2024年10月に発売された、ドウシシャの薄型マッサージ器「実はこっそりマッサージしてるんです。」は、会社で周囲に気づかれずに腰や背中をもみほぐせるのが特徴だ。企画したのは、痛すぎるケアアイテムとしてSNSで話題になりヒットした「ゴリラのハイパワー」シリーズで知られる、「はな子」ことドウシシャ家電事業部生活家電商品DIVの水島英恵(はなえ)氏。入社3年目にして話題の企画を連発する水島さんを、小口覺氏が直撃した。
入社2年目の疲れから発案
小口覺(以下、小口) なぜ、“会社でこっそり使うマッサージ器”という発想が生まれたんですか?
水島英恵さん(以下、水島) “疲労”ですね。私自身、入社1年目より2年目、2年目より3年目と業務量が増え、デスクワークの時間が長くなりました。
出張でめちゃくちゃ疲れていたときに、この製品のベースとなった試作品を見て、この薄さなら会社でも使えるんじゃないかと、自分の生活に落とし込みました。会社のオフィスチェアは黒色で、メッシュのタイプがほとんどだったので、じゃあ真っ黒にして周りにばれないようなデザインにしたら面白いんじゃないかと、企画を立ち上げたのです。
小口 それで、ただ薄いことを訴求するのではなく、会社で使うことにフォーカスした。
水島 USB Type-Cで充電するコードレス製品であることも、こっそり使ううえでポイントです。“会社で使えたら仕事で疲れた体が楽になるし、薄くて目立たないから周りにばれへんやろ”みたいな想像が膨らんでいきました。
技術的には、背もたれと背中の間にあることが分からないぐらい薄いのに、もみ玉がしっかり回転しながら上下に動くところがすごいんですが、それは専門的なポイントなので、お客さんは知らなくてもいいんです。
小口 周りにばれないという点から、「まるでカメレオンシリーズ」として立ち上がった。シリーズの次作も楽しみですね。
社内では会社で使うことに違和感噴出
小口 斬新な用途の製品だと思いますが、企画はすんなりと通ったんですか?
水島 それが、営業さんとの会議ではもめましたね。
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