エアジハード(英:Air Jihad、香:空中聖戦)とは、日本の競走馬・種牡馬である。
エルコンドルパサー・グラスワンダー・スペシャルウィークら多士済々の1998年クラシック世代における最強マイラーである。異論は認める。
馬名は冠名+ジハード(聖戦)。アッラーフ アクバル!
主な勝ち鞍
1998年:富士ステークス(GIII)
1999年:安田記念(GI)、マイルチャンピオンシップ(GI)
概要
父はテスコボーイ系の種牡馬としては最高の成功を収めた稀代の快速馬サクラユタカオー、母は社台ファームが生んだオークス馬シャダイアイバーの娘であるアイシーゴーグルというなかなかな血統を持つ。
サクラユタカオーは社台スタリオンステーションで種牡馬入りがまとまりかけていたが破談になったという経緯を持っていたためか、社台系列の牧場はユタカオーを積極的に種付けしていた。
その結果生まれたのがサクラバクシンオーやダイナマイトダディといった馬であり、エアジハードもこの系譜に連なる馬であった。
生まれつき膝が反った形だったこともあってかデビューは遅れたが、新馬戦500万下を連勝。素質馬として話題になった。
クラシックを目指し出走した皐月賞トライアルのスプリングステークスではゲート内で暴れて出遅れるも4着に追い上げたが皐月賞の出走権は取れず。
しかも悪いことにこの一件でゲート調教再審査となったが何回も落っこちてNHKマイルカップ直行となり8着に敗れる。
しかし、当時外国産馬のダービーと言われたNHKマイルカップにおいて、内国産馬最先着するなど才気の片鱗を見せてはいた。
3歳秋、条件戦を連勝しGIII富士ステークスに挑み古馬を抑えて快勝。ここで無理させず、翌年春の安田記念に目標を置き休養に入った。
しかし必勝を期して臨んだ谷川岳ステークスでは先行して押し切りを図ったが手前を替え損ねて伸び脚を欠き2着、
ここで陣営は当時絶好調だった蛯名正義に鞍上をスイッチし京王杯スプリングカップへ。
しかし、ここには怪物グラスワンダーが紆余曲折あった末の初戦として出走してきていた。これは分が悪い。
それでも二番手から抜け出しを図る正攻法で挑んだが、大外から凄まじい切れ味で強襲してきたグラスワンダーには敵わず2着敗戦。
この2戦で先行策の限界を感じた陣営は、安田記念ではグラスワンダーマークの差しに転換する。
これがハマり、先に抜けだしたグラスワンダーをゴール前強襲しハナ差差し切りGI初制覇を遂げた。
テスコボーイの血脈が、世間を賑わす外国産馬を負かしたということで、サクラバクシンオーらテスコボーイの血を引く種牡馬の評価が高まることにもつながった。
秋は毎日王冠からマイルチャンピオンシップの予定であったが調整に手間取り、丁度いいレースもないからと天皇賞に出走。
5番人気に推され、先行して粘りこみ3着。マイルのみならず、中距離戦にも適正を見せた。
そして大目標マイルチャンピオンシップではレースレコードとなる1:32.8で走破。春秋マイルGI統一を果たした。
前年の富士ステークス後、調教師が「タイキシャトルの後継者になれる」と太鼓判を押した通りの活躍っぷりを見せた。
そして、年末の香港国際競走の2000m戦香港カップへ登録。出国した。現地でも順調そのものだったのだが
レース前に屈腱炎を発症し、そのまま引退する羽目になってしまった。もし、レースに出ていれば勝ち負けであっただろう。惜しい。その後の生活ももう少し違っただろうに。
引退後、社台スタリオンステーションで種牡馬入りするが産駒の出来が芳しくなかったのか、サクラバクシンオーとの兼ね合いがあったからか3年で日高のブリーダーズスタリオンステーションへ。
さらにレックススタッドとブリーダーズスタリオンステーションを行ったりきたりし、2013年から十勝の牧場で個人所有の種牡馬として細々と暮らした後、2018年に種牡馬を引退し功労馬となった。
その後ひだか町の牧場に移動した後、2022年5月1日に同じ北海道の浦和町の牧場に移動したことが案内されている。ジャパンスタンドブック引退名馬(エアジハード)
成績はあまりよろしくなかったが、一応ショウワモダンというGI馬は出した。……が、ショウワモダンは引退後乗馬になった挙句事故で死亡してしまった。
繁殖牝馬としてもアグネスラズベリら僅かな産駒しか繁殖に上がっておらず、血を繋げるか不透明である。
血統表
サクラユタカオー 1982 栗毛 |
*テスコボーイ 1963 黒鹿毛 |
Princely Gift | Nasrullah |
Blue Gem | |||
Suncourt | Hyperion | ||
Inquisition | |||
アンジェリカ 1970 黒鹿毛 |
*ネヴァービート | Never Say Die | |
Bride Elect | |||
スターハイネス | *ユアハイネス | ||
スターロツチ | |||
アイシーゴーグル 1987 栗毛 FNo.8-g |
*ロイヤルスキー 1974 栗毛 |
Raja Baba | Bold Ruler |
Missy Baba | |||
Coz o'Nijinsky | Involvement | ||
Gleam | |||
シャダイアイバー 1979 鹿毛 |
*ノーザンテースト | Northern Dancer | |
Lady Victoria | |||
*サワーオレンジ | Delta Judge | ||
Lady Attica | |||
競走馬の4代血統表 |
主な産駒
- アグネスラズベリ(2001年産 牝 母アグネスミネルバ 母父*トニービン)
- ナナヨーヒマワリ(2001年産 牡 母ナナヨーウイング 母父*セレスティアルストーム)
- ショウワモダン(2004年産 牡 母ユメシバイ 母父*トニービン)
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
JRA賞最優秀父内国産馬 | ||
優駿賞時代 | 1982 メジロティターン | 1983 ミスターシービー | 1984 ミスターシービー | 1985 ミホシンザン | 1986 ミホシンザン |
|
JRA賞時代 | 1980年代 | 1987 ミホシンザン | 1988 タマモクロス | 1989 バンブービギン |
---|---|---|
1990年代 | 1990 ヤエノムテキ | 1991 トウカイテイオー | 1992 メジロパーマー | 1993 ヤマニンゼファー |1994 ネーハイシーザー | 1995 フジヤマケンザン | 1996 フラワーパーク | 1997 メジロドーベル |1998 メジロブライト | 1999 エアジハード |
|
2000年代 | 2000 ダイタクヤマト | 2001 該当馬無し※1 | 2002 トウカイポイント | 2003 ヒシミラクル | 2004 デルタブルース | 2005 シーザリオ | 2006 カワカミプリンセス | 2007 ダイワスカーレット |
|
※1.該当馬無しを除く最多得票馬はナリタトップロード。 | ||
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