三國志VIIとは、光栄から発売された三國志シリーズの第7作目である。
Windows版の他、PS、PS2、PSPなどのコンシューマー版が存在する。2017年7月に、Windows版がパワーアップキット付属でSteamで発売開始。
シリーズ初の武将プレイが導入され、君主だけでなく軍師や一般武将としての乱世を楽しむ事ができるようになった。
武将プレイのシリーズは続編「三國志VIII」「三國志X」「三國志13」がある。
概要
- 地図は戦略画面の全体マップと、戦術画面の戦争マップの切り替え式。
- 戦略画面では1ヶ月、戦術画面では1日を1ターンとするターン制。
- 内政は開墾、商業、治安などの数値を上昇させる方式。
- シナリオはパソコン版とコンシューマー版で一部が異なり、全てのシナリオが遊べる機種は存在しない。
後に登場する「ifシナリオ」「英雄集結」にあたるシナリオは無い。(それらのシナリオは三國志VIIIや三國志IXから登場する) - 武将は経験を積むことによって成長する。この成長速度がなかなか早めで、ゲーム終盤になるとベテランの猛将たちは軒並み武力100近辺になっていることも。
それを踏まえて初期能力は普段よりも低めに見積もられており、シリーズ歴代の能力値を並べてみると「三國志VIIだけ不自然に低い」という状態になっている。
特に顕著なのが知力92の諸葛亮。別に正史仕様というわけではなく、初期装備アイテムを加算すれば92+8で100になっている……が、戦争で捕まってアイテムを奪われて知力92に転落し、ついでに政治は初期状態で98なので軍師ではなく太守に収まる姿をよく見かける。いつもの「天才軍師・孔明」ではないが、強力な連弩を配備できる「前線太守・孔明」も頼りになる存在である。
あと諸葛亮は初期状態で落雷を使えるので、どっちかと言うと「魔法使い・孔明」として活躍する事の方が……。
なお「諸葛亮の初期知力が92」のためか、司馬懿の初期知力は91。諸葛亮が知力100を維持したままゲームを終えることはあまり無いので、最終的に統一勢力の軍師は荀彧か周瑜がやっていることが多い。 - 戦争では、戦場に複数存在する係争地点を奪い合う。守備側はいったん敵に奪われた拠点を奪い返すことでターンごとに敵の士気を低下させることができ、劣勢を挽回することができる。
- 軍師の権限が非常に大きく、縦横無尽の活躍で自軍を天下統一に導くことも、最大勢力に仕官して軍師に就任して自爆命令を出しまくり内部崩壊を起こす事も可能。簡単に能力を上げられるシステムとも合わせて、プレイヤーにできる遊び方は非常に幅広い。
- 逆に、権限を持たない一般武将では手軽に気楽にプレイできる。太守や軍師のように領地の管理など面倒なことは他人に任せて戦場で暴れることだけを楽しんだり、後方生産国でのんびり内政してたら味方が天下統一してたという遊び方まで。
こういう遊び方を始めると、「能力値は高い方がいいというわけではない」ということになる。知力が高すぎれば軍師になれと言われ、政治が高すぎれば太守になれと言われるため。 - 自分が太守になっている時、関羽や趙雲や張遼など最も能力が高い武将は別の都市の太守になってしまうため手元に留めおくことはまず不可能。実際に運用できる部下の中で頼りになるのはたいてい能力70や60近辺の武将たち、他のシリーズならB級あるいは雑魚扱いの面々である。こういう連中が意外な活躍を見せてくれると愛着が沸く。
特に、特技「水軍」を持つ武将たちが非常に強く、蔡和や蔡中が一流以上の活躍(一流は手元から居なくなるので)を見せてくれる。 - エンディングでは基本的に中国は滅亡する。大きく分けてグッドエンド、ノーマルエンド、バッドエンドの3種類あるが、ノーマルエンドでも(正史のとおり)中国は異民族に滅ぼされてしまう。グッドエンドでは300年の繁栄をもたらす平和な国を作る事ができるが、その条件を達成するのは君主でなければ非常に難しい。
なお、エンディングの中にはプレイヤー担当武将だけ日本に脱出するというものがあるので武将プレイでも大丈夫(?)
武力関係のデータについて
ニコニコ大百科の他のページで、三國志VIIの武力について誤解された解説が為されている事があるので詳しく解説する。
「武力」と「戦闘」
パソコン版では「武力」、コンシューマー版では「戦闘」という表記になっている。この二つは同じパラメータである。
「武力と統率をまとめたパラメータが戦闘であり、三國志VIIには武力というデータは無い」というのは誤り。コンシューマ版を遊ぶ時にはその考え方でいいのだが、パソコン版では「武力」と書くので、「武力」でも間違いでは無い。
「統率」データの消滅
近年の三國志ゲームとは違い、三國志VIIでは戦闘関係のパラメータがひとつにまとめられている。
これは不自然な設定のように言われる事が多いが、歴代三國志のパラメータを見て欲しい。
- 三國志 「武力」
- 三國志II 「武力」
- 三國志III 「武力」「陸指」「水指」の3つ。初めて統率力にあたるデータが登場した。
- 三國志IV 「武力」「統率」のふたつ。水軍指揮能力は特技に変更された。
- 三國志V 「武力」
- 三國志VI 「武力」「統率」
- 三國志VII 「武力」
- 三國志VIII 「武力」
このように、三國志VIIが発売された当時は統率のデータが無くてもそう不自然ではなかった。
ニコニコ動画で人気の三國志IX以降は全て統率のデータが存在するため、未来の作品と比べられて不自然と言われているだけなのだ。
軍師たちの武力
他のページでよく言われているのがこれ。「徐庶の武力84」「曹操の武力92」などで言及されている。
いかにも軍師たちが一騎討ちでも強そうに見えてしまうのだが、実は特技「一騎」がなければ一騎討ちでの戦闘能力は-20されており、他のシリーズで言えば「徐庶は統率84・武力64」「曹操は統率92・武力72」なのである。特に問題はない。
むしろこのシステムで武力78にされたため「統率78・武力58」にされてしまった諸葛亮の方を嘆くべきである。
武将たちの武力
軍師たちとは逆に、猛将たちの部隊戦闘力が「武力」を参照されることになったため、いつもは「統率80・武力95」なんて能力だった脳筋たちが「統率95・武力95」という性能に変身。「猛将が率いる軍は強い」という単純明快なルールになった。
また、武力20なんて文官たちは「統率20・武力20」ということになっており、猛将に突撃されると瞬時に蒸発する。「統率60・武力20」みたいな救済措置は無いのだ。特に武力29の荀彧、武力12の郭嘉などは戦場での取り扱いに注意。
まとめると
「武力」「統率」のデータが統合されている三國志VIIでは、軍師たちの武力が高いのではなく猛将たちの統率が高いのである。
張飛=統率96・武力96 諸葛亮=統率78・武力58 というゲームなのだ。
やっぱり武力と統率のデータは別々にある方がいいよね
関連動画
関連項目
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