西武ドームとは、埼玉県所沢市にある西武鉄道が所有するドーム球場である。日本プロ野球パシフィック・リーグの埼玉西武ライオンズが本拠地として使用。2022年3月1日から2027年2月28日(予定)までは名称がベルーナドームとなる。
概要
西武ドーム (ベルーナドーム) Seibu Dome (BELLUNA DOME) |
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基本情報 | |
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所在地 | 埼玉県所沢市 |
起工 | 1978年6月 |
開場 | 1979年4月14日 |
所有者 | 西武鉄道 |
使用チーム | 埼玉西武ライオンズ |
収容能力 | 33,921人 |
グラウンドデータ | |
両翼 | 100m |
中堅 | 122m |
左右中間 | 116m |
フェンス | 3.2m |
面積 | 12,630㎡ |
経歴 | |
競技場テンプレート |
1963年に竣工した西武園球場が元々存在し、アマチュア専用の貸し野球場として使用されていた。
1978年からプロ野球興行が可能になるよう大規模な改修工事(実際には完全に作り変えたといっていい)が行われ、その工事の最中に西武グループの国土計画がクラウンライターライオンズを買収。これにより西武ライオンズ球場(通称は「西武球場」。西武山口線・狭山線の西武球場前駅に名前が残っている)が完成した。
1979年の開場から1997年までは屋外の野球場として運営してきたが、1998年からペナントレースと並行しながら球場に屋根を取り付けるための工事が始まり、1999年に屋根が取り付けられ完全にドーム化された。既存の球場をドーム化するというものは世界的にも稀な例である。どうやら税金対策として屋根を建築物扱いから除外するためにこのような作りになったらしいが、結局は屋根も含めて建築物という判断がなされ、税金対策の目論見は失敗に終わっている。
ネーミングライツによってインボイスSEIBUドーム→グッドウィルドーム→西武プリンスドーム→メットライフドームと名称が変遷し、2022年3月からは地元埼玉(上尾市)に本社を置く通販会社のベルーナが命名権を取得、ベルーナドームに改称して現在に至る。
狭山丘陵に位置するため、開幕直後やシーズン終盤は非常に冷え込む(特にナイトゲーム)。ライオンズが日本シリーズに出場した時は「何も知らない○○ファンが凍死する」というスレがプロ野球板に立つのが定番となっているほどである。その時期に観戦する場合は関東だと甘く見ずに防寒対策をしておこう。
反面、夏場は熱がこもり非情に蒸し暑くなるため、ファンからは「西武サウナドーム」と揶揄されている(2018年の40周年事業の一環として空調の改善を行うなど暑さ対策をするようではあるが)。
また、壁がないため雨天中止はなくとも客席に雨が吹きこんでくることがあるなど、観戦にはいろいろ注意が必要な球場である。
ホームは三塁側。2008年までは一塁側だったのだが、これは単にホームは一塁側を使用するものだと思われていたためというのが理由である。三塁側に変更になったのは、事務所や練習場、西武第二球場といった各種球団施設が三塁側にあることや、店舗等が充実しているといったことが理由である。
ドーム化にしたがってグラウンドが現在の大きさに広げられたほか、2007年~2009年にかけて改修工事が行われている。芝が張り替えられたほか、フィールドシートの設置、売店やトイレの新設、エレベーターの設置、トイレなどが改修された。
プロ野球12球団の本拠地12球場中で最小の面積というほどファウルグラウンドが極端に狭く、外野のファウルフライがレアであるほど。これは後述のフィールドシート設置のためにブルペンの位置が変わったため。ライオンズが勝利したときは花火の打ち上げが行われるのが恒例だったが、2011年からは花火の映像が流れるだけになった。
パ・リーグの本拠地6球場の中で、こことエスコンフィールドHOKKAIDOは本拠地のチーム以外が主催の試合を行ったことがない。宮城球場は現在の改築された状態では2005年に巨人が主催試合を1試合行い[1]、それ以前はロッテ(当時オリオンズ)が本拠地としていた時代もあり、他球団も試合を主催していた。千葉マリンスタジアムはヤクルトが大学野球の時期に主催していた時代があった[2]。西武・ナゴヤ以外のドーム球場はすべて巨人が主催しているし、その他の球団の主催も時折行われている(ライオンズ自身も日本ハムの北海道移転前の札幌ドームで主催試合を行ってる)。ちなみに西武園球場時代はオープン戦の開催はあったらしい。
食事に定評がある。店舗数は国内球場トップクラスの70店舗と種類が多く、メニュー数は1000種類以上。味も他球場と比較して評判がいい。やはり接客を専門とするプリンスホテルのテクニックが応用されているのだろうか。築地銀だこやサーティワンアイスクリームと言ったショッピングモールでも見かける大手店舗や沖縄料理、ヴィーガン向け料理も揃っている。
完全に密閉されていないために消防法に引っかからず、火を使うことができるというのも大きいだろう。食事の売店は球場内だけでなく球場外にも多数存在する。球場に入った後も一時退出が可能であるため、自由席であっても席を確保した後に球場外の食事を購入することもできる。
ただし、後述するイベント開催時は獅子ビルの「グリーンフォレスト」以外は営業していないことが多い。球場外の飲食物がある施設は、ファミリーマートとその上にある居酒屋ぐらいである。試合開催時はドームの売店が営業しているので特に困らないが、イベント開催時は前述の通りドームの売店が営業していないことが多いため、ファミリーマートや数少ない飲食店に人が集中することから、あらかじめ食事を済ませてから来たほうが良かったりする。
2017年末から球団40周年記念事業として180億円を投資した改修・再整備工事が行われる。2019年夏には室内練習場(ライオンズトレーニングセンター)、新選手寮(2代目若獅子寮)、新大型グッズショップ(ライオンズ チームストア フラッグス)が完成した。
また、二軍の本拠地である西武第二球場も大規模な改修工事が行われた。 → 詳細は西武第二球場の記事にて
座席
外野席
西武ライオンズ球場時代は一部を除いて天然芝、西武ドームになると人工芝でその上に直接座る形であった。
2020年のシーズンオフから人工芝席からイス席へ転換。外野指定席に加えて、車イス対応のデッキ席ライト側のみにあるパノラマテラスが設置された。
内野席
SSからCの5種類の内野席の他、パーティテラス、リビングシート、パノラマウッド、ブルペンかぶりつきシート、ダグアウトトップシート、ダイニングシート、デッキシート、フィールルドビューエリアがある。何がどういう席なのかを知るためには公式サイトを参照。
ネット裏
プレミアムエキサイトシート、プレミアムシート、エグゼクティブシート、テーブル、カウンターシート、パーティテラス、ネット裏指定席といった種類がある。プレミアムエキサイトシート、プレミアムシート、エグゼクティブシートが座席が革張りであり、その内プレミアムシート、エグゼクティブシートにAC電源が設けられ、プレミアムエキサイトシートでは空調設備があるため快適な観戦ができる。
アクセス
最寄駅は西武球場前駅。最寄駅からの距離は本拠地12球場中最短である。
駅には2路線乗り入れている。1つ目の西武狭山線は西所沢駅で西武池袋線と接続しており、線内折り返し運転の他、池袋方面への直通列車も多数運行されている。試合終了時には頭端式ホームに10両列車が2~3台は待機しており、待たずに電車に乗れるというメリットがある。さらに言えば球場と鉄道が同じグループ企業であるため、試合が長引いても臨時列車が運行され、最低でも池袋までは行くことができる(ただし2009年7月2日の西武対ロッテ戦は、試合時間が5時間42分に及び、増発された西所沢止まりの臨時列車の池袋方面への接続がなかった)。
2つ目の西武山口線(レオライナー)は西武多摩川線との接続駅である多摩湖駅(旧・西武遊園地駅)までしか行かないが(規格が違うため乗り入れ出来ない)、混雑を避けて中央本線国分寺駅まで抜けられるというメリットもある。やや距離はあるが、多摩湖駅から西武西武園線の西武園駅までも徒歩圏内である。
あくまでも、待たずに乗れると言うのは、野球の試合の時の話であって(途中で帰る人が少なからずいるため)、これが後述のコンサート当日になったりすると、終了と同時に一斉に客が帰ろうとするので、西武ドームの規制退場+西武球場前駅の規制入場でろくに帰れないことが多い。ただし、規制入場は西武狭山線に対してだけであることが多い。
ちなみに土日祝日の試合開催時には、多摩モノレール上北台駅との間に臨時バスが運行されることも付け加えておく。また、本数は少ないが、立川駅北口発~玉川上水駅・上北台駅を経由し、ドームへ向かうバスもある。帰る際の上北台駅・立川駅方面のバスは随時運行されるが、試合展開に関わらず、試合開始から3時間30分経過した時点でのバスが最終となるので、帰りに利用する際は時間に注意する事。かつてはコンサート開催時にも運行されていたが、近年は運行されていない。
徒歩やレンタサイクルで上北台駅方面に向かう客もいる。・・・が、歩道こそあれど、街灯が少なく交通量の多い森の中と湖の上を突っ切る道のため、よほどドーム周辺の道に慣れた人でない限りオススメできない。どうしてもナイターやライブ帰りの夜に徒歩で上北台駅方面へ向かう場合は、ネット上にある実際に夜に歩いた先駆者のレポートをしっかり読み込み、歩く際はペンライト等の光るグッズでドライバーに歩行者がいると認識させるなどの対策をしていくことを強く推奨する。また森を抜けると大通りに出るまで住宅街を通るため、騒音にも注意。
野球以外での使用
イベント会場としては国際バラとガーデニングショウや高校生クイズ関東大会、コンサートなどで使用されている。コンサートでは、西武球場時代に渡辺美里が長年にわたってこの地で毎年夏にコンサートを開催、恒例となっていたが、現在は行われていない。
また、ももいろクローバーZも2012年夏(1Day)・2013年春(2Days)と年末(1Day)にコンサートを行っているほか、2016年4月にはドームツアーにもかかわらずあえて東京ドームを使わずにここを使用(2Days)している(変則5大ドームツアーは2001年のB'z以来。6大ドームツアーならMr.ChildrenやEXILE系列が経験あり)
コンサートについて、一般的にドーム球場は東京・大阪・ナゴヤ・福岡・札幌の5つを指して「5大ドーム」と呼ばれることが多かった。前述の成り立ちのほかに施工が唯一鹿島建設なのも関係しているのだろう(前掲のドームは全て竹中工務店の施工)。ただ、近年では集客の悪い札幌を外し、西武ドームを加えて5大ドームツアーとするアーティストもみられるようになってきたので、曖昧な定義となっている。他のドーム球場と比べて使用料が比較的安いという事情もあり、開催件数も多くなり野球ファン以外の認知度も高くなっている。同時に過酷な環境の認知度も高くなっている。
- 水樹奈々が2009年夏(1Day)・2010年夏(2Days)・2013年夏 (2Days)・2015年夏(1Day)・2018年夏(1Day)・2019年夏(1Day)ライブを開催。
- アイドルマスターは2015年夏(765プロ・デレマス・ミリマス合同、2Days)・2018年秋(デレマス単独、2Days)・2022年春(デレマス単独、2Days)・2022年秋(デレマス単独、2Days)にライブを開催。
- うたの☆プリンスさまっ♪が2017年春(2Days)・2018年5月(2Days)にライブ、ファンミーティングを開催。
- Aqoursが2017年秋(2Days)と2018年夏(2Days)と2019年夏(2Days)と2022年春(2Days)にライブを開催。
- アイドリッシュセブンが2018年夏(IDOLiSH7、TRIGGER、Re:Vale合同、2Days)と2019年夏(IDOLiSH7、TRIGGER、Re:Vale、ZOOL合同、2Days)にライブを開催。
- 男性声優アーティストレーベル「Kiramune」のフェスが2019年春(2Days)に開催し、平成最後のメットライフドームでのコンサートとなった。
- BanG Dream!が2019年春(Poppin’Party・SILENT SIREN対バン、2Days)にライブを開催。
- 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会が2021年春(2days)にライブを開催[3]
- キングレコード(KING AMUSEMENT CREATIVE)のアニソンフェス「KING SUPER LIVE 2022」が2022年6月(2Days)開催予定。→延期(開催日未定)
- ウマ娘 プリティーダービーが2022年11月(2Days)にライブを開催。
尚、2020年は新型コロナウイルスの流行により以下のライブが中止・延期の運びとなった。
- ヒプノシスマイクが2020年春(Buster Bros!!!・MAD TRIGGER CREW・Fling Posse・麻天狼・どついたれ本舗・Bad Ass Temple合同、2Days予定)にライブを開催。→中止
- うたの☆プリンスさまっ♪が2020年春(ST☆RISH、QUARTET★NIGHT、HE★VENS合同、2Days予定)にライブを開催。→2021年秋(2Days)へ変更(開催済み)。
- あんさんぶるスターズ!が2020年春(2Days予定)にライブを開催。→中止
- BanG Dream!が2020年春(Poppin'Party・Roselia・RAISE A SUILEN・Afterglow・Pastel*Palettes・ハロー、ハッピーワールド!合同、1Day予定)にライブを開催。→2021年夏(2days)へ変更→再延期[4]
- 宮野真守が2020年夏(1Day予定)にライブを開催。→中止
- アイドルマスターは2020年夏(SideM単独、2Days予定)にライブを開催。→中止
- LiSAが2020年秋(2Days予定)にライブを開催。→中止
- 戦姫絶唱シンフォギアが2020年秋(1Day予定)にライブを開催。→中止
- Aqoursが2020年秋(2Days予定)にライブを開催。→中止(無観客有料配信ライブへ変更予定だったがそれも中止)
ギャラリー
球場内 | 外野席 | スコアボード |
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スコアボード | チームストア フラッグス | トレーニングセンター |
関連動画
関連項目
日本プロ野球の本拠地野球場一覧 | |
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セントラル・リーグ | MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島 - 阪神甲子園球場 - バンテリンドーム ナゴヤ 横浜スタジアム - 明治神宮野球場 - 東京ドーム |
パシフィック・リーグ | みずほPayPayドーム福岡 - 京セラドーム大阪 - ZOZOマリンスタジアム ベルーナドーム - 楽天モバイルパーク宮城 - エスコンフィールドHOKKAIDO |
脚注
- *対戦相手である横浜・佐々木主浩の引退登板となった。
- *他にも、2020年に東京オリンピックの会場の都合上、横浜スタジアムを使用できない横浜DeNAベイスターズがオリンピック期間中にZOZOマリンスタジアムで試合を開催する計画があったが、東京オリンピックの開催延期に伴い横浜スタジアムを使用できるようになったため、実現しなかった。
- *西武ドーム(メットライフドーム)のリニューアル後に初めて開催されたライブである。なお、開催日は埼玉県にまん延防止等重点措置が発動していたが、チケットの大半を措置前に売っていたため予定通り開催された。
- *2020年の1Day当選者を2021年の2Daysに振り分けることで観客50%での開催を予定していたが、埼玉県のまん延防止等重点措置が延長になる可能性(入場者が5000人に制限されるため)を考慮して再延期となった。
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