東京にJ-ROCKをかけまくるTOKYO BOOTLEGと言うパーティーがある。土曜日の深夜1時、恐る恐る扉をあけると、キッズ達の熱気と笑い声が飛び込んできた。かかる音楽は、どこかで聞いたことのあるJ-ROCKと、ハッと耳を奪われる聞いたことのないJ-ROCKが、次から次へと短いスパンで繋がれていく。様々なDJスタイルを見てきたけれど、初めて目にするスタイルだ。フォーマルなスタイルからはほど遠いけれど、技術は高いし、何より、踊り狂っているキッズ達があまりにも楽しそうなのだ。自分が住んでいた街にこんなパーティーがあったなら、週末が待ち遠しくてしかたなかっただろうな。TOKYO BOOTLEG… 一体彼らは何物なのか? リーダーのDJ O-antに話を聞いた。
インタビュー : 飯田 仁一郎(BOROFESTA / Limited Express (has gone?))
文 : 水嶋美和
『TOKYO BOOTLEG VOL TOUR 2011』名古屋、大阪、東京にて開催!
★2組4名様をご招待!
『TOKYO BOOTLEG Presents NAGOYA BOOTLEG VOL.2』
2011年11月25日(金) @名古屋 今池UP SET
OPEN/START 24:00
前売 : 2,500円 / 当日 : 2,800円(共に1drink別)
LIVE : 竹内電気、みそっかす、BiS-新生アイドル研究会-
DJ : TOKYO BOOTLEG(O-ant/SMYLE/KoDAMA/あばっと)
SUPPORT DJ : FIX!!(DCO/SaHO)
★2組4名様をご招待!
『TOKYO BOOTLEG Presents OSAKA BOOTLEG VOL.7』
2011年11月26日(土) @大阪 福島2nd line
OPEN/START 24:00
前売 : 2,500円 / 当日 : 2,800円(共に1drink別)
LIVE : 奇妙礼太郎トラベルスイング楽団、BiS-新生アイドル研究会-
DJ : TOKYO BOOTLEG(O-ant/SMYLE/KoDAMA/あばっと)
SUPPORT DJ : KANA、SHIGE
★3組6名様をご招待!
『TOKYO BOOTLEG VOL.31』
2011年12月3日(土) @東京 渋谷CHELSEA HOTEL
OPEN/START 24:00
前売 : 2,500円 / 当日 : 2,800円(共に1drink別)
LIVE : SECRET 7 LINE、ピアノゾンビ
DJ : TOKYO BOOTLEG(O-ant/SMYLE/KoDAMA/あばっと)
【無料招待への応募方法】
件名に「TOKYO BOOTLEG 招待券希望」、本文に氏名、住所、電話番号、ご希望の日程をご記入の上、info(at)ototoy.jpまでメールをお送りください。当選者の方には、追ってメールにてご連絡します。
※あらかじめinfo(at)ototoy.jpからのメールを受信できるよう、設定ください。
応募締切 : 2011年11月24日24時まで
【INFORMATION】
TOKYO BOOTLEG OFFICIAL HP
mail : tokyobootleg(at)gmail.com
DJ O-ant a.k.a アーリー(TOKYO BOOTLEG) インタビュー
――まず、TOKYO BOOTLEGを始めようと思ったいきさつから教えてください。
DJ O-ant a.k.a アーリー(以下、アーリー) : 今から6、7年前かな? 渋谷の宙や三宿webでやっていたネオアコやJ-POPのイベントによく遊びに行ってたんですけど、もうちょいCAPTAIN HEDGE HOGやNUMBER GIRLみたいなロックもかかればいいのにな。熱くなりたいな、暴れたいな、泣きたいな、と思っていた時期にふと「これ、俺がやろか? 」ってなりました。
――その当時、クラブ・カルチャーの中で邦楽はどういう状況でしたか?
アーリー : 知る限りでは3、40人入るハコに身内が集まってやってるJ-POPパーティーが周りに10個ぐらいあったかな。かかってる音楽はハウスっぽい歌ものやアイドル、歌謡曲ですね。日之内エミやNegicco、Paradise Go!!Go!!とか。三浦理恵子さんの「水平線でつかまえて」はどこに行ってもアンセムだったのを覚えています。普段ハウスをやっている人が本気でJ-POPを遊びいじっている感じが面白かったです。
――そこから、TOKYO BOOTLEGのメンバーはどういう風に集まったんでしょう。
アーリー : ロックDJをやるからにはロックに詳しい奴と組もうと思って、最初にDJ SMYLEを誘って、そこからDJ KoDAMA、次にもう一人入って、そいつがDJあばっとを連れてきたんですけど… あばっとの方がやる気があったからそいつはクビにしちゃいました。
――やる気の有無はどこで判断するんですか?
アーリー : マナーと知識。ざっくりとですけど、例えばロックの大元にはチャック・ベリーがいて、その後ビートルズ、80年代を経てNIRVANAからのThe Strokes。そういう歴史を遡って勉強する。歴史に対する敬虔さを持ってなければ自分がどこにいて何をすべきかが曖昧になる。さらに現在、周りのDJはどういうプレイをしているのか、どこから影響を受けているのか、それがカッコよければ自分もやりたいと思って練習してしまう。当然ですね。
――知識というより、知的欲求が必要。
アーリー : うん、そうですね。あと、若いお客さんの中で何が流行っているのかを探る耳があるかどうかも重要ですよね。パーティーをお誕生日会ノリじゃなく、ショウとして成立させるには不可欠だと思います。
――その二点をこのメンバーはクリアしてたんですね。それぞれ4人、どういうDJプレイが得意なんですか?
アーリー : 僕はリフの似た曲を探してきて16小節32小節かぶせながらイコライザーをいじっていくロング・ミックスが好きです。SMYLEはエフェクターの使いが上手かったり、一見強引なんだけど自然に聴こえさせるような繋げ方をBPMとは関係のないところでやれるDJ。あばっとは元々レコ屋の店員でヒップ・ホップあがりなので、スクラッチや2枚使いをキレイに入れてくる。遊びのあるテクニックで黒も白にしてくるプレイですね。
――DJ KoDAMAさんは?
アーリー : ヘタクソ過ぎてちょっとよくわかんないです(笑)。
――(笑)。じゃあどういう理由でメンバーにいるの?
アーリー : 多分、僕たちの中で一番J-ROCKが好きなんやろなって思います。空気の作り方がすごくきれいで、情熱的で、一曲一曲への思い入れがちゃんと伝わるんです。
――技術うんぬんは置いておいて、必要な存在なんですね。
アーリー : そうですね。
自分達が好きなものを好きにさせている
――で、実際にやってみてどうだった?
アーリー : 最初に始めたのが2006年なんですけど、めちゃくちゃ盛り上がりましたよ。
――これは俺の意見なんだけど、DJの仕事って場を盛り上げることともう一つ、新しい音楽を紹介することだと思っていて。その点で、TOKYO BOOTLEGは自分達が推したいものはちゃんと推せてると思う?
アーリー : 推せていますね。自分達が好きなものを好きにさせている。
――最近だとどういうバンドを推している?
アーリー : 若手だとApplicat Spectra、みそっかす。Wiennersなんかずっと大好きで、2回ほど出てもらってます。
――一曲一曲かける時間が短いけど、何か理由はあるんですか?
アーリー : んー… ロックのパーティーに来る人って好みがはっきりしていて、好きな曲がかかると前の方に行ってはしゃぐんだけど、知らない曲だとすぐ後ろに下がっちゃうんですよ。それが7、8曲続くと寝ちゃう人も出てくるし。でも例えばASIAN KANG-FU GENERATION(以下、アジカン)を聴きたくて来ている人なら、アジカンを30秒かけて、名前も知らないようなバンドを1分間かけて、またアジカンに繋げば、その名前も知らないバンドの音楽も耳に入るじゃないですか。で、その間に挟むバンドの選曲をアジカン好きな人に響くようにした結果、「あの曲って誰ですか? 」という声が増えたんで今度はスクリーンにもできるだけ曲名とバンド名を出すようにした。すると、「CDを買いに行った」という声も聞くようになった。
――パーティーにバンドを挟む理由も、そこにあるんですか?
アーリー : それもありますが、DJよりライヴの方が絶対いいと思うからです。もらってばかりじゃダメで、ちょっとでいいからシーンに恩返ししないと。
――TOKYO BOOTLEGが邦楽にこだわる理由はどこにある?
アーリー : 単純に、幅を網羅できないというところにあります。アメリカの曲をかけてインドネシアの曲をかけへんのはなんで? って話やし、ビルボードを追ってるだけとか、そういうのもできないし。ここだけやるって決めてそこを担おうと思ったんです。冒頭で話したネオアコ・イベントのDJなんか本当に凄いですから。世界で20枚しかない謎の国のLPをeBay(国際通販サイト)で数万円で落としてバンバンかけるし、音楽愛が尋常じゃない。全く嘘がない。
――邦楽といってもメジャーなものからマニアックなものまで色々とあるけど、テレビで流れているようなJ-POPはTOKYO BOOTLEGではかけないの?
アーリー : どんなマニアックでも好きじゃないものはかけないし、有名な曲でも良かったらかけます。例えばシドとかナオト・インティライミとか、アルバム曲がかなりいいんですよね。なので、均しくまな板の上に乗ってもらいます(笑)。それもこれもさっきのアジカンの話じゃないですけど、大御所さんの曲があって若手ミュージシャンをフック・アップできているんで、キラー・チューンを持っているバンドには本当に感謝しないとですよね。
――邦楽という縛りに対して不自由だと思ったことは?
アーリー : ないです。Lady GaGaで盛り上がる景色が見たければそういうイベントに出るし、僕は個人的にはミニマル・テクノが好きなんですけど、そういう曲をかけたければしかる場所でかけてますから。
――そのスタイルで、他のDJから色々言われたりはしなかった?
アーリー : ありますよー。今でも全然。
――どんな反応?
アーリー : 調子に乗っていると思われるのは嫌なんですが… 実際、畏怖というのはあると思うんですよ。出所不明のよくわからない奴らが確実にレベルの高いことをやり出したという焦り。そこで僕らの邦楽しかかけないというコンセプトがやり玉にあげられて、「あいつらキッズでしょ? ダサいよね。」とかディスられるんですよね。まぁ実際に若い子も多いしノリもアホですけど(笑)。穢れのない真っ直ぐなアホなんで愛情しかない。
J-ROCKはどこの国にもない音楽で、誰にも恥ずかしがることはないと思う
――お客さんの年齢層と割合はどれぐらい?
アーリー : 7割が20歳ぐらい。3割はそれより上。DJのプレイを聴きに来てる人ですね。
――うん、前に遊びに行った時に思ったんだけど、若い人がすごく多いよね。TOKYO BOOTLEGのお客さんは自分の好きな曲を求めて来てる人が多いのかな。
アーリー : 少なくはないでしょうけど。でもうちでかけて一番盛り上がる曲って、アジカンでもマキシマム・ザ・ホルモンでもない。もうちょっとマイナーなUNISON SQUARE GARDENやアルカラなんです。よそのパーティーでは合間に使われる彼らの曲が、TOKYO BOOTLEGでかければアンセムになる。これは客層がまるごと音楽に対して深くなってきているということだと思ってます。
――アーリーくんはすごくお客さんのことを考えているね。
アーリー : んー… やっぱ音楽で一番喜んで欲しいじゃないですか。酔っぱらって楽しくて何も覚えてないというのもいいんですけど、お金をとっているからには音楽イベントとしてちゃんと成立させなきゃ。だからうちはナンパも度が過ぎた奴は出禁にしてたりね。それ目当ての人はそういうチャラバコ行ったらいいやんって思ってます。
――かける曲の短さや、邦楽に焦点を絞っているところとか、色々と言われるスタイルだと思うんだけど、来ていたお客さんはみんなすごく良い顔をしていて、あれは嘘じゃないと思ったよ。だから周りの言うことはそこまで気にせず、焦らず続けていければいいと思う。
アーリー : そんなん言ってもらえたことない(笑)。嬉しいです。歳とって家庭に入るとライヴ・ハウスやクラブに行きづらくなると思うんですけど、うちの親父なんかも60歳でバンドのボーカルをやっていて、これはもう音楽とは切っても切れ離せない関係だと思うんですね。きっと僕も呪われたように、一生音楽と付き合っていくんやろうし、その中で、僕がやっていることに「いいね」って言ってくれる人と出会えたら嬉しいな。「俺もこんな音楽が好きだよ」って、60過ぎた人同士の会話が音楽で始まるのもいいじゃないですか。
――今、TOKYO BOOTLEGはいい空間を作れてると思うんだけど、これからそれをどういう方向に持っていきたいと思う?
アーリー : ロックって、ジャズやクラシックに比べて幼稚な印象があるじゃないですか。「30超えてまだロックやってんの? 」みたいな。でもそこにある衝動っていつまで経ってもかっこいいし、色褪せない。それを声を大にして言いたいし、みんなにも言ってほしいと思っています。こんないい意味で色んな国の文化を混ぜてるJ-ROCKっていうのはどこの国にもない音楽で、誰にも恥ずかしがることはないと思う。日本人が声を大きくして世界中に広めていい歌だと思ってるんですよね。そのことを、TOKYO BOOTLEGを大きくすることで国内、海外まで広めていきたいです。
――では、規模を大きくするためにこれからどういう動きを考えていますか?
アーリー : まず2012年からは隔月の通常開催に加えて、毎月入場無料のパーティーを渋谷のCHELSEA HOTELで開催する予定です。次に見えているステップは新木場Studio Coast。でももっと面白いところ、例えば遊園地でメリーゴーラウンド・ステージやお化け屋敷ステージとか作ってやってみたいですね。
――面白い話だね。夜の遊園地を使ったDJパーティー。集客はあげていきたいと思ってる?
アーリー : あげぽよで(笑)。あと、来年の5、6、7月に僕一人でヨーロッパに行って、ドイツのフェスやジャパン・エキスポに行きつつ、J-ROCK DJとして色んなクラブやバーのドアを叩いて周ろうかなと考えています。その為にもね、明日機材を買い替えに行ってきます!
TOKYO BOOTLEG 出演者の作品はこちら!
TOKYO BOOTLEG Biography
2006年04月29日、「日本のロックを極めよう! 」というO-ant呼びかけの元、集ったDJ陣により「TOKYO BOOTLEG」旗揚げ。VOL.3開催から渋谷CHELSEA HOTELに居を構え、ライヴとDJの空間融合をコンセプトに開催を重ねていく。2007年09月にDJあばっとがResident DJとして正式加入。幾度かのメンバー・チェンジを経て、2009年03月から現在のResident4名体制となる。2009年09月に3周年となるパーティーを代官山UNITで開催。2010年は半年間の充電期間に挟むものの、同年11月に4周年パーティーを代官山UNITにおいて成功させる。2010年11月24日にオフィシャルMIX CD『TOKYO BOOTLEG 2010 MIXED BY DJ あばっと』をリリース。東京、仙台、名古屋、大阪、札幌の5都市におけるツアー開催を計画し、2011年も更なる飛躍を遂げるべく活動中。
放送開始! TOKYO BOOTLEG on Ustream
GUESTを迎えてのトーク、TOKYO BOOTLEG DJお勧めの新譜紹介、そして勿論DJ PLAYもご覧頂くUstream番組を上目黒YELLOW STUDIOよりお送りします!
◆第1回放送
2011年12月1日(水) 24:00~25:30
TALK GUEST : MONICA URANGLASS
◆第2回放送
2011年12月15日(水) 24:00~25:30
TALK GUEST : BiS-新生アイドル研究会-
2012年よりスタート! MONTHLY FREE PARTY
入場無料のパーティーを開催! オールナイトが苦手な方や未成年の方にも楽しめるように、平日の18時よりスタートいたします。
『TOKYO BOOTLEG MONTHLIVE』
2012年1月25日(水) @東京 渋谷CHELSEA HOTEL
OPEN/START 18:00
前売/当日 : FREE!!(Drink代のみ)
LIVE : TBA、他
DJ : TOKYO BOOTLEG
O-ant a.k.a アーリー Profile
100%邦ROCK PARTY『TOKYO BOOTLEG』ORGANIZER。「魅せる」という言葉に相応しい輝きのあるパフォーマンスとレンジの広い選曲に定評がある、主宰にして特攻隊長的な役割も果たす天才肌DJ。どんなイベントのどんな時間帯にも対応するライブラリはアイドル、アニソン、V系、minimal、TECH、80sHC、T-POP等、従来のJ-ROCKシーンが拒絶しがちなものにこそアンテナを張ってきた結果。遍く音楽に整合性を持たせる原曲ショートmixスタイルで最近ではLOVEBEAT@CAMELOTやTAKENOKO!!@WOMBなどあらゆる音楽ファンの前で幅広く活動中。
DJ O-ant主催『Happiness!!-COMPLETE the IDOL-VOL.5』
2011年11月27日(日)@大阪 心斎橋club Passion
OPEN/START 16:00
前売 : 2,800円 / 当日 3,000円 / 高校生以下 1,000円 (共に1drink別)
LIVE : BiS-新生アイドル研究会-、SAWA、SKETCH、Csli
RESIDENT DJ : O-ant (TOKYO BOOTLEG & Happiness!)