ホンダ・アコードとは、ホンダで1976年から生産をしている乗用車である。1985年にレジェンドが登場するまでは、ホンダのフラッグシックカーでもあったが2012年以後は再びホンダのフラッグシップセダンでもある。
概要
車名の由来は英語の調和、一致の意味から。アコードにはかつては、販売店違いの姉妹車が存在をしていた。二代目と三代目にはビガー、四代目にはアスコット、六代目にはトルネオがある。また一時はいすゞ自動車にも乗用車を供給をしていた時期もあるので、五代目と六代目にはアスカの名称で販売されていた。
競合車種は長らくトヨタ・コロナや日産・ブルーバードなどのクラスであったが、八代目からクラスアップしており、現行モデルはトヨタ・マークXや日産・スカイラインなどのアッパーミドルクラスが競合車種となっている。
駆動方式は基本的にはFFだが、六代目と七代目には4WD仕様も存在する。
初代・SJ/SM型(1976年~1981年)
シビックの上位に位置するミドルクラスの車種として、1976年に登場。当初は3ドアハッチバックのみが生産される。排気量は1600ccのみとなる。1977年には4ドアセダンが登場。
1978年に排ガス規制をクリアをした1800ccエンジン車が登場。最上級グレードには当時このクラスでは珍しかったパワーステアリングを標準装備化がされた。すぐに追加されたグレードにはパワーウインドーやオートエアコンをクラス初の装備を加えたモデルも登場する。
1980年にマイナーチェンジ。ヘッドライトを丸目四灯から角目四灯へと変更され、エンジンもパワーアップ化される。
二代目・SY/SZ/AC/AD型(1981年~1985年)
1981年に初のモデルチェンジ。ボディは先代モデル同様に4ドアセダンと3ドアハッチバックの二種類となり、エンジンも1600ccと1800ccの二種類となるが、同時に販売店違いの姉妹車・ビガーも登場する。ラインアップはアコードと同一である。この型では世界初の民生用カーナビゲーションをオプション設定。また全グレードにクルーズコントロールを標準装備をするなど、ホンダの最高級カーとしての面目と保った。1982年には3速だったATが4速化された。
なお、1982年からはアメリカ国内で日本車では初の現地生産を開始。同時に人気モデルの仲間入りを果たす。アメリカ仕様は、日本での姉妹車・ビガーのフロントデザインを採用している。
1983年にマイナーチェンジ。一部グレードではOP設定ながらもABS(ホンダの当時の表記ではA.L.B)も設定される。
三代目・CA型(1985年~1989年)
1985年6月にセダンのみをモデルチェンジ。日本、アメリカ、オーストラリア仕様は、ヘッドライトを格納式のリトラクダブルヘッドランプを起用した。通称・リトラアコードとも呼ばれる。なお、ヨーロッパ仕様は固定式となり日本でも後にバリエーションの1つ(名称はCA)して販売される。エンジンは1800ccと2000ccとなる。なおヨーロッパ仕様のみに1600ccが存在をする。またFFで初めての4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションを採用。その低いスタイリングは好評となり大ヒットしたモデルとなった。同年の7月には3ドアモデルは「エアロデッキ」の名称でモデルチェンジを果たす。3ドアのステーションワゴンのような感じであった。オーストラリア仕様のみは別ボディとなった。ヨーロッパ仕様の3ドアのみリトラクダブルヘッドランプを起用した。
1987年にマイナーチェンジ。電動格納式ドアミラーを起用する等の装備充実がメインとなり、すぐにヨーロッパ仕様と同じ固定式ヘッドランプを起用したCAシリーズも登場する。
1988年にはアメリカ仕様にのみ存在をしている2ドアクーペモデルが輸入販売された。アメリカ仕様同様に左ハンドルのみとなる。すぐに、エアコンを標準装備化がされたお買い得仕様車も登場する。
前期型のみCMソングを歌ったのが歌手・森進一で、洋楽のカヴァーを歌った。
四代目・CB型(1989年~1993年)
1989年に登場。この型より3ドアハッチバックは廃止となり、当初は4ドアセダンのみであったが、後にアメリカの工場で生産された輸入モデルのクーペとワゴンが加わるようになる。同時に販売店違いの姉妹車・アスコットも登場するようになる。ボディサイズも5ナンバーサイズ目一杯のサイズとなる。そのおかげで居住性はクラスNO1の広さを誇った。エンジンは1800ccと2000cc、輸入モデルのクーペとワゴンには2200ccが搭載された。ミッションも4速ATと5速MTが全グレードに用意をされた。クーペとワゴンは4速ATのみとなった。
1990年には2ドアクーペが登場、1991年にはワゴンモデルも登場している。
1991年にマイナーチェンジをし、エアバックなどのOP設定等の安全装備充実を中心にしたものとなる。
日本での販売は低迷をしてしまったが、その代わりアメリカでは大ヒットモデルとなる。アメリカ仕様のワゴンモデルは価格が高価ながらも、スタイリッシュなデザインでそこそこのヒットをした。
五代目・CB型(1993年~1997年)
1993年に登場。この型はアメリカ仕様を念頭に置いたモデルとなったので、幅を1760mmとなり3ナンバーボディとなる。当初は4ドアセダンのみだが、後にクーペとワゴンがバリエーションとして加わる。エンジンは2200cc、2000cc、1800ccの3種類となる。なおヨーロッパ仕様のみは先代モデルを改良して販売されていた。
1994年にクーペとワゴンが加わる。このワゴンは先代モデルよりもスタイリッシュなデザインで、日本ではセダンよりも売りが伸びてシリーズ全体の売り上げにかなり貢献するようになる。
1996年にマイナーチェンジ。セダンが先であったが、すぐにクーペとワゴンがマイナーチェンジをし、スポーティーグレードの「SiR」が追加される。
この代と六代目にはいすゞ自動車向けの姉妹車「アスカ」が供給されるようになる。
六代目・CF型・CL型(1997年~2002年)
1997年に登場。この代より、この代から世界共通フレキシブルプラットフォームを採用し、各地域のニーズに適した車両寸法/形式で生産する方針が採られた。日本以外はすべて3ナンバーサイズとなるが、日本では後述のユーロRを除くセダンが5ナンバー幅の1695mmとなる。ワゴンとユーロRは3ナンバー幅となる。エンジンは1800cc、2000cc、2200ccとなり、ワゴンは2300ccのみとなる。スポーティーグレードのAT車にはマニュアルモードが付く。普通の4速ATと5速MTも用意される。
この代のみ教習車仕様(排気量は1800cc)も用意された。同時に姉妹車としてトルネオ(4ドアセダンのみ)も用意された。またこの代ではシビック・インテグラと同様のタイプRグレードが設定され、日本仕様はスポーツ性とセダンとしての扱いやすさの両立をコンセプトに「ユーロR」と命名された。
七代目・CL型(2002年~2008年)
2002年モデルチェンジ。日本仕様はヨーロッパ仕様と統合をされ、五代目以来の3ナンバーサイズとなった。アメリカ仕様は後にインスパイアとして日本市場でも販売がされている。エンジンは2400ccと2000ccとなる。ボディもセダンとワゴンになる。ヨーロッパ仕様には2200ccのディーゼルターボエンジンも存在をしている。ユーロRは6速MTのみ、その他のグレードでは5速ATを用意。
2005年にマイナーチェンジをし、セダンとワゴンにスポーティーグレードも追加される。
八代目・CU型(2008年~2013年)
2008年にモデルチェンジ。ミドルクラスからアッパーミドルクラスへの移行に伴い、車体が大きくなり、特に全幅が1840~1850mmとメタボ大幅に巨大化した。ボディはセダンとワゴンの2ボディとなるが、エンジンも2400ccのみとなる。
2012年にホンダ・レジェンドが廃止となり再びフラッグシップセダンとなる。
九代目・CR6型(2013年~)
2013年にモデルチェンジ。日本仕様のラインアップは直4気筒の2000ccのハイブリッド仕様のみとなる。ミッションはCVTのみとなる。
ボディサイズについては、インスパイアとの統合後継車種となった関係でEセグメント級にまで膨らみ、遂にクラウンよりも大きい車となってしまった。
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関連項目
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