この記事の初版はひろゆきが作成しました だからどうしたというレベルのお知らせでした。 |
ハロウィン(ハロウィーン、南瓜祭)とは、
- 10月31日に行われる西洋のお祭り。Halloween。
- ジョン・カーペンター監督によるホラー映画。代表的なスプラッタ映画の一つ。綴りは同上。
- ドイツのヘヴィメタルバンド。メロディックスピードメタルの始祖。綴りはHelloween。
- ゲーム「ダーククロニクル」に登場するボスキャラ。二つ名は「からくりエンターテイナー」。
本稿では(1)のお祭りについて記述する。
概要
いたづらはいやづら
アイルランドやイギリスのケルト系住民にルーツを持ち、そこから移民・植民を受けた諸国にも伝わった伝統行事。
ハロウィンの文化としては「仮装」と「トリック・オア・トリート」、カボチャ(元はカブ)で出来た「ジャック・オ・ランタン」が有名。それ以外にも、大きなかがり火を焚いたり、リンゴ掬い競争をしたり、リンゴ飴を食べたりと言った様々な催しをして楽しむ。
ただしこういった現在広く知られる形のハロウィン文化は、概ねアメリカ合衆国で19世紀以後に通俗的行事として培われたものである。その頃のアメリカ合衆国に、ケルト系の伝統文化を受け継いでいたアイルランド系、スコットランド系移民が多数流入し、新天地で故郷の文化を改変・発展させたようだ。
本家イギリスのうち南イングランドでは、ハロウィン(10月31日)とほぼ同時期(11月5日)に行われる「ガイ・フォークス・デイ」が広まったことも影響してハロウィンは廃れていたのだが、アメリカ式のハロウィンが逆輸入されるという現象もおきている。他にもハロウィンの習慣が無かったヨーロッパの国、例えばドイツ等にもアメリカのハロウィン文化が侵食しつつある。
日本においても近年急速にイベントの一つとして定着してきている。日本における10月の行事といえば島根の石見神楽における神有月等などご当地の行事は色々あるが、全国的に有名な祭事に恵まれなかった(強いて言えば運動会か稲刈りぐらいであった)。しかし、2016年現在では外来の祭りであるハロウィンの方が知名度の点で遥かに勝っており、10月の代表的イベントといえばハロウィンというほどになり、少し前までは全国に先駆けてハロウィンをイベント化していた川崎市か、東京ディズニーランドなどTDL系列をはじめとしたテーマパークでの催しがにわかに注目されていたが、現在は渋谷を歩行者天国にして行われる大規模イベントなどにスポットが当たる事が多い。そこまでお祭り騒ぎをしなくても、商店街や建物、医療施設内でも季節感を出す装飾として定番化してきている。
とりわけ、菓子業界ではクリスマス、バレンタインデーに次ぐかそれ以上の売上を稼ぐ重要な商戦時期となっており、パーティグッズやカボチャの売り上げ増にも貢献している。また、歴史的背景から考えて敢えてカボチャ味でなくても良いわけで、柿や栗といった日本の旬の味を使ったお菓子も売られている。中でも柿を使ったジャック・オ・ランタンはなかなかのアイデアものだろう。音楽でも目立った行事の少なさを反映して邦楽では10月モチーフの楽曲が少なかったが、2010年代には氷川きよしやAKB48やきゃりーぱみゅぱみゅがハロウィンをテーマとした楽曲を発表している。
この他、幼稚園や保育園では、仮装の衣装を作る工作の授業が行われるところもあったり、デパートで子供達が仮装して来店するとお菓子が貰えるサービスを行うという店舗もあった。余談ながら指定暴力団の山口組も近所の子供達にお菓子を配るイベントを行っていたことがある。
仮装
恐ろしげな仮装をする事が多い。「魔女」「幽霊」「ガイコツ」等の割と伝統的なものも多いが、「ボルトの刺さったフランケンシュタインの怪物」「マントを羽織った吸血鬼ドラキュラ」「包帯ぐるぐるのミイラ男」「狼男」等、20世紀前半のユニバーサル・ピクチャーズのホラー映画の影響を受けたものもメジャーである。
しかし「恐ろしげでなくてはならない」というわけではないようで、アメコミヒーロー変身セットやディズニープリンセス変身セット等の「仮装」というか「コスチューム」を着る子供も居るようだ。
下記のトリック・オア・トリートの際に「怪物を装う」のが趣旨であるので、基本的には子供が仮装するものである。だが大人も仮装パーティーや仮装パレード等で仮装を楽しむことがある。
日本においても、「ハロウィンパレード」等と銘打って、仮装した大人や子供が集まるパレードが各地で開催されている。
トリック・オア・トリート
仮装した子どもたちが近所の家を回って、「trick or treat(トリック・オア・トリート)!」と叫ぶ。trickは「いたずら」、treatは「もてなし」「ごちそう」なので、「いたずらされたくなかったらお菓子を出せ!」と言ったかんじ。
まるで強盗みたいだが、トリック・オア・トリートを歓迎する人は玄関をハロウィンぽく飾り付けて電気をつけておく。子供もそれを目印に訪問することになっている。子供が訪問して「トリック・オア・トリート!」と叫んだら、その家の住人は「ハッピーハロウィン!」と返してお菓子を渡す。
この習慣は、ルーツとしては後述のように原型はあったものの、「トリック・オア・トリート」と言う掛け声(?)等の細かい点は20世紀に入ってから生まれた、割と新しいものであるようだ。
日本においても近年のハロウィン自体の定着とともに「トリック・オア・トリート」も広まってきており、創作作品の中ではよく登場する。また「概要」にも書いたように、ハロウィンモチーフのお菓子が販売されたり、仮装して来店した子供にお菓子を与えるサービスを行う店舗等が見られるようにもなってきている。ただし、「子供達が近所の家々を回る」という米国での形どおりのイベントとしては、米国系住民が多いごく一部の地域を除いてさほど定着していない。
ジャック・オ・ランタン
→ 単語記事「ジャック・オ・ランタン」を参照。
ルーツ
ルーツはブリテン諸島(アイルランド島、グレートブリテン島、マン島等。現在の「国」名で言えばアイルランド、スコットランド、ウェールズ、イングランド等)のケルト系住民の間に伝わる、秋の収穫と冬の始まりを祝うお祭り「サワン(アイルランドでの発音。スコットランドではサウィン)」にあったとされる。
この「サワン」の祭りの晩は妖精・精霊や怪物、死者の霊等、かくりよの住人が活動する日でもあるとされていた。冬の始まり、つまり年の後半の始まりであり、移り変わる際に世界の境界がぼやけると考えられていたようだ。その為、悪霊や怪物に対抗する意味でかがり火を焚き、恐ろしげな仮装をした。日本のお盆のように、家を訪れる近親者の霊を迎えるもてなしの儀式をする場合もあったと言われている。
「仮装をした人々(子供や若者)が家々を回り、幸運をもたらす代わりに食べ物やコインを貰う」という事が行われた。日本で言うなまはげや獅子舞、ちょろけん等の「門付」に近いのかもしれない。これが現在のアメリカ式ハロウィンの「トリック・オア・トリート」や仮装の元になったものと考えられている。
これらサワンは、元々はキリスト教以前の伝統宗教・自然崇拝(所謂「ドルイド」が司っていた類)に由来するものだったようだ。しかし、ローマ帝国のブリタニア支配期にキリスト教が流入したことや、6世紀末からの教皇グレゴリウス1世の命によるキリスト教布教により、ケルト系住民は徐々にキリスト教化していく。そのキリスト教化の中で、サワンも11月1日のキリスト教カトリック派の行事「All Hallows' Day(諸聖人の日)」の前夜祭である、と意味付けを改められたようだ。ハロウィンという名前についても、「All Hallows' Day」の前夜(Eve)という事で「Hallows' eve」と呼んでいたものが、訛って「Halloween」になったと言われている。
また、キリスト教の別の伝統行事で「諸聖人の日」の翌日11月2日に行われる「All Souls' Day(死者の日)」というものがあり、その日には「souling(ソウリング)」という風習がある。これは「死者の日」(あるいは「諸聖人の日」)に家々を回ってその家の住人の近親者の霊への祈りの言葉や歌を挙げ、その報酬として「soul cake(ソウルケーキ)」という小さなケーキやお小遣いを貰うというもの。こちらも「トリック・オア・トリート」の起源の一つと見なされることがある。
なお、日本においてハロウィンが広く知られるようになった一因として1982年の映画『E.T.』の話の舞台となった季節が丁度ハロウィンで、作中で仮装することが重要なキーワードだった事もあって、子供達の仮装イベントとして知られるようになった、という説もある(作中でE.T.は正体がバレないように幽霊に仮装する他、スターウォーズのヨーダのコスプレを見かけて仲間と勘違いする、等といったシーンがあった)。
問題視
子供が仮装するにぎやかなイベントという認識が広まっているが、火を伴うことによると思われる放火事件が頻発したり、悪魔の象徴とされる黒猫に対する虐待が行われたり(参照) 、食べ物でないものを態と渡すいたずらが起きたりと、習慣に因る特徴的な事件も多発している。
また、上記のルーツから考えると厳密にはキリスト教のお祭りとは言い切れず、異教のお祭りにキリスト教的な意味を与えて存続させたものである。その為厳格なキリスト教徒の中には批判的に見る者も居る。
2018年、2019年ごろには渋谷でハロウィンの時期にトラックを横転させる、痴漢や窃盗が行われるなど事件として報道される機会も増えた。
2022年では韓国ソウルの梨泰院(イテウォン)で100人以上がドミノ倒しになり、死亡するという事件が発生した。 →「ソウル雑踏事故」の記事を参照
お絵描き祭り?
かつて日本で大々的にハロウィンハロウィン言っているのは某鼠の国くらいなものであったが、一般での盛り上がらないぶりとは裏腹に、Pixiv等のイラスト界隈では以前よりハロウィンがしばしばモチーフにされる。主に人気キャラクターにカボチャのコスチュームを着せたものが多い。
ニコニコ大百科でも、2008年の初ハロウィンを迎えるにあたり、カボチャ色のお絵カキコがいくつも投下されている。そして、現在は10月が近付くとPixivのみならずTwitterで有名漫画家がハロウィンモチーフの落書きイラストを投稿することもあり、クリスマスやお正月と同じように一種の風物詩として定着しつつある。
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関連動画
関連立体
ニコニコQ
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関連項目
- 10月31日
- かぼちゃ / ジャック・オ・ランタン / カブ
- 🎃
- コスプレ(仮装)
- 萌え仕草・シチュエーションの一覧
- お祭り
- 冬至
- VOCALOIDハロウィン曲
- MMDハロウィン
- 変態仮装行列
- ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
- 連邦に反省を促すダンス
- ソウル雑踏事故
リンク
- ハロウィンだけではない! 広告業者が語った“意図的なブーム”の裏側(TOCANA)
- なぜハロウィンは日本でこれほど大ブームになったのか(現代ビジネス)
- 渋谷ハロウィーンで軽トラ横転、4人逮捕 器物損壊容疑(朝日新聞) 2018年
- 韓国転倒事故 日本人2人含む154人死亡 安全対策不十分の指摘も(NHK) 2022年
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