KO世紀ビースト三獣士とは、ムービック、ソニー・ミュージックエンタテインメント製作の、1992年から1993年にかけて発売されたOVA作品である。ジャンルはロボットアニメ。
概要
元々は『NG騎士ラムネ&40』の後番組として企画されていたのだが、ラムネの玩具の売り上げが今ひとつだったためにTVで放映する目処が立たなくなり、OVA作品に転換した。第一期「KO世紀ビースト三獣士」(全3話)と第二期「KO世紀ビースト三獣士Ⅱ」(全4話)の二期に分かれているが、実質全7話の作品。小説、コミック、ドラマCDなども存在するが、媒体により展開が異なる。
この作品と「NG騎士ラムネ&40」、「SMガールズ セイバーマリオネット」、「VS騎士ラムネ&40炎」からなる「2文字アルファベットシリーズ」の第2作目。また、「VS騎士ラムネ&40炎」にはこの作品のキャラをモデルとしたキャラが登場する。
あらすじ
一万年前の最終決戦で南半球が消滅した地球。文明は滅び、地球は大自然に覆われた野生の大地へと変わっていた。そこではヒトと獣、二つの姿を合わせ持つ「ビースト」と呼ばれる獣人が平和に暮らしていたが、突如として「ヒューマン」と名乗る種族が侵攻してきた。
自分たちの一族が祀っていた「神霊機」と共にヒューマンに捕らえられたワン達4人のビーストは、三体の神霊機、そしてヒューマンの少女・ユーニと共に「ガイア」を求めて旅をすることになり・・・
用語
- ビースト
- 「ヒト」と「獣」の二つの姿を合わせ持つ種族。普段は人間と変わらない姿をしているが、あるきっかけにより動物の特徴を持った姿へと変身する。 変身の条件は一人一人異なり、同じ動物のビーストでも人により違う。
- ヒューマン
- いわゆる人類だが、科学力などは現在よりも発達している。自分たちが絶対的な優性種であると考えている。地球の南半球を本拠地とし、「ガイア」を求めて北半球に侵攻してくる。
- 神霊機(ジン)
- 劇中に登場するロボットの総称。詳しくは下記の項目で。
- ガイア
- 北半球のどこかに眠る存在。ヒューマンがこれを探しており、物語のキーでもある。
登場人物
- ワン・ダバダ (声:山口勝平)
- 虎のビースト。14歳。熱血直情型で食欲旺盛な少年。ケモノ族族長の一人息子。脳天気で単細胞だが、強い正義感を持つ。メイ・マーに対する好意はあるのだが、基本的に鈍感。
クシャミをすると変身し、全身に虎のような毛が生え、手足や顔も虎のようになる。
神霊機「地霊王」と心を通わせる。 - メイ・マー (声:かないみか)
- 人魚のビースト。14歳。ワンの幼馴染みで、マーメイド族の王国「サキランティス」の王女。明るい性格だが気は強く、怒ると恐い。ワンに好意を持っているが、鈍感な彼にいらつくこともしばしば。
涙を流すと変身し、下半身が魚の人魚の姿になる。方法はどうであれ泣けば変身するので、わざと泣かされることも。こぼれ落ちた涙は真珠になる。また、小説版では変身時に完全にエラ呼吸に切り替わるため、陸上で変身したために窒息しかけることもあった。(本人曰く「空気におぼれる」とのこと)
神霊機「海霊王」と心を通わせる。 - バド・ミント (声:子安武人)
- 鳥のビースト。15歳。トリ一族族長の孫。英語を交えた
ルー大柴みたいな口調で話す。キザで格好付け屋の二枚目半で、女を見るたびにナンパする。(その際の決まり文句は「きみのためなら死ねる」)
鳥肌が立つと変身し、全身に羽毛が生えて両腕は翼に変わり、顔も鳥のようになる。
神霊機「空霊王」と心を通わせる。 - メッカ・マンネン (声:塩屋浩三)
- 亀のビースト。14歳。メイ・マーのお供役だが、劇中では主にユーニの保護役。サブキャラ的立ち位置だが、企画段階では上記の三人と同列の主役級キャラだった。
びっくりすると変身し、二足歩行の亀のような姿になる。 - ユーニ・チャーム・パスワード (声:宍戸留美)
- ヒューマン。6歳。無邪気で天真爛漫な少女。祖父であるDr.パスワードとヒューマンの空中要塞で暮らしていたが、紆余曲折を経てワン達と行動を共にすることになる。
ワン達が危機に陥った時などに不思議な力を発揮するが、力を使う際はトランス状態になり、その時の記憶は本人にない。
なお本作は宍戸留美の声優デビュー作である。 - Dr.パスワード (声:石森達幸)
- ヒューマンの老科学者でユーニの祖父。ツァー・マスターの指揮下で「ガイア」の研究を行っていたが、ヒューマンの地上侵攻については否定的。捕まったワン達を助けて共に空中要塞から脱出しようとするが、ユーニをかばって死亡してしまう。死ぬ間際、ワン達にユーニを「ガイア」の元へ連れて行くことを頼んだ。
- V・ダァーン(ヴィ -) (声:松本保典)
- ヒューマンの戦士。外見は金髪長身の美形だが、性格は傲慢で自信過剰な馬鹿。
早い話が残念なイケメンである。劇中でしつこくワン達を追いかけ回す。肩と手の装置により擬似魔法が使え、これにより電撃を放ったり神霊機を強制的に使役したりできる。名前の由来は「美男」。ちなみに彼を主役としたドラマCDがある。 - V・ジョーン(ヴィ -) (声:水谷優子)
- ヒューマンの女戦士。V・ダァーンとコンビを組んでいる。普段は寡黙で冷静沈着だが、意外とキレやすい。スレンダーな体型
で、劇中でネタにされるほどの貧乳。V・ダァーンと違い、戦闘スタイルは武器と格闘を交えた接近型。名前の由来は「美女」。 - アクマコ (声:松井菜桜子)
- V・ダァーンのお付きの小悪魔。身長は20センチくらいだがスタイルはかなり良く、その事でV・ジョーンをからかったりする。
元々は一万年前に使用された次元兵器の影響で異次元空間からやってきた次元生物。小説ではその次元生物が二つに分離した片割れであり、もう片方の外見・性格などが正反対の「テンシコ」なるキャラが登場する。 - ツァー・マスター (声:加藤精三)
- ヒューマンの支配者だが、その正体は謎に包まれている。「ガイア」を求め、北半球への侵攻を開始した。
- C・シーガル(シー -) (声:折笠愛)
- 「Ⅱ」でツァー・マスターが呼び寄せた仮面の戦士。ユーニと深い関わりを持っている。
神霊機(ジン)
劇中に登場するロボットの総称。遺跡などから発掘される巨大機械で、その正体は一万年前の最終決戦で使用された兵器。 形状は様々で、人型や動物型、架空の生物を模したものもある。ビーストが御神体として祀っているものもある。 ワン達は「ジンの心」と呼ばれる宝玉で神霊機と心を通わせるが、ヒューマンが自らの戦力として利用することもある。
主な神霊機
- 地霊王
- 四足歩行の肉食獣のような姿をした神霊機。ワンの一族が祀っていた。劇中に登場する神霊機の中では最も小型。 小柄ゆえに攻撃力は低いが、俊敏な動きで敵に立ち向かう。ワンの命令に従う。
- 海霊王
- ポセイドンを連想させる巨人の姿をした神霊機。メイ・マーの一族が祀っていた。 その巨体から繰り出す怪力とトライデントで敵と戦う。動きは遅いが、パワーと装甲はかなりのもの。メイ・マーの命令に従う。
- 空霊王
- 首の長い巨大な鳥の姿をした神霊機。バドの一族が祀っていた。 高速で飛行することができ、その際の衝撃波や翼で巻き起こす暴風で相手を攻撃する。 巨体の海霊王を掴んで飛行するなど、以外とパワーもある。バドの命令に従う。
※上記三体の神霊機は、それぞれ『バビル2世』に登場する3つのしもべ、ロデム・ポセイドン・ロプロスのオマージュである。
- 神霊王
- 地霊王、海霊王、空霊王が合体して完成する神霊機。多彩な武器と技を持つ、最強の神霊機である。 頭部を地霊王、胴体を含む四肢を海霊王、腰部と翼を空霊王がそれぞれ構成する。合体するにはユーニの持つ不思議な力が必要不可欠。
合体後はコクピットにワン達を収容する。コクピットはなぜか蛸壺状であり、内部が描写されるときは壺からワン達の首だけが出た非常に滑稽な様子である。 (小説版だとコクピットは透明な球の形をしており、全員その中に入る) - 牙霊王
- イヌ族の村に封印されていた巨大な獣型の神霊機。V・ダァーンの魔法により復活し、操られるままワン達を襲った。
- 魔霊王
- ツァー・マスターがV・ダァーン達に与えた神霊機。ワン達の神霊機三体を圧倒する力を持つ。
- 妖霊王
- 遺跡に眠っていたものをV・ジョーンが復活させた。コブラとヒトを合わせたような半人半獣の姿をしている。
- 魔・神(マ・ジン)
- ヒューマンの最新技術により造られた神霊機。C・シーガルの乗機。飛行形態と戦闘形態の二つの形態を持ち、戦闘形態は海霊王以上の巨体である。
主題歌
- 第一期
- 第二期
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- 3
- 0pt