2014年3月23日、大型アニメイベント「AnimeJapan 2014」にて続編アニメ制作決定が発表された。
OVAとして発売される。
2014年秋に先行イベント上映予定。→翠星のガルガンティア~めぐる航路、遥か~
『翠星のガルガンティア』とは、Production I.G制作のテレビアニメである。略称は「ガルガン」「ガルガンティア」など。
2013年4月~6月にTOKYO MX・読売テレビ・BS11ほかにて放送された。全13話+OVA2話(14話、15話)。
遠い未来の地球を舞台に巨大船団「ガルガンティア」での生活を描くSF冒険活劇。
遠い未来、遥か銀河の果て。人類は、異形の怪生命体ヒディアーズと種の存続を賭けた戦いを続けていた。激しい戦いの最中、少年兵レドは乗機である人型機動兵器チェインバーとともに時空のひずみへと呑み込まれる。
人工冬眠から目覚めたレドは、忘れられた辺境の惑星・地球へと漂着したことを知る。表面のほぼすべてを海に覆われた地球で、人々は巨大な船団を組み、旧文明の遺物を海底からサルベージすることで、つつましくも生き生きと暮らしていた。ここはそんな船団の一つ、ガルガンティア。言葉も通じない、文化も習慣も異なる未知の環境に戸惑うレド。やむをえず、少女・エイミーらガルガンティアの人々との共生を模索し始めるのだが、それは戦うこと以外の生き方を知らないレドにとって驚きに満ちた日々の始まりだった。
また、公式サイトでは、頭身を70%縮め、愛らしさを900%以上にデフォルメされたキャラクターたちが「本編に登場した人物および情報について補足しつつ、後は適当に遊べばいいじゃん」という内容で繰り広げる約1分間のショートムービー「ぷちっとがるがんてぃあ」を見る事が出来る。毎週水曜更新。
ちなみに、キャラクターデザインに鳴子ハナハルさんが起用されたのは「ニトロプラス社長のでじたろう氏が大プッシュした結果」とのこと(掲示板の>>1003より)。
以下はネタバレ要素がスクロールで隠してあります。 |
#1 / #2 / #3 / #4 / #5 / #6 / #7 / #8 / #9 / #10 / #11 / #12 / #13 / #14 / #15
地球を離れた人類達は、長期の漂泊の間に科学技術を進歩させ、人類銀河同盟を創設。ヒディアーズとの戦いを続けていた。共存不可能とされる異生物ヒディアーズとは、一切の交渉も妥協も成立しないため、滅ぼすか滅ぼされるかという二者択一しか存在しない。それに応じて、人類も効率を最優先とする社会体制を築き上げており、人間が社会を構成するための部品として捉えられ、睡眠も食餌も学習も、すべては効率に従って体系化されていた。そして、部品としての機能を満たしていない者、社会的に有用では無い者は不用な存在として処理する、という考えが一般的となっていた。
そういった状況の中、人類銀河同盟の所属兵士であるレド少尉と、搭乗するマシンキャリバーであるチェインバーが、戦いのひとつに身を投じていた。人類側は奮闘したものの、形勢は次第に不利となり、マシンキャリバー隊には母艦への帰還命令が発令された。直接の上官であるクーゲル中佐が自ら囮となってヒディアーズを引き付け、その間にレドは撤退。だが到着寸前、ヒディアーズの一体に襲われたレドとチェインバーは母艦に辿り着けず、さらに母艦の動力噴射に巻き込まれ、時空のひずみに入り込んでしまう。
約半年間の人工冬眠から覚醒したレドは、見知らぬ構造建築物の中でチェインバーごと横たえられていた。同じ人類と目される数人がチェインバーを解体しようとしている様子が伺えたが、聞こえてくる言語はレドの知らないものだった。また、解体用の設備があまりにも原始的であるため作業も進まない様子をみたレドは、現状を把握する為の偵察行動の必要性を感じていた。
数刻の後、周囲からひと気が無くなったのを見計らって、レドはチェインバーから降りて周囲を偵察しようとしたが、その時エイミーという少女が、解体作業の陣頭指揮をしていたピニオンにせがんで、チェインバーを観に訪れた。レドは咄嗟にエイミーを拉致して部屋から逃走しつつ、構造建築物の内部を走り回って情報を集め始めた。やがて、チェインバーが現在の所在と状況に見当をつけたのと同時に、レドは構造物を抜けて外部に踏み出し、その光景に驚愕した。
そこは、かつて人類が発祥した星であり、レド達の情報では凍りついているはずの、太陽系第三惑星「地球」だった。しかし目の前に広がっていたのは、温暖な気候と豊富な水量の海に包まれた生命溢れる世界であり、人間は多くの船を連結して生存圏を確保し、様々な職種を分担して社会を築いていた。
レド達がいたのはガルガンティアという船団であり、この船団に属してサルベージ業を営んでいるベローズが海の底に沈んでいたチェインバーを引き上げ、ピニオンに持ち込んだ…というのが、レド達の置かれた状況だった。
住民達から銃口を向けられたレドは、チェインバーを呼び寄せて住民と対峙し、両者はそのまま緊張状態となった。レドは原隊復帰を優先事項と考え、その為の情報と物資の提供を求める算段をしていたが、交渉の糸口が掴めずにいた。
一方、エイミーもレドに興味を感じていたものの、どう行動すべきか迷っていた。だが、友人のサーヤやメルティからレドの話をせがまれ、更に弟のベベルと宇宙に関する話をしたエイミーは、意を決して交渉役に立候補し、レド達の元に赴いた。互いの素性を話し合った上、レド達が本当に宇宙から来た事やチェインバーの中に人などいない事…等々を納得したエイミーは、船団の幹部に事の次第を報告し、レドを助ける事を提言するが、船団長のフェアロックを始め、幹部達は否定的だった。
その一方、サルベージを再開したベローズ達が、海賊に襲われた。交渉の過程でレド達が強い事を知ったエイミーは、独断でレド達に支援を求め、レドはそれを取引材料になると考えて受諾する。しかし「戦闘イコール相手を完全に倒す」という発想しかないレドは、容赦なく海賊達を殲滅。サルベージ船に乗り込んでいた海賊達の肉体をも精密な攻撃で次々と消し去った。それを目の当たりにしたベローズは愕然とし、遠くから様子を伺っていたエイミーも、想定外の事態に戦慄した表情を浮かべていた。
交渉の材料になるどころか、エイミーを含むガルガンティア側がレドの所業に否定的な態度を示したため、レドは合点が行かなかった。
そのレドをベローズが訪れ、救援に感謝の意を表しつつ、自分達は必要最小限の殺生しかしない事、たとえ海賊でも同族である人間は殺さない事、武力は敵対勢力との交渉の手段のひとつに過ぎないという事を説いた。今まで自分が生きていた世界とは異なる思考原理に戸惑いながらも、レドはベローズの発言内容そのものは了解した。
しかし、既に海賊達は復讐を唱え、大海賊ラケージの許に結集。ガルガンティアに向かって進み始めていた。それを知ったガルガンティアの幹部は対策を検討するが、長老達がレド達を追放すべきと主張するのに対し、リジットを始め若手の幹部は、ベローズが提案したレド達との交渉と取り引きを支持。フェアロックが後者を採択し、レド達は陽動担当の要請を受諾した。
ガルガンティアと海賊の砲撃戦が始まり、戦況は次第にガルガンティア側に不利になっていった。それを見たレドとチェインバーは攻撃に転じ、生命を奪わない様に配慮しつつ、海賊の武装を無力化していった。その間にラケージが、波乗りロブスターと称される大型のユンボロでガルガンティアの船団長に迫る様子を見せたが、気づいたレドが駆けつけて引き離そうとすると、それを見計らったかの様に2艘の支援ボートと連携してチェインバーを鹵獲しようとした。しかしチェインバーの牽引力はラケージの計算を上回り、チェインバーは支援ボートごとラケージを上空に持ち上げて降伏勧告を告げながら振り回した。ラケージは断固として降伏勧告に応じなかったが、ユンボロの耐久値が先に限界を超え、ラケージと手下の奴隷二人は遠くに放り投げられてしまう。
帰還したレド達に、ガルガンティアの住民から感謝を表す慣用句が投げかけられた。レドは戸惑いながらも、生きた魚を抱えて出迎えてくれたエイミーに、たどたどしい発音で、その慣用句を返した。「アリガトウ」と。
フェアロックから意思決定を任されたリジットは、レド達を受け入れる事にしたが、同時に建物を損壊した賠償分を働いて返す様に告げた。傍らで聞いていたエイミーが不服の意を表したものの、レド達はその条件を呑み、チェインバーが貨物の移動に携わる事になった。する事が無くなった様子のレドを、エイミーが散歩に連れ出すが、価値観の相違から、なかなか話がかみ合わない。エイミーは、情報を欲するレドを、医者で船団随一の博識でもあるオルダムの許に連れて行ったが、レドが求める情報は皆無に等しく、また船団の不合理な組織構造に対する疑問も晴れなかった。
オルダムから、エイミーの弟であるベベルに会う様に薦められたレドは、自分のいた世界でベベルは不用とされる存在である事に思い至り、その存在意義に更なる疑問を感じる。
そうした中、にわか雨に遭遇した住民達が、貴重な真水を機敏に集める様子を見たレドに、それまでとは異なる表情が浮かんだ。さらに「自分が必要とする事、される事」という話の中で、ベベルはレドがヒディアーズの身体の一部(爪と推定される形状)を理由無く銃で加工している事を指摘し、これは笛では無いかという仮定を口にして実際に吹いてみせた。その瞬間、脳裏にある記憶がよみがえったレドは涙を流し、もう少し船団を知る必要がある、とチェインバーに告げた。
エイミー、メルティ、サーヤ、ベローズ、リジットの水着回←忙しい方はここだけ読んで下さい。
ベベルとの対話で、思う所を得たレドは、船団内で自分が出来る仕事は無いかと模索し始めた。だが、検索を命じられたチェインバーは軍務以外のレドの適正に関するデータが無く、相談をうけたエイミーの努力も徒労に終わり、レドは依然、無為の時を過ごし続ける。
そんなある日、風が止んで凪になった。こういう時は船団が一斉に正規業務を停止してメインテナンス或いは休息をすると告げられたレドは、ピニオン達に連れられて、連結された船のひとつに向かった。同行したエイミーとベベル、現地で合流したサーヤ、メルティ、オルダム、助手の少女ら共に、海沿いで焼肉パーティーを開催するという趣向だったが、停電で調理用の機械が作動せず、チェインバーの火器では「焼却」にしかならない。悩んだピニオンは、チェインバーの機体の色に着目する一方、レドに何かの使いを頼む。
一方、水着姿で日光浴や海水浴を楽しんでいたエイミー達三人に、リジットから急務の依頼が舞い込む。だがその依頼を受領したとき、通信機で思わずエイミーが「焼肉パーティー」と口走ってしまった事からリジットも駆けつけ、同じく合流していたベローズとともに水着姿で日光浴を始める。
使いの場所への通り道で、レドは怪しげな振る舞いの人物達に目を付けられる。半ば強引に、自分の店に勤める様に勧められるが、ちょうど通りかかったエイミー達に助けられる。ようやく目的地にたどり着いたレドは、更に怪しげな頭巾姿の人物から品物を受領し(途中でまたひと悶着ありながらも)帰還を果たす。そこではパーティーの話を聞きつけた多くの人々が、日光で熱せられたチェインバーのボディーを使った焼肉を楽しんでいた。レドが受領した品物は、実はタレであり、それを使う事で更に美味になった焼肉を満喫した。
夕刻、風が吹き出し、パーティーは終わった。そこでレドは初めて、これがピニオンによる気遣いの企画だった事をエイミーから告げられる。やがて人々が立ち去った後、そこに残されていたのは…
前回手に入れた給料の使い道が分からずにいるレドは、エイミーから、今夜からお祭りなのでそこで使えると告げられる。
そのエイミーからの紹介で猟師の仕事に就いたレドだったが、情報支援システムの無いユンボロの操作が上手くいかず、チェインバーに任せる事になる。しかしチェインバーも漁の過程で獲物をすり身にしてしまう不手際を演じ、結局、両者に加えて他のユンボロが協力し、初めて漁を成功させる事が出来た。
一方、ピニオンからダンスホールのあるレストランに誘われたレドは、そこでサルベージ業を一緒にやる事を提案される。しかし途中でベローズから横槍が入り、レドは二人から誘われて困惑の表情を浮かべる。ところが、注文された料理を見たレドは、ヒディアーズの姿を連想して豹変、料理に向かって銃を向ける事態になる。それが食材のタコだと二人から教えられたレドは銃撃態勢を解いたが、依然として腑に落ちない表情のままだった。
その夜、レドは海沿いでダンスの衣装を着たままのエイミーと海岸で二人きりとなる。ヒディアーズの爪で作った笛を吹いた直後、海中のヒカリムシが放電したため、レドは警戒態勢をとるが、エイミーを護る姿勢が結果的にエイミーに直接触れる事となり、二人はお互いを意識する様な表情となる。
ベベルやオルダムからの意見も聞いた上で、サルベージの仕事に就く事を決めたレドは、ベローズと組んで沈没船の内部を調べ始める。だがその時、接近してくるものがあった…
接近してくるクジライカをヒディアーズと認識したレドは、ベローズの制止を無視してこれを倒した。
しかし、クジライカを神聖視するガルガンティアの住人にとって、レドの行為は禁忌に属するものであり、人々は恐怖と不安を口にする。無論リジット達船団幹部もレドを非難し、ベベルもクジライカはこちらが攻撃しない限り安全だと説明したが、ヒディアーズは倒すしかない相手だと改めてレドは主張、双方は平行線を辿る。
そんな中、ピニオンが、クジライカを倒せる力のあるレド達と巣に乗り込んでお宝を探そうと言い出す。仲間はそのお宝の所在に疑義を抱き、さらにベローズがピニオンの思案を非難したが、そこでピニオンは『兄の仇』という別の思惑をにおわせる。
一方、チェインバーの分析により、クジライカがヒディアーズだと確信したレドは、船団が何故クジライカとの戦いを避けるのか理解できない様子だった。チェインバーはそれに対して銀河同盟には無い『共存共栄』という言葉が該当すると告げた。
夕刻、これまでに無いクジライカの大群が船団に接近しつつあった。フェアロックはやりすごすため全部署の動力を停止させたが、レドは出撃しようとした。エイミーの懇願に加えてリジットが銃を向けて制止するが、クジライカが去った後、レドは船団を去る事を告げた。
夜が明けて、ピニオンがフェアロックにレド達の譲渡と船団の離脱を申し入れた。さらに同席していた幹部のフランジが、自分の船団ごとピニオン達と行動を共にすると言い出した。幹部達が騒然とする中、フェアロックに異変が起こる…
オルダムによる治療の甲斐も無く、フェアロックは息を引き取った。死の寸前、フェアロックは小さな金属片を渡しつつ、次の船団長にリジットを指名したが、葬儀の最中にそれが知れ渡ると、若さや能力を疑問視する声が随所から聞こえてきた。
同じ頃、チェインバーがようやく地球の位置座標を確認した。それは、レドが銀河同盟へ帰還出来ないという結論に至るものだった。茫然自失のレドに、ピニオンがクジライカの討伐とお宝探索の取り引きを申し入れてきた。レドは、地球人類の為にも、そしてエイミーやベベルの為にもクジライカを殲滅する事を決め、ガルガンティアを離れる事にした。また、家がフランジの船団に属するメルティも、エイミーやサーヤと別れる事となった。
一方、ピニオンやフランジを引き止める事が出来ないリジットは、自信を失いかけながらも必死に任務に精励するものの、却って周りから不信と反発を買う結果となる。ますます意固地になるリジットに対し、ベローズは、自分ひとりで背負い込まず他人に任せる事も必要だ、と説いた。思慮の末、フェアロックの葬儀に訪れたリジットは、集まった面々に、改めて船団の再構築の為に力を貸して欲しいと訴え、それまで沈黙していた彼らも、ようやく願いを受け入れた。
レド達がガルガンティアから離れる時が来た。その姿を、エイミーとベローズは寂しげな表情で見つめていた…
クジライカの縄張りである霧の海に進入したレド達は、フランジ達を後方に残し、ピニオンの指揮のもと、クジライカの殲滅とお宝の獲得に乗り出した。レド達がクジライカの討伐とかく乱を行い、その間にピニオンとその仲間達がお宝を獲得するという計画だった。手製の仕込み銛を携えたチェインバーは、大挙して襲い掛かってくるクジライカを次々と撃破し、やがて、かつてピニオンとその兄が入ろうとした海底遺跡に到達。ピニオンの兄を襲ったと見られる大型のクジライカをも討ち果たし、さらに遺跡の奥に進み入った。
クジライカの幼生と見られる生き物の群れを排除しながら進んだレド達は、やがて産卵場とおぼしき円柱形の広間に出た。管理ブロックらしき施設を発見したレドは、散乱した記録媒体と見られるチップを見つけ、チェインバーに解析とデータ収集を命じた。ところがチェインバーは、解析したデータが人類銀河同盟の機密事項に属するものだとして開示を拒絶。納得がいかないレドは、軍規に基づいて強制的に開示を命令し、ようやく閲覧する事が出来た。
それは、かつて人類がコンチネンタル・ユニオンとエボルバー(自発進化推進派)という二つの勢力に分かれて戦争を行った記録だった。そして戦争になったのは、氷河期の到来に対処する為に人類が宇宙に進出する、その方法と考え方に相違があるからだった。エボルバーは効率という視点から人類の肉体そのものを宇宙に合わせて遺伝子レベルで改造する方法を採用したが、従来の倫理に基づいたコンチネンタル・ユニオンはこれを由とせず、ついには相互の全面否定に発展した。このエボルバーの人類改造計画で生まれたのが、のちのヒディアーズと思われ、映像データには、その実験体となったライアン・マツモトの肉体が、次第に異形化していく様子も記録されていた。
人類の敵と思いこんでいたヒディアーズが、実は人類のもうひとつの姿だった…という事実を知ったレドはうろたえ、また「人類銀河同盟の公式情報と異なるから信憑性は薄い」というチェインバーの発言の矛盾に感情を激発させるが、その時、まだ生き残っていた人型の個体が、チェインバーに近づいてきた…
遺跡の海上施設で待機していたピニオンたちの元にレド達が戻ってきた。クジライカを殲滅したというチェインバーの報告にピニオンは歓喜し、直ちに発掘作業を開始した。だが、チェインバーから降りてきたレドは、ヒディアーズが元々人間だったというデータを見せられて自己崩壊寸前になっていた。
ピニオン達は、そんなレドの状態を気にする事も無く、海底から続々と旧文明の遺物を引き上げていった。フランジはそれで過去の文明を復興して多くの者が豊かになれると喜んだが、ピニオンはそれらを自分達で独占すると言い出し、しかもそれを無電で広範囲に知らせた。事実上の敵対宣言はガルガンティアにも届き、多くの者が顔を曇らせた。危険を感じたメルティに問い詰められたフランジも同様だったが、配下の船主の中にはピニオンに同調する者もおり、さらに無電を傍受して襲って来た海賊を降伏させ、残存勢力を配下に組み込むなど、調子づいたピニオンを止める事は誰にも出来なくなってしまった。
その海賊と戦った時にも使った旧文明の兵器のエネルギーを調達する為に、チェインバーはヒカリムシの特性を改めて調べ、その過程でヒカリムシがヒディアーズの外骨格の元になっている事を突き止めた。しかし、その報告を受けたレドは戦う意味を見失っており、もう戦えないとチェインバーに告げた。それに対してチェインバーは、銀河同盟とヒディアーズの戦いは生存戦略を異とした者どうしの生き残りを賭けた戦いであって、レドが生存を欲する限り避ける事は出来ないという持論を展開した。
だが、レドが返答する間も無く彼らに近づいてくる船団が確認された。神殿の様な形の船の最上部に立っていたのは、レドの上官であるクーゲル中佐が座乗していたストライカーだった…
接近してくる船団の姿を見たフランジ達は、事態の急転に戸惑うばかりだった。強気になっていたピニオンが、引き揚げたばかりの砲を発射して威嚇したものの、即座に反撃されて顔色を失った。
一方、謎の船団から届いたクーゲル中佐からの通信を受け、レド達は早速赴いた。顔に文様を描いた頭巾の一団に迎えられたレドは、ストライカーが奉られている神殿らしき構造物の一室に案内され、そこでクーゲルと再会した。しかしそれは立体画像であり、本体は風土病に侵されてストライカーの操縦席から出られないと説明した。そのクーゲルから指揮下への復帰とヒディアーズを殲滅、そして現地の人類への啓蒙の助力を求められたレドは、どことなく違和感を感じつつも受諾した。
その頃、クーゲルの船団からの求めに応じて代表として出頭したピニオンは、大海賊ラケージによる出迎えに驚愕しつつ、案内された部屋で技術将校への徴用と技術の練達をストライカーから要請され、不承不承ながら受諾した。また船団に残っていたフランジの元に頭巾の一団が訪れ、船団への帰属や家族単位での生活の廃止が命じられた。抗う術の無いフランジは受け入れるしか道は無かった。
しかし、ピニオンを案内して自船に戻ったラケージは、含む所がある様な発言を手下に洩らしていた。一方、チェインバーのコックピット内で懊悩に沈んでいるレドの元に、クーゲルから別の船団への派遣と啓蒙が命じられた。該当する船団の画像を見せられたレドは、そこにエイミーの姿を見た…
クーゲル船団が引き揚げた過去の武器を幹部から任されたピニオンに、ラケージは叛乱の計画を耳打ちしてレドを抱き込む事を提言する。迷っているピニオンに、今度はメルティを通じてフランジが接近し、船団の在り様に不審な点があると打ち明ける。
一方、クーゲルからガルガンティアへの啓蒙を命じられたレドだったが、どうしても決心がつかない。そうしている内に船団で儀式が催され、レドやピニオン達の眼前で、不用とされた老人や弱者が生きながら海に捨てられた。その光景が二人の決意を促すに至る。
レドはチェインバーにクーゲル及びストライカーと戦う事を伝えると、メルティにガルガンティアへの伝言を託した。苦難の末エイミーにも助けられたメルティはガルガンティアが襲われる事を伝えた。リジットを初め幹部達は逃げる事を選択したが、メルティから詳しい話を聞いたエイミーが会議の席に駆けつけ、レドがガルガンティアを守る為に一人で戦うつもりである事を告げた。衝撃を受けた幹部達に対してオルダムが口を開き、リジットがフェアロックから託された「鍵」で「天の梯子」を使う事を提唱する。
クーゲルがガルガンティアへの侵攻を命じようとした時、レドが叛逆の意を表し、チェインバーとストライカーの空中戦が始まった。ピニオンが遺物の電磁砲を使って支援攻撃を行い、さらにラケージと仲間の海賊達がクーゲル船団の戦闘部隊に殴りこんで混戦となる。
しかし、上位機種であるストライカーとの戦いは、レドとチェインバーにとって苦しいものとなった。ピニオンの支援攻撃で出来た隙をついてようやく動きを止め、機外に出たレドが緊急の解除プログラムを起動してストライカーの頭部を開いたが、そこにあったのはクーゲルの死体と、ストライカーがクーゲル生存を捏造していた様子だった…
神と名乗ったストライカーはレド達に降伏と服従を要求したが、チェインバーはストライカーの主張を論理破綻と断じ、レドは改めてストライカーを倒す事を決意した。しかし無人で自律プログラムを最適化しているストライカーとの闘いに、次第に形勢が不利になっていく。その戦いの中、今までの自分の空しさを感じたレドは機械化融合開始を命じた。それはより強力な戦闘能力を獲得すると同時にレドの命をも危険に晒す手段だったが、ここで決着をつけなければならないというレドの言葉にチェインバーも同意した。
ピニオン達の戦いも続いていたが、数で劣勢であると同時に電磁砲のエネルギー回復にも限界があった。それを察したピニオンは仲間を半ば強引に退去させたあと、接近してくるクーゲル船団の戦闘部隊を引き付けてから拠点を自爆させようとする。
ストライカーとの戦闘が再開された直後、エイミーが乗るカイトがレド達に接近してきた。レドに対する想いとガルガンティアへの回帰を求めた直後、神殿の船の至近で大きな水柱が立ち上がった。それは天の梯子=マスドライバーを応用したガルガンティアからの長距離砲攻撃であり、エイミーは着弾位置を見極める為にガルガンティアから飛んできていた。エイミーからの発光信号は後方にいる増援艦隊を中継してガルガンティアに届き、その情報で照準を補正した次弾は神殿の船に命中、神殿には大きな火柱が上がった。だが、それに気がついたストライカーは攻撃目標の優先順位を変更してガルガンティアに方向転換し、レド達はそれを阻むべく、ストライカーを追尾した。
その一方で、自爆の準備をしているピニオンを、ラケージは強引に脱出させた。その直後、ガルガンティアからの砲弾がクーゲル船団の部隊もろともピニオンの拠点を撃破。それを目の当たりにしたクーゲル船団の幹部は、失意の表情で膝から崩れ落ちた。海上での決着が付いた事を視認したエイミーは、こちらは終わったとつぶやきながら、レド達のいる方向に目を向けた。
戦闘が続く中、レドの生命維持が限界に近づいていた。継続の可否を問うチェインバーに対し、レドは死を覚悟しつつも、エイミーに対する思慕の念を口にした。だが、それを聞いたチェインバーはレドに兵士としての資格は無いと宣言し、一方的に操縦席を切り離した。唖然とするレドに対し、チェインバーは「この空と海の全てが、貴方に可能性をもたらすだろう。生存せよ、探求せよ。その命に、最大の成果を期待する」と告げ、単身ストライカーとの最期の戦いに向かった…
放送局 | 放送開始日 | 放送時間 | 特記事項 |
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TOKYO MX | 2013年4月7日 | 日曜 22:00~22:27 | - |
読売テレビ | 2013年4月8日 | 月曜 25:58~26:28 | - |
BS11 | 2013年4月9日 | 火曜 24:00~24:30 | - |
中京テレビ | 火曜 26:37~27:07 | - | |
ニコニコ生放送 | 2013年4月10日 | 水曜 23:00~23:30 | - |
日テレプラス | 2013年6月29日 | 土曜 18:30~19:30 | 3話連続放映 |
2013年7月13日 | 土曜 10:30~11:00 | - | |
2013年7月20日 | 土曜 10:00~10:30 | - |
話数 | サブタイトル | 脚本 | コンテ | 演出 | 作画監督 メカ・エフェクト作画監督 |
生放送 | 動画 (ニコニコ) |
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#1 | 漂流者 | 虚淵玄 | 村田和也 | 石川真理子 岩瀧智(メカ) |
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#2 | 始まりの惑星 | 谷村大四郎 | 村田和也 小林敦 |
小林敦 | 吉川真帆 / 石井明治 宮川智恵子 / 窪田康高 天崎まなむ 岩瀧智(メカ) ねこまたや(メカ) |
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#3 | 無頼の女帝 | 砂阿久雁 | 西村純二 | 新留俊哉 | 中村悟 岩瀧智(メカ) ねこまたや(メカ) |
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#4 | 追憶の笛 | 七篠トリコ | 鎌倉由美 | 石井久志 | 小沢郁 / 永島明子 岩瀧智(メカ) |
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#5 | 凪の日 | 谷村大四郎 | 岡村天斎 | 井端義秀 | 天崎まなむ / 永島明子 | ||
#6 | 謝肉祭 | 海法紀光 | 山内重保 | 山内重保 木村延景 |
石井明治 / 堀元宣 | ||
#7 | 兵士のさだめ | 谷村大四郎 | 新留俊哉 | 織田誠 / 大浪太(メカ) | |||
#8 | 離別 | 七篠トリコ | 石川真理子 | 村田和也 石川真理子 |
永島明子 / 西村郁 岩瀬賢(メカ) |
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#9 | 深海の秘密 | 海法紀光 | 平田智浩 | 加々美高浩 / 植田実 才木康寛 |
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#10 | 野望の島 | 谷村大四郎 | 小村方宏治 | 石塚健 / 森田史 | |||
#11 | 恐怖の覇王 | 海法紀光 | 新留俊哉 | 中村深雪 / 李富煕 | |||
#12 | 決断のとき | 谷村大四郎 | 村田和也 | 井端義秀 | 中村悟 / 堀元宣 | ||
#13 | 翠の星の伝説 | 虚淵玄 | 村田和也 鎌倉由実 |
植田実 / 小澤郁 中村深雪 / 片桐貴悠 堀元宣 / 村山章子 |
|||
#14 | 廃墟船団 | 七篠トリコ | 石川真理子 村田和也 |
石川真理子 米林拓 |
折井ー雅 / 石橋翔祐 永島明子 / 岡真里子 渋谷秀 / 頂真司 石川真理子 |
(OVA) | |
#15 | まれびとの祭壇 | 佐野隆史 村田和也 |
新留俊哉 | 栗田聡美 / 清水勝祐 永島明子 / 李富煕 |
(OVA) | ||
- | 翠星のガルガンティア ~めぐる航路、遥か~ 前編 |
谷村大四郎 | 村田和也 | 伊藤秀樹 / 永島明子 李富煕 / 小澤郁 海島千本 / 石川真理子 桝田浩史(メカ) |
(OVA) | ||
- | 翠星のガルガンティア ~めぐる航路、遥か~ 後編 |
村田和也 | 村田和也 傳沙織 |
永島明子 / 小澤郁 今橋明日菜 ねこまたや(エフェクト) 中原久文(メカ) |
(OVA) |
掲示板
2577 ななしのよっしん
2023/09/20(水) 07:12:30 ID: W3MGtnSvCh
階級間違えた。中佐な
流石に虚淵さんの一存だけでどうにかなるような話じゃないから二期中止はもっと上の話だろうけど
それなりにあの人が関わる話を見て思うのは自分が中心に立ち企画を立てた作品ならともかくスタッフの一人として組み込まれた立場の場合弁えてあまり好き勝手に独自色を作品に反映させないタイプなんじゃないかと思った。望まれれば出すこともあるだろうけど
ガルガンティアは船団都市のアイデアは村田監督だからむやみやたらに船団キャラを死なせなかったのかも
近年も鎧武のミッチやサンファンのケンちゃん見てもいたずらに人を死なせる作風にしてないみたいだし
2578 ななしのよっしん
2023/12/09(土) 17:39:59 ID: aCIEQVbqQ+
2579 ななしのよっしん
2024/11/29(金) 14:08:21 ID: DW3FDuTZpK
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最終更新:2024/12/21(土) 05:00
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