儒教とは、孔子とその弟子達が創成した宗教(思考、信仰)、哲学である。
人として五常を守り、五倫との関係を維持していきましょうという教えの事。(詳細は概要)
学問としては儒学、哲学としては儒家思想ともいう。道教とともに中国の宗教である。
日本では、儒学として受け入れられてはいるが、仏教等と比べ宗教として意識されることは稀である。
概要
春秋戦国時代(紀元前770年~紀元前221年。ようするにすごい昔。ちょうどキングダム(漫画)で描かれている時代)、魯という小国の孔子が創始し、その後弟子たちがまとめた思想体系である。
儒教は人として五常(仁、義、礼、智、信)を守り、五倫(父子、君臣、夫婦、長幼、朋友)との関係を維持していきましょうとの教えの事であるが、五常や五輪とは諸説はあり、いろんな人が都合の良いように解釈していたりするがだいたい以下のような事である。
- 仁: 人を愛し思いやること。
- 義: 利欲にとらわれず、世のため人のため(大義やら正義も入る)に行動すること。
- 礼: 自分を謙遜し、相手に敬意をもって接すること。決まりを守ること。
- 智: 偏りのない考え方を持ち、知識や知恵を得ること。道理を知り、善悪を判断する知恵のこと。
- 信: 人を欺かず、言明を違えない事。人に信頼を持たれるよう行動すること。
- 父子: (父子有親) 父子の間には親愛がある。父子とは親子の意味。親は子を深く愛し、子は親に敬意を持ちましょう
- 君臣: (君臣有義) 君臣の間には礼儀がある。要は「君臣水魚」君主と臣下は水と魚のように親密でありましょう
- 夫婦: (夫婦有別) 夫婦の間には区別がある。夫と妻にはそれぞれ別の役目がある。それぞれ役目を全うしましょう
- 長幼: (長幼有序) 長幼の間には順序がある。年少者は年長者を敬いましょう。年長者は年少者を慈しみましょう。
- 朋友: (朋友有信) 朋友の間には信義がある。友達とはお互い信じあって付き合いましょう。
と、なっている。
簡単に言うと、「他人を思いやり、欲にとらわれず、他人に敬意をはらい、よく勉強をして、信頼される人間になりましょう。」「いろんな人間関係もあるけど、目上には敬意を払い、目下は大切にしていきましょう。」という教えのことである。
経典は礼記、春秋、詩経、易経、書経などと、その他諸々(例えば、有名な物は論語。これは孔子が書いたわけではなく、弟子たちがまとめた孔子語録である)。
英語での呼び名は Confucianism (コンフューシャニズム)。これは、孔子が西洋に紹介された際に「孔夫子(孔先生の意)」の発音に、ラテン語綴りとして Confuciusをあてたため。この表記を考案したのは宣教師マテオ・リッチの可能性が高いと考えられている。
日本の儒教
日本には513年に百済の五経博士(ようするに儒教に詳しい人)が来日して伝えたとされている。これは仏教の伝来よりはやい。
本場中国は勿論、過去現在の日本の文化や考え方に非常に強い影響を与え、私達が仏教や神道のものだと思っているものも実は儒教由来だったり(例えば、日本の墓など。日本の仏教は本来のインドなどの仏教とはかけ離れてしまっている。)、知らず知らずの内に儒教的な考え方をしたりしている。
江戸時代には儒学者が多くあらわれ、特に朱子学(儒教の一派)は幕府公認の儒学だった。
宗教施設は廟とよばれ、日本では長崎の孔子廟や東京の湯島聖堂が有名。このほか中国や台湾にもある。
明治時代に入り、儒教的な道徳教育を規制する命令が文部卿(現在の文部科学省)からでるが、1890年に制定された教育勅語に儒教の忠孝思想が入れられ奨励される事となる。なお、1948年に教育勅語は学校教育から失効され、謄本は回収されている。
現在では、上記されている「論語」が学校教育にもかかわっており、「子曰く…~」の一節や、「これを知る者はこれを好む者に如(し)かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如(し)かず。」は聞いたことがある人が世代を問わず多く、道徳や倫理の古典的な考え(学問)として受け入れられている。
このように、現在の日本での儒教は、儒教に関わりのある他国に比較して倫理観や生活体系的な影響はあまりなく、一方学問や、「思いやり」等の価値観としての影響が大きいといえる。
儒教系大学に、日本では東日本国際大学がある。建学の精神に儒教を据えている。
儒教と航空機の関連
フィクションじゃないのかよ!騙された!内に詳しく記載されています。(→CRM / 儒教)
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