦夏姫はもとより、空母夏姫が加わったことで、制空値も増加、持ち前の高耐久で旗艦への攻撃を分散させられることになる。
艦隊の制空値は合計で227。道中で損失するぶんや、差し向ける基地航空によって敵制空値を漸減できるぶんを考えて、なんとか航空優勢をとっておきたいところ。しかし艦戦を無駄に積みすぎると空母の火力が下がってしまう。艦戦と艦攻、ぎりぎりのバランスが要求されることになる。
本マップにはギミックが2つ存在する。ルートを短縮させるギミックAと、QマスとTマスとボスマスで自軍の砲戦火力がキャップ後1.3倍になるギミックBである。これらは必ず解放しておこう。
ギミックを解放したうえで、四戦すべてがボス級の道中で損傷を出さず、ボス戦で基地航空隊がじゅうぶんに働き、航空戦で可能なかぎりの打撃を与え、支援艦隊が最大限の仕事を果たし、敵からの砲撃を回避しつつ夜戦までに欧州棲姫だけを残す(またはそれに準じる)状況にもっていき、夜戦火力キャップ到達艦による魚雷カットインを叩き込んで、なおかつ装甲の低い乱数を引く。この運を引き寄せねば勝利はおぼつかない。
現状、歴戦の提督たちでも挫折を味わう屈指の超高難度マップである。イベントのリアルタイムアタックで常にトップを走っていた、いわゆるRTA勢ですらあまりの理不尽さに一時中断を余儀なくされるほどであった。
攻略法が確立されつつあるが、それでも艦これのイベントで五指に入る強敵であることには間違いない。連合艦隊マップであること、道中・決戦支援は必須であること、基地航空隊を3基地とも出撃させなければとうてい突破などできないために敵からの基地空襲を甘んじて受けねばならないことから、一回の出撃で消費する資源は非常に重いものとなる。潜水新棲姫という回避不能の門番がいることもあいまって、「次にボスに行けるのはいつなのか……」と精神にも悪影響を及ぼすことだろう。
ただし、これは甲作戦の話である。これまで甲勲章をいくつか勝ち取ってきていて、欧州棲姫-壊に最後の一撃が届かなくて切歯扼腕している提督が、もし丙作戦の本マップに挑んだなら、手ごたえもなにもなく「今までの苦労はなんだったのか」と拍子抜けするほどにあっさりと突破できてしまうだろう。イベントの期間は限られているし、リアルのスケジュールもあるだろうし、報酬のアイテムこそランクが落ちてしまうものの、難易度を落としてクリアすることは負けでもなんでもない。丙でもアーク・ロイヤルの美しさは変わらないのである。提督諸氏が自身で納得のいく決断を下すことを祈る。
ちなみに、突破報酬のアーク・ロイヤルのイラストを担当しているとみられるイラストレーター・コニシ氏が甲で本マップに挑んだところ、ラストとなる欧州棲姫-壊の耐久を1だけ残して戦闘終了となってしまう不運に見舞われた。こちらがそのツイート
恐ろしいのは、だれでもこれとおなじ事態に陥る可能性がある、ということである。甲ならなおさら高い。甲作戦に挑む提督は心してほしい。
突破報酬で空母アーク・ロイヤルが艦隊に合流すること、ドーバー海峡に出現することから、モティーフは英空母HMS〈アーク・ロイヤル〉と考えられる。
〈アーク・ロイヤル〉はスコットランド北西のユー湖を拠点とし、ときにはデンマークのカデカット海峡で、ときにはアフリカのシエラレオネで、ときにはジブラルタルで、ときには地中海で、与えられた任務に従事し、独戦艦〈ビスマルク〉追撃戦においては、高速戦艦である〈ビスマルク〉を足止めするために、夜間にもかかわらず航空機ソードフィッシュを発進。決死の雷撃で〈ビスマルク〉の舵を使用不能に追い込んだ。
直前にソードフィッシュは〈ビスマルク〉の左舷中央部にも魚雷を直撃させているが、わずかな浸水だけでほとんど被害は与えられなかった。まともに攻撃したのでは、少なくとも〈アーク・ロイヤル〉の航空機では、排水量の40%を装甲に割いている〈ビスマルク〉の防御力には歯が立たなかったのだ。むろん舵など狙って命中させられるものではない。おまけに、結果論ながら、このとき〈アーク・ロイヤル〉のソードフィッシュが舵に魚雷を当てられていなかったら、英国海軍は〈ビスマルク〉を撃沈できていなかったともいわれている。
つまりソードフィッシュの雷撃は〈ビスマルク〉撃沈の最後のチャンスであり、それがよりにもよって装甲など関係ない舵に命中したのは、まさに運命のいたずらとしかいえない。
また、〈アーク・ロイヤル〉は、おなじく空母の〈カレイジャス〉、〈ハーミーズ〉とともに、空母と駆逐艦隊からなる対潜群(ハンターキラー・グループ)に編成されたことがある。英海軍はドイツの潜水艦を極度に恐れていた。第一次世界大戦でドイツのUボートに手痛い通商破壊を受け、国が餓死直前まで追いつめられた苦い経験があったためである。さて〈アーク・ロイヤル〉は期待どおり敵潜水艦を発見し、雷撃にさらされながらも回避、味方の駆逐艦に爆雷でU-39を浮上に追いやらせた。U-39は乗組員が離艦したのち沈没。これが第二次世界大戦における初のUボート喪失だった。
〈アーク・ロイヤル〉は被雷しなかったものの、同様の任務に就いていた僚艦〈カレイジャス〉が雷撃で撃沈されたので、「空母で潜水艦狩りは危ないな」ということになり、空母を用いた対潜群は中止となった。
欧州棲姫が、対潜特化の深海攻撃哨戒鷹を装備しているのは、〈アーク・ロイヤル〉が一時的とはいえ対潜群に所属し、協同ではあるが戦果も挙げている艦歴があるからかもしれない。
ちなみに、武運めでたい〈アーク・ロイヤル〉も運命には勝てず、Uボートが放った、たった1本の魚雷が原因で沈んでいる。しかし現在のところ、欧州棲姫にろーちゃんなどの潜水艦による攻撃に特効があるという報告はない。
余談ながら、偶然の一致か否か、第6海域「地中海マルタ島沖」の戦力ゲージのボスである空母夏姫率いる敵主力艦隊の出現する地点は、ちょうど〈アーク・ロイヤル〉の沈没場所にあたる。
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最終更新:2024/12/23(月) 01:00
最終更新:2024/12/23(月) 00:00
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