令呪(れいじゅ、コマンドスペル)とは、Fate/stay nightをはじめとするFateシリーズに登場する魔術機構である。
概要
聖杯戦争において聖杯からマスターに与えられ、3画の図形として体表に現れる「サーヴァントに対する三度限りの絶対命令権」。聖杯戦争のマスターである証でもある。
令呪の行使を宣言したうえでのサーヴァントに対する命令には令呪による強制力が働き、サーヴァントが望まない行動もとらせることが出来る。この命令はより具体的な物の方が効果が高く、おおざっぱなものでは効果が弱まる。対魔力が高いサーヴァントは令呪による命令にも抵抗する事が可能である。
また、サーヴァントと同意の上で使用した場合、サーヴァントの行動に対する強力なブーストとしても使用する事が出来る。その際には本来のステータスを上回る能力を発揮したり、消耗を回復させたりもできる。そのほか、離れた場所にいるサーヴァントを空間跳躍させて召喚するなどの使用法も取れる。
令呪は強力な魔力の集合体でもあるため、持ち主によってはサーヴァントに関すること以外に別の使用法も出来る。Fate/Zeroでは言峰綺礼が魔術回路代わりに令呪を使用して魔術を行使している。また、(後付ではあるが)綺礼はFate/stay nightでも間桐桜の治療のために残っていた令呪すべてを使い切っている。
捕えようによっては、もしもサーヴァントがマスターに反逆するような意志を特に持っていないなら、強力な切り札にもなりうる令呪をただサーヴァントを服従させるためだけに消費ことはかなり無駄が大きいということでもある。歴代シリーズ内では、マスターとサーヴァントとの不仲のせいで令呪を無駄撃ちしてしまったことがのちのち裏目に出てしまうこともあれば、逆にお互いの相性が良く令呪に依存しない関係を築く場合もある。
心霊的な手術や聖杯戦争の監督役の権限によって令呪はマスターから別の人間へ移譲が可能となっている。Fate/stay nightでは言峰綺礼がバゼット・フラガ・マクレミッツから腕ごと令呪を強奪し、Fate/Zeroでは監督役の言峰璃正が過去の聖杯戦争で使用されずに残された預託令呪をキャスター討伐の報酬として与えることを提示しており、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトに実際に令呪を一角譲っている。璃正死亡後には綺礼が預託令呪を継承している。
余談だが、令呪の形について公式から意味合いが明言されたことはない。一部のファンの間で、魔術師として優れていれば線対称・点対称に、精神性が歪な者は令呪も歪な形に、といった事が言われる事があるが、これはあくまでファンの想像で公式設定ではないので注意が必要である。
Fate/stay nightにおける令呪
形状はマスターの魔術特性に依存するため、血縁関係のあるマスターの令呪は似た形状を取ることが多い。現れる部位は「両腕のどこか」。そのため、マスターの疑いのある者については上半身を裸にひん剥けばマスターであるか否かを判別することができる。ufotable版のアニメーションでは視聴者への分かりやすさを優先したためか、全員の令呪位置が手の甲に変更されている。
Fate/EXTRAにおける令呪
形状はマスターごとに異なるが、どういった要素によって形状が定まるのかは不明。現れる部位は一様に「右手の甲」(主人公のみ左手の甲)。
Fate/Apocryphaにおける令呪
作品自体がいったんお蔵入りになってから大幅な設定変更を経て世に出た経緯があるが、令呪についての基本的な設定はstay nightを踏襲している。
いっぽう、読み切り版では、魔術師・相良豹馬がアサシンを召喚するも、彼女の異常性を察し咄嗟に令呪によって自害を命じようとする。あわや「自害しろ、ランサー」案件の再来かと思われたが、「いちいち声に出して命令しないといけないなんて不便だよね」と、相良が令呪を行使するよりも早く動いたアサシンによって、顎を切り落とされ発語不能にされ、さらに続けざまに令呪の宿った腕も切り落とされ無力化されてしまう…という顛末が描かれた。
そのため、『魔術師が令呪を行使する』ためのアクションを潰されると、令呪を持っていてもサーヴァントに反逆される危険性があることが示唆されている。このあたりは、帝都聖杯奇譚でも似たことが起こっている。
小説版では、ルーラー・ジャンヌ・ダルクの設定が大幅に変わり、聖杯大戦の監督役を兼ねる形で顕現したジャンヌが過去の聖杯戦争の預託令呪を持っている。さらにジャンヌは単独で顕現しているわけではなく、レティシアという少女の肉体を依り代にしており、彼女の背中一面を覆うように翼のようなディティールの令呪が現れている。少女の背中に紋様が浮かびあがっている様は、なかなかに えっちな 荘厳な威風なので必見。
Fate/Prototypeにおける令呪
形状はマスター階梯に依存し、羽根の形で表れる。羽根の枚数が多いほどマスター階梯が高く、第一位ならば七枚羽根、第七位ならば一枚羽根となる。現れる部位は胸部、貌、背中、掌、舌、瞳など様々である。
Fate/Grand Orderにおける令呪
人類最後のマスター主人公(Fate/Grand Order)が持つ。FGOでは令呪に強制力はない(能力の高い魔術師が用いればサーヴァントに呪いをかけられる)。ただし魔力の塊ではあるのでサーヴァントの瞬間的強化には活用出来る。
他の作品では基本使いきりの令呪であるが、FGOではゲームの都合上、1日1画補充され、3画まで保有できる。
ゲーム上では1画使うことでサーヴァント1騎のNP(宝具使用に必要なゲージ)を100%チャージ又はHP全快、全滅時3画同時使用で控え含むサーヴァント全員のHPを満タンにしてNPを100%チャージすることができる。
FGOの二次創作などでは令呪が補充可能な点を生かして、サーヴァントたちが本来は受け付けなそうな(エッチな)命令を令呪を使って従わせるイラストなどが多く見られる。先輩最低です。
また、その逆に、主人公に対して積極的なサーヴァントを押さえつけるのに令呪を利用されたりもする。
Fate/Requiemにおける令呪
全人類が所有しており、令呪を起動させることでサーヴァントを召喚可能。(ただし主義により令呪を起動させない人もいる模様。)一般的にはサーヴァントへの命令目的で使用する機会は少なく、魔力リソースとして使用することが多い。3画ではなく多数の細かい模様が絡み合ったゲージ制で数日で回復する。魔術適正の有無で回復速度に微量な差がある。戦前生まれの一般人は令呪のデザインがドットパターンである。
関連動画
関連静画
FGO関連
関連商品
関連項目
- 4
- 0pt