提督とは (テイトクアドミラルとは) [単語記事]

提督とは、次のものを指す。

提督　-　艦隊の指揮官や、海軍の階級を指す用語。本稿ではこれについて述べる。
提督　-　カプコンの対戦格闘ゲーム「ヴァンパイアセイヴァー」の有名プレイヤー。詳しくは「VampireSavior プレイヤー名鑑：ジェダ」を参照。

概要

提督という日本語には、幾つかの用法がある。

「艦隊司令官」を指す用法

艦隊（複数の艦船の集まり）の全体を指揮する司令官を指して「提督」と言う場合がある。ちなみに個々の艦船を指揮するのが艦長や船長である。

Wikipediaの該当項目によると、江戸時代の日本に黒船の艦隊を率いて来航し開国を迫った事で有名な「マシュー・ペリー」を「水師提督」と表現したことが始まりらしい。

「提督」や「水師提督」は中国の清朝の武官の役職名だったようだ。「水師」とわざわざつくことからもわかるように、それまでは「提督」とのみ言った場合は海軍の司令官とは限らない存在だった。「提」とは引き連れること、「督」とは率いて指導することであり、漢字一つ一つの意味を取っても水や海と言った含意はない（なお、現在では滅多に使われないものの、「統率する」と意味で「提督する」という用法もある）。

しかしこのペリーの印象が強かったためか「提督」と言えば「艦隊の司令官」という用法が固定された。

「海軍の将官」を指す用法

「海軍における将官の総称」としての用法もある。陸軍や空軍における「将軍」に相当する。

現在、軍隊の階級のうち、「提督」と呼ばれるのは海軍元帥（5つ星。訳語多数。）、海軍大将（4つ星。英:Admiral）、海軍中将（3つ星。英:Vi ce admiral）、海軍少将（2つ星。米海軍では1つ星も同じく少将。英:Rear admiral）、准将または代将(1つ星。英:Com modore)である。これらは、NATO コードで言えばOF-6以上に該当する。

ちなみに陸・空軍の将官の総称はあくまでも「将軍(general)」であり、提督とは呼ばれない。

歩兵の一人ひとりが戦力単位となる陸軍・陸戦とは異なり、海軍・海戦では１隻に数十人～数千人の大人数が乗り込む艦艇が戦力単位となる。そのため、１個戦力単位たる軍艦を指揮する艦長と、１個戦闘団たる艦隊を指揮する提督の階級が近いという特徴がある。

英語では

「提督」に相当する英単語としては、「admiral」が使用されることが多い。「admiral」は「艦隊の司令官」という意味、および「海軍将官の総称」という意味双方があり、「提督」の用法に合致する……というか「admiral」に「海軍将官の総称」という用法があったので、「提督」という日本語にもその用法が生まれたのだろう、多分。

だが、上述のように「海軍大将」という特定の階級も「Admiral」と呼称する。これは、英語における階級敬称の略称形式によるもので、類似例として「Lieu ten ant Commander」（海軍少佐）を略式敬称で「Commander」（海軍中佐）と呼ぶことが認められている。
・・・ソレ、紛らわしくないのか？