国鉄タキ5200形貨車
国鉄タキ5200形貨車 | |
---|---|
国鉄タキ5200形タキ5278 1992年12月5日東新潟駅 | |
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道 |
所有者 | 日本瓦斯化学工業→三菱瓦斯化学、住友化学工業、東洋高圧工業、日本石油輸送、三菱鉱業、日産化学工業、三菱商事、協和ガス化学工業、三井物産、日本陸運産業 |
製造所 | 日本車輌製造、日立製作所、飯野重工業、富士車輌、新三菱重工業、富士重工業 |
製造年 | 1955年(昭和30年) - 1967年(昭和42年) |
製造数 | 104両 |
種車 | タキ1500形 |
改造年 | 1964年(昭和39年) - 1968年(昭和43年) |
改造数 | 5両 |
消滅 | 2002年(平成14年) |
常備駅 | 速星駅、太郎代駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | メタノール |
化成品分類番号 | 燃31 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 13,700 mm |
全幅 | 2,500 mm |
全高 | 3,868 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 30 t |
実容積 | 38.0 m3 - 41.0 m3 |
自重 | 18.3 t - 20.2 t |
換算両数 積車 | 5.0 |
換算両数 空車 | 2.0 |
台車 | TR41C |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 9,600 mm |
最高速度 | 75 km/h |
国鉄タキ5200形貨車(こくてつタキ5200がたかしゃ)は、1955年(昭和30年)から製作された、メタノール専用の 30 t 積 貨車(タンク車)である。
私有貨車として製作され、日本国有鉄道(国鉄)に車籍編入された。1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に車籍を承継された。
概要
[編集]タキ5200形は、1955年(昭和30年)3月16日から1968年(昭和43年)2月29日にかけて17ロット109両(タキ5200 - タキ5262、タキ5265 - タキ5299、タキ25200 - タキ25210)が日本車輌製造・日立製作所・飯野重工業・富士車輌・新三菱重工業・富士重工業にて製作(改造による編入車を含む)された。 タキ5263 - タキ5264は当初より欠番である。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「燃31」(燃焼性の物質、引火性液体、危険性度合2(中))が標記された。
キセ(外板)なしドーム付きタンク車であり、荷役方式はマンホールによる上入れ、吐出管による下出し式である。
落成時の所有者は日本瓦斯化学工業(その後合併により三菱瓦斯化学に社名変更)・住友化学工業・東洋高圧工業・日本石油輸送・三菱鉱業・日産化学工業・三菱商事・協和ガス化学工業・三井物産・日本陸運産業の10社である。日本陸運産業所有の5両(タキ5291 - タキ5292、タキ25208 - タキ25210)は全て他形式であるタキ1500形からの改造による編入車である。
塗色は黒であり、全長は13,700mm、全幅は2,500mm、全高は3,868mm、台車中心間距離は9,600mm、実容積は38.0m3 - 41.0m3、自重は18.3t - 20.2t、換算両数は積車5.0、空車2.0、最高運転速度は75km/h、台車はベッテンドルフ式のTR41Cである。 また、一部の車両は台車をTR209に振り替えたものも存在した。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には66両の車籍がJR貨物に継承され、2002年(平成14年)6月に最後まで在籍した2両(タキ5266、タキ5295)が廃車となり同時に形式消滅となった。
年度別製造数
[編集]各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)
- 昭和29年度 - 3両
- 日本車輌製造 3両 日本瓦斯化学工業(タキ5200 - タキ5202)
- 昭和31年度 - 3両
- 日立製作所 1両 住友化学工業(タキ5203)
- 日立製作所 2両 東洋高圧工業(タキ5204 - タキ5205)
- 昭和32年度 - 11両
- 飯野重工業 2両 日本瓦斯化学工業(タキ5206 - タキ5207)
- 富士車輌 3両 東洋高圧工業(タキ5208 - タキ5210)
- 日本車輌製造 6両 日本瓦斯化学工業(タキ5211 - タキ5216)
- 昭和33年度 - 32両
- 日本車輌製造 32両 日本石油輸送(タキ5217 - タキ5248)
- 昭和34年度 - 14両
- 新三菱重工業 14両 三菱鉱業(タキ5249 - タキ5262)
- 昭和37年度 - 26両
- 日立製作所 12両 日産化学工業(タキ5265 - タキ5276)
- 新三菱重工業 4両 三菱商事(タキ5277 - タキ5280)
- 富士重工業 5両 協和ガス化学工業(タキ5281 - タキ5285)
- 富士重工業 5両 三井物産(タキ5286 - タキ5290)
- 昭和38年度 - 2両
- 東急車輛製造(改造所) 2両 日本陸運産業(タキ1520、タキ1529→タキ5291 - タキ5292、種車は昭和27年度川崎車輌製)
- 昭和39年度 - 5両
- 富士重工業 5両 日産化学工業(タキ5293 - タキ5297)
- 昭和41年度 - 5両
- 富士重工業 5両 日産化学工業(タキ5298 - タキ5299、タキ25200 - タキ25202)
- 昭和42年度 - 8両
- 富士重工業 5両 日産化学工業(タキ25203 - タキ25207)
- 東急車輛製造(改造所) 3両 日本陸運産業(タキ1511 - タキ1513→タキ25208 - タキ25210、種車は昭和27年度川崎車輌製)
他形式への改造
[編集]タキ3000形
[編集]1963年(昭和38年)の6月から10月にかけて17両(タキ5227 - タキ5228、タキ5230 - タキ5239、タキ5241 - タキ5245)が改造されタキ3000形(タキ33015 - タキ33021、タキ33041 - タキ33044、タキ33051 - タキ33054、タキ33060 -タキ33061)となった。
タキ6900形
[編集]1959年(昭和34年)10月6日に日立製作所にて1両 (タキ5203)が改造されタキ6900形タキ6910となった。 その後1986年(昭和61年)10月31日に廃車となった。
参考文献
[編集]- 鉄道公報
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)